優霧 ゆり | #1☆2006.04/02(日)10:44 |
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【最初に。】 〜この物語の舞台や登場人物の紹介をします〜 ○舞台。 オリジナルの地方です。森や泉、野原などがある、自然が沢山な所です。 ○登場人物。 ピカチュウ(♂)。ニックネームではキラ(綺羅)。主人公。 クチート(♀)。ニックネームではマリ(茉莉)。副主人公。 〜さて。早いですがこれで紹介は終わりです。 次からプロローグ、序曲を挿み、物語第一話になります〜 【プロローグ】 ―嫌な夢で目が覚めました。 どんな夢かは覚えていません。でも苦しかったです。 ―僕は野生のピカチュウ♂。皆からはキラと呼ばれています。― 一先ず、僕は起き上がって木の洞から外を見ました。 今日の天気は雨。それも土砂降りの。 ―…空も泣いているのですか? 僕と同じ、嫌な夢を見て。 それとも。あの日の出来事を思い出したのですか? でも―もう泣いたって、あの子が戻っては来ないでしょう…。― 【1.最初の日。〜不思議な花に出会いました。〜】 その日は綺麗な五月晴れの朝でした。 僕はいつも通りに起きて、木の洞から外へ出ました。 それから近くにある森へと向かいます。 僕が住んでいるのは野原。このすぐ近くには森があって、綺麗な泉も湧いています。 その泉には何故か毎朝、森や野原のポケモン達が集まって来るのです。 ―そして、泉に着きました。 ですが、普段は起きるのが遅いポケモン達も皆集まって何やらガヤガヤと話しています。 「…お早う御座います。―どうしたんですか?」 と言って、僕も話に参加しました。 「あらっ。キラ、お早うっ。あのね、悔しいのよっ!」 答えてくれたのはニドリーナさん。 …悔しいだけじゃ分からないんですけど。 「何が悔しいんですか?」 「お、キラ。早うっ。―あのな、♀達は怒って♂達は喜び騒ぎだぜぇっ!」 と言ったのはトロピウスさん。 …何がですか。意味不明なこと言わないでください。 「詳しく話すとな、昨夜、この泉の傍に可愛い子が倒れててな、それが今、バタフリーの家で休んでるんだよ!」 「はい、それで?」 「だからそれが嬉しいんだっつーの!鈍いなあ、キラっ!」 いや、だからよく分からないんですって。 まあとりあえず、バタフリーさんの家に行ってみますか。 「ふぅ…。とりあえず有難う御座います。バタフリーさんの家に行ってみますよ。」 「おうっ!じゃぁな!」 そうして頭が混乱状態のまま、僕はすぐ傍にあるバタフリーさんの家へ行きました。 バタフリーさんの家は泉の近くなのですぐに着きました。 こんな朝早々に来てもいいものなのかなーとか僕が思っていると 「あ、キラ。お早う。―キラもあの子を見に?」 気づくの早いですねバタフリーさん。 「ぁーぇーあ、はい。そうです。」 ツッコむの忘れましたがバタフリーさん。 あの子を見に?というの、僕が変態みたいじゃないですか。 …まあ、それは置いといて。 「その子なら奥に居るわ。さっき起きたところよ。」 「有難う御座います。」 何故か僕は御礼を言って、奥へと進みました。 奥に来ました。 居ました。噂の子が。 すでに来ているポケモン達と話をしている様です。 体は肌色。頭の後ろの方には大きな顎。噂の子とはクチートのことだったようです。 「…あ。」 何か素っ気無い言葉を口から零した彼女は僕に気がついたようでした。 僕は近くまで行き 「お早う御座います。初めまして、ですね。」 と言いました。 「えっと、はい。お早う御座います、で。初めまして。」 「僕はピカチュウのキラといいます。宜しくお願いしますね。」 「…あたしはクチートのマリ。宜しくね。」 言って、彼女は優しく笑いました―。 ―続く。 |
優霧 ゆり | #2☆2006.04/05(水)13:19 |
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広い野原。自然が沢山の森。そして神秘的で綺麗な泉。 ―此処はとある地方のとある所。 そんな所で僕は暮らしています。 ―僕は野生のピカチュウ(♂)。他の野生のポケモンからはキラと呼ばれています。 この話は、その自然いっぱいの地方と野生のピカチュウを主人公にした物語です―。 【五日目。〜泉に映るは蜃気楼。〜】 ―今日でクチートのマリと出会ってから五日目。 僕達は何時の間にかすっかり仲良くなりました。 「―ねぇ、マリちゃんは何所から来たの?」 場所は変わり、森の中にある泉の周辺。 1匹のクチートとチルット、そしてニドラン(♀)やピカチュウが話しています。 因みに今喋ったのはニドランのランさん。 「あたし?…あたしはね、分からないの。自分が何所から来たのか。」 「へぇー…ってええっ!?御前、分からないのかよっ!?」 と、酷く大げさに驚いたのはチルットのルット。 「…しょうがないでしょ?…だってあたし、此処に来た時、自分の名前しか覚えてなかったんだもん。」 「…仕方ないでしょう。そのうち思い出しますよ。」 と、ピカチュウの僕は励ましました。 「うん。まあ…思い出せればいいんだけどね…。」 「…え?」「…は?」 と、見事に僕とルットの声が重なりました。 「…ううんっ。何でも無いよ。」 彼女は首を横に振りました。が、その表情は何所か悲しげでした。 そして暫しの沈黙。 「…あ、御免っ。今日はもう私、帰るねっ。」 刹那、その沈黙を破ったのはランさんでした。 「あ、おうっ!気をつけて帰れよ。」 「ではまた明日っ。」 「またねっ。ランちゃん。」 「うん。じゃあねっ。皆っ!」 そうしてランさんは話から抜けました。 そして再度の沈黙。 「…そうだ、キラとマリにはさぁ、夢ってあるか?」 唐突に聞いてきたのはルット。 「…夢、ですか?」 「夢?」 僕とマリは首を傾げました。 「僕にはなぁ、何時か大きくなってチルタリスになったら、この森の外まで続く大空を気持ちよく飛んでやるんだ!っていう夢があるんだよ。」 「あははっ。いいね、その夢。素敵かもっ。」 「僕はですね…。僕も何時か、この森、野原の外に出てみたいですね。」 「…んーじゃあ、あたしはね…。」 と、マリが言いかけた時でした。 ”フッ”と何かが泉に映りました。 「わっ!?あれ何だっ!?」 と、またまた大げさにルットが驚きました。 言いつつ僕は映っている方の周辺を見渡しました。 ですが誰も、何も居ません。 しだいに移っているものははっきりとなってきて、綺麗な白い花を咲かせた木が映りました。 「あれって…蜃気楼じゃない?」 「…蜃気楼、ですか?」 「うん、そう。本当は此処には無いのに、在るかの様に湖や泉に映るの。」 「へぇ…。綺麗だな…。」 「うん。結構綺麗だよねっ。」 「神秘的ですね…。」 そうしてその日は三人で蜃気楼が消えるまで見ていました―。 ―続く。 |
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