さえら | #1☆2006.06/30(金)21:24 |
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初めましての方は初めまして。 私の挨拶の所にコメントをくださった方々、ありがとうございました。 まだココに来て少ししかたってないのですが小説を投稿してみようと思います。 キャラクター紹介 主人公 名前:水無月 凛音 (みなづき りんね) 性別:女 性格:少し生意気でボーイッシュ。 容姿:黒のショートで小顔。女の子の割には背が高い。 服装:黒のキャップ(逆に被る)。黒のTシャツ(冬は黒の長袖Tシャツ)。黒のジーパン。黒のロングブーツ。 全体的に黒を好む。 備考:3年前(10歳)の時に両親が事故死。 それから、一人暮らしを始める。 13歳になり自分は何の為に生きているのか…それを探しに旅に出ようと決意する。 |
さえら | #2★2006.06/30(金)21:46 |
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第零話 【思い出】 私、水無月凛音。 今からこの思い出がたくさん残っている、家を出て行く。 私の両親は3年前事故で亡くなってしまった。 3年前の今日――5月6日。私の誕生日だった。 『その日は外で祝おう』、そう言っていたのは父さん。 『そうねそうしましょう』、そう言っていたのは母さん。 皆、楽しそうに笑っていた。もちろんこの私も。 家族3人で車に乗り、私の誕生日プレゼントを買いに行く。 ――その時だった。 前から飲酒運転の車が突っ込んできた。 父さんは打ち所が悪く、即死。 母さんはそのすぐ後に死んでしまった。 私は母さんにかばってもらい、助かった。 でも、それでも、私の心は今でもぽっかりと穴が開いたまま。 最近夢を見る。あの時の夢。 夜中に飛び起きる事が何回もある。 『あの時一緒に死にたかった』、と思う事がたくさんある。 どうして私は生きているんだろう? どうして神様はあの時一緒に死なせてくれなかったんだろう? 私は今までそう思っていた。でも今は違う。 これから私は生きている意味を探しに旅に出る。 母さんがせっかく命を張って助けてくれた命だから。 私はそれを受け止めてこれからは生きていく。 だから…だから… 父さん、母さん。私を生んでくれてありがとう、そう言ってみたい。 天国でいつでも私の事を見守ってて下さい。 |
さえら | #3☆2006.09/23(土)22:52 |
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第壱話 【出発】 此処はコトキタウン。 私が生まれ育った町だ。 小さい頃から環境に恵まれ、幸せに過ごしてきた。 私はこれから自分を見つめ直す旅に出る。 思い出がたくさん残っている家。 旅の準備をしている時、その家からある物が出てきた。 ―――手紙とひとつのモンスターボールだった。 差出人は父さんと母さんから。 手紙の内容はこうだった。 ――親愛なる凛音へ いずれこうなることだと思っていました。 人間、いつ自分がこの世にいなくなるのかわからないものですね。 私達貴方の両親は13歳の誕生日に貴方を旅に出させようと思ってたのです。 初めてのポケモンを凛音、貴方に託します。 私達が果たせなかった夢――果たしてくれると願っております。 ―――貴方をいつまでも愛している両親より 「…ッ」 内容を読んでいる内に視界がぼやけてくる。 私の目から一粒の涙が零れた。 「母さん、父さん。私頑張るから…ッ」 父さんと母さんの願いを胸に秘め、グッと握り拳を作った。 その時ふと、テーブルの上に置いたひとつのモンスターボールに目が行く。 赤と白の丸いボール。 今私が住んでいる、ホウエン地方にはポケモン――ポケットモンスターが生息している。 そのポケモンを入れる道具がこのボールだ。 「何のポケモンなんだろ…」 そんなことを呟きながら、ボールを手に取る。 そして、上に放り投げた。 パシュンッ そう音を立てて出てきたのは小さな赤い触角、そして白い身体を持ったポケモンだった。 「ラル〜♪」 ラルトスだ。名前だけは知っていた。 私の母さんはこのラルトスの進化ポケモンのサーナイトを持っていたから。 「ラルトスかぁ…うん、可愛い♪」 「ラルッ?」 私がラルトスの前に座り込むと、ラルトスは首を傾げる。 そんな仕草が可愛い。 うん…私頑張ろう。 そうしないと両親に顔向け出来ないよねッ。 私のパートナー、ラルトスをボールの中に戻し、荷物が入っているリュックを持つ。 「じゃあ、行ってきます!」 ガチャンッと音を立てて私は出発した。 |
さえら | #4☆2006.09/25(月)22:39 |
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第二話 【お見送り】 「おーい、凛音ちゃん」 「ん?あ、カナ姉」 家を出た私を待ち構えていたのは近所に住むカナ姉だった。 カナ姉――鈴堂 香奈は私のイトコで七歳年上。 「結局行っちゃうの?あーあ、あたしもっと凛音ちゃんと一緒に居たかったなぁ」 カナ姉は私の事をとても大事にしてくれている。 今はそんな優しさがとても悲しかった。 「ごめんね、カナ姉。私自分を見つめ直してみたいんだ」 「そっか…なんかあったら何でも言ってね!あたし飛んでいくから!」 「ありがと…じゃ、私行ってくるね!」 ホント、ありがとう。カナ姉…。 私カナ姉が居なかったらどうなってたかわからないよ…。 両親が私の傍からいなくなってから魂が抜けたように過ごしていた。 そんな私に生きる楽しみを教えてくれた、カナ姉。 私はそんなカナ姉の優しさと心遣いに感謝しきれないくらいだ。 ありがとう。本当にありがとう。 気を取り直して私は両親の手紙に書いてあったミシロタウンに行く事にした。 手紙はもう一枚入っており、ミシロタウンのオダマキ博士に会いに行くように、と書いてあった。 「ミシロタウンかぁ…結構近いな…」 そんな事を呟きながら。 私は101番道路の段差を飛び降りてミシロタウンに着いた。 |
さえら | #5☆2006.09/26(火)21:37 |
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第三話 【オダマキ博士】 「ココがミシロタウン…初めて来た」 私はあまりコトキタウンから出たことが無く、ミシロに来たのは初めてだった。 あまりの自然の多さに圧倒される。 どこに何があるのかわからないので、取り合えず歩いてみる事にした。 しばらく歩いた時、声が聞こえた。 「わーッ、誰か!助けてくれー!」 「…!?後ろから!?」 今まで通ってきた101番道路の草むらから誰かが助けを呼んでいた。 私は段差を降りてきただけだったので草むらに人がいるのも気付かなかったが…。 取り合えず私はその声がする方向に走っていった。 ♪ ♪ ♪ 結構ミシロの奥の方まで来ていたらしく、101番道路に行くまで長かった。 一人の男の人がジグザグマに追い掛けられていた。 「そ、そこのキミ!たッ助けておくれ!」 「あ!ハイッ。ゆけッラルトス!」 パシュンッ 「ラル〜」 ボールを投げ上げたと同時にラルトスの鳴き声が聞こえた。 私に戦えるのかわからないけど…。 目の前で助けを求めてる人を無視して行く事は私のプライドが許せなかった。 「ラルトス、ねんりき!」 「ラールッ!」 私が言った言葉を聞いてくれたらしく、ラルトスはジグザグマに向けてねんりきを放った。 「ジッグザァ…」 ねんりきが当たったのか、ジグザグマは倒れそうになる。 そのままムリをして立ち上がり奥の方へ駆けて行った。 「はぁ…助かったよ。ありがとう。キミは?」 「あの…私水無月凛音と言います」 初めて野生のポケモンを戦い勝てた事にほっとしたのも束の間。 感謝の言葉と名前を聞かれ、答える私。 「キミが凛音ちゃん?大きくなったじゃないか…!」 「は?私貴方の事知りませんよ?」 「私だよ。オダマキだ、小さい頃に会っただろう?」 そんなの初耳だ。 小さい頃なんて思い出すだけで悲しくなる。 「って言うか、貴方がオダマキ博士なんですか?」 「あぁ、そうだよ。凛音ちゃんは…旅に出るんだね…」 「えッ!?なんで知ってるんですか?」 少し悲しい目をしながら言った言葉に対して私はびっくりする。 旅に出る事だって、カナ姉以外の人には言ってないはず…。 「キミの両親から聞いていてね。旅に出るようだったら渡して欲しい物があるそうだ」 「…え?そうなんですか…?」 「取り合えずココじゃなんだから研究所に行こうか」 「あ、ハイ」 私は博士と一緒に渡したい物があるとかなんとかで、研究所に向かう事になった。 |
さえら | #6☆2006.11/15(水)15:36 |
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第四話 【渡された物】 私はあれからオダマキ博士と一緒に研究所へ向かった。 初めて見る、そして感じる研究所の雰囲気に圧倒される。 「…ココが研究所…」 「昔は凛音ちゃんよく来てたんだけどねぇ…」 「そうなんですか?…全然覚えてません」 「そうか…まだ記憶が…」 「え?何か言いました?」 「え?あ、いや…何でもないんだ」 オダマキ博士はそう私に言ってから、奥の部屋に入って行く。記憶…って何? ホッとして肩の力が抜ける。ふと、机の上にある三つのモンスターボールに目を向けた。 何が入っているんだろう…。私はその机に向かい一つのボールを触る。 「気になるかい?」 「えッ?」 話しかけられびっくりした私は、机からボールを落としてしまう。 カタンッ…そう音を立てた。その拍子で中からポケモンが出てきてしまった。 「チャモッ…♪」 出て来たのは小さい黄色の…いや橙色と言った方が正しいか。 小さいくちばしがある。鳥ポケモンのようだ。 「あれはアチャモという初心者用のポケモンだよ」 「…アチャモ…」 博士から簡単なポケモンの紹介を受け、アチャモを見る。 アチャモは私の足元をクルクルと何回も回り続けている。 「アチャモ…ね」 「チャモッ、チャッ!」 「凛音ちゃんそれはキミに上げよう」 座り込みアチャモを撫でていた私に声が掛かる。 え…?耳を疑った。 「え!?そんな事出来ませんッ!」 「アチャモも凛音ちゃんの事を気に入ってるみたいだし、受け取って貰えないかい?」 「チャモォ…」 優しい顔をして博士が言うものだから、思わずアチャモの顔を見てしまう。 瞳がうるうるしている。「僕も連れてってよー」と目が語っていた。 「わかりました。アチャモは私が大切に育てますね」 「ありがとう、凛音ちゃん」 「で、両親からの預かり物って何ですか?」 「あぁ、これだよ」 そう言われて博士に渡された物は一冊のノートだった。 |
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