ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

[838] えんどれす

ココ9ナッツ #1★2006.07/12(水)14:50
ども、はじめまして。ココ9ナッツといいます。
気軽に「9」とでも呼んでくださいませ。


>「海カラ」


下からはじまります。

主人公はキャモメのリルー。
特に由来は…無し。

女の子です。
女の子が主人公の小説を書くのははじめてなので緊張します;

自は、この作品で無理矢理「いのちのたいせつさ」
を分かってもらおうとしてます(ぇええ)

おかしいところがありましたら、お知らせください。

それでは、最後までごゆっくりとお楽しみください。


完結しましたです。
沢山の感想ありがとうございますです。


>「きょうのおれんぢのきれいなそら」


新しくここで始めようと思います。
主人公はソラ。女の子で人間。泥棒です^^;

テーマ(?)は決めてません。(ぁ)

こちらも完結しました!
こちらも感想有難うございました!


>「えんどれす」


まーた調子に乗ってはじめようとしています(…)
ちょっとみじかいめになると思います…

出来るだけいいものにしたいです…
何せ文章力が無いのですもの。

こっちも色変えておこうと思います
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ココ9ナッツ #2★2006.03/18(土)20:59
<ぷろろーぐ とりかごのなか>


くるり

くるり

ゆれるとりかご

ここはわたしのおうち

おきにいりのおうち


ごしゅじんさまはだいすき

でもでも

ごしゅじんさまは

ちがうやつばっかりかまいます

わたしは

かなしい…

かなしい…


くるり

くるり

ゆれるとりかご

ここはおきにいりのおうちだけど

わたしはおうちからでたい

そとのせかいへ

でていってみたい


かわは

ゆるやかに

のんびり

たびします


くもだって

ゆっくり

ふわふわと

たびします


かぜだって


ちいさな

ちいさな

ありんこだって


わたしだって

いってみたい…

わたしはうみへいきます


くるり

くるり

ゆれるおきにいりのおうちから

でていきます


わたしのあたらしい

ごしゅじんさまにあいにいくため

ふわり

ふわり

とびながら

わたしはうみのむこう

うみのむこうへとたびにでます
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ココ9ナッツ #3★2006.03/18(土)15:00
まいにち

まいにち

かなしいせいかつ

くるしいせいかつ


ごはんはみっかにいちどだけ

そんな

くるしいせいかつでした。


かごからもだしてもらえず

しめきったうすぐらいへやで

いちにちを

すごしていました。


へやのそとから

ときどき

わらいごえが

きこえてきます。


これは

わたしのごしゅじんさまのこえ…

きっとまた

あいつと

あそんでるのでしょう

わたしなんか

そっちのけで。


いつも

いつも

こんなくらし


ときどき

ごしゅじんさまが

ごはんをもってきてくれるけど

おこったようなかおをするの

わらいかけてくれることなんか

ここいちねんなかった。


ごしゅじんさまに

わたしなんかひつようない…


そうさとったわたしは

かごをぶちこわして

そとにでることにしました。


わたしを

こころから

あいしてくれるひとをさがしに


あたらしいごしゅじんさまさがしに

でかけることにしました。
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ココ9ナッツ #4★2006.03/18(土)20:53
がたん

がしゃん


わたしはかごをつきやぶり

いま

まどのそとをみています。


いまはもうよる

きょうは

「ながれぼしのひ」

なのです。


わたしは

ながれぼしに

ねがいました

「あたらしいごしゅじんさまがみつかりますように」


また、

ごしゅじんさまの

わらいごえ。


わたしが

いなくなるっていうのに

ずっと

わらっているのです。


なぜか

わらいごえをきくと

なみだがでます。


かなり

つらいのです

あいつがにくいのです…


あるひ

いえのまえでねていただけなのに

ごしゅじんさまがかわいがるのです。


わたしなんか

そいつに

なんかいも

かまれるしまつ。


わたしは

つらいのです。


あのおおきなうみへいきたいのです。


りゆうは

にげるためかもしれないけど。


あの

じゆうな

あおぞら

おおきなうみ…


わたしはごしゅじんさまにだまって

あしたのあさ


ここからたびだちます。
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ココ9ナッツ #5☆2006.03/18(土)17:17
きらり

きらり

かがやくひかり


わたしは

まどのそばで

うっかりねむっていました。


きょうは

たびだちのひ…


なんだかすがすがしいきもち

すずしいかぜが

ふわりとふいてきた

そんなかんじ。


ぴっ

ぴっ…


おとがなるとけい

ふとめをやると

まだろくじ


ごしゅじんさまは

まだねているじかんです。

もちろん

あいつも。


わたしは

まどのそばへかけより

かぎをいじります


かっ

かっ…


くちばしで

かぎをあけました。

またさっきの

すがすがしいきぶん


あたらしいせかい


わたしの

しらないせかい


このまどをあけたしゅんかん

わたしのたびははじまるのです
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ココ9ナッツ #6☆2006.03/18(土)17:26
がっ…

がっ…

がちゃん。


まどがあきました。


さらりとふく

きもちいいかぜ


うみのにおいのするかぜです。


まだろくじなので

ひとはひとりもいません。


それどころか

こえもしません。


このせまくるしい

じゅうたくがいから

とびたつのです。


さわり

さわり

ここちいいかぜ


わたしは

このかぜにのってとびたちます。


ぶあっ…


わたしははねをひろげ

ここちいいかぜにのれました。


このままわたしはうみへいくのです。


どんなごしゅじんさまにあえるか

とってもたのしみです
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ココ9ナッツ #7☆2006.03/18(土)17:35
ふわり

ふわり


わたしは

かぜ


わたしは

かぜといっしょになったのです。


だんだん

うみのにおいがちかづいてきました。


うみはもうちかいようです。

すこしとおくに

うみがみえます


あさやけで

きらきらしてるうみ


わたしは

ばさりとおおきくはねをはばたかせます。


はやくうみへいきたいのです。


にんげん…


にんげんがいっぱいいます。


あみにたくさんのさかな…

ぽけもんがつかまっています。


ぱたぱたとはげしくはねるのです。


このぽけもんたちは

にんげんにころされるのです。


それは

どのぽけもんもしっているのです。


ばさりと

きらきらひかるはものできられるのです

それから

やかれたり

にたりされます。


てらてらひかる

うろことちだけをはものにのこして


にんげんのおなかにはいっていくのです。
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ココ9ナッツ #8☆2006.03/18(土)18:12
でも

それは

しかたないことなのです。


にんげんだって

いきものなのです。


たべないといきていけないのです。

やさいだけだと

いきていけないのです。


でも…

なぜ

さかなのぽけもんがたべられるのでしょう。

なぜ

ちいさなぽけもんがたべられるのでしょう。


それは…

そのぽけもんが

よわいからなのです。

たべられるのがうんめいなのです。


それはしかたないことですが


わたしはにんげんがきらいです。

なぜ

わたしたちのおうちをうばうのでしょう。

なぜ

わたしたちをつれてかえるのでしょう。


それはわたしたち…

ぽけもんでもわからないのです。

でも

わたしにはかぞくがいないので

あたらしいかぞく


あたらしいごしゅじんさまをさがしにいくのです。


わたしは

にんげんのいる

ふねへおりて

さかなのぽけもんをにんげんからさんびきいただきました。


そして

にひきはわたしがいただきました。


あとの

のこったいっぴきは

まだこどもでしたので、

うみへ

かえしてやりました。
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ココ9ナッツ #9☆2006.03/18(土)18:38
あたたかい

あさのひかりが

わたしにふりそそぎます。


たいていは

おなかがいっぱいになると

ねむくなるもの。


やっぱりわたしもそうなのです。


あたたかいひかりを

ふわふわのふとんに。


わたしは

いつのまにか

ねむっていました。



くらい

くらい

むらさきのせかい


ゆらゆらと

きりがうかんでいます。


わたしはどこにいるのでしょう…


おくのほうをみていると

かすかに

おとがしています。


ごうごうとなる

むらさきのうず


しろいひかりもまじっています。


ゆっくりそばによってみました。


すいこまれません。


ごうごうとなる

むらさきのうず


なんだかわたしを

よんでいるようにみえました。


なんだか

こわくなってきました


すうっとあしをいれてみました。


わたしはぐるぐるまわり、

むらさきのうずのむこうへすいこまれました。
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ココ9ナッツ #10☆2006.03/18(土)20:21


まっくらのくらやみ…



ごつん!


なにかにぶつかったとたん、

あたりが

ほあっとあかるくなりました。


なにかは

つるつるで

あっちがすけてみえます

とても

かたいもの。


そう…

それは

まどでした。


うすよごれた

まど。

もあっとした

ほこりが

ついています。


わたしは、

ついたほこりを

いちぶぶんだけはらいのけ

あちらがわをのぞいてみました。


みえたのは…


むらさきいろの「なにか」から

にげている

わたし。


むらさきいろの「なにか」が

まどのむこうの

わたしをつかまえようとするのです。


こんなこと、あっていいのでしょうか。

げんじつからにげるわたし。

そうとしか、いいようがなかったのです。


うすよごれたまどは

わたしの

こころをあらわしているんだとしたら…


わたしはよごれたぽけもんです。

わたしはよごれたいきものです。


そのしゅんかん


ぐあん

ぐあん

とおとがして

このくうかんがくずれていきます。


そのあと

やわらかい

やさしい

ひかりが

わたしをつつみこみました。
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ココ9ナッツ #11☆2006.03/19(日)10:10
また

まっくら

とてもじめじめしています。



ここには

はこがたくさん

それから

ごみぶくろがやまづみになっていました。


きゅん

きゅん

というなにかいきものの

なきごえがします。


がさごそ

がさごそ


うしろから

なにかがちかづいてきます。


がさごそ

がさごそ



がさごそ

がさごそ


がさごそ

がさごそ…


きゅ?

かわいいなきごえ

でもこれはけもの


どんなにかわいくても

どんなにぼうりょくてきでなくても

これはけもの


うしろにいたのはいーぶいでした。


でもかわったことに

このいーぶいのいろはむらさきで

めのいろはぴんくでした。


うしろのほうに

だんぼーるばこがありました


きっとこのいーぶいは

にんげんにすてられたのです。


にんげんはかってなどうぶつです。

わたしは

あらためてしりました。


ひとつのいのち

いっしょにすむなら

いのちをまもるのがやくめなのです。


でも

このいーぶいは

まもられなかったのです。


わたしは

あらためて

にんげんのおそろしさをしりました。
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ココ9ナッツ #12☆2006.03/19(日)10:34
ほかにも

たくさんの

「へんないろちがいぽけもん」が

ここにすんでいました。


くろい「きもり」

ぴんくの「すとらいく」

おれんじの「きるりあ」

しろい「ざんぐーす」


ほかにも

かぞえきれないほど

「へんないろちがいぽけもん」がいました。


わたしは

はなしをききました。


このぽけもんたちは

にんげんたちにつかまえられて

いろをむりやりかえられたそうです。

それから「ぺっとしょっぷ」で

いちじき「へんないろちがいぽけもん」が

はやったそうです。

そんな「へんないろちがいぽけもん」は

じだいがすすむにつれて

「きもちわるい」とにんげんにいわれたそうです。

それでかいぬしは「へんないろちがいぽけもん」は

ここへどんどんすてられたそうです…。


ちかくに、「ほけんじょ」というところがあって

「へんないろちがいぽけもん」はそこにつれていかれて

へんながすでころされるのです。


ほかの、「ふつうのぽけもん」は

ひきとられていくこともありますが

「へんないろちがいぽけもん」は「きもちわるい」から、

だれもひきとられていかないのです。


まえに、ここのぼすのきいろい「ぼすごどら」が

「ほけんじょ」でころされたそうです。


かなしいげんじつを

わたしはしんじられませんでした。


どうにか

いっぴきでもたすけてあげたいと

こころからおもいました。
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ココ9ナッツ #13☆2006.03/20(月)18:33
ぶろろろろ…


くるまのおとがしました。

けっこうちかくにくるまがあるみたいです。


ぶろろろろ…


くるまのおとがちかづいてきました。


なぜだかしらないけど

わたしいがいの

みんなは

ごみぶくろのやまのうしろや

だんぼーるにかくれています。


ぶろろろろ…


きいっ


くるまが

ここのまえで

とまりました。


おおきなおりがつんである

おおきなくるまでした。

なかには

おおきなにんげんがさんにんほど

いすにすわっています。


おおきなにんげんが

くるまからおりてきました。


そして

あかとしろのぼーる

わたしはこれをしっています。


わたしたちぽけもんをつかまえるためのぼーるです。


それを

ぽおんと

おおきなにんげんはぼーるをよっつ

うえへなげました。


しろいひかりとともに

「めがにうむ」にひきと「ふしぎばな」にひきがとびだしてきました。

もちろん

いろはふつうのいろ。


ここには

「きもちわるい」ぽけもんしかいないのに

ここでなにをするのでしょう。


にんげんは

めがにうむたちに

なにか

はなしかけました。


すると

めがにうむたちのからだから

くさのつるがのびてきて

つるは

ごみのやまにつっこんでいきました。


そう

このにんげんたちは

「ほけんじょ」のにんげんたちなのです。
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ココ9ナッツ #14☆2006.03/21(火)12:10
つるにまきつかれて

ここへ

ひっぱってこられたのは


おれんじのきるりあでした。


にんげんたちは

きるりあのつるをほどいて

おりになげいれました。


つぎにきたのは

くろいきもり


きもりも

らんぼうにあつかわれて

おりになげいれられました。


また

どんどんと

おりになげいれられて

ここのぽけもんはいなくなりました。


さわり

さわり

かぜがふきました。


しずかな

ばしょ

さっきまでは

にぎやかだったけれど

いまは

しずかな

ばしょです。


ぶろろろろ…


くるまが

ここから

はしっていきました。


ぶろろろろ…


なみだがでてきました。


ぼろり

ぼろり

おおつぶのなみだ


さっき

たすけてあげたいと

おもっていたのに


わたしは

みているだけだった。


わたしは

ふわりと

かぜにのって

くるまをおいかけていきました。
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ココ9ナッツ #15☆2006.03/21(火)13:46
ふさふさのしばふ。

きれいなしろいかべ。

ちゃいろのかんとりーなもん。


もんからさっきの

おおきなくるまがはいっていきました。


こんなきれいなところが

ぽけもんをころすところなのか

ほんとうか

わからないけど


さっきのくるまがはいっていったから

わたしははいってみることにしました。


かべに

おおきなまどがついていました。


わたしは

まどをのぞいてみました。


そこでは

あのいーぶいがぐるぐるまわっていました。

それから

いーぶいはどたっとたおれて

あわをはきながら

くるしみながら

しんでしまいました。


いーぶいは

したにあったあなにおちていきました。


あちらのまどものぞいてみました。

そこでは

にんげんのこどもが

さっきのおれんじのきるりあをだいていました。

こどもはきるりあをだいたまま

このたてものからでていきました。


おれんじのきるりあは

こどもがたすけてくれました。


でも…

あとのぽけもんは

わたしがゆうぐれまでみていても

にんげんがたすけてくれず

あわをはいて

みんな

みんな

しんでいきました。


わたしは

たすけてあげたいとおもっていたけれど

にんげんのちからは

つよく

ぼうだいで

わたしのような

ちいさな

ちいさな

ぽけもんでは

たすけられないのです。


わたしは

かなしいげんじつにせをむけて

ほけんじょからとびたちました。
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ココ9ナッツ #16☆2006.03/23(木)19:36
ざわざわ

ざわり。


よるのつめたいかぜが

わたしに

つめたく

つきささります。


うえにうかぶ

きいろい

しろい

つき。


それも

どこか

ざんこくにみえます。


ふと

したをみると

おおきな

おおきな

とてもおおきなきが

どーんとたっていました。


なにも…

いないようです。


こんなに

おおきなきに

なぜ

なにもすみつかないのでしょう。


ぶきみです。

わたしはこわくなってきました。


とりあえず、

なにもいないのならば

ここでねかせてもらいましょう。


わたしは

おおきな

おおきなきの

おおきなえだにとまり、

ねるじゅんびをしました。


ぐぐっと

のびをして

あくびをしました。


そのとき、

「なにか」がわたしのめのまえをよこぎりました。


ばさばさと

おおきなはねをはばたかせるおと。

おおきくて

ながいくちばしを

「なにか」はもっていました。

とっても

めつきがこわい。





「なにか」は

おおきなとり、

おにどりるでした。
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ココ9ナッツ #17☆2006.03/24(金)13:06
きええっ!


さけびながら

おにどりるが

ものすごくはやいすぴーどで

こちらにむかってきました。


おにどりるは

おおきなくちばしをちゅうしんにして

ぐるぐると

こうそくすぴんなみにまわりはじめました。


ぎゅううん


おにどりるはまわりながら

わたしのほうへとっしんしてきました。

わたしはにげるまもなく

おにどりるのこうげきを

もろにうけました。


わたしは

さけびました。


きぁああ!!


さけんで

さけんで

それこそ

のどがはちきれるくらいまで。


すると

おにどりるは

じぶんのすへ

もどっていきました。


わたしは

ぐるぐると

まわりながら

じめんにおちました。


ぽふっ


やわらかいくさが

しょうげきをおさえてくれたので

そんなに

いたくはありませんでした。


わたしのはね…

まあるくあながあいています。

そこから

ちが

だらりだらりとながれでていて

ほねがかくじつにみえます。


ぴんくいろのにくが

てらてらと

つきあかりにてらされています。


わたしは

ぱさりと

くさへたおれこみました。
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ココ9ナッツ #18☆2006.03/26(日)13:30
ぽかぽかと

あたたかいひかりが

わたしをおこしました。


じめんはちだらけでした。

きのうのきずは

やっぱりまあるく

あながあいたまま。


とりあえず、

あのうみのほうへ

むかいます。


はねをばっとひろげて、

とびたとうとしました。


でも

むりでした。


とびあがることができても、

かぜがきづぐちにつきささるようで

いたくて

いたくて

いたいのです。


しかたないので

じぶんのあしでいくことにしました。


さふ

さふ

さふ


やっぱり

じぶんのあしであるくのはきついです。


あしがぼうのようになっていきます。

もうよろよろ。

まだ

すこししかあるいていないのに。


こんなちょうしで

あるいていたら

まちについたのはみっかもかかりました。
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ココ9ナッツ #19☆2006.03/26(日)13:36
まちのひとごみのなかを

えっこらえっこらあるいていたら

めがねをかけた

にんげんにひろわれました。


そのにんげんは

まあるくあながあいたところを

しろくてながいものでぐるぐるまいてくれました。


それから

ごはんとおみずもいただきました。


「やさしいにんげん」はこういうひとなのです。

いままで

どのにんげんにも

ほとんど

わたしはあいてをされなかったので

とてもこころがぽかぽかしました。


しろくてながいものをまいてくれたおかげで、

わたしは

ふたたび

そらをとべるようになりました。


もうむりだとおもっていたけれど

ふたたび

この

そらをとんでいるときの

すがすがしいきぶんを

あじわえたのです。


わたしは

めがねのにんげんに

ふかく

かんしゃしました。


そして

おおきな

おおきな

うみへと


わたしは


とびたったのです。
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ココ9ナッツ #20☆2006.03/26(日)14:05
いろんなことがありました


さめはだーのたいぐんにおそわれたり

ぎゃらどすがあばれていたり


たくさんのほえるこが

にんげんにうちころされていたり


どくくらげがにんげんのぽけもんと

たたかっていたり


どれも

これも


にんげんのしわざでした。


たべるものがないから

さめはだーは

わたしをたべようとしたのです。


にんげんのつくったふねからでる

きたないもので

うみがよごれて

ぎゃらどすがあばれていたのです。


わたしは

そんなせかいをずっとみていました。


やっぱり

どうにかできるのは

にんげんしか

いないのです。


わたしは

にんげんはきらいでも

にんげんをにくむことは

けっして

しませんでした。


ずっとまえ

もう…ここにはいないけど。


おかあさんがいっていました。


みんなおなじだから

きらうのはいいけど

ぜったいに

にくんでは

いけないって。


おかあさんが

しんじゃうまえに

いってました。


だから

わたしはいっしょうけんめい

まもろうとしているけど

なんかいもにんげんを

にくみました。


でも

いまはもう

にんげんをにくむことはやめました。


そんなことを

かんがえながら

とんでいたら


ちいさな

ちいさな


しまがありました。


わたしはそこでやすむことにしました。
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ココ9ナッツ #21☆2006.03/26(日)17:39
はまべですわっていました。

なんだか

どんどん

ねむくなってきたので

ゆっくり

ぐっすり

ねむりました。


がしっ。


ぱっとおきると

わたしは

にんげんにつかまっていました。


くろい

ふくをきたにんげんでした。


そいつらは

わたしを

くるまのなかにほうりこみ

そのなかのにんげんが

ちいさなおりに

わたしをとじこめて

かぎをかけました。


くるまはどんどんはしり、

おおきなたてものにつきました。


わたしは

そこに

おりごとつれていかれて

たてもののなかの

おりにいれかえられました。
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ココ9ナッツ #22☆2006.03/27(月)12:47
そこで

まっていたのは

まえよりも

もっと

もっと

くるしいせいかつでした。


まいにちが

じごくでした。


わたしは

なにも

わるいことしていないのに。


めに

ねばねばする

みどりいろのみずをいれられたり


はねから

はえているけをぬきとられたり


へんなくすりを

のまされたり


きみょうな

ものがはいった

みずを

あびさせられたり…


つらくて

つらくて…


にげだそうとも

したけれど


わたしには

そんなげんきのこっていません。


やっぱり

にんげんは

かってなどうぶつです。


こんなに

つらいおもいをしているのに

ごはんもみずも

ほとんどないのです。


それに

わたしはみていました。

じっけんにつかわれた

ぽけもんは

もう

ようがなくなると

あの

わたしがつかまった

はまべに

すてられていくのです。


それから

ふまれた

ありんこのように

のたうちまわって

ぐるぐるまわって

それから

しんでいくのです。


わたしにも

そのときがきたのでしょうか。
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ココ9ナッツ #23☆2006.03/27(月)13:03
もう

わたしは

いきていくかちのない

ただのいきもの

うごいているだけの

もの


ぐったりして

ほとんどうごけず

たべものも

ほとんどくれませんが

それも

くちにしていませんでした。


いちにちじゅう

じっけん


にんげんが

たのしく

かいてきにくらすため

わたしたちぽけもんが

なんびき

じっけんによって

しんでしまったのでしょう。


にんげんに

かんしゃしてもらいたいものですが

ここにきてから

ことばなんてかけられたことはありません。


やっぱり

わたしは

いきていくかちのない

ただのいきもの

うごいているだけの

もの


もうすこしだけ

そらをとんでいきたかった


かわいがってくれるひとが

いてほしかった


わたしが

はいっている

おりのかぎがあいて

くるまにいれられました。


でも

やっと

しねるのが

うれしかった


これで

じっけんとも

えいえんに

おさらばできる…
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ココ9ナッツ #24★2006.03/27(月)14:33
ねばねばする

みどりいろのみずが

いれられて

はいいろになっためが

うるうるしてきました。


ぼろぼろと

なみだがでてきました。


くるまのなかが

なみだのうみになるほど

ないて

ないて

ないて

なきました。


やっぱり

とびたい


けど

そんなげんきは

わたしに

ひとかけらもありません。





どうか


かみさま


わたしに


とぶちからを


すこしだけでも


いいので


ください…





ききっ。


くるまが

あのはまべで

とまりました。





もうさいごです。
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ココ9ナッツ #25★2006.03/27(月)19:04
にんげんが

わたしと

あと

なんびきかの

ようずみの

ぽけもん

なんびきかを

くるまからおろして

にんげんの

のったくるまは

はしりさっていきました。





なぜだか

どんどん

ちからがはいってきます。


かみさまは

わたしを

みすてませんでした。


ぐぐっと

おきあがると

わたしは

ぼろぼろの

はねを

ひろげました。


ばさばさと

はねを

はばたかせて

うみのにおいがする

きもちいいかぜにのって…


ふわっと

わたしのからだが

うきあがりました。


うれしくて

うれしくて

うれしくて。


なみだが

どんどん

どんどん

どんどん

でできました。


こんなに

うれしいことは

はじめてでした。


なんて

すばらしいせかい!


こんなにも

きもちいいかぜにのれるなんて!


わたしは

なんかいも

なんかいも

くりかえし

こころのなかで

それをさけびました。
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ココ9ナッツ #26★2006.03/27(月)17:37
でも…


それも


おわりみたいです。


たった

すこしだけだったけど

とべてうれしかった!

いきていてうれしかった!


あたまが

くらくらして

ぐるぐるまわりながら

はまべにおちました。


いしきが

もうろうとして


めのまえが

ふにゃふにゃになりました。





そして


わたしは


ねむりました





けっして


さめることのないねむりでした





それは


やすらかなしだったそうで


うれしそうなかおをしたまま


つめたくなっていたそうです





そして


このはまべは

「るりのはま」となまえがついたそうです。

そこには

わたしのおはかもあるそうです。


そして


わたしが

しんだばしょには

まいにち

るりいろのいしが

みっつ

うまっているそうです。





いのちをたいせつに。


>「海カラ」 終 <
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ココ9ナッツ #27★2006.04/12(水)19:52
>「きょうのおれんぢのきれいなそら」<







ざざん


ざざん





ため息をついて、海のちかくの段差に座った。


隣にいつも一緒に居るザングースのソルがちょこんと座って、
あくびをし、下を向いた。

お腹がすいてるだろうな。
自分もだけど。
そういえば二日ぐらいろくに食べてなかったっけ。


やっぱり、
もうそろそろなんか食べなきゃ。


カバンを引っ張り出し、財布をあけてみる。





何か買うほどお金は無い。
300円ほどか…そのくらい。
これじゃあろくに何か食べられない。


仕方ない、生きるためだもんね。
前に、なんかとろそうなおばさんから盗んだ、
銀行の通帳と暗証番号を使おう。
そっから10万ぐらい抜き出しておけばいいや。


どうせあのおばさんも無くしたって思ってるだろうし。


通帳を開いた。
いくら入ってるんだろ。





いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…


500万円もある!
早速、通帳に書いてあった銀行へ向かおうとする。


わたし何回も盗みとか強盗とかいろいろしてるし…


大丈夫かな。行っても。

やっぱり防犯カメラとかあるよね。
というか子供が銀行いくのも…変だし。


どうしよう。
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ココ9ナッツ #28☆2006.04/15(土)20:21



そういえば今何持ってたっけ。
この間警察が来たから大分無くなってると思う。


がさごそとカバンを探る。
出てきたのは、狩猟用の短めのナイフが2本と、
小さな銃が1丁。

あぁ、
これじゃあ警察に見つかっても太刀打ち出来ない。
といっても何か買おうにもお金が無い。



そうだ。
何だ、簡単じゃないか。
顔がにやけてくる。

ふたつのボールを握り締めた。
赤と白の小さなボール。


そのボールを見つめながら、
縁起がいい、とか思ったりした。


で…


向かったのは、
きらきらと綺麗な建物。

派手すぎるというぐらい。
まあ、そんな店だからしかたないか。

こういうのを盗んで、売れば、
けっこうな金になるはず。


宝石店のドアをくぐった。
もちろん、右手に銃を隠し持って。
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ココ9ナッツ #29★2006.06/27(火)04:28
続きを書かなきゃと思うけれど、
ネタが浮かばない…

必死に考えてこれでっかと思うかもですが。
一応言いますがこれは短編小説(以下略)





「スクリート、催眠術」

小声でボールに囁き、
スクリートと名前のつけられたキルリアが飛び出す。

スクリートはすぐさま店の従業員を眠らせた。
一人眠る前に逃げたけれど、まあ良し。


「ラック、エアカッター」

またボールをかばんから取り出し、
スイッチを入れる。

ぽん、という音とともに飛び出したのは
ラック――クロバット。

紫色の翼から風が出てきて、見え見えの防犯カメラ、
計6台をぶち壊す。
もうこれから証拠が出てくることはあるまい。

その間に器用なツメできらきら光る
宝石のついたアクセサリーをソルが取り出す――


これが世間でいう「ちーむわーく」?
なのかそうなのか知らないけれど、もう此処に用は無い。
さっさとおさらばすることにする。

スクリート、ソルをボールに入れて、
ラックに捕まって遠いところにおさらば。

もちろん、アクセサリーはかばんに沢山詰込んである。
これがうちの唯一の収入源。
裏で売って儲けるのだ。


「まてい!」


低めの男の声が耳にぎんぎんと響く。
警察官が何人も。あとガーディが十数匹。

炎をぶっかけられたらたまらないので、
ラックは空高く飛び上がる。
とりあえず、行き先を考えずに逃げる事に専念する。

ああ、逃げたやつも眠らせておけばよかった。
多分あいつが呼んだ…か、
外に居る通行人殿。


警察官はウィンディを出し、追いかけてくる。
ウィンディ早い。びゅんびゅんと走って、
ついにはラックに追いついた――

でもこっちには「つばさ」がある。
下も横も駄目ならば、上しか逃げ道は無い。


びゅんびゅんと飛び上がって、
ウィンディも行けない所を目指す。
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ココ9ナッツ #30☆2006.06/27(火)04:51



ウインディと正義の塊★警察官は
どこまでも追ってくる。

やっべえ、ヒトゴロシとかしちゃったから、なあ。
ついにはヘリコプター様も登場しちゃいました。


隠し持っていた銃で
ヘリコプターの窓ガラスを割ろうと
試みるけれど、さっすが警察。
ガラスはびくともしません。


そろそろラックも限界に達してきたよう。
海を見つけたので砂浜に降り立ち、
ラックをボールに戻した。


「地上に降りたということは諦めたということか」


ウィンディ警察官はあたしにそう言って、
反応を待っている。


「なんちゃって、バーン!!」

握り締めていた銃を警察官たちに向け、
引き金を引いた。

ぱああぁあん、と響く銃声で警察官らがひるんだ
そのすきに逃げる、という作戦。


「ウォル、とりあえず逃げるよ!」

ボールからサメハダーを出して乗せてもらって
物凄いスピードで逃げる。

ウォルの体に直接乗ると傷だらけになってしまうので
ボートを念のため繋げてボールに入れて正解だった。


とりあえずさっきの銃で
ヒトを殺さなくてよかった。

やっぱりしつこい警察さんがた。
ヘリコプターで追っかけてくる。


捕まったらおしまい、
あたしの人生は終わりだから。
やっぱり死にたくないですし。


びゅうびゅうっっ


横に何かいる…?
すぐさま横を向いたらウィンディとウィンディ警察官が海を物凄い速さで突っ切っていきました。


凄い、あのウィンディ水陸両用なんだ!
とりあえず前は駄目なので横に向きを変えた。

島がありますが降りたら終わりだけれど、
ウォルは苦しそう。


「止まって!」

あたしはウォルにそう指示し、スクリートをボートの上で出した。


警察は諦めたと思っているだろうけど、
こんなことで諦めるソラさんではありません。


ウォルだけをボールに戻して、最終手段、最後の切り札。


「スクリートっ、テレポート…!」

目の前が青くなったかと思うと、
あたしたちはエタイのしれない変なところにテレポートした。

何処にテレポートするか分からない、
とてもスリルがある遊びだ。
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ココ9ナッツ #31☆2006.06/30(金)04:57
この頃創作意欲がむくむくわいて来ます。
でもそれは小説だけで、
本業のお絵かきは全然駄目です。

どうにかしちくれ…(黙って)





どすん。


テレポートしたのは、どこかのポケモンセンターのまん前。
うわあ、何てラッキーなんだろ。

あたしはポケモンセンターの扉を開け、
回復の受付でボールをジョーイさんに全て渡した。


ポケモン達の回復が終わるまで、
順番もあるから約20分。

ソファに座り、のんびりと
雑誌を見ながらテレビを見るという、
なんとも贅沢な(あたしにとって)事をして過ごした。


「ソラさーん、回復が終わりましたよ」

ジョーイさんが名前を呼び、
専用のトレイにボールを入れ、受付に置いた。

直ぐにボールを全部受け取った。
ボールをひとつ、念のために自分で作った厚底の靴に忍ばせておく。


それからやることは終わったし、
ポケモンセンターから出ようとした時に、最悪な事が起きた。

センターに居る人達がテレビのニュース番組と、
あたしの顔と何回も見るんだ。

ジョーイさんはぱたぱたと電話のほうに行き、
テレビに映されている電話番号を見ながら電話をかけだす。


どんな人でも分かると思うけど、
テレビにあたしの顔がでんと映っている。

いつ撮ったのあんな写真。


下手に動くとすぐ捕まってしまうため、
センターの裏庭に回り、息をひそめた。

もし警察が来ても運を信じてスクリートに
テレポートさせればいい。


パトカーのサイレンがどんどん近づいてくる。


センターの前に警察官がずらりと並び、
慎重にあたしを探している(のだろう)。


人の足音が近づいてくる。
砂と砂がこすれあってじゃりじゃりと
気味の悪い音を立てている。

スクリートのボールを用意。
大丈夫、きっとうまくやれる。


じゃり…


来た!
スクリートを出し、ボールの中で命令しておいた
「テレポート」を行う。

また青くなって――
白くなって――


どすん。


鈍い音と一緒にまた違う所へ来た。
そこには警察官が一人。

センターの反対側へ来ただけだった。


すぐかばんから小さな銃を出し、
そこに居た警察官に銃口を向ける。

「あ…っ」

その警察官は他の警察官と連絡を取ろうとしていた所。
銃を向けた瞬間、ピタリと口が止まり、
汗がどんどん流れていた。

もう終わりなんだ。
思いっきり楽しんでやる。


「言えば?撃たないから。そうすればもっと、ゲームが楽しめる」

その警察官はそう言って3秒ぐらい止まり、
「ソラを見つけた」とぼそぼそと他の警官に伝えた。


どんどんと警官が集まってくる。
なんか偉そうなやつが一番前に立って、こう言った。

「銃を捨てて手を挙げろ」


警察さん、もうあんた達には負けたよ。
銃をぽい、と投げ捨て、手を挙げた。

偉そうなやつが近づいてきて、
挙げている手に手錠をかけた。


「ソラ、逮捕しました」


冷たい声が静かになったセンターの
裏に響きわたる。
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ココ9ナッツ #32★2006.06/30(金)17:49
創作意欲むんむんむん(黙って)

お話の展開…
どうやら自分はハッピーエンドに終わらせる事が難しいようです





車に押し込められ、
ばたんとドアを閉じられると
車は走り出した。

さっきまで晴れていた空がどんよりと曇り始め、
目的地に着くころにはざあざあと大粒の雨が振り出した。


うまくいけば、
警察を出し抜ける…かも。

必ずゲームには勝つ。


かばんを取られ、
奥のほうの部屋へ連れて行かれる。

暗い部屋で、
机とパイプ椅子が寂しく並んでいた。

手錠を持っている偉そうな人は、
周りの人に指示を出している。

奥から出てきたのはなんか椅子みたいだけれど、
変なモノが沢山付いていたりする。

それに座らされ、変なモノ(バンドのよう)
で動けないように縛り付けた。


あのう、痛いんですけど。
そう言おうとすると、あの偉そうな人が
パイプ椅子に座り、せかせかと始める。


「フルネームは?」

「ソラ」

適当にそう答えると、
目線を下に向けた。

沢山の人の足が見える。


「苗字は?」

「知らない」

偉そうな人は、ふうとため息をついて、
また始める。


「歳は?」

「知らない」


「親は誰?」

「知らない」


皆縛られているあたしを見つめ、
おろおろとする。

偉そうな人は話を変えて、こう言った。


「分かっているだけで殺人26件、強盗42件、窃盗57件、銃刀法違反」

「あとポケットモンスター保護法違反 無数」


また偉そうな人はため息を付いて、
続きを始める。


「何故こんなことをした」

「生きるため」

即座に答える。
頭にすぐ浮かんできたんだけど。


「お前の生きるために何人犠牲にしたんだ! 命を何だと思ってる!」

偉そうな人があたしに向かってぎゃあぎゃあと怒鳴る。
耳ほんと痛いんですけど。

「そんなに近くでどなられたら耳が痛いですよ。後そんなに一回に沢山聞かれても困ります」

こう言ってやり、あちらの反応を待つ。


あちらは黙りこくり、
こちらをずっと見ている。


勝った!
あたしにとってはもう勝ちは見えている。

条件はばっちり、
くつにボールがあること、そこにかばんがあること。


条件はばっちり、
あとはもう上手くいけば逃げられる。


もうそろそろかな、と思ったときに、
立たされて違う所に連れて行かれる。

まだ何かあるんですか?


付いたのはなんか湿っぽい牢屋でした。
中に押し込められ、手錠から飛び出している鎖を壁に固定し、
足には足錠、首輪も付けられそれも壁に固定。


何かちょっとファンタジーじゃあありません?
警察さん。


がちゃんと大きな音を立てて扉は閉まった。
どんな事をしたって勝ちは勝ち。


早くこんな湿っぽい所から出ましょうか。
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ココ9ナッツ #33☆2006.07/03(月)15:10
ついについに最終話ーだと思います(なぬ)
この人は死にネタ以外に書けないのかしら?

「感動させるには死にネタがいいのですb」
…w(何)





牢の中には監視カメラのようなものは一切見当たらない。
資金不足か。警察さん。

たまーに人が来るだけで、
あたしはもう観念したと思ったのか。


この手錠セットは年代が古いものらしく、
簡単に取り外せるような感じがする。

3日程対策を考えるのと、
人が来る時間を覚え、脱獄策を練るのに時間を使った。

ベストタイムは5時頃。
上に窓のようなものが付いてるので、
空の色で時間がすぐ分かる。


脱獄開始。
手錠の鍵穴にぎりぎりで伸ばした爪がとどいた。
ちょちょいといじるだけで、がしゃんと手錠が落ちた。

続いて足錠もクリアし、
首のほうは後ろの出っ張りを強く押すだけで取れるという、
なんとも情けないつくりだった。


壁に必死でのぼり、窓を右にスライドさせて開けて、
素早く上にのぼって屋根に立つ。

のんびりしてはいられないので、
適当な路地裏へと逃げ込んだ。


新鮮な空気を吸い、壁にもたれて座った。


どうせまた捕まり、裁判やら何やらで長い事あの
湿った牢に閉じ込められるんだろうなあ、





急に罪悪感に襲われる。
何故、普通に働こうとしなかったんだろう。
何故?何故?

せっかく神様が自分という存在を認めてくれたのに。
今生きていることがその証ではないか。

ひとつだけ、ひとつだけもらった大切ないのち、
それを何とも思わずどれだけの人を苦しめた?
それを何とも思わず自分に与えられた時間をどれだけ捨てた?

自分はもう消えるんだ。
それが神様の決めたさだめならば、
それに従おうじゃあないか。


くつの中から小さな赤と白のボールを取り出し、
スイッチを静かに押した。

もう最後だよ。
貴方達をこれ以上苦しめたりしないから。


ぽん、という音とともにソルが出てくる。


「よく聞いてね、これが貴方に対する最後の命令だから」

ソルはきょとんとあたしを見つめる。


「貴方のその爪なら一発で出来るはず。あたしを殺して欲しい」


ふるふると何回も横に首を振り、
「いやだ」という気持ちを一生懸命伝えてくるソル。


何分も、何十分もじいっと見つめてあげた。
ひとりといっぴきの目から、どんどん涙が出てくる。

ぎゅうっと抱きしめてあげた。
一杯、力強く抱きしめてあげた。


ソルが腕を片方離し、鋭い爪を勢い良く飛び出させ、
あたしに微笑みかける。


心臓に爪が突き刺さる。
甘い痛みがじわじわとこみあげてきた。

記憶がビデオテープを早送りにしたみたいに、
どんどん、どんどん流れていく。


「ごめんね」


爪が引き抜かれ、ソルに赤くてあったかいそれがべっとりとついた。
いつか教えてくれたよね、これが一番この世界で、
美しいものだって。

ふっと体から力が抜けた。
びゅんびゅんと体から抜けた力が上に飛んでいく。
小さなかたまりになって、向かうのは上だよ。


この日はオレンジ色の夕日がとっても綺麗に見えた日でした。




今日もあの路地裏で会えるかな。
ソラちゃん。


おわり
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ココ9ナッツ #34☆2006.07/12(水)16:25
神様は私に何をお求めになったのでしょうか?


えんどれす 01





ほら

上を見上げれば青い空


皆が羽ばたいて上にのぼってゆく




この群れに入れないのは、
どれだけ寂しく、どれだけ悲しいか。
誰も分かってはくれない。

ソラヲトブコト、は皆にとって「あたりまえのこと」なんだもの。
鳥は飛べることが当たり前なのに?

私は何故、
鳥なのにトブチカラを与えられなかったのでしょうか?


おとうさんとおかあさんは、
いつか飛べるようになるって言っていたけれど。

飛ぶどころか、跳ぶことも出来ない私を
大人になるまで崖に落とさずに一緒に居させてもらえるでしょうか?


コドモは純粋で、綺麗なイキモノだって。
嘘なんて殆んどつかないし、思ったことを言えるイキモノだって。

だけどオトナはその正反対だって。
族長さんがちょっと前に教えてくれた。

それが本当なら、
おとうさんやおかあさんがいつも口癖のように言っている、
「とべなくても、あいしているよ」っていうのは、嘘なのでしょうか?


本当は飛べない子なんていらないって思っているのでしょうか?
そんな事を友達に相談してみても笑われるし、
おとうさん、おかあさんに言ったら怒られるだろうし。

わたしはヘンなのでしょうか?


それはえんどれす、
一生分からなくて当たり前な答えで。

短い一生でその答えを見つけることは奇跡に近い所なんだって、
それぐらいは、ヘンな私でも、それぐらいは分かる。


その答えを見つけにいきましょう、
見つからなくても悔いは無いでしょう。

きっといい経験になるでしょう。


見つけるのにはえんどれすないのちが欲しいけれど。
ずっとずっと生きているのは辛いから。

そこらへんについては、
神様はとても親切なのだと思います。


これはまだはじまりのこと。
いのちはえんどれすにつながっていくのはすばらしいってじっかんできたようにおもいました。
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ココ9ナッツ #35☆2006.07/16(日)04:59
悲しみを花火にしたらどれだけの花火が見れるだろうね?


えんどれす 02




ふわり かぜがおどって


ゆらり ゆうれいもおどる





朝も 昼も 夜も えんどれす。
外では羽で力強く羽ばたいて。

生まれつき羽が無かった私には
到底出来ない事なのですが。


だから友達も居ません、
おかしいと思うほうがおかしいです。

誰か、幽霊さんでも友達になってくれないかしら?


どの学校も朝はあわだたしい、と聞くけれど。
この学校がどんな学校よりもあわだたしいそう。

だって皆がトリアタマなんですもの!


簡易の教室で、先生の話を45分24.52秒聞くだけで一時間終わり。
ノートなんて無いし、テストだって!

このトリアタマが何でも覚えてくれる、
あんな優秀なノートの代わりなんて、出来ないに決まってるのに。


そんなことをずっと考えてる。
自分で言うのもオカシイけれど、ばかみたい。ばか。ばか。

自分だけがそんなにも、不幸?
世界には生きてるだけで必死な子だって居るのに。


不幸だって、思っても。
やわらかいパンが食べられる。暖かいスープが飲める。

でも モノだけでは 感情をシアワセに できないって
最近思いはじめてる…  

どんな イキモノ キモチ もっていて
かんじょう シアワセ するには アイ いるって


自分が憎らしくなってくる。
ばかばかばかばか。こんなのいきてたってじゃまなだけだ。ばかばかばか。

今まで何回自分を傷つけてきた?
何回も、数え切れないほど。


そんな まいにちを おくって います


それは今朝の 出来事でした

みんなぶったおれて
せんせいもおかあさんもおとうさんもくらすのひともきんじょのおばさんもぞくちょうさまも

みんなみんなみんなみんな

ぶったおれて


わたしだけ   のこった


どうしていけなかったのだろうね?どうして?
いっしょにいきたかった いきたいきたいいきたい


きょうは ひげきがおきて 4にちめの あさです
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[838]

このページは http://www1.interq.or.jp/kokke/pokemon/commu/story/838.htm のアーカイブです。

ぴくの〜ほかんこ