味噌田☆葱恵 | #1★2007.06/17(日)11:32 |
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>目次 01 ☆たまごこんてすと☆ 02 V昔話V 03 ●『子』型爆弾● 04 □AとBのお話□ 05 ◆ジグザグな道◆ 06 ★チキン爆走中★ 07 ■続☆子型爆弾■ 08 @アリアの災難日記@ 09 =●バトルジャンキーとギャンブラー●= 10 $金持ち大作戦$ >☆たまごこんてすと☆ 《これより、かしこさコンテスト〜マスターランク〜を開始いたします!!》 「よし、いよいよだね、ティファナ!!」 『絶対優勝しましょう!サラ!』 《エントリーbR!サラのエーフィー・ティファナです!》 サラは前は進み出て、自慢のエーフィーを台の上に差し出した。観客の中から黄色い声が沸きあがる。 《エントリーbS!葱恵のタマゴ・ゆでォでっす!》 そしてその黄色い声がさらに高まった。 「はぁ?」 しかしサラの目は点に…。明らかにさっきのアナウンスはおかしいだろう…。 何で作者本人(葱恵)が出てるんだ?それ以前になぜタマゴ?! 「ちょ、ちょっと!タマゴは出場できないはずよ!!」 サラは葱恵が出した真っ白いタマゴを指差しながら叫んだ。すると… 『何言ってんだぃ?俺様は特別なんだ。色違いのタマゴだゼィ!!』 「うわぁ!タマゴがしゃべった!!」 ゆでォは前後にダルマのように揺れながら、サラに少し(2pくらい)近づいた。 「最近のタマゴはしゃべるんですよ〜」 ふややんと葱恵がサラにいう。けれどサラは司会に向かって叫んだ。 「とにかく!タマゴはダメでしょう!!」 《はい、それでは二次審査へ行きまsyo→!!》 「聞けよ!!」 次第にツッコミが激しくなるサラをティファナが制した。 『仕方ありません。とりあえず始めましょう』 「…」 アピールの順番を見てさらにサラはショックを受けた。 サラは3番 葱恵は1番 つまり、一次審査、葱恵のゆでォの成績が一番よかったということだ…。 ゆでォの番…ゆでォのみちづれ!▼ ゆでォはこのの後のアピールに参加できなくなった▼ 「えぇ?!いきなりぃ?!てか、みちづれ覚えるなんて、あんた何タイプよ?!」 ゆでォのかしこさにまわりは盛り上がった!!▼ 「えぇ?!いきなり何で盛り上がってるのよ?!」 もうワケ分からない… 2ターン目―――作戦タイム 「何なのよ、あのタマゴ!!」 『まあ、これでゆでォさんたち出れないことですし、勝てますよ』 「…それもそうね」 2ターン目―――アピールタイム ゆでォの番…ゆでォのフラフラダンス!▼ 「ちょっと待て!何で出てるのよ?!」 『俺様はゆでォ様だゼィ!』 「説明になってない!!」 サラの蛇にらみ!!▼ゆでォはマヒした!▼ 「突っ込みどころ多すぎ!!」 結局… 《優勝は葱恵のゆでォです!!》 たくさんの拍手と喝采の中、ゆでォの頭(?)にリボンがつけられた… 「もう…一体なんだったの…」 夕方―――サラとティファナは灯台の下に腰掛けていた。 「そんなに落ち込まないで。そうだ気晴らしに美術館にでも行きましょう!」 そして美術館2階――― 「何これ〜!!?」 サラは絶叫した。壁にはたくさんの…ゆでォの絵が飾られていた――― ☆END☆ |
味噌田☆葱恵 | #2★2007.04/30(月)16:42 |
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>V昔話V 昔々と、いうほど昔ではないころ《なんじゃそりゃ 2人のロケット団団員が1匹の脱走したキュウコンを追っていました。 見失って困っていた2人に、1人の科学者が声をかけてきました。 「2人サン、何かお困りで?」 「えーと、ちょっと探しもの…なんですよ」 「なるほど…それなら、これを油揚げ1ダースであげましょう」 2人のロケット団団員は、なぜ油揚げ油揚げなんだろう?と思いましたが、他に頼るものがないので、わらにもすがる思いで油揚げを買ってきました。 「うん、よしよし」 1人の科学者は、そう呟きながら『あるもの』を渡しました。 「これは?」 「ダウジングマシーンですよ」 「だぅじんぐましん?」 「なくした物や、隠れたものをを探し出すマシンだよ。 そこのボタンを押してごらん」 2人のロケット団団員は、いわれるままにボタンを押しました。 すると… ココ ホレ ワンワン と、ダウジングマシンがそういいました《ぇ そこを掘ってみると、きずぐすりがでてきました。 ちょっと嬉しそうな2人のロケット団団員に、1人の科学者は、 「とこれでお2人さん、スコップを油揚げ2ダースでいりませんか?」 と、いいました。 2人のロケット団団員が、まだ少し『だからなんで油揚げなんだ?』って思いましたが、すぐに油揚げを渡しました。 そして、またボタンを押すとすぐに、 ココ ホレ ワンワン と、ダウジングマシンがなりました。 2人のロケット団団員は、急いでそこを掘りました。 スコップがあったのでさっきよりも簡単に掘ることができました。 今度は、何でも直しが出てきました。 けっこう嬉しそうな2人のロケット団団員に、1人の科学者は、 「とこれでお2人さん、ジョウロを油揚げ4ダースでいりませんか?」 と、いいました。 2人のロケット団団員の、『なぜ油揚げなんだ?』という思いはもう消えていて、すぐに油揚げを渡しました。 そして、またボタンを押すとすぐに、 ココ ホレ ワンワン と、ダウジングマシンがなりました。 2人のロケット団団員は、急いでそこを掘りました。 ジョウロで土をやわらかくしたので、さっきよりも簡単に掘ることができました。 今度は、回復のくすりが出てきました。 すごく嬉しそうな2人のロケット団団員に、1人の科学者は、 「とこれでお2人さん、油揚げ8ダースくれませんか?」 と、いいました。 2人のロケット団団員は、もう何も考えずに、さっと油揚げを渡しました。 何にももらえなかったのに、油揚げを8ダースも1人の科学者にあげました。 ロケット団団員は、渡した後で、『あれ?』と思いましたが、ダウジングマシンが、 ココ ホレ ワンワン と、なったので、急いでそこを掘りました。 今度は、不思議のアメが出てきました。 ものすごく嬉しくて、有頂天になっている2人のロケット団団員は、もう当初の目的を忘れていました。 そしていつの間にか1人の科学者がいなくなっていたことにも気づきませんでした。 そのご、そこから離れた草むらで、油揚げを美味しそうに食べていたキュウコンが目撃されたそうな、おしまい。 |
味噌田☆葱恵 | #3★2006.03/19(日)10:47 |
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>●『子』型爆弾● うららかな春―― 研究所に慌しく声が響く。 「大変だぁぁ!!ハルカちゃんが!!」 「なんだとっ!!」 普段冷静に研究に勤しむ研究員が酷く焦っている。 そんな中、新米研修員のハルアキは一人、ぼーっと突っ立ていた。 すぐ近くにいる、先輩の研究員を呼び止める。 「あの?どうなさったんですか?ハルカちゃん??」 「ハルカちゃんは、研究所最高責任者の博士のお子さんだ。今年6歳になる」 「へぇ、それはそれは…」 のんきなハルアキ。 「で、それが何が大変なんですか?まさか…事故にでも…」 その言葉にぶんぶん首を振る先輩研究員。 「いいえ、そのハルカちゃんが、こちらに向かっているんです!」 「え?それが?別にいいじゃないですか?」 この研究所には研究員の家族なんかも頻繁に出入りしている。博士の子供が来たところで、さしたる問題はない。 首をかしげるハルアキに、先輩研究員は苦々しげに言う。 「その…ハルカちゃんは機械オンチというか、破壊工作が激しいというか、機械を触るだけで壊しちゃう人種というか…」 「はぁ…」 ある程度話が飲み込めたハルアキだがしかし… 「いくらなんでも、これはやりすぎじゃないですか?」 周りでは研究員達が慌しげに動いている。 『データを死守せよっ!』 『防護セキュルティーをフル活用しろ!!』 とか、これまでにないほど切迫した雰囲気だ。 手持ち無沙汰なハルアキに一人の研究員が言う。 「ハルアキ君、ハルカちゃんを迎えにいってください」 「はい〜」 のんきに返事をするハルアキにその研究員は、絶対に機械に触れさせないように、と念を押した。 そのとき… ジリリィ 防犯ベルがけたたましく鳴り響いた。 『き、キタ――ァ!!』 研究員全員(ハルアキを除く)が声をそろえて叫んだ。 そのころ―― 「うわァん!!パパァ〜ッ!」 大音量の防犯ベルの音に驚いたハルカはパニック状態で爆走していた。 そして廊下の突き当たりにある部屋に逃げ込む。 「!」 すると、涙がたまっていた瞳が、好奇心できらきら輝き始めた。 そこは…『制御ルーム』だった。 研究所の全ての機械の脳部となっているこの部屋――つまりハルカが一番来てはいけないところだ―― 「わぁ!ボタンがいっぱい♪」 ボタンを見るとついつい押したくなるのが子供の性だ…ハルカは一列に並ぶボタンに指をスライドさせた。 すると、その機械は≪プシュー≫とか≪バチバチ≫とか≪くぁwセdrftgyふじこlp@≫とか、ふだん出るはずのない音を立てながら煙をはいた。 最後に≪ボンッ≫と音を立ててショートした。 そしてハルアキは―― 「ひいぃ!!」 だだひたすら走っていた。 目的は『ハルカ捕獲』から『生きて帰る』ということに変わっていた。 ハルカが機械を壊したせいで、まずはスプリンクラーが暴発した。 「な、な…?」 驚き口をパクパクしているハルアキの耳につけられている無線から、先輩研究員の声がする。 『大丈夫か?』 「なんか、スプリンクラーが暴れたんですけど…」 『…ハルカちゃんが何かいじったんだろう…』 「はあ…」 このとき、やっとハルアキに事態の重大さに気づいた。 気を取り直して、ハルカを探すハルアキ。 と、ハルアキの目の前に閃光が走る。 「うわっちゃ?!」 見ると床が焼けている!! 『あ、気をつけて!ハルカちゃんのせいで防犯システムが作動しちゃったみたい!』 「ええ?!これ防犯システムなんですか?!犯人怪我どころじゃすみませんよ?!」 思わず突っ込むハルアキを更なる悲劇が襲う。 【ポケモン、開放します…】 「え?え?」 ドタドタ… 「な、なんだぁ?!ケンタロス?」 『あ、研究中の超危険なケンタロスだ…』 「えぇ?!」 ドゴ――ン!! ――事態から数時間後… 「わぁ〜い♪パパァ!会いたかった♪」 「ぉぉハルカ…」 研究所は半壊していた。呆然と博士がハルカかを見つめる。 そんな情景を見ながら一番泣きたいのはハルアキだった。 生きているのが不思議なくらいだ… 「ねぇパパ、すごかったんだよぉ!四角い大きな箱がねぇ、ボタンを押すだけで≪ボンッ≫っていってねぇ、クシャクシャになったのぉ!! やっぱりパパの発明はすごいね!!」 無邪気なハルカ… ――そして、めまぐるしく時が流れた―― 【6年後…】 ポケモンセンターでは、今日もジョーイさんが忙しく働いている。 そこに、12歳になって旅を始めたハルカが訪れた。 「ジョーイさ〜ん!パソコン使いますよ〜」 「どうぞ〜、ご自由にお使いください」 プシュー バチバチ ドカーン 「あれ?」 ★END★ |
味噌田☆葱恵 | #4★2007.05/02(水)17:07 |
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>□AとBのお話□ あるところに、アッシュ(男)とビリー(女)という2人の男女がいました。 A「ねえビリー。この間見た写真を覚えてるかい?」 B「この間?」 A(この間、僕のアルバムを見たこと、覚えてるかな?) B(この間?あ、そういえばポケモンの名前を良く知らないアッシュにポケモンの写真集を見ながらいろいろ教えてあげたっけ?) B「ええ、覚えてるわよ」 A「あの(合コンにいった時の)写真の中に、大して可愛い子はいなかったよね」 B(そうかしら?ピチューとかイーブイとか超可愛かったのに…) B「そう?」 A「僕の好みはいなかったよ。まぁ、三十路を超えた不細工な男が言えることじゃあないけれどね」 B「そんなことないわ。(ポケモンを始めるのに)年齢や顔なんて全然関係ないわよ」 A「…ありがとう。ところでさ、黒い服着た、おさげの子がいたじゃないか?」 B(ジュぺッタのことかしら?) B「ええ、いたわね」 A「あの子、僕の元彼女だったんだ」 B「えぇ?!そんな…(ポケモンが彼女?!それにジュぺッタってゴーストタイプでしょ?ゴーストってことは…)」 A「何そんなに驚いてるんだい?僕にだって彼女くらいいたさ」 B「いや、そういう意味じゃなくて…」 A「あとさ、(中学校のころの写真に)赤いズボンをはいていた筋肉質な男の子がいたじゃないか?」 B(チャーレムのことね) A「あいつさ、俺の親友だったんだ」 B「へ〜。(ポケモンと)心が通じ合うことができたんだ。アッシュってすごいね」 A「あいつはすごく親しみやすい奴でね、僕と同じマンションで一人暮らししてたんだ。 (中学生なのに)すごいよなー」 B「うそ?!すごいすごい!!(ポケモンも)一人暮らしできるものなんだ?!」 A「すごいよなー。そうそう、その写真の中に色白で、髪が緑の白いワンピース着た女の人がいたじゃん?」 B(きっとサーナイトのことね) A「あの人、俺の担任の先生だったんだ」 B「うそ?!本当に?!(ポケモンも先生になれるの?!)」 A「ほんとほんと。あの先生さ、超能力が使えるってうわさがあったんだ〜」 B「そりゃあ当たり前でしょ?」 A「え、そうなの?!」 B「そうじゃないと(バトルで)使い物にならないじゃないの!」 A「ふ〜ん、そういうものなんだ〜。」 B「そういうものよ」 A「ところでさ〜、(同じ会社の社員の写真で)ちょっと色黒だけど、金髪の赤い服着た人がいたじゃないか?」 B(ルージュラのことか…) A「あの子、実は僕のタイプなんだ〜」 B「ぇ…女性として?」 A「女性としてだよ。あんな女性と結婚したいな〜…」 B「すごいタイプね…」 A「…でも僕は、やっぱり…君と結婚したい!!」 B「え?!」 A「僕はビリ-が好きだ!!結婚してくれ!!」 B「えぇ?!だって…私、貴方のタイプの女性(ルージュラ)と全然違うわよ?!それにブスだし…」 A「そんなの関係ない!全然タイプじゃなくても、その人(金髪の女性)よりブスでも、僕は君が好きだ!」 B「…!?」 B(それって、私がルージュラよりも不細工だって言いたいの?!) B「悪いけど、私、貴方のことタイプじゃないから!!」 A「な、何で怒ってるんだ?」 パンッ!! ビリーのビンタ!▼ 急所に当たった!▼ アッシュは倒れた!!▼ END▼ |
味噌田☆葱恵 | #5☆2006.03/19(日)12:09 |
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>◆ジグザグな道◆ わたしには名前がない いや ジグザグマと人間から呼ばれている でも それはわたしにとって何の意味のない音でしかない わたしは 自分の名前を探している 「私、自分のご主人様を探しにいく!」 ある日、私は目を輝かして親にそう告げた。 そして巣立っていた。 ただ 広い世界に行きたい ただ、 人の役に立ちたい ただ 自分の道を歩きたい しかし、現実は上手くいかなかった。 弱い私は遠くにも行けず、いろんなポケモンに襲われ、ようやくたどり着いた町でも受け入れてもらえなかった。 「ジグザグマはどこにでもいるから、イラナイ」 わたしは わたしだ たったひとりしかいない ひとりぼっちなわたしだ だけど だから だれかを 求めてる そんなある日、私はひとりのトレーナーに出会った。 私よりもずっと美しい姿をしたポケモンをつれていた。 きっと、私はこのポケモンの経験値になるのだろう。 わたしなんてイラナイカラ わたしなんてヨワイカラ そんな私に、トレーナーはそっと手を差し伸べてくれた。 「今日から私のパートナーになって」 そう微笑みかけてくれた。 ジグザグな道を 歩いてきた 先が見えない 曲がった道を そんな時 突然貴方にぶつかった トレーナーは言った 「貴方の名前はラピスよ」 ●END● |
味噌田☆葱恵 | #6★2007.03/17(土)12:45 |
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>★チキン爆走中★ こんにちわ。僕はLv40のアチャモのチキンといいます。 LV40のわりには、弱くて、何故か進化してません。 その上、Lv0のタマゴ 「へーィ俺様はゆでォ様だゼィ!!俺様の忠実なる下僕、チキン君よ…」 にまで馬鹿にされる始末。。 強くなりたいです…はぁ… 「何ため息ついてんだィ!!かっこよくて頼りになる俺様が相談にのってやるぜィ!!」 「強くなりたいです…はぁ…」 「OK.Follow me!!俺様についてこィ!!」 て、わけで… 「ここ、何ですか?」 「知らネーのかベイビー」 …今時『ベイビー』なんて使う人いないと思う。 「ここは、育て屋ッツウ所だ」 「な、成るほど。ココで鍛えるんですね!!」 「オゥ、そうだ!!ココは男を鍛える場所!!お庭のラブロマンスさ」 …あれ?ナンカ最後に変な内容が付いてたけど…気のせい? 「俺様が手本をみせてやる!!」 そういって、ゆでォは、ポケモンたちの輪の中に入っていった。 そしてサーナイト♀とミロカロス♀に向かって、思いっきりナンパ口調で、 「へーィそこのオ姉ちゃん!!俺様と奈良の大仏でも見に行かない?」 …渋ッ。 「な、なにこのタマゴ?!気持ち悪っ!!」 「ぐほっ!! orz OTL ○│ ̄│_ 俺様の心に120のダメージ!!」 ・ ・ ・ 「ふっ、『YUDEo様も木から落ちる』さ」 「はぁ…」 「よ〜し!次行くぞ!! 」 ―――まだあるんだ… 「…あのココは?」 「まったく、最近の若者はバトルタワーも知らねーのかィ」 …まだ孵化もしてない奴にいわれたくない 「ここはな、強いポケモンばっかりが集まっている所だ」 「成るほど…。でも僕なんかは弱くて出れないんじゃ…」 「心配するな。俺様が手本をみしてやる!!」 「あの、タマゴは出場できないんじゃ…」 「何言ってんだィ!俺様はゆでォ様だぜィ☆☆ ヘーィ!このオ姉ちゃん!俺様も出場するゼィ!!Lv100の部でお願いするぜィ♪」 「かしこまりました」 い、意外にあっさり出場できた… 「それでは一回戦、お相手はサラさんです」 案内役の人がそういうと、扉が開き、エーフィーを連れた女の子が出てきました。 「ヘーィ、かかってこい!!」 「っっッッ!!いやぁぁああ!!あ、あんたは?!」 あれ?知り合いかな? 「あ、あの、知り合いですか?」 「さぁ?覚えてないなぁ…?俺様のファンかな?」 「何でここにいるのよ?!」 「俺様はゆでォ様だぜィ!!」 「あ〜もう!!あの日の仕返しよ!コンテストで負けて以来、必死になって鍛えたんだから!! いけ!ティファナ!!」 エリートトレーナーのサラが勝負を仕掛けてきた!▼ 「ティファナ!サイコキネシスっ!!」 ゆでォには効果がないみたいだ…▼ 「ふっ効かねィゾ!!」 「あ。あんた何タイプよ…?!それじゃぁ噛み付く!!」 ゆでォには効果が無いみたいだ…▼ 「…」 「あ、ちなみに俺様の特性は『ふしぎなまもり』さ☆効果抜群は無し☆」 Σ「最強じゃん!!」 「俺様はゆでォ様だゼィ?!じゃあ、こっちから行かせてもらうZE!!」 >ゆでォのはねる!!▼ 効果は抜群だ▼ ティファナはたおれた▼ 「えぇぇえ―――?!」 「ふっ、俺様の敵じゃあないな。オ姉ちゃん!次のトレーナーを頼む!!」 「…あの、編集部のほうから、『ゆでォはゲームバランスを崩すから没だ』って言う電話がきたんですけど…」 「…」 「なので、今後一切、登場は不可能だってことになります」 「な、なんだって?!それじゃあ、俺様の映画デビューの件はどうなるんだ?!」 「残念ながら取り消しとさせていただきます」 「お、俺のギャラは?!」 「 な し ですね」 「そ、そんな?!ま、待ってくれよぅ…」 …真っ白に燃え尽きたゆでォの亡骸を見ながら、チキンは ―――今回の主役、僕だったはずなのに… とひそかにいじけた。 「あ、あのゆでォさん?」 「…ああ」 「僕を鍛える件は…?」 「…俺様の」 「あ、あの、もうすぐ時間ですよ?」 「…映画デビューは」 「終わっちゃいますよ?」 「…燃えた、燃え尽きた、真っ白によ」 「…」 END orz OTL ○│ ̄│_ |
味噌田☆葱恵 | #7★2007.03/02(金)19:00 |
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>■続☆子型爆弾■ ココはキンセツシティ。 一人の茶髪の女の子と、一匹のマッスグマがベンチに腰掛けていた。 「ハルカ?なんか最近へンですよ?」 「そ、そう?」 「なんかボーとしています」 「そうかな?あのさ、ポケモンセンター行かない?」 「?いいですけど…ハルカは使用禁止じゃありませんでしたっけ?」 マッスグマの問いかけにハルカは首をかしげる。 「うん、そうだけど…。何で私だけダメなんだろう…?」 ハルカの言葉にマッスグマは引きつった笑顔を向けた。 ―――そりゃあ、あれだけ機械破壊工作が激しかったらなぁ… 「まぁ、入るだけなら何も言われないでしょ。いこ、ラピス!!」 ラピスと呼ばれたマッスグマは、一足早く駆け出していたハルカをあわてて追いかけた。 「ねぇ、ハルカ。ヤッパリ貴方変ですよ?」 ハルカはポケモンセンターのいすに腰掛け、机にひじを置いて、ボーっと一点を見つめている。 「ハルカ?聞いてる?」 「うん…うん?何?」 「なんだか、ぼーっとしてますよ」 「…」 ふと、ハルカの視線を追ってみると、一人の青年がいた。 ―――お年頃ねぇ… 「ハルカ、あの人のこと…」 「うん。カッコイイよねぇ」 ラピスは微笑んだ。 が、すぐにその笑みは消える。 その青年は、(ハルカが壊した)機械を直しに来た整備士だった。 ―――これは叶わないと思う… そう思うラピスをよそに、デレデレとその青年を見つめるハルカ。 「ね、話しかけてみようか?」 大胆な… 破壊者と再生者という正反対な人達だから、たぶん話が合わないと思うケド…。 ラピスの心配をよそに、ハルカはその青年のほうに駆けていった。 「あ、ハル…」 止めようとするが、上手く言葉が見つからない。 「あの、整備士さんですか?」 ハルカの声に、青年が振り向いた。 「ああそうだよ。君はトレーナーかい?」 「はいそうです!整備士なんて、すごいですね♪」 「ありがとう。君はトレーナーだから、ポケモンセンターの機械が使えなかったら困るだろう?」 「そうですね。あの、何かお手伝いしましょうか?」 ハルカの言葉に、ラピスは絶句した。 「や、止めといたほうが…」 ラピスの呟きはむなしく、青年は嬉しげに頷いた。 「本当かい?だったら、発電所のスイッチを押してくるのをお願いしてもいいかな?」 「はい!喜んで♪」 あーあ…どうなっても知らない。 「ココが発電所か…」 手渡された地図どうりに進むと、そこには古いコンクリートの建物があった。 昼でも日当たりが悪い発電所は 「なんだか怖いね…」 そうハルカはいうが、ラピスにとってはこれから起こる事態のほうが怖くて仕方がなかった。 「ハ、ハルカ、怖いなら止めにしません?」 必死に引き止めるが、ハルカはぶんぶんと首を横に振る。 「ダメ!!一世一代のアピールチャンスなんだから!!」 そういって、ずんずんと発電所の中に入っていった。 「う〜」 しぶしぶ後を追うラピス。 そして見た光景は――― 悲鳴、そして断末魔。 いや、それは断じて人間や獣のものではない、壊れたラジカセのような音がする。 消して感情が宿るはずのない機械音なのに、それがいっそう悲劇さを物語っている。 「ハ、ハルカ…」 ラピスはやっとそれだけを言う。 「あ、ラピス!ねぇ、ココ、本当に発電所なの?花火でも作る火薬工場の間違いじゃない?」 そう、問いかけてきたハルカの周りは、何故か、真っ黒にこげている。 ラピスの隣にある機械は、もはや原形をとどめずに白い煙を吐きながら《プシュー》という音を立てている状態だ。 足元にある球体はビリリダマだろうか? 「ハルカ…貴方、この数秒の間にいったい何をしたの?」 「え?何にもしてないよ?」 無意識って…怖い… 「早く、スイッチを探さなきゃ♪」 弾んだ声でそういうハルカ。 「そ、そうね」 一刻も早くココからハルカを遠ざけねば… そう思うと、足が速くなるラピスだった。 「あの、ハルカ…一つ約束してほしいんですけど…」 「何?」 「絶対に機械に触らないで下さい!!」 悲壮なラピスの叫びは、発電所にこだまし、やがて消えた――― 「う?これかな?」 やがて発電所の最深部に到達したハルカ達。 そこには一つの大きな赤いスイッチがあった。 「触らないで下さいね」 ラピスが念を押す。 「分かってるよ」 ハルカが口を尖らせる。が、言葉とは裏腹にずんずんスイッチに近づいていく。 そして… プチッ 「あぁ!!」 チュドーン!! 翌日――― >【発電所、謎の倒壊!!】 と、いう見出しが新聞の一面に載っていた。 ◎END◎ |
味噌田☆葱恵 | #8★2007.06/11(月)21:07 |
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>@アリアの災難日記@ 「貝殻のすず?」 シャワーズのアリアが、一匹のピカチュウと話していた 「うん、そう!それが欲しいの!!」 ピカチュウのオタフクがコクコクとうなずく。 アリアが困ったように、ウパーのノエルに尋ねる。 「貝殻のすずってどこで取れるんですか?」 「えっと、たしか浅瀬の洞穴で取れたはずですよ」 ちなみにココはムロの近くの孤島である。 「浅瀬の洞穴…遠い…。ねぇ、オタフク、今回はあきらめてよ」 アリアがそういった瞬間、オタフクの目が潤む。 「げっ、わ、分かった分かった!!」 アリアがあわててなだめる。 と、言うのもオタフクが一度泣き出すと涙の洪水が起こるからだ。それだけは避けねば…。 結局、薄幸なアリアはオタフクのわがままに付き合わされることになった――― カイナシティーにて… 困った―――ムロからカイナに来たのはいいが、カイナから浅瀬の洞穴に行くには、激流を乗り越えなければならない。 「ねぇ…オタフク、ヤッパリ帰…」 アリアが言いかけたとき、オタフクはアリアを激流に突き落とした。 「え、え?きゃぁぁ〜!!」 ザプーン @ @ @ 一分、二分と時がたつ。 いまだにアリアが顔を出さないので、さすがにこれはまずいかな?とオタフクが思った時、水面からブクブクとあぶくが噴出した。 「ぷは〜!!オタフク!!何するの?! …うわぁ?!」「あ〜あ〜」 アリアがようやく顔を出した!と思ったらまた沈んでいく―――(@のところに戻ったらエンドレスに楽しめます☆) 「まったく!!」 ぜいぜいと肩で息をしながら、アリアはオタフクをしかる。(が、まったく反省していない) その時、汽笛の音が遠くからした。 ブウォー 「―――あれは…」 数時間後… 「よし!浅瀬の洞穴とうちゃーく! あのあと、連絡船タイトリップ号にこっそり忍び込み、無事アリアたちは浅瀬の洞穴にたどり着いた。 「今は干潮らしいね」 アリアはそう呟き、ふとオタフクを見てみると、どこから持ってきたのか、水色のボールで遊んでいる。 「なにそれ?」 「拾った♪」 オタフクがボールにじゃれ付く微笑ましい光景に思わずアリアの頬が緩む。が、数瞬後、その笑顔のまま凍りついた。 そのボール、よく見たらタマザラシだ!! 「オタフク!!」 振り返ると数十匹のタマザラシがこっちに突撃してきている。 その時のオタフクの反応は早かったこと…。 アリアを残して自分だけ安全圏に逃げる。 「えぇ?!この薄情ものォ〜!!」 アリアは涙を流しながらタマザラシの波をしのぐ。 「オタフクも手伝ってよ!!」 アリアが叫ぶと、オタフクはごそごそと看板を取り出した。 【傷薬、1個600円!!】 「売るなー!!というか高―――い!!」 2時間後… 色々と(本当、色々と)あったが、何とか浅瀬の塩を全部集めたアリアたち。 しかし… 「貝殻が問題ね…」 今は干潮のため、満潮になるまであと4時間ほど待たなければいかない。 その時、アリアに名案が浮かんだ。 アリアはサッとオタフクの背後に忍び寄り、オタフクの頭をたたいた。 「?!」 オタフクは不意打ちに驚き、大泣きした。 「ピェェ―――!!」 オタフクの瞳から洪水のように涙が流れる。 浅瀬の洞穴は5分もしないうちに満潮になる。 これはある意味、カイオーガにも勝るのではないだろうか…? 「さすがオタフク…」 アリアはそう呟くと貝殻を集めだした。 「ゴメンね!オタフク!!ゴメン! ほら、これが貝殻のすずだよ!!」 いまだに泣き止まぬオタフクをアリアが必死になだめる。 オタフクの涙は放っておくと、洞穴を沈めてしまうほどになってしまう。 現に、満潮時でも水につからないはずの岩の頭がつかり始めている。 これはヤバイ… アリアがそう思い始めたその時、オタフクが不意に泣き止んだ。 その代わりほっぺの電気袋からパチパチと火花が出ている。 「…まさか」 「10万ボルト―――!!」 その後アリアがどうなったかは言うまでもないだろう――― *END* |
味噌田☆葱恵 | #9☆2007.06/15(金)21:08 |
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>=●バトルジャンキーとギャンブラー●= Battle Junkie 戦い 中毒者 そう呼ばれる彼らのバトルは、1ターン1ターン交互に攻撃しあうという、生ぬるいものではない。 己のパワー、スピード、スタミナ、タフネスさなど、持てる全てを駆使し、 相手の攻撃を、避けて、捌いて、打ち消して、それと同時に必殺の一撃を繰り出す。 激しい攻防をどちらかが倒れるまで繰り返す。 そんな戦いが、砂塵吹き上げる荒野で行われていた。 ずんっ――― 唐突に強大な岩が鈍い音を立てて粉砕される。 それがガラガラと崩れ去った瞬間、二匹は顔を合わせた。 同時に同じ岩を破壊した、サワムラーとエビワラーである。 二匹は顔見知りだった。 相手は自分と同じバトルジャンキーであり、宿敵だ。 戦うことが生きがいである彼らが戦いに至るまで、数分…いや、数秒とかからなかった。 二匹は同時に構えを取る。 エビワラーは腰を落とし、軽く握った両手を胸の前に持ってくる。 左手と左足を、若干前に出した状態で静止した。 一方サワムラーは、左足を大きく後方に引き、そこにエネルギーを込める準備をする。 互いにそのまま睨み合い、隙を探す。 ひゅぉぅ――― 砂を吹き上げる風の音がコングとなって、戦いの開始を告げた。 先手を取ったエビワラーが拳を固めて殴りかかる。 サワムラーは体を右に傾けて避けると、その重心の動きを利用して左足を振り上げた。 強烈な蹴りは、パンチの後で隙ができたエビワラーの背後を狙う。 しかし、エビワラーもサワムラーの蹴りの瞬間にできる隙を見逃してはいなかった。 エビワラーは間一髪で蹴りをかわすと、その足が地面に付く前に軸足をはらう。 いくら強靭な足腰を持っているといえど、片足の状態ではなすすべもなかった。 サワムラーは派手に転倒する。 「勝負あったな」 遠くからその様子を見ていた、サングラスの男が呟いた。 「いえ、まだまだですよ」 頭髪を短く刈り込んだ男が返す。 「ヨシモクさん、どっちが勝つか賭けしません?」 「ん?それは俺がエビワラーで、ヴラドがサワムラーっつー事でいいのか?」 「えぇ。賭け金は―――」 サングラスの男がヨシモクで、もう一方はヴラドというらしい。 ヨシモクのほうが年上のようだが、それでも若く、20前後といったところか。 ヴラドに至っては、まだ少年といってもいいかもしれない。 しかし、ヴラドは懐から煙草を取り出すと、慣れた動作で火をつけた。 「十万ずつで」 仰向けに倒れたサワムラーに、エビワラーは馬乗りになると、顔面に連続してパンチを与えた。 サワムラーは弾丸の雨のような攻撃を受け続ける。 ドカッ ベキッ 鈍い音が荒野に響いた。 「おいおい、そんなに賭けて大丈夫なのか? もうすでに負けそうじゃないか」 一方的な戦勢を見て、ヨシモクは言った。 しかしヴラドは余裕の表情で煙草をふかす。 「だから、まだまだ。これからですって」 あいかわらず荒野には、重い打撃音が響く。 人間なら気を失って―――否、死んでいてもおかしくないような状態だが、サワムラーは意識を保っていた。 パンチの嵐が一瞬やんだのを見計らって、渾身の力でエビワラーを押しのける。 そのまま転がって、エビワラーの攻撃圏から逃れると、体勢を立て直した。 先刻の攻撃でボロボロのはずなのに、エビワラーの相貌はギラギラと輝いていた。 「ほぅ、頑張るな」 そんな光景に、ヨシモクは目を見張った。 しかし、エビワラーが有利であることは変っていないので、焦燥の色は微塵もない。 一方、ヴラドの方も相変わらず余裕の表情でバトルを見守っている。 ヨシモクは チェッ と舌打ちをした。 「えらい落ち着いてるな。隠し玉でもあるのか?」 ヨシモクの問いに答える前に、ヴラドは大分短くなった煙草を地面に押し当てた。 「ん、実は―――」 再びエビワラーが攻撃に移る。 獣のようなスピードで接近し、拳を突き出す。 サワムラーは地面にダイブするようにしてそれをかわすと、 飛び込み前転のように一転した。 その際に、サワムラーの踵がエビワラーの鳩尾に命中する。 たった一度の攻撃で、エビワラーは数メートル打っ飛んだ。 「な…どういうことだっ?!」 予想を遥かに上回るサワムラーの攻撃力に、ヨシモクは焦りだした。 「おい、ヴラド。何をした?!」 ヴラドはまた煙草を取り出すと、にやりと笑った。 「実はサワムラーにチイラの実を持たせてみたんです」 岩壁に叩きつけられたエビワラーに、サワムラーは回転蹴りをお見舞いする。 しかし、運良くエビワラーが地面に崩れ落ちたため、遠心力を伴った強烈な蹴りは岩壁をえぐった。 いち早く意識を取り戻したエビワラーは、再びサワムラーの軸足を払った。 サワムラーは今度は抵抗せずに、あえて倒される。 そして落下した上半身を、片手で支えると、エビワラーの膝裏に蹴りをくらわせた。 膝かっくんをされたエビワラーは、がくんと体勢を崩す。 後方に仰け反った頭部に、サワムラーは蹴りを繰り出した。 エビワラーはそのままスウェーバックでそれをかわす。 「おいおいヴラド、そりゃセコイだろ」 激しい攻防を繰り返す二匹よそに、ヨシモクがぶーたら抗議する。 「今更賭けをなしになんてさせませんよ。 それに、せこくなんかありません。バトルの前に持ち物を持たすのは反則とはいえないでしょう?」 「けど、俺はあいつに何も持たせてないんだ。フェアじゃないだろ」 だらしなく文句をたれるヨシモクに、ヴラドは冷たく言い放った。 「何言ってるんですか。嘘は嫌いです」 エビワラーは、元の体勢に戻ると、 次の瞬間、信じられないようなスピードでフックを繰り出した。 威力はあまり変らないが、今までと桁違いの速さだ。 エビワラーは手を休めることなく拳を突き出し続ける。 目に見えぬほど高速な動きに、サワムラーは手出しができない。 「ヘッ、ばれてたか…」 ヨシモクはつまらなさげに言った。 本当はヴラドが驚く姿を見たかったのだが、 「エビワラーがカムラの実を持ってるのが見えたんです。嘘はいけませんよ」 ヴラドは淡々と言った。だが、少し表情を曇らせる。 「うーん…わからなくなってきたな…」 エビワラーの攻撃は続く。 サワムラーは、エビワラーが疲れて攻撃の手を止めるのを待っているのだが、一行にそんな気配はない。 そこでサワムラーは、意を決して蹴りを繰り出した。 彼が人間だったら、届く事のない攻撃だったが、彼はサワムラーだ。 サワムラーの足は伸縮自在なため、エビワラーのリーチよりも長い範囲の攻撃が可能である。 サワムラーのキックは、見事に命中し、エビワラーは打っ飛んだ。 打っ飛ばされたエビワラーが起き上がる前に、サワムラーは一気に間合いを詰め、踵落としを食らわす。 エビワラーは転がってそれを回避すると、勢いよく立ち上がり頭突きを繰り出した。 サワムラーはあえてそれを額で受けて返す。 ゴッ 岩と岩がぶつかり合ったような音がして、一瞬二匹の動きが止まる。 そして次の瞬間――― 二匹は同時に倒れた。 「「げっ…」」 二人は同時に声を漏らした。 そして、同時に項垂れる。 「これって、引き分けかよ…」 「そんなぁ…」 今回の戦いは、実は二人が仕組んだ事である。 二人はギャンブラーで、ライバルだった。 今までのレコードに、一つでも多く白星をつけるために、いつもこの荒野で戦っている二匹の格闘ポケモンを利用したのだ。 ヴラドはサワムラーにチイラの実を持たせ、この戦いを有利に進めるつもりだったのだが… ヨシモクもエビワラーにカムラの実を持たせていたため、五分の戦いとなってしまった。 結局引き分けとなったため、二人は貴重な木の実を消費しただけに終わった。 「あーあー。今夜は飲も」 「僕も」 「お前未成年だろ」 「煙草は良くて酒は駄目なんですか?」 「どっちもだ」 「賭けは?」 「それはいい」 そんなことを言い合いながら、二人は酒場に向かうのだった。 二人が去った後の荒野で――― 「あいつら、まんまと騙されたな」 「だな。毎日ここで決闘のフリをして、二匹同時に倒れたら、人間って奴は…」 「妙に感動していいもんくれる」 「変な奴等だよな」 「あぁ。今日のはちょっと違ったみたいだがな」 「ま、何かもらえればいいんだよ」 「だな」 二匹のポケモンは和気藹々と雑談していた。 ~END~ |
味噌田☆葱恵 | #10★2007.06/17(日)11:31 |
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>$金持ち大作戦$ 「くそー…また負けた…」 夕日が綺麗な夕方――― 一人の少年が長い木の棒を杖代わりにして、人通りの少ない道を歩く。 少年の肩には、オニスズメが乗っている。 「ケイト、せめて傷薬がほしいんだが…」 ケイトと呼ばれた少年は、目を吊り上げる。 「スウィング、何贅沢言ってるんだ!木の実で我慢しろ」 ケイトの言葉に、スウィングはしょんぼりとうなだれた。 「でも、喉が渇いたなぁ…」 ケイトは恨めしげに自販機を見る。 財布を開けてみると、10円玉が3枚、悲しい音を立てて落ちた。 「…空しいな」 そう言いながらも、きちんと全財産30円を拾う。 「とりあえずPCにいくか…。明日こそは勝とうな、スウィング」 「…そうだな」 ケイトは先ほど、数少ない収入源であるバトルでボロ負けしたところである。ちなみに昨日も負けた。 しかし、強いポケモンをゲットしようにも、モンスターボールがないという悲惨な状況である。 「どこかに旨い話ないかなぁ…」 そう言ったケイトの足が、ある看板の横でピタリと止まった。 そこには、 【探し人 見つけた方には100万円】 というビラが貼ってあった。 金髪ストレートで、碧眼の可愛い女の子が写真の中で笑っている。 「なぁスウィング…」 「いいな」 「旨いな」 「「やろう!!」」 こうして、ケイトとスウィングは人探しをする事にした。 「この人、見たことありませんか?」 「あぁ、この行方不明の子か…。見つけたら俺が警察に届けてるって」 「…ですよね」 「三日目…いまだに手がかりがつかめないな…」 分かった事といえば、少女は一ヶ月前に家出したお嬢様で、名前はマリアということだけだ。 最後の目撃情報は、3週間も前のものである。 「ケイト、今日のご飯代あるか?」 「5円チョコ1個分…」 「…」 「とりあえず、今日を生きるために稼ぐか…」 ケイトはとぼとぼと『いつもの所』に向かった。 「あ、久しぶり!!」 爽やかな春の風が吹く川原で、一人の少女が元気欲ケイトに手を振る。 ケイトは、その少女を睨みつけ、高らかに宣言した。 「今日こそは絶対勝つからな!今夜のご飯がかかってるんだ!!」 少女は、短いフワフワの髪を揺らしながら微笑んだ。 「じゃぁ、一対一で勝負ね」 そういって、モンスターボールを取り出し、 「エネコ!」 毛並みのいい美しいエネコを繰り出した。 「私こそ、今日『も』勝つよ♪」 少女の可愛らしい声と共に試合が始まった。 「あーぁ…負けちゃった…」 少女はポフッっと草むらに寝転んだ。 「よっしゃぁ!!32敗の記録に終止符がついた―――!!」 ケイトが興奮して叫ぶ。 「よ〜し!賞金賞金♪」 寝ているふりをする少女に、手をずいと突き出す。 「仕方ないか…」 少女は観念して財布を取り出した。 そして、ケイトの手に1万円札を惜しげもなく乗せる。 「えっ…こんなにいいのか?!」 ものすごく久しぶりな万札の感触に、戸惑うケイト。 「いいよ。初勝利の記念」 「まじで?!ありがと!! ところで、名前聞いてなかったな。俺ケイト。 お前は?」 「マリア」 「え?マリアって…」 あの行方不明の… マリアは、『しまった』というふうに顔をしかめると、慌てて背を向け走り出した。 「ぁ、ちょ…待てよ!」 ケイトは咄嗟にマリアの手をつかむ。 マリアはそれを振りほどこうとして、 ザパーン 勢い余って、川に落ちてしまった。 「だ、大丈夫か?」 ケイトは急いでマリアを助け出す。 その時、目が合った。色は青…。 濡れて真っ直ぐになった金髪も、見事に写真と一致する。 「やっぱり―――」 「私…家に帰りたくない!!」 何か言おうとしたケイトを、マリアは遮った。 「毎日毎日お勉強。後を継がせることだけが目的で、愛情の欠片もない両親。 周りからは箱入り娘って言われる日々。もううんざりよ!!」 叫んだ後、マリアは気まずげに目を逸らした。 「警察に届けたいなら、届けなさいよ」 ぶすっというマリアを、ケイトは静かに見つめる。 そして一言、 「いい」 「・・え?」 「バトルで一回勝つだけで1万貰えるんだ。だったら100回勝てば一緒だろ? 100万どころか200万…300万はぼったくってやる! だからずっとそこに居ろよ!!」 ケイトはそう言い残して、去っていった。 その後姿を、マリアはずっとずっと見つめていた。 数日後… 「くそぉ――!また負けたぁ!!」 川原に少年の声が響く。 「やっぱりこの間のはまぐれだったのね♪」 少女が可愛らしく言う。 「勘弁してくれよ…マリア」 「だーめ♪ケイトは弱いなぁ」 マリアはケイトから財布を奪うと、有り金をがっぽりとかっさらった。 「負けは負け。賞金はきっちりもらうわよ!」 うららかな春―――ケイトは相変わらず貧乏道を突っ走っていた。 ε=END=з |
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