ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

停止[833] カオス・マインドロアー ―心と記憶―

レナ #1☆2006.03/02(木)03:42
〜プロローグ〜

レオ達は、故郷の神々の都、ゴットレジェンズを復活させたその後、両親の跡継ぎをしていた。再生後のゴットレジェンズは、とても豊かの暮らしである。そのゴットレジェンズには、ある一つの伝説があった。

―神々の都に邪悪の心と力を持つ者が舞い降りる時、二体の龍と魔術師、現れる。
白き龍は光を。黒き龍は闇を。そして魔術師は混沌を…。
もしも現れなければ、都は滅び、そして世界も滅びる。その時、地球は消えて亡くなるだろう……―


「―ここは・・どこ…?」
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レナ #2★2006.03/02(木)05:43
第一話 跡継ぎ

「うそぉっ!『綾音』のガーディ、ウインディに進化したんだ!」
ここはゴットレジェンズの『アーハードネス学園』。幼年部から大学部まであり、別に中退してもかまわない。
そんな学園で、先ほどから綾音という少女と話しているのは、あの夜月 光聖心(よづき ルオ)だ。彼女は現在高等部一年になったばかりである。
両親の跡継ぎをした後、姉弟は週に一回、二人ずつ代わってやっているらしい。
アヤネ「うん、まあね。でもいいなぁ。ルオのポケモン強くて・・。」
ルオ「あのね、アヤネ。そこまで強さにこだわら無くてもいいのよ。アヤネの将来の夢、『トップブリーダー』でしょっ?(^^:)」
アヤネ「ううぅ、でも強くなかったらポケモンが泥棒に取られちゃうよおぉ…。(泣き)」
ルオ「あ、あのねぇー…。(汗)」

〜ウィザード城〜
「・・ふむ。では貴様の所はそのケンタロスの大群に少々冷や汗をたらしているんだな?」
農民「はい。一体どうすればよいかと・・。」
「平気だ。フィナに行くように言えば、すぐに行く。こういうことは奴が一番好みそうな仕事だからな。」
農民「ほ、本当ですか!」
「約束はお守りしますわ。フィナが来たら、言っておきますので。それではごきをつけて。」
農民が帰った後、二人はその地区のことを話している。今週は二人の番らしい。この口調からにして、あてはまる人物と言えば、あの二人しかいないだろう。ルオの兄弟の夜月 月(よづき ルナ)と、夜月 闇聖心(よづき レオ)だ。
ゴットレジェンズには地域があり、北は主に病院や学園といったのがあり、西は警察署や農場などといった所。南はポケモンコンテスト会場が大いに目立っていて、東はポケモンコロシアム会場と、このウィザード城が目立っている。そしてその地域を細かく分けたのが地区である。
レオ「ふう。少し散歩をしてくる。」
ルナ「あら?疲れたのですか?」
レオ「別にそういうわけではない。動いていないと体がなまるからな。」
ルナ「そうですか。では、ごきをつけて。」
レオは城を出た後、都の中央の森に方角に足を進めた。
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レナ #3★2007.03/16(金)21:53
第二話 ラファルス

レオは中央の森に足を進めていた。中央の森の方角は、自然が多く、遺跡なども多くある地域だ。
だがその中央付近にはいくつか危険地域があり、そこはかなりの強者ではないとは入れない地域だ。そのため、一般の者はよほどの事が無い限り、入ろうとしない。
レオ「…特には以上は無いみたいだな・・。」
レオが城へ戻ろうとした時、ふと、何かの気配を感じた。都の中心部の遺跡を見たとき、驚いたことに、少年がいたのである。少年は金色の髪で、腰まであるロングヘアーで、マリン・ブルーの眼をしていた。だが肌の色は青く、耳も長くとがっていて、その耳にはイアリングがつけられている。
レオ「・・そこで何をしている?」
「!?」
少年は驚いて、湖の方に逃げる。レオは急いで後を追う。だが少年が湖に落ちてしまう!
レオ「くっ!ギア!奴を湖から救い上げるんだ!」
ギア『仰せのままに!』
ギアが少年を救いに湖に潜る。十秒後には少年はギアによって打ち上げられた。
ギア『レオ様、この方でいいんですか?なんだか、湖の中で姿が変わってしまったのですが・・。』
レオ「!?」
レオはギョッとした。少年の姿が先ほど見たときの姿と違うのである。
肌は白くなり、耳元が羽のような形に変わっていて、まるでサーナイトの変種だ。
レオはこの姿を見た時、ハッとした。
レオ「こいつは…ラファルス?!」
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レナ #4★2006.07/07(金)18:13
第三話 用

午後三時。学園にチャイムとともに、学生達が一斉に学園内を出た。どうやら完全下校のようだ。学生達が帰る中、ルオは飛行手段のフライゴンのフララに乗って登下校している。
ルオ「ん〜っ早く終わるのはやっぱりいいわぁ〜♪」
どうやらルオは、早く終わったせえか、かなり気を抜いている。
ルオ「ああぁ、でも宿題がなー・・。嫌だなぁー・・。こんなうれしい日に限って宿題が大量に出るだなんて。(泣き)」
フララ『フラァ?』
ルオが漫画でいう、「ルゥー」と言う効果音(?)を出してしくしくと泣いている。フララは見上げるかのようにルオに視線を向けている。
ルオ「くっ…ええい、こうなったら、宿題なんかほったらかしにして、フララ!『砂漠サーフィン』に行くわよっ!」
フララ『フライ!?フラッフーッ!』
フララがむしょうに喜ぶ。ところで砂漠サーフィンとは何か。砂漠サーフィンとは、最近新しく出来た遊びらしく、その名のとうり、砂漠の上でサーフィンをすると言う遊びだ。地面タイプに大ブームの遊びらしい。フララが喜ぶ理由がなんとなく分かるような気がする。
でもその前に、ルオ。宿題をほったらかしって・・。そのルオの言った言葉に、誰もが疑問に思う。(と思う)
と、その時。
ギア『それはなりません。』
ルオ・フララ『「ンゴフゥッ!!?」』
二人の叫びが上空に響き渡る。近所迷惑だと思う。て言うかその叫び方に、?マークが頭の上に出てしまう。
ルオ「ぎぎぎぎギアっ!いつからそこに!?」
ギア『え?丁度ルオ様の「くっ…」の所からいましたが?」
と、言うことは、かなり前からギアはいたらしい。て言うか、ルオ気づけよ・・。
ギア『レオ様がルオ様のことをお呼びになられていおりますので、来て下さいませ。」
ルオ「?レオが?」
ギア『はい。とてもお大事な御用なので、お願いいたします。』
ルオ<大事な用って、なんだろう…。>
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レナ #5★2006.12/21(木)18:36
第四話 心無き従

レオ「…来たか…。」
ルオ「うるさいわね。呼ばれたからには来るに決まっているでしょう。」
レオとルオが庭園で会う。庭園にはポケモン達が遊びに着たりしている。
ルオ「で、大事な御用って、何な訳?」
ルオが聞くと、レオは自分の内ポケットからあるふたつのボールを取り出した。一つは白いモンスターボールで、もう一つは黒いモンスターボール。その中でレオは白いモンスターボールをルオに渡した。
ルオ「!・・これって…。」
レオ「ああ、そうだ。」
ルオ「ちょ、ちょっと待ってよっ!こ、これってどう言う意味よっ!?」
レオ「見ての通りだ。『アレ』が間近という事だ。」
ルオ「あり得ない!!」
ルオが怒鳴る。
ルオ「まだ二体とも目覚めていないのに、一体だけって。そんなの、予言と全然違うじゃない!」
レオ「だが実際そうなっている。その証拠が、これだ。」
レオが黒いモンスターボールから出した中から、あのラファルスがでてきた。
ルオ「ラ、ラファルス。」
レオ「ああ。だが、違う。」
ルオ「?どういう意味?」
レオ「コイツは、『鏡の湖』によって姿を変えた者だ。元は、人間だった・・かもしれない。」
ルオ「どういう意味?」
レオ「姿・形は人間でも、肌の色と耳の形は大きく違っていた。」
ルオ「う、嘘でしょ?」
レオが首を振る。
レオ「だが、ココからが問題なのだ。」
ルオ「?」
レオ「…こいつ、心がない…。」
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レナ #6☆2006.12/21(木)18:35
第五話 なぜ?

ルオ「う〜ん…。」
ルオがさっきから頭を抱えている。理由はほかでもない。レオから渡されたラファルスだ。
ルオ「いくら心がないとはゆえ…黙りすぎでしょぉ〜っ!!」
そう。このラファルス、さっきから泣き声ひとつあげようとしなければ、口まで開こうとしない。
そんなラファルスに、ルオはさっきから頭を抱えて悩んでいる。
ルオ「まるで私がコダックになった気分よぉ〜。(滝汗)」
ウァイア『仕方がなかろう。こやつが口を開こうとしないのは。』
ルオ「でもこれは絶対以上よ!」
そんなルオに溜息をつくウェイアである。
ルオ「ね〜。そうゆえばさ〜。ウェイア達守護太月ポケモン達はさぁ〜。ラファルスと深い関わりを持ったポケモン達なんでしょ?だったら、この子が何でさっきから黙り込んでいるのか知っているんじゃないの?」
やけに『〜』が多いルオである。
ウェイア『…そう思うのか?』
ルオ「だってそうじゃない。」
ウェイア『…ラファルスは、ポケモンであってポケモンではない。正真正銘、神々から創られたポケモン。太陽は光。月は闇。その二つの力を持ったポケモンは、ラファルスただ一人。』
ルオ「……。」
ウェイア『ラファルスの力は強大だ。それを善に使うのも、邪道に使うのも、その二人の主の思うがままだ。だがまあ、邪道に使うのはまずない事だがな。』
ルオ「まあ、確かにそおよね。ラファルスは主を決める時は、必ず『強き善の心を持った者』を選ぶと聞いた事があるもの。」
ウェイア『では良かったではないか。』
ルオ「何が?」
ウェイア『ラファルスがそなたの所に来たと言うことは、ラファルスはそなたを認めた、かも知れないという事だ。』
ルオ「あっ!何よそれ!?一体どういう意味よ!?」
ウェイア『フフ。自分で考えるのだな。』
ルオ「もぉ〜っ。」
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レナ #7☆2007.01/03(水)16:40
番外編 年明け大騒動!

レイ「ハーイ、みんなぁ〜、お正月だよ〜!というわけで、本日は、『お正月だよ!皆でぶちかまそう、羽根突き大会』の開催だよぉ〜ん!!」
やけに一人だけハイテンションな娘がいたり。
ルオ「羽根突きって。城の中での話でしょ?」
確かにルオの言うとうり。まだキャラがほとんど出てきていないのに羽根突きって…。しかしこれも作者がお馬鹿のためなので(言い訳かよ)
レイ「ポケモンを参加させればいいだけの話でしょ☆」
フィナ「うっわぁ〜。くっだらねぇ〜。」
レオ「……。」
ギア『私もの凄く楽しみですぅ〜☆』
ルナ「ですね。」
ウェイア『相変らず何を考えておるのか分からぬのう。』
あっやっぱり。
フララ『おもしれぇ!このフララ様が受けてたってやるぜっ!』
そして馬鹿が一人増えた。
レイ「それじゃ、時間がもったいないから、さっさとはじめちゃいましょうか!まずは第一回戦!砂漠サーフィン命のフララVS新入り君のラファルスの戦いだぁ〜っ!ルールは簡単!相手に一回勝ち、顔に落書きすればそれでOK!サーブはラファルスから!スタート!!」
フララ『ふん。このフララ、サーフィンだけの能無しじゃあ、ナインだぜ。見よ!これぞ俺のじつりょk』
とか何だかフララが言っている間に玉がフララの顔に直撃。フララ。台詞を言うのはいいけど、なるべく手短にね。
レイ「さあ、第二回戦は、いつもおっとりルナ姉さんVS忠実の所がこれがまたいいギアのたたかいだぁ〜!サーブはギアから、バトル開始!!」
ギア『ルナ様〜、行きますよぉ〜♪』
ルナ「ハイ〜♪」
ギア『そぉ〜れぇえ♪』
ルオ「・・恐らく一番まともね。この試合。」
ウェイア『うむ…。』
−五分後−
ルナ「たのしいですわねぇ〜♪」
ギア『はいぃ〜、そうですねぇ〜♪』
−十分後−
ルナ「おほほほほほほぉ♪』
ギア『うふふふふふふぅ♪』
−三十分後−
レイ「え〜、中々勝負がつかないので、お先にお勧めくださいとのことらしいので、お言葉に甘えて先に進めちゃいまぁ〜す。
さあ、続いての戦いは、いつもクールな炎の御姉様ウェイアVSその主のルオの対決!先行はウェイアから!バトル始め!」
ウェイア『では行くぞ!はっ!』
ルオ「きたわねぇ!でも、負けないんだから!」
ルナ「まあ!とても良いショットですわ!」
ギア『ルオ様も負けておられませんよ!』
フィナ「てめぇーらいつ終わったんだよ?」
ウェイア『はっ!しまった!』
ルオ「おりゃっ!」
レイ「勝負ありぃ〜!この勝負はルオの勝ち!さあ、続いては第四試合、世界一最強女番長フィナ姉VS我クールな弟レオの対決!サーブはフィナ姉、試合開始!」
フィナ「おりやぁー!!」
レオ「!」
そして長い長い戦いが始まった・・。 by,作者
−一時間経過−
そして時は流れ・・。
フィナ「ヤバっ。」
レオの見事なスマッシュが決まった。
レイ「試合終了〜!第四試合はレオの勝ち!レオは決勝戦進出!そして準決勝戦は不思議ミステリィ〜なラファルスVSやっぱり主のルオの対決!」
ルオ「ちょいまち。さっきと呼び方代わっているけいのような気もするんですけど。」
レイ「気にしな〜い気にしな〜い♪先行はルオから、試合スタート!」
ルオ「あ、あのねぇ。まあ、いいや。さっさと始めちゃおうっと!」
ルオが打てば、ラファルスもすかさず打ち返してくる。
ルオがスマッシュを打ち、決まったかと思った次の瞬間、ラファルスが打ち返してき、逆転されてしまった。
ルオ「う、うそ?」
レイ「試合終了、ラファルスの勝ち〜!ラファルスが決勝進出!さあ、この大会もいよいよクライマックス!いい加減なんかしゃべってくれよのラファルスVSアンタクールの中のクールだよのレオの戦いだぁ!」
ルオ「やっぱり呼び方代わってるし・・。」
レイ「レオの先行でバトルスタート!」
早速打ってきたレオ。やっぱり打ち返すラファルス。結構長い戦いになりそうな感じですが、どうなんでしょうか?(作者が聞くな)
二人のペースは緩むことなく続いている中、いよいよレオが止めのスマッシュを入れた。
レイ「終・了!今大会の優勝者はレオに決定いたしました〜!拍手拍手〜♪」
ギア『おすごかったでございますレオ様〜♪』
ウェイア『さすがといった所か。』
ルナ「本当にそうでしたね。」
フィナ「けっ。」
ルオ「あ〜もう、ラファルスに負けてなかったらレオと対戦してたのにぃ。」
レイ「レオ〜、何かコメントあr」
レオ「ノーコメント。」
レイ「あっ…そう…(汗)」
こうして、長く続いた大会は終幕を迎えたのであった。あった…。
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レナ #8☆2007.02/19(月)22:14
第六話 

ルオ「ラファルス『サイコブースト』!」
向かってくる相手のドンカラスに技が命中する。あくタイプのドンカラスにとっては、まったく通じないはずのエスパー技が見事に決まり、ドンカラスは倒れ落ちる。
ドンカラス『ドバァー…。』
兵士A「ドンカラス戦闘不能!ラフファルスの勝ち!よって勝者、ルオ様!」
ジャッジをしていた兵士の声が、フィールドに響く。ルオ達の相手をしていた兵士が、ドンカラスを自分のボールに戻す。
兵士B「さすがルオ様です。あくタイプが備わっているドンカラスを、エスパー技のみで倒してしまわれるとは…。ラファルスの操り方もまたあがりましたな!」
ルオ「褒めすぎよ。まあ、確かに、この子とのシンクロ率は上がったとは思うわね。」
ルオはラファルスの方を見る。だが、ラファルスはまるで凍りついるかのような、冷たく死んだような眼差しをフィールドに向けている。
そんなラファルスの姿を見ている時、ルオの頭の中によぎるものは、十一年前のあの悲しい過去が過ぎる。
兵士B「ルオ様?」
ルオ「!ん、何?」
兵士B「どうかなさられましたか?」
兵士A「疲れがたまっているのでは?」
ルオ「ああ、平気よ。さあ、今日はこのくらいにしましょ。ありがとね、夜遅くまで手伝ってもらっちゃって。今日はもういいわ。ご苦労様。下がっていいわよ。」
兵士A・B「はっ!!」
兵士達を下がらせ、ルオはラファルスの許へ歩いた。ラファルスはやはり、フィールドに目を向けたままである。
ルオ「………。何をしているの?フィールドをずっと見ていても、何も無いわよ?」
それでもラファルスはフィールドに目を向けている。
ルオ「…今日は、もう遅いからやめましょう。あなたもゆっくり休みなさい。」
ルオはそう言うと、ラファルスをボールの中に戻した。切なさそうな顔をして。そして、そのまま自分の部屋へと戻っていった。
そんなルオとラファルスをレオは静かに、ダイヤモンドの様な青いドラゴンとパールの様なふじ色のドラゴンと共に見つめていた。
レオ「…奴を、ラファルスをリライブ出来るのは、ルオ。お前しかいないんだよ…。」
そう呟くと、二体のドラゴンとその主は、まるで溶け込むかのように、月夜に消えていった…。
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レナ #9☆2007.03/06(火)21:40
第七話 密猟者

ルオ「ん〜っ。やっぱ外の空気は新鮮でいいわぁ。w」
本日は晴天。さらに休日なため、学園は休みなのだ。ルオは丁度都の中央エリアの森の丘に方に来ていた。
ルオ「どうせ部活が始まるのは、来週からだしね。それに、この子との絆を深めるには丁度いいわ。」
ルオはそう言いながら、自分の白いボール『ライトボール(光の器)』の中からラファルスを出した。
相変らず、眼には生気を宿していなかった。
ルオがラファルスの顔を覗き込む。
ルオ「また黙り込んじゃってるの?それってつまんなくない?私だったらつまんないなぁ。むしろ黙り込んでる方が疲れるし……!?」
その時だ。ルオは何かが自分に襲い掛かってこようとしたのに気づき、ギリギリの所で回避した。そして、すぐに態勢を立て直し、戦闘態勢に切り替えた。
ルオ「誰?姿を現しなさい!一体何が狙いなの?宝石?金?それとも私の命かしら?」
???「どちらでもねぇーよ。」
その時、木陰から姿を現したのは、体格は大きく、ケッキングぐらいの大きさで、頭に帽子を深く被り、タバコを吸っていて、ドラピオンを使えている男が出てきた。明らかにこの格好からして見れば、密猟者と言うことが分かる。
ルオ「密猟者!?何故ココに?」
密猟者「へっ。本当はここにいるポケモン達を頂いていこうと思ったんだけどようぅ、こいつを見たら予定を変更しなきゃぁなんなくなったからなぁ。」
そう笑いながら密猟者が親指を後ろにさした方向に眼を向けた時、ルオは自分の眼を疑った。ラファルスがとても頑丈そうな鉄牢屋の中に閉じ込められていたのだ。
ルオ「ラファルス!!」
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レナ #10★2007.04/03(火)17:17
第八話 声は何所へ行く?

ルオ「ラファルス!!」
 密猟者のポケモンがルオに襲い掛かったのはラファルスを手に入れる為に、わざと二人を引き離す為の作戦だった。
それに後から気づいたルオはなぜもっと早くきずかなかったのかと、怒りと後悔が絡み合っていた状態だった。
密猟者「んじゃあ、用もすんだぁー事だし、察(警察)が来ん前にとっととこの場からオサラバすんとするか。」
 密猟者はそう言うと、自分のポケットの中からあるスイッチらしき物を取り出すと、そのボタンを押し、次の瞬間、森から巨大ヘリが現れた。
 ルオが目の前にヘリが現れた途端、やっと理性を取り戻した。だが、相手のドラピオンに邪魔されて、ラファルスの所に行く事が出来ず、攻撃が止んだ後にはもう、すでに積み終わって上空に飛んで行ってしまった状態だった。
ルオ「まずいっ!『フララ』!!」
 フララを出すと、すかさずフララの背中に飛び乗り、ヘリの後を追った。相手のヘリはかなり高く飛んでいたので、追いついた時には雲の上にいた。だがルオはそれでもお構いなし。
ルオ「フララ、あのヘリのシャッターに向かって『破壊光線』!」
フララ『フラァアアッフゥウウウウッ!』
 フララの破壊光線が、ヘリのシャッターに直撃した。中には鉄牢屋に入れられたらファルスの姿が確認された。ラファルスが無事な事に安心したルオだが、すぐにその安心は消えた。密猟者は自分の獲物が奪い返されそうな事に気づき、怒りの叫び声を上げると、オニドリルを繰り出してきた。
密猟者「オニドリル、あのガキ共を打ち落とせ!『鋼の翼』だ!!」
 オニドリルがこっちに獰猛な眼を向け、こっちに向かってくる。ルオはオニドリルをフララに任せ、飛び降り自分のボールから子ルギアを繰り出し、足に捕まりラファルスの方へ向かった。
ルオ「『キアルス』、お願い急いで!」
 クゥーッと一声鳴き声を上げると、キアルスはスピードを早めた。
ルオ「ラファルス!」
 ルオがラファルスを呼ぶ。それと同時にラファルスも顔を上げる。
ルオ「大丈夫よ、今助けるからっ。」
 着地したルオはそう言うなり、鉄牢屋を開けようとした。キアルスもそれに手伝った。
 だが、鉄牢屋は思った以上に硬く、なかなか開ける事が出来ない。ラファルスを外に出す事だけを考えていたルオは、闇の中に紛れ、ドラピオンが自分に向かってクロスポイズンをした事に気づかず、気づいた時にはもうすでに時は遅し。ルオはその反動のせいで、ヘリから落下していた。
 そして、その受けた痛みのせいで、身動きひとつとる事も出来ず、地上へ落ちていく中、ただ叫ぶ事しか出来なかった。
ルオ「ラファルスーッ!!」
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レナ #11★2007.04/04(水)08:32
第九話 Roots −暗闇−

 いつ頃からだろう。気が付いたら、この”地”にいた。周りに木々が伸び伸びと立っていて、とても豊かそうな感じ。でも、自分にとって何もかもが初めて見るような気がする。何でだろう…?
 どこにも行く当ても無く、ただ、歩き回っていたら、”透明”で透き通った水の中に、白い”石”で作られた建物の残骸を見つけた。近寄ってみると、それはまるで鏡の様に自分の姿を映し出した。青色の肌に、長くとがった耳。耳につけた金色の耳飾に、腰まで伸びた金色の長い髪。眼の色は肌の色と同じで、透き通ったかの様な蒼い眼が映し出されている。
「?」
 それを不思議に思って、石に触れてみようとした、その時だった。
「…そこで何をしている?」
 驚いた。誰もいないと思っていたのに、人がこっちを見ていた。よく見てみると、その人は、銀色の髪をしていて、顔に横長の白い線があり、金色の眼を輝かせた”男の人”だった。その男の人は、こっちを睨みながら言ってきた。
 怖い…。そう感じた時、すぐに自分の足を動かし、その場から逃げた。
 ”男の人”は追ってきた。でも、走らなきゃ。走らなきゃ”捕まって”しまう。
−…”捕まる”?”捕まる”て、一体なあに?−
 そんな事を思った矢先だった。誤って湖の中に落ちてしまった。とても息苦しい。ここで”死”んでしまうのだろうか…。
−”死”って、一体なあに?−
 だが、時は待ってはくれない。だんだんと意識が遠退いてゆく…。

 気が付いたら、いつの間にか何かの中。少し暗いけど、でも、抵抗はしなかった。正確に言えば、抵抗しようとはしなかった。
自分自身にも、よく分からない。でも、その中で自分の姿を見てみると、自分の姿は変わっていた。耳は大きな羽みたいになり、体は雪のように透き通った肌に変わっていた。
−…?−
 訳が分からなかった。でも、それを素直に受け止めた。姿が変わったからと言ってわめいても、どうにかなる話ではないと言う事は分かっていたから。
 そんな事を考えていると、なぜだか知らないが、外に出してもらえた。どうやら”黒いボール”の中に入れられていたみたいだ。そこは、さっきいた時の場所と違って、知らない生き物達がたくさんいた。その時、目の前に、一人の”女の人”がいた。さっきの”男の人”はすぐ真後ろにいた。二人は一体何を話しているのか、さっぱり分からなかった。
「ラ、”ラファルス”。」
「ああ、だが。違う。」
 二人の人はこっちを見ながら言う。どうやら自分の名は”ラファルス”と言うらしい。だが、まったく覚えがない。
二人が話を交話得ている最中、自分自身のことを考えていた。でも、何も思い浮かばない。
「”ルオ”。貴様にこのラファルスを任せる。」
ルオ「はいいぃっ!!?」
−”ルオ”?この”女の人”事?−
ルオ「ちょっと”レオ”!ラファルスはあんたが見つけたんでしょっ?そしたら、何であんたがやんない訳?私よりあんたの方が育て方良いでしょう?」
−”男の人”の方は…”レオ”?そう言うの?−
レオ「俺は訳があって、お前にラファルスを渡すんだ。分かるか?」
 二人は話を続ける。でも、自分には良く分からない。…当たり前だよね。
 そして、そんな事を思っている時、今度は”白いボール”の中に入れられ、”ルオ”の手元に渡された…。
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レナ #12☆2007.04/03(火)17:13
第十話 Roots −リライブ−

ルオ「でておいで、ラファルス。」
 ルオが”俺”を出した。いつ頃からだろうか。レオが自分自身の事を”俺”と言っていたから、それがいつの間にか自分自身の呼び方になっていた。
 そしてココは何所だろうか。いつも呼び出される時は必ずバトルなのに、今日は違う。光が差し込んでいて、なんだか暖かい…。
 そんな事を思いながらボーっとしてたら、ルオの顔が俺の前に出てきた。でも驚くことはなかった。ルオが俺に向かって何か言っている。でも、その声はすぐ俺の頭から抜けてしまった。音。静かに来る音。まっすぐこっちに向かってくる音。もうすぐそばにまで来ている。足音が…二つ。ひとつは人で、もうひとつは…足がたくさん生えてるポケモンの足音。
 ルオも気づいたらしく、ぎりぎりの所を回避した。紫色の大きな蠍型だ。でも、俺は避けなかった。いや、”避けれなかった”。だって、あんなに降り注ぐ光から離れたくなかったから。
 でも、それがいけなかったのかな?”俺は捕まり、檻の中に入れられた。…”男の人”だった。”男の人”は俺が目的だったらしく、俺を捕まえたら、大きな乗り物の中に檻の中で座り込んでいる俺を檻ごと入れた。そしてそのまま、その乗り物が浮くのを感じた。
−…光が消えた。また、暗闇の中……。−
 怖かった。光が消えて、自分はこれからどこへ連れて行かれるのだろう。もう、何が何だか分からなかった。
「ラファルス!」
 ”声”が聞こえた。そして、音と共に、”空”が見えた。とても綺麗な”青い空”。そこに一人の人と、銀色の小柄なポケモンが見えた。
−…ルオ?−
 間違いなく、それはルオだった。藍色(あおいろ)の眼がまっすぐこっちを見ている。
ルオ「大丈夫よ、今助けるからっ。」
 ルオと銀色のポケモンが檻を開けようとする。でも、檻はとても硬い。俺は見ているだけしか出来なかった。しかも、俺は後ろからあの紫色のポケモンがこっちに来る事も気づかなかった。気づいたのは紫色のポケモンが攻撃を放とうとした時だった。
−…えっ?−
 その攻撃は、よりにもよって、ルオに放たれた。ルオの体は、下に落ちて行く。ルオのポケモンの悲鳴が響き渡る。
−…ダメ…。ルオっ。俺を、俺をルオのもとへ行かせて!−
 その瞬間、俺は体が軽くなるのを感じ、いつの間にか檻から抜け出していた。回りにいた全員が驚いていた。でも、そんな事を気にしている場合ではなかった。俺はその乗り物の中から飛び降りた。
「俺は、俺にとって、貴女は大切な…人。」
そう。その時初めて、俺は心から大切な人を、見つけた気がした…。
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レナ #13☆2007.04/03(火)21:26
第十一話 唄歌う混沌の魔術師 −ソング・オブ・カオス・マジシャン−

−だめだ。体が全然動かないや。さっきのクロスポイズン、結構効いたもんなぁ…。−
 体が大地に落ちて行く中、そんな事を思いながら、ルオは落ちて行った。
−もう、ダメなのかなぁ。私…。−
そんな事を思い、自分の運命を受け入れようとした時だった。空から、何かの声が聞こえてきた。
−…唄?−
 それは、とても綺麗な歌声だった。この世の物とはとても思えない様な美しい歌声だった。

−光と闇に挟まれし、神々の手により産み落されし子。行く道無き子は、我居場所捜し求め、混沌と言う名の黄昏へと進み行く。それは、終わり無き旅路なりける−

 その唄は、綺麗な歌声と共に、とても切なく感じさせた。まさに、『哀歌−エレジー』と言っても良いだろう…。
 ルオはそっと眼を閉じた。そして、ゆっくりと眼を開けてみると、そこには、見覚えがある顔があった。金色のロングヘアーに翼の様に動かし、空を飛ぶことが出来ている耳。雪の様な真っ白な顔に、蒼色の瞳がこっちに向けられている。そう、それは紛れも無く…。
ルオ「ラ、ラファルス?」
 しかも、自分は落下していたのに、空中で停止している。これは間違いなく、ラファルスのサイコパワーのおかげである。そして、何よりも驚いた事と言えば、先程まで囚われの身だったラファルスがいつの間にか自由の身になっていて、さらにはラファルスの瞳には生気が宿っており、その瞳で自分に微笑みかけて来るのだ。
 あまりにも突然の事に、ルオは言葉を失った。いつも一言も喋らずに黙りこくっていたあの、ラファルスが、今、自分に向かって微笑んでいるのだから。
ラファルス『ルオ。』
 自分の名前を呼ばれ、ハッと我に返った。ラファルスは微笑みながらこう言った。
ラファルス『ありがとう。』
ルオ「!………どう致しまして。」
 ルオが笑いかける。ラファルスはルオの表情を見て、何故かとても嬉しそうに笑う。
 だが、ルオの表情はすぐに変わり、真面目な顔に戻った。
ルオ「ラファルス。貴方の力を貸して。今、貴方の力がどうしても必要なの。」
 ラファルスは頷く。そして、上を見たかと思うと、ルオをサイコパワーで連れ、上へと飛んでいった。上では、フララがオニドリルと、キアルスがドラピオンと激しい戦闘を繰り広げている。
ルオ「ラファルス、『ブレイブバード』から『ほえる』っ!」
 ラファルスが繰り出したブレイブバードが、相手のオニドリルに直撃。さらにラファルスのほえるにより、オニドリルはボールの中へ。
密猟者「んな、ばかなぁっ!」
 ボールの中に戻ったオニドリルは、すでに戦闘不能状態。ラファルスの攻撃が、それほど強かったのが分かる。
 ルオは、ラファルスのサイコパワーから、フララの背中へと乗り換えた。
ルオ「キアルス、引いていいわ!戻ってきて!」
 ルオの指示に従い、キアルスは急いでその場から引く。だが、相手のドラピオンの『毒針』が容赦なくキアルスに襲い掛かろうとする。その時、寸前の所でラファルスが『鋼の翼』で防御。それから相手に睨み返した。
ルオ「さっきはよくもやってくれたわね。さっきの分、これで返してあげる!ラファルス、これで決めるわよ、『ゴットバード』っ!!」
 ラファルスの姿が炎に包まれたかと思うと、不死鳥の姿に変わった。そして、そのまま、密猟者が乗るヘリへ突っ込んで行っき、見事ヘリを貫いた。
 大地へと落ちて行く密猟者を、助けに行ってくれと指示を出そうとした時であった。急に謎の巨大な空間が現れ、密猟者ごとその中に消えてしまったのだ。それを見たルオ達は唖然としていた。一体、あの空間はなんだったのだろうか…。

???『”マスター”。密猟者の捕獲、完了致しました。』
マスター「ご苦労だったな、『サキュロス』。」
???『”マスター”。この密猟者の過去を探ってみた結果、この者、”夜月 光聖心”が所有する”ラファルス”を狙っての犯行だと判明致しました。ですが、この様子だと、当の本人に返り討ちにされたと見られます。』
マスター「そうか。『キラーファ』、ご苦労。」
サキュロス『この者をどうなさります?』
マスター「牢の中へ入れておけ。その様な行為、許すわけにはいかないからな。これからも頼むぞ、キラーファ、サキュロス。」
キラーファ・サキュロス『我等の主、”マスター・『レオ』”の仰せの通りに…。』

ルオ「今日は散々な目に逢ったわね。”君”は捕まるし、私は死にそおにはなるし。」
???「でもよかった。ルオ、無事で。」
 満月の月夜、城の庭園の中で話すこの二人。一人はルオ。そしてもう一人は、ルオと同じくらいの年頃で、金色のロングヘアーに、長くとがった耳に金色の三角形型のイアリングを付け、蒼い肌に蒼い眼で、腕が白い大きな服にすっぽり腕が隠れていて、肩と腹だけ露出し全身黒い服装の少年。
ルオ「あのねぇ、明日から”君”も私達が通っている学園に通うのよ?”転入初日から大怪我をして入ってきた生徒”って感じで行きたくはないでしょう?違う、『ラファルス』?」
ラファルス「ははは。確かにそれはヤダかも。;」
 そう。先程からルオと話していたのは、あのラファルスだったのだ。
ラファルス「俺、ルオが助けてくれた時、嬉しかったよ。」
ルオ「ん〜?私は何も助けれてないって。むしろ助けられた方。」
ラファルス「ううん。俺は、自分の心が救われたよ。ルオがいつも、俺に気を使っててくれたし、それに…。何よりも、ルオの側にずっといられるだけで、俺にとっての救いなんだ。」
ルオ「ラファルス……。よし、決めた!」
ラファルス「ほえ?」
 ルオが急に立ち上がった。ラファルスの頭の上には?マークが出ている。
 ルオがラファルスの方を見る。
ルオ「君の名前。まだ決めてなかったでしょ?君は今日から『ルアラ』。『黒魔 混沌心(くろま ルアラ)』よ。
 これからもヨロシクね、ルアラ!」
ルアラ「!うん!」
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レナ #14☆2007.04/04(水)18:01
第十二話 アーハードネス学園

ルアラ「うわぁ…。大きいぃ…。」
 やはり迫力があるのか、ルアラは唖然としている。ルオが隣でクスクスと笑う。
ルオ「それはそうよ。ここは幼年部から大学部まであるもの。それじゃ、教室にいこっか?」
 ルオはルアラを連れ、歩き出す。
−まあ、ルアラが同じクラスって言う事は、最初から解ってるんだけどねぇ…。−
 実は言うと、本来ならば学園長室に向かうはずなのだが…ルアラが「いやいや」と泣きながら反対したらしい。理由は、一人で行くのが怖いとの事。なら自分も一緒に言ってあげるからといったら、これも泣きながら反対。仕方なく、ポケギアで連絡を送り、そのまま教室に向かう事に強制決定。そして、空いているクラスを探すのにも、ルアラはルオと一緒のクラスが言いと泣き喚いたの事。これも強制決定。
−ルアラの涙は、女でさへ敵わない…。(汗)−
 ルオはそう悟ったのであった。
ルオ「おっ。付いたよ、ルアラ。ここ。」
ルアラ「わあぁ…。」
 ルアラの瞳が輝いていた。余程感激したのかは不明だが。
−…この子、本当に何も憶えていないのかしら?しかし、うちのクラスには、ヤンキーが数名居るんだよねぇ。この子、本当に大丈夫なのかしら?−
 ルオは不安でならなかった。そんな事を考えている間に、ある一人の女性がやってきた。
ルアラ「ララ?」
 ルアラの声で気づいた。その前に、ルオはルアラのその言葉に疑問を持っていた。だが、その疑問は一時措いて措く事にした。
ルオ「おはようございます。『亞世先生(アヨ先生)』。」
亞世先生「おはようございます。夜月さん。そこにいる子がもしかして…。」
ルオ「はい。転入生の黒魔 混沌心です。ルアラ、挨拶して。」
ルアラ「は、初め、まして。」
 ルアラはルオの後ろに隠れながら挨拶する。やはり、人が怖いと言う感覚があるのか、はまたは本能的なのだろうか。
亞世先生「うふ。そんなに人になれていないのですか?まあ、これから、教室に入りますので、どうぞ。」
ルアラ「ハ、ハイっ。」
 やはりビクビクしているルアラに、ルオは先が思いやられた。
とりあえず、ルアラよりも先に教室に入る事にした。

亞世先生「はーい。皆さんお静かに。今日から、新しい生徒が入りますので、紹介します。黒魔 混沌心君です。みなさん、仲良くお願いしますね。」
ルアラ「よ、よろしく、お願い、し、し、しま、す…。」
生徒1「なにあのこぉ。ちょーかわいいんだけどぉ。」
生徒2「女の子かなぁ、あの子?チョー好みなんだけど。」
生徒3「バカ。来んのは男子生徒だッて言ってたじゃんか、先生が。」
生徒4「カワイイッ♪そしてとてもステキ♪//」
そんな会話が飛び飛び出ている中、ルオの不安はますます大きくなっていた。
−ヤンキー達が居ないのが、救いね…。−
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レナ #15☆2007.04/04(水)22:26
第十三話 綾人と玲香

亞世先生「えぇと、それじゃ、黒魔君の席は…。じゃあ、あそこの窓側の席にして貰いましょうか。」
 先生が指した方向は、一席だけ空いている机と椅子があった。だが、ルオとは少し離れていた為、それはそれでショックだったらしい。
−離れてるって言っても、そんなにショックなことではないような気がするんだけど…。−
 まあ、それでも、ルオとは同じクラスなので、しぶしぶそこの席に行く事にした。
ルアラ「はぁ…。」
生徒1「緊張してたの?」
ルアラ「ほえっ?」
 いきなり後ろから声を掛けられ、声を掛けてきた生徒の方を向く。灰色の落ち着いた感じの跳ねた髪に、藍色の瞳の少年と、茶髪の長い髪に、紅色の瞳の少女が、微笑みながらこっちを見ている。
生徒1「初めまして。僕は『神名 綾人(かみな あやと)』。こっちは、『美嶋 玲香(みじま れいか)』。」
玲香「よろしくね。」
ルアラ「よ、よろしく…。」
 ルアラがもじもじと挨拶する。
亞世先生「さあ、みなさん。授業の準備をしておいてくだいね。それでは、これまで。」

綾人「ルアラ君、君、イアリング付けているんだ。しかも大きいの。」
ルアラ「ほえっ?あ、これ?う、うん。そうだけど…。」
玲香「おもしろい形をしているのね。こういう形は、そんなに無いのよ?どこで手に入れたの?」
ルアラ「えっ?そ、それは……。」
綾人「あ、言いにくいんだったら、言わなくてもいいよ。」
ルアラ「あ、ありがとう…。」
 そんなルアラの言葉を聴いた二人は、クスクス笑い始めた。ルアラはそんな二人に驚いたのか、眼を大きく見開いた。
ルアラ「俺、そんなにおかしい事いったの?」
綾人「ご、ごめん。そういうわけじゃないんだ。」
玲香「楽しいのよ。黒魔君とこういう風に話せるのが。とても。」
ルアラ「……。」
 二人の言葉を聴いて、ルアラはポカンと口開けたまま呆然としている。そして勇気を振り絞って、言葉を自分から出した。
ルアラ「ね、ねえぇ。……俺達、もう”友達”?」
 二人はルアラのその言葉に驚いた様子だが、すぐルアラに微笑み返した。
綾人「もちろん。もう、僕達は友達だよ。」
玲香「これから、ずっとね。」
 二人が優しくルアラに微笑む。二人のその言葉を聴き、ルアラは初めて、ルオ以外の人に心を開いた。
ルアラ「うんっ!」
−ルオ。俺にも、友達が出来たよ。とても優しくて、暖かな二人が…。−

−オリンとイシュトリ。二人の唄はやがて我らが愛した神々の子”ルフェフィ”へと届く物なりけり…−
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レナ #16☆2007.06/17(日)21:27
第十四話 不良な野郎共

ルオ「くあぁっ。」
 あくびと同時にそんな腑抜けな声が思わず出てしまった。だが、そんな事も言ってられないので、さっさと制服に着替え、ルアラを起こしに、隣の部屋へノックを掛ける。
 何うへそんな事をするのかといえば、出てくるのはルアラの泣きながらのイヤイヤ。それを予測したルオは自ら彼を起こしに行くと言ったのである。
ルオ「ルアラァ?早くでてきなさぁ〜いっ。」
 だが、扉の向こうからは返答がない。仕方なく、部屋の中に入ってみれば、部屋の中のカーテンは閉じきったままである。まだ起きていないのは明らかである。
 ルアラはベットの中で丸くうずくまった状態で眠っていた。
ルオ「ルアラァ〜。お〜きろ〜。」
 と、小声で声を掛けてみる。が、寝息しか聞こえない。仕方が無いと、ルオは決断した。大きく息を吸い、そして…。
ルオ「ルアラァッ、起きなさぁああいっ!」
ルアラ「ほ、ほええぇぇっ!?」
 思わずその長く尖がった自分の耳を押さえながら飛び起きる。ルアラの耳は非常に音に敏感らしく、普段はドアから出る時の音や、人の足音、ドアをノックする音、耳の側で小声で呼びかけたりする時の声の大きさで普段は起きるが、よほど疲れていない時は、そんな事をしても起きない。で、最終手段はこれ。
ルアラ「み、耳が。耳がキィーンって。キィーンてするよぉっ。(泣)」
ルオ「君が起きないのがいけないんでしょうがっ。ほら、早く着替えて。また遅刻するわよ?」
 そう、もうすでに、ルアラのそのマイペースなスピードに、いつもギリギリに学園に着いてしまうのだ。おかげでいつもフララはいつも眼を回しながらボールの中に戻されている。
ルアラ「ご、ごめんなさぁ〜いっ。」
 そんなルアラに、ルオは溜息をついたのであった。

綾人「おはよう、ルアラ君。」
ルアラ「おはよぉっ、綾人、玲香。」
冷香「今日も遅刻になりそうだったね?」
ルアラ「は、ははは。」
 結局、いつものパターンだったらしい。そんな時に、亞世先生に捉まってしまい、ルオは朝からぐったり。
 そんな感じで、ルアラが思わず冷や汗をたらしてた所だった。
 「バンッ」
 その音と同時に全員が振り向いた。ルアラは相変らず一人耳を押さえている。
ルアラ「ふえぇ〜んっ一体何ィ〜?て、ララ?」
 綾人と玲香、他の生徒達の顔色がだんだん青くなっているのを見て恐る恐る後ろを振り返って見る。後ろの方のドア側に、四人の男子生徒の姿が、蒼色の瞳に映った。
 その時、ルオが口を開いた。
ルオ「出た。不良四人組(ヤンキーズ・フォーマンセル)。」
ルアラ「?誰?」
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レナ #17★2007.07/23(月)16:37
第十五話 果たし状

???「いけっ『スケィス』!」
ルオ「『ルアラ』、行けっ!」
 主の呼び出しと同時に出てきたラファルスとダークライ。辺りからは歓声が巻き起こる中、ルオは不安を抱いていた。
―本当は、ここでこんな事したくなんてないのに。なんでこうなるのかな?―
 それは、昨日の事である。

ルアラ「?誰?」
 ルアラが眼を大きく見開きながら、訊ねる。だが、この空間にいるすべての生徒達の耳に、その質問は入ってこなかった。
 先頭にたっていた、少し銀色に近い灰色の髪の不良がその沈黙を破った。
不良1「ちっ。やっぱ帰ろうぜ。来たって面白くもなんとねぇ。」
不良2「言えてる。つーか、飽きるぞココ。本当に。」
 白髪で茶色い肌で、少し小柄な不良が同意した。
 次に口を開いたのは、黒髪で、その中で一番背が高く、長い髪を頭の上で結っている不良だ。
不良3「用が無いならさっさと帰るぞ。腹が立って仕方がない。」
 その三人が元来た道を引き返そうとした時だ。その不良の中で、一番背が小さい少年が、先程からルアラの事をじっと見つめている。その事について、不思議に感じているのか、眼を大きく見開かせたまま、ルアラの頭の上には大きく?がついている。
不良4「一人、増エテル。」
三人「はっ?」
 三人が歩みを止めた。そして、その不良はルアラの前にやってきた。
 蒼く長い前髪の隙間から、瞳孔が小さく、碧(みどり)色の鋭い眼差しが、ルアラを見つめている。
 誰もが怯え、震え上がってるいる時だ。
ルアラ「初めまして。俺、この間ここに転入してきた、黒魔 混沌心って言うの。ねぇ、君の名前、何て言うの?教えて。」
 その言葉に驚いたのか、その場にいる全員が眼を大きく見開かせた。相当、驚いているようだ。
 その時だ、不良少年がルアラのその質問に答えた。
不良4「…『カイト』。」
ルアラ「?」
カイト「蒼炎、改徒(かいと)。」
ルアラ「カイト?カイトって言うの?」
 ルアラが、瞳を輝かせながら問う。カイトが静かに頷く。
不良2「おいっ、カイト!どう言うつもりだよ?」
カイト「『ゼット』。」
 文句を言いたいのかとでも言うかの様に、カイトがゼットの方を見る。ゼットが口を開きかけた時だ。
ルアラ「君は、ゼットって言うの?」
ゼット「んなっ!?」
 今度はゼットが大目玉を食らった。ルアラがいきなり前に現れたから、対処が出来なかったのだ。
ルアラ「カイトォ?この人はゼットて言うのぉ?」
 その問いに、カイトが頷く。
カイト「…ソイツ、『ゼット・エグラス』。」
ゼット「何勝手に人の名前を教えてんだテメェーはぁっ!」
 文句をぶつけるゼット。だが、ルアラにとって、そんな事はお構い無しだ。
ルアラ「カイトォ?じゃあ、この人達は?」
カイト「黒髪、『刻刃 勇(こくは ゆう)』。灰色ノ髪、『刹那 ハセヲ(せつな はせを)』。」
ルアラ「ハセヲとユウ?ハセヲとユウとゼットとカイトっ!」
 ルアラが何故か喜ぶ。何に対してかは知らないが、かなり嬉しいらしい。
 そんなルアラを見たルオはと言うと。
―こ、この子、なんかある意味ですごっ。―
 効果音で言うと、えぇーって言う音を立てながら、そう思った、ルオであった。
ハセヲ「おいっ。そこのチビ。」
ルアラ「ララ?俺の事?」
ハセヲ「そうだよ。ボケで女顔で何を考えているのかまったくわかんねぇーチビのお前の事だよ。」
 ルアラにとって、それはいい言葉なのか、それとも悪い言葉なのか、全然さっぱり解っていないらしい。
 その主である、ルオは、ムッとした。ルアラがバカにされてるのを聞いてると、まるで、自分がバカにされている様な気分になるのだ。
 これ以上、ルアラが何か言われない為に、ルオが立ち上がった。
ルオ「ちょっと、ハセヲ?そうやってルアラをいじめるの、止めて貰えないかしら?この子はまだ、ココに着たばかりで、まだ何も知らないのよ?ちょっと強いからといって、授業に参加しなかったり、そこら辺の区域で、勝手に暴れ舞わんの、止めて貰えないかしら?最近こっちに苦情が来るのが多いのよ。」
ハセヲ「はっ?そんな事、俺達の勝手じゃねーか。お前こそ、王女か皇女だか何だか知らねーけどよ、こっちに”命令”なんかしてんじゃねーよっ!」
ルオ「なっ!それってどういう意味よっ!?」
 もうすでに、ルオは”苛立ち”と言う感情から、”怒り”と言う感情に変わってきていた。ルオが言葉を発しようとしたその時だ。
ルアラ「アアァァ!!」
 その声に驚いたのか、二人が言い合うの止めた。そこには、頭を抱え、泣きながら叫び続けているルアラが映った。
ルオ「ル、ルアラ?」
 だが、一行にルアラは泣き止もうとはしない。
 ルアラが泣き叫ぶと同時に、ルオは、自分のポケットが冷たくなるのを感じた。何かと探り出してみると、出てきたのはルアラのボールカプセル。しかも、色が透き通った青色になり、冷たく光っているのだ。
 そのボールを見たハセヲが、ある事を思いついた。
ハセヲ「おい、皇女様よう。それだったら、こう言う賭けをしてみないか?」
ルオ「賭け?」
 ハセヲが不適な笑みを浮かべる。
ハセヲ「ああぁ。ポケモンバトルで、アンタの考えと俺の考えを賭けんのさ。アンタが勝ったら、俺達はその案を呑もう。だが、俺たちが勝ったら、アンタは俺達の案を呑む事になる。使用ポケモンは一体ずつだ。それじゃ、明日の放課後、学園の外野フィールドでな。」
 それだけを言い残すと、四人は教室を去って行った。
 ルアラの泣き叫ぶ声が響く中で…。
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レナ #18☆2007.09/01(土)23:03
第十六話 Sieep

ルオ「ルアラ、『サイコカッター』っ!」
 ルアラのサイコカッターがスケィスに襲い掛かる。
ハセヲ「スケィス、『シャドーボール』っ!」
 スケィスのシャドーボールがルアラのサイコカッターを消し、威力が増す。
ルオ「!やるわねっ。なら、ルアラ飛んでっ!」
 ルオの指示通り、ルアラは威力の増したシャドーボールを交わし、一気に上空へ飛ぶ。
ルオ「そこよっ。『シャドーダイブ』っ!」
 ルアラの攻撃がスケィスに当たった。さらに、急所だった為、相手にとって大ダメージとなった。だが、相性的には効果が今ひとつな為、スケィスは耐え切れている。
ハセヲ「スケィスっ!?やりやがったなぁっ!スケィス、『ダークホール』!」
ルオ「あら?攻撃を喰らって頭に血でも上ったかしら?ルアラっ。その球体に触れちゃダメよ。交わして。」
 相手のダークホールを難なく交わし続けているルアラ。だが。
ハセヲ「スケィス、『ダークホール』をそのまま続けろっ!」
 相手のダークホールの数が増す。それでも、ルアラは中々の素早さであり、回避率である。
ルオ「いいわよ。ルアラ、そのまま交わし続け…っ?」
 ルオはルアラの表情を見て、ある事に気付いた。数の増すダークホールを交わし続けて入るが、その数が、先程から異常なほどに増すため、ルアラの表情に疲れが見えてきたのだ。
 そこでルオは、ハセヲの狙いに気付いた。
ルオ「っ!ルアラ、前に気をつけ」
ハセヲ「おそいっ!」
 ルオがハセヲの狙いに気が付いた時には、もうすでに、ハセヲのスケィスがルアラの眼の前に現れていた。
 いきなり眼前に現れたものだから、ルアラも対処の使用が無かった。
ルオ・ルアラ「『!?』」
ハセヲ「『催眠術』っ!」
 スケィスの眼が紅く光る。それを見てしまったルアラは急激な睡魔に襲われ、眠りの罠にはまってしまった。ルアラの体はゆっくり地面に落ちる。
ルオ「ルアラっ!?」
ハセヲ「悪いな、お前のポケモンにはこれから、『悪夢』を見てもらうぜ…。たっぷりとな。」
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レナ #19☆2007.09/06(木)16:48
第十七話 

ルオ<やられた。こんな初歩的な罠に掛かるだなんて。>
 ルオはルアラを見やる。
ルオ<確か、ダークライの特性は…。>
 ルオはハセヲを見る。
ルオ「御自慢の特性『ナイトメア(悪夢)』で、ルアラの体力を削ると言うわけね。」
ハセヲ「御名答。まあ、ダークライが出てくれば、誰もが予想しそうな事なんだがな。これで、お前のラファルスは動けないぜ。」
 ルオは小さく舌打ちをした。そして、もう一度ルアラの方を見やる。ココからの角度ではルアラの様子を見ることが出来ない。
 ダークライの催眠技はすべて、他のポケモン達の催眠技と比べて、桁違いの強さ。だから、たとえトレーナーが呼びかけても、揺さぶり起こそうとしても、眠りから醒める事が無いと言われているぐらいである。
ルオ<ルアラ…。>

ルアラ≪…ん…?≫
 一方、ルアラが目覚めたところは、真っ暗で、何も無い空間。
ルアラ≪何所だろ、ココ?≫
 しばらく、そんな事を考えていた時である。ルアラの眼には、大粒の涙が出来ていた。一人でいるのが淋しくて怖いと言うルアラにとって、この空間は悪夢なのだ。
 そして。
ルアラ『ふわぁああんっ!ルオォ、どこぉっ?怖いよぉ、淋しいよぉっ!!』
 ルアラが大声で泣き出した。地面に崩れ落ち、泣き叫んでいる。
「どうしたんだい?何でそんなに泣いているんだい?」
 突然、声を掛けられたものだから、一瞬だが、ルアラは泣き止んだ。
 だが。またすぐにぐずり始め、泣きじゃくったその声で言った。
ルアラ『ポケモン、バトルをしてて、相手の、ダーク、ライの、スケィス、て、言う奴の、攻撃を、受けちゃって、気がついたら、ここに、居て…。』
 泣きじゃくったまま、一生懸命相手に伝えようと必死になっている。
ルアラ『ここ、何にも無くて、暗くて、淋しくて…怖いよぉ…。ルオの所に、帰りたい…。』
「そっか…。なら、私が君を元のところへ返してあげよう。」
ルアラ『!…本当?』
 ルアラが顔を上げる。
「ああ。勿論だ。」
 相手はルアラに微笑む。それを聞いたルアラは、眼を輝かせ、笑った。
ルアラ『ありがとうっ!』
 その者は、ルアラの笑顔を見て安心したのか、ルアラの頭を撫でると、こんな事を聞いてきた。
「ところで、君の名前は?」
ルアラ『?ルアラ。黒魔 ルアラっ。ルオが付けてくれたんだ。』
「ルアラか…。いい名だね。」
 それを聞くと、ルアラは頬を紅くして照れる。
ルアラ『えへへ…。あ、じゃあ、貴方は?』
 それを聞かれた時、相手は一瞬、困った様な顔をした。それからしばらく考え込んで、こう答えた。
「私は…『私達』には名が無いんだ。だから、名を聞かれても、答えられないんだ。」
ルアラ『そうなの?』
 そしたら、今度はルアラが地面にしゃがみ込み考え込んだ。ルアラがしばらく考え込んでいる物だから、大丈夫かなと思い込み始めたその時だ。
ルアラ『そうだっ!』
「わわっ!?」
 突然だったものだから、驚いて飛び退く。
ルアラ『じゃあ、御礼に、俺が名前を付けてあげるっ!』
 その言葉に驚いたのか、相手は目を丸くした。
「…本当、かい?」
ルアラ『うんっ!え〜と、こう言うの何て言うんだっけ?ん〜と、確かぁ〜、『ギブ&テイク』だっけ?』
 そんなルアラに思わず苦笑する。さすが天然なだけはある。
ルアラ『それじゃあ、付けるね?じゃあねぇ……。『ソレイユ』…。うん、ソレイユがいいっ!』
 ルアラが眼を輝かせながら言う。
ソレイユ「ソレイユ=『太陽』か…。有難う。とても嬉しいよ。では、約束通り、君を元の所へ返してあげよう。」
 ソレイユが指を鳴らすと、ルアラの上に光の柱が立った。とても暖かな、光の柱が。
ソレイユ「コレを通れば、元の所へ帰れる。向こうに戻っても、気をつけるんだよ。」
ルアラ『!ソレイユっ』
 ルアラが何か言いかけた時だった。ルアラは向こうに送り返された。
ソレイユ「…いつかまた、会う時まで…。」
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レナ #20★2007.10/10(水)20:44
第十八話 夢

 ―気が着いたら、ココはさっきのバトルフィールド…。―
 パチッと開かれたその瞳に映し出されたのは、相手のダークライ”スケィス”の姿。自分に止めをさそうとしていたのか、その手の中には黒く渦巻く『シャドーボール』が放たれようとしていた。
 相手は、自分が起きた事に気付いたらしく、慌てて攻撃を仕掛けてきた。だが、その気道を読みきったのか、ルアラは綺麗によけきった。どうやら、相手のペアーは、こんなに早く起きるとは思っていなかったらしい。
 ルオが呼ぶ。
ルオ「ルアラッ!」
 その呼び声に反応し、ルアラが笑顔で振り返る。
ルアラ『ルオっただいまっ!』
 それから、二人同時に微笑むと、相手の方へ向き直った。
ルオ「ココからが本番ね。行くわよ、ルアラっ!」
ルアラ『うんっ!」
 ルオの掛け声に元気よく答えたルアラは、相手に向かって、高々と跳躍した。

―我愛しき小さな”子”よ。いつか出会える事を夢見よう。”器”なる者が、そなたを今しばらくの間、包み込むであろう。
 光と闇の龍に守られながら。
     器なる者”ネフィルス”−そして、魂の迷い子”ルフェフィ 汝等は定められた運命の道を歩むであろう…―

 申し訳御座いませんが、こちらの都合により、しばらくの間、物語の休載させて頂きます。
 ここにお詫びを申し上げます。御迷惑をお掛けさせて、申し訳御座いません。
(↑感想の所にも書いておくつもりです)
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[833]

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ぴくの〜ほかんこ