アルト | #1☆2006.04/13(木)22:51 |
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初めまして、アルトといいます。 では、早速ですが主要キャラの簡単な紹介をします。 主人公:アブソル(ソール) 設定:森の奥深くに住んでいるアブソル。 ある日友達と異世界へ行く方法を試したところ、 本当に異世界へ来てしまう。 ヒロイン:イーブイ(イヴ) 設定:ソールから見ると、異世界のポケモン。 山賊に襲われているところをソールに助けてもらい、 共に旅をすることに。 5匹の姉と兄がいるらしい。 では次から本編に入ります。 これからよろしくお願いします。 |
アルト | #2☆2006.04/13(木)23:06 |
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『第一門』 ソールはゆっくりと目を開けた。 木々の間から漏れている光に目を細めた。 …静かだ。聞こえるのは風に揺られる葉のガサガサという音だけである。 「おぉーい!!ソールゥー!」 静かな森に一つ、無駄に元気な声が響く。 ソールは彼の姿を見て眉間にしわを寄せる。 「…アルか。今度は何を試そうってんだ。」 ソールの元にやってきたのは一匹のアブソル・アルだった。 アルは何か噂を聞きつけると、それをソールと二人で試すのが最近のお気に入りだった。 …正直、ソールにとっては少し迷惑だった。 「へへっ、よくぞ聞いてくれました! 今回は、『異世界』へ行く方法を聞いたんだ。」 アルはそう言って爪でガリガリと何かを地面に描きだした。 アルが描いているものは魔法陣に似ていた。 描き終わると、アルはソールに陣の上に前足を乗せるよう促した。 ソールは言われるままに前足を乗せた。 「じゃぁ、行くぜ。」 アルが前足に力を入れると、陣が光を放ち、ソールだけを包んだ。 「ソール…ソール!?ソ…」 …これが、ソールの耳に入った最後の言葉だった。 ソールは眩しい光の中、だんだんと意識が遠のいていった。 |
アルト | #3☆2006.04/13(木)23:27 |
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『第二門』 ソールが目覚めた場所は、何もないただの白い空間だった。 ソールは起きあがり、手足の感覚を確かめた。 「…どうやら、ここは天国じゃないらしいな。」 ソールは自分の為すべきことが分からず、歩き出した。 が、行けども行けども白い空間から脱することは出来なかった。 ソールの体力も少し限界に近づいてきた頃、ソールの前方に何かが見えた。 ソールの目の前にあったのは、扉だった。 「…扉?何か文字が刻んであるな…。」 ソールはその文字を読み上げた。 「『白銀の体、漆黒の鎌、血の瞳を持ちし異界の者、神の落とし子と共に世を救いける。 …英雄はここにある。』…何だ? それに、このアブソル…俺に似ている…?」 文字の下にはアブソルが埋め込まれていた。 ソールの面影と何となく似ていた。 「わけが分から…うわっ!?」 いきなり扉が鈍い音を立てて開いた。 ソールは何かに吸い込まれるように中に入っていった。 …そして、次に目を開けたときも違う景色を目にしていた。 |
アルト | #4★2006.04/16(日)22:48 |
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『第三門』 ソールの前には広大な草原が広がっていた。 そして、今は夜だった。空には満月が輝いている。 「なんなんだ一体…。さっきから変な扉見たり白い所来ちゃったり…。めちゃくちゃだ。」 ソールはため息をついた。 「ちょっ…やめてくださいっ!」 遠くの方で声がした。 ソールは声の方に向かうと、そこには山賊(といってもズバット3匹)に囲まれたイーブイがいた。 ひどく怯えた様子のイーブイを見て、ソールはいてもたってもいられなくなった。 …気付いたときソールは山賊に飛びかかっていた。 鋭い爪で山賊を切り裂き、真空の刃を生み出し、山賊達をあっという間に倒した。 激しい運動を終え、ソールが肩で息をしているとイーブイがソールに近寄ってきた。 「あ、あの…。ありがとうございました、助かりました…。」 「いやいい。あんたもこんな時間に何やってたんだ?」 ソールが訪ねると、イーブイは少しまごついた。 そして、しばらく間をおいて答えた。 「私の兄と…姉を止めなきゃいけないんです。」 「止める?」 「はい。私の兄達は5匹いるんですけど、性格は様々なんです。 ですが、共通して皆非常に残酷で殺しを平気で行うほどなんです。 …それである日、兄達は自分の両親、親族を殺しました。 私たち進化族を裏切ったとして兄達は里を出ました。 すると次は隣の里のポケモンを全滅させ、さらにはるか南西のクレアリーフ城を壊滅させたんです。 だから私は里を発ち、兄たちを止める旅に出たんです。」 「へぇ、大変だな…。」 と、そこでソールは違和感に気付く。 「…なぁ、クレアリーフ城は壊滅したって話、聞いたことねぇぞ。 つい最近クレアリーフ城の13代目女王のイズリュート様が子供を産んだって…。」 「?何を言ってるんです? 現在の女王は7代目女王のエーレンド様ですよ?」 …アル、帰ったらひどい目にあわせてやる、とソールは心の中でつぶやいた。 |
アルト | #5☆2006.04/17(月)22:39 |
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『第四門』 ソールは驚愕した。 7代目、というともう200年ほど前の人物なのだ。 その人物が治めているということはつまり、 「俺って…過去に来ちゃった!?」 「?そういえば、貴方はどうしてこんな所に?」 イーブイが訪ねてきた。 「あ〜、話せば長くなっちまうんだが…。」 ソールはことの経緯を話した。 イーブイは聞き終わると、納得して 「はい、過去に来ているということになりますねv」 と言ってにっこりと笑った。 「まぁ、そういうことだ。 俺は元の世界に戻りたいし、その方法でも探しに行くかな…。」 ソールは草原をサクサクと歩き出した。 その後ろをイーブイは少しモタつきながらついてきた。 「…何だ、まだ用か?」 「私、貴方のお供をいたしますっ! それなら私も心強いですし、私と貴方の目的も達成できる。 まさに一石二鳥ですよ。」 「…勝手にしろ。」 「…そういえばまだ名前言ってなかったな。 俺はソール。」 「私はイヴです。よろしくお願いします、ソールさん。」 二匹はまだまだ先のある草原を一歩、また一歩歩いていった。 |
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