ちるる | #1★2006.10/17(火)19:23 |
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プロローグ? 太陽が輝く、快晴の空に向かって、大きく伸びをする。 「あぁ、いいお天気ね、小雨!」 首(胴体というべきか?)に大きなバスケットを下げたハクリューと目を合わせ、笑った。まぁ、にほんばれで晴れてるんだけどね、と言うのこらえ、また一個、モモンのみをバスケットに入れる。甘い物好きの小雨は、バスケットの重みが増すたび、本当に幸せそうにニコニコ笑う。 広い敷地一面の木の実畑。顔も知らないおじいちゃんのおじいちゃんから受け継いだ土地だった。コーディネーターに憧れていた私は、受け継がないといけないと知ったときに、残念がるよりもまずキレたのだったが…。 「よーし、じゃ、休憩にしましょ!」 こっちの言葉はわからないはずだが、うれしそうに「リュ〜!」と鳴いて、いきなりぱく、と一番大きいモモンのみを食べた。 「あぁ、もう!そんなに急いで食べなくてもいいじゃない〜」 と微笑んでから、自分もモモンの実を手に取り、口へと運ん・・がさがさっ! 向こうの方でいきなり音がし、びっくりして振り向いた。 「な、なんなの!?」 なんていってる間に、小雨は音がしたほうにむかって飛んでいた。 |
ちるる | #2★2006.10/24(火)14:35 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第一話 たたた、と、音がした方に走っていったカイカだったが、広すぎる木の実畑は、すぐに目的地にたどり着けるような広さではなく、体力がないほうのカイカは、少し走って息を切らしていた。小雨に早く、早く、と腕を引っ張られるが、ちょっと待って、と返事もできない。 息を整えて、また走り出し、音がしたと思われるところへと着いた。そこに落ちている見たこともない、オレンジ色の大きい実を見つけ、珍しい木の実!?とよく見てみる。硬さは…。と実をこんこんとノックしてみる。 派期(ぱき)。実にひびが入った。やべ、あぁ割れちったよ!珍しい木の実だったのに!(勘悪いな!) 「ギャァ〜オ〜!」 あれ?芽?オレンジ色の芽ですか?うわ、珍しい!(…もういいや) タマゴから生まれたファイヤーは、羽を広げても、しゃがんだカイカくらいの大きさだった。なんだかわからないが、じっとこちらを見つめている。小雨は、私と見つめ合っているポケモンに敵意を抱いているようだった。嫉妬しているようにも見えるが、実際のところどうなんだろう? 「りゅ〜う〜!!」 小雨のげきりんに触れ、(覚えたらしい)あっというまに周りは焼け野原…。 |
ちるる | #3☆2006.10/24(火)15:24 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 プロローグ 旅開始早々、「こまったこと」が起きてしまった。 大きな球体の物を持って、木の周りをぐるぐる回り続ける自分。足元には、困ったような顔をしたブイゼルのクルクがしゃがんでいる。すまなそうな顔にも見える。すまないと思ってるなら、こんなもの拾ってこないで、というのが本心だが、かわいい顔に免じて許してしまう。あぁ、悪い癖だな…。 黄色い球は、徐々にひびが大きくなっているようだ。やっぱり。 はぁ、とため息をつき、とりあえず地面においてみる。 いきなりだった。何の前触れもなく、球から頭がつきでる。 「ぎゃ〜あ〜!」 黄色の頭が一声鳴き、殻がいきなり破られ、トゲトゲのからだが現れた。目が…うるうるしている。 「ぎゃうっ!」 とげとげが体にからみついた。痛い。 |
ちるる | #4☆2006.11/01(水)20:18 |
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第一話 とげとげな、多分鳥類のポケモンに、トゲと名前をつけ、とりあえずつれて歩くことにした。というか、逃げても逃げてもついて来るので、しょうがなく連れて行くことにした…というのがほんとのとこか。「お願い。連れてってくれるでしょう?」そういっているに違いない、そのポケモンの目を見ると、石になって…あ、違った。連れて行きたくないなんて言えない。 幸い、クルクとトゲは仲が良いようで、ポケモン語で話をしているようだ。楽しそうだねぇ、と声をかけると、すごい速さでトゲは飛び上がり、抱きつこうと・・し、ひゅうと落ちて、どすんと地面に尻餅をついた。驚いた。飛べないんだ! 鳥ポケモンは、生まれたときから空を飛べると信じきっていたので、びっくりして目を丸くしてしまった。トゲが泣きそうな顔で見つめてきた。な、泣かないで、なだめたが、ぎゃう〜、と母親に言いつけるように空に向かって泣いた。(鳴いた?)って…母親!? 「何かあったの?」 空がしゃべった!、と思って上を見ると、虹色に輝くオレンジ色の鳥ポケモンが、ばさばさと羽を羽ばたかせて、目の前に着地した。そのポケモンは、あ、どうも。うちの子がお世話になってます。と頭を下げた。こちらこそ、とつられて頭を下げるが、僕は何もお世話になんかなってないな、なんて思う。ところで、どちら様ですか?と聞く。(そういうことってよくあるよね。) 「ホウオウです。」 あぁ、ホウオウさんね。あの伝説のポケモン、ホウオウさんですか。納得している間に、じゃ、そんなに大事な用じゃないみたいだから、またね。ユウタさんの言うこと聞くのよ。とそのポケモンはトゲにいい、また飛び立ち、そのうち見えなくなった。 なんで人間語を?なんでホウオウとトゲが話を?なんで僕がトゲのお世話を?なんで僕の名前を!? ツッコミどころは多いが、それはまた今度…。 |
ちるる | #5★2006.11/30(木)19:52 |
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〈解説役 ホウオウ&ルギア編〉 「大丈夫だったの?サンダーくんは。」 雲の上について、羽をたたんだホウオウに、ルギアがたずねた。(あぁ、ついに…。) 「だいじょうぶ。楽しくやってるみたい。そんなことよりさ。あのフリーザーくんは?あの子とペアの…フナムシちゃん?」 「フナデちゃん!どんな間違え方ですか!?」 「おしいなぁ…。似てるジャン。」 まぁ、この会話はいいとして。 「あの子はポケモンの気持ちがある程度わかるから。仲がいいみたいよ。変なニックネームをつけないか、って問題があるけどね。」 ホウオウとルギアは、おくびょうなカゲボウズを安心させるオーラ(?)を放つ、ノースリーブの女の子を思い出した。無口だが、最低限発する言葉には、政治家の演説の何倍もの説得力があった(言いすぎか?)。んなわけで、全員一致で(ホウオウとルギアの二人だけだが)難しい性格なフリーザーのパートナーは、一発目で決まったのだった。 …ホウオウとルギアの会話で解説をしようと試みた作者だったが、やっぱり無理だった!すいません。なので、自分が解説いたします。 なぜ、ユウタたちがサンダーなどの伝説ポケモンを育てることになったのか。実は、なんとなく…なんだかトレーナーとして不安な新米トレーナー(失礼じゃないか?)の成長を手助けするために、ホウオウたちが送り込んだのだった。(二人だけで3匹も一気に育てるのが大変だったから…なんて読者様にばらしてはいけないらしい) ちなみに、あの「ピカチュウを連れたトレーナー」が会ったホウオウは、ファイヤーたちのパートナーを探していたホウオウなのだった。(私の推測ですが) |
ちるる | #6☆2006.12/01(金)18:07 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 プロローグ 池にたくさん葉っぱが浮かんでいる。フナデは古い図鑑(紙製!)を開いて、それがハスボーというポケモンであることを確認した。 「…」 あまりに何もいわないので、なんとなく打ってみました。すいません。その間に、フナデはペットボトルに池の水を少し入れて、「ハスボー生息地、102番道路」と書いていた。 行きましょ、という意味で片手を挙げたフナデ、それにカゲボウズがついていく。野生ポケモンをびっくりさせないように、調査は静かにしなければならない、とお父さんに教わっていた。 「次に向かうのはトウカシティ。そこにお父さんのお友達がいるらしいから。」 一日中ずっと歩きっぱなしだったので、休めると知ったカゲボウズのドレスは、やった、と言った。(鳴いた) ピンポンパンポン♪(トウカにつきました) 「お疲れ、一日でよくカイナからここまで来たね。まぁ、まずはゆっくり休んでよ。」 お父さんの元、船乗り仲間のコウカイさん(航海さんであって後悔さんではない)のお宅に、とりあえず一晩は泊まらせていただいた。臆病なカゲボウズは、たくましいコウカイさんにびびっていたが。 ピンポンパンポン♪(次の日の朝です) 「じゃあ、行ってらっしゃい。また来てね。」 なぜかすごいつりざおをお土産に、102番道路へ後戻りすることになった。ヘイガ二が、さっきの池にいるらしい。乗り気じゃないドレスを引っ張って、また歩き出す。釣りしたことないんだけど。 |
ちるる | #7★2006.12/20(水)19:49 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第一話 「なんか、二日にカイナとトウカを往復さしちゃったねぇ。お疲れ。」 体力があって(ん?)、たいしたことないよ、という顔で、疲れたよ、という。棒読みだった。ドレスが肩でのびているのを首を回して見つめていたら、一瞬手が見えて、ドレスが肩から消えた。背中の後ろに人がいることはわかったが、首が回らない。(ヨルノズクじゃないんだから)そんなことをやっている間に、後ろの人影が走り出した。きゅぅぅぅぅ〜というドレスの悲鳴。 「ちょ、誘拐ですか?」 思い切り走っている長い髪を追いかけるかどうか迷ったが(迷うなよ)、ドレスが助けを求めていることがわかったので、走り出した。 これがまたフナデの走りはすごかった。相手も必死で、最高速度だったのだが、すぐにフナデは追いついて、ドレスを握り締めた(!?)女の子の前に立ちはだかった。 「うちのドレスちゃん(間違ってますよ)、生きてる?」 フナデより無口な息を切らした女の子は、手のひらのドレスを見つめて、突き出してきた。ドレスは完全に目を回している。 ここで初めてその女の子が、行方不明の子だというのがわかった。TVで何度も情報提供を求めていたのが記憶にある。 「カケオチしようよ。」 女の子が初めて発した言葉がこれ。 「いいよ。」 そして、初めての会話はこうだった。 その子は、どこかの偉い人の子供だった。ハナというらしい。 ポケモンとトレーナーの明日を支えている人の子供と、名もないポケモン研究者の子供が一緒にカケオチしているという事実は、ある意味誰も知らない。 |
ちるる | #8☆2006.12/28(木)09:24 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第二話 カイカの住む「ナイドー地方」も、ホウエンならポロック、シンオウならポフィンのような、木の実からできるポケモンのお菓子がある。「ミゼリィ」というのがそれの名前だ。 ポロックなどとの違いは、「木の実屋」と呼ばれる(まんまじゃん)木の実を売る店があって、そこで売っているということだった。もちろんカイカの店でも売っている。ちなみに、ミゼリィに入れた木の実の名前を前につけて、「モモンのミゼリィ」「カゴのミゼリィ」などと呼ぶ。解説終了! チリリン♪ 客が来たことを知らせるベルが音を立てる。はーい、今行きま〜す、と店の奥からカイカの声と足音が近づいてきた。 「ミゼリィ作ってたの?悪いねぇ。」 悪いねぇ、といってるが、ニコニコと笑ってるので、いえいえ、と手を振ってしまうのだった。レジの向こう側には美しい黄金の毛をまとっているキュウコンが上品に座っていた。首にはいつもの青い宝石が光っている。 「いつもの、あ、5つね。」 はい、とうなずきながら、出来立てのカゴのミゼリィを5つ箱の中に入れる。 「誰か、来られるんですか?」 「敬語使わなくていいのに。カントーから、友達が来るんだよ。その子もキュウコンを連れててね。あ、ありがとう」 カイカはミゼリィが入った箱を渡して、お金を受け取る。 「ありがとうございましたー!またどうぞー!」 キュウコンと、常連さんの後ろ姿に向かって声をかける。名前はなんていうんだっけ?ち?ち…なんだっけ? |
ちるる | #9☆2007.01/05(金)09:38 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第二話 「僕はノモセシティのユウタ!バトルしよう!」 「もちろん!売られた喧嘩は買う主義なんでね。いけっピジョット!」 「任せたぞ、クルク!」 なんていうのはただの妄想である。作者の勝手な趣味によって、ポケモンマスターを目指すユウタは、これまた作者の…もういいか。ユウタの性格は臆病だ。攻撃力が下がるが、素早さがあがるというあれ。しかし物事の決断が早いというわけではない。リッシ湖のほとりにある「レストランななつぼし」でポケモンバトルを申し込もうとしているが、怖くて(何が)それができないでいるのだ。店の入口で小さくなっていると、目のいいおじさんがこちらに声をかけてきた。 「おい、そこの男の子!うちの息子とバトルしないか?」 びくっと飛び上がったユウタ。隣に座ったクルクは、もう立ち上がって、バトルしまーす、と手を挙げていた。あ、こらこら。 「じゃあいきますよ、俺はカントー地方ハナダシティのミキ。いけっホーホー!」 あ、妄想と同じような感じだ。まぁ、言ってるのは自分ではないが。 「クルク!いけ〜っ!みずでっぽう!」 クルクの口から水が発射された。ほうほう。相手はダメージを受けたが、まだまだ元気だ。 「エアスラッシュ!」 シュシュッと音が鳴って、空気がクルクに当たった。ぶいぃ、とクルクが鳴く。 「あう!クルク〜!」 あっけなくクルクはやられてしまった。大丈夫!?とクルクに駆け寄った。歳は同じくらいなのに、一撃だった。 「賞金はいいから、代わりに支払いしておいてください。」 手を振って、父親と共に店を出て行った。それがこの店のルールらしいが、二人分かよ!もちろん怖いのでそんなこと言えるわけないが。 |
ちるる | #10☆2007.01/16(火)08:51 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第二話 なぜハナちゃんがドレスを泥棒しようとしたのか、聞いてみた。 「フナデさんがね、ドレスちゃんと一緒で、楽しそうだったの。あたしヒトリタビだから、なんか少し寂しくなっちゃ…」 最後のほうは声が小さくてよく聞き取れなかった。ハナちゃんは顔に手をあてて、うわぁん、とつぶやいていた。なんで顔を隠すの?と思って考えてると、やっとハナちゃんが泣いていることに気がついた。(やっと!?) 「ねぇ、泣かれても私何すればいいのかわかんないんだけど。バカで無神経で走ることしか能がない女だからさ」 まったくその通りだと思ったのか、ふふ、とハナちゃんが笑って、顔を上げた。笑わせたつもりはなかったのだが…。 「でさ、そしたらあたしにパートナーポケモンをちょうだい!実は、ポケモンのつかまえ方、知らないの。ね?」 だめだ。ハナちゃんの特性「泣き虫」と得意技「ね?」に殺られる! 冗談です。まぁとにかく、カイナシティの上のほうの草むらに2人でいき、フナデの「パートナーポケモンGET大作戦」というのが始まった。 「まず、野生ポケモンをみつけたら、ダメージを与えるのよ!だましうち!ってね。」 なんだかとても張り切ってるフナデ。ドレスをハナちゃんに渡して、草むらに行くように促した。ドレスのほうが不安そうにしていたが。 「ラックラァイ!」 そのときいきなりポケモンが突っ込んできた。緑色で、犬のようなからだ。結構小さい。思わずフナデが叫ぶ。だましうち! しかし緑のポケモンは見えないくらいのすごい速さでドレスにぶつかった。きゅうぅぅぅ、とドレスが泣く。毎回ですね。 「あ〜あ、ドレスちゃん、ごめんね。よし、フリーザーかっこかり!ハナちゃんを助けてあげて!」 ドレスをボールに戻し、もうひとつのボールを投げる。 あれぇ、そういえば、フリーザー君の話、してなかったっけ?(ちょい消えて) |
ちるる | #11☆2007.01/16(火)15:55 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第三話 台所の窓から、お母さんとファインの姿が見える。空を飛ぶ練習をして、遠いところから来てくれているお客さんに、直接運ぶ、いうならば「出前」(いや違うだろ)をするとかなんとか。 ちなみに、ファインというのは、ファイヤーのニックネーム。家族で3時間半を費やして決められた。(という設定は作者が5秒を費やして決められた) かすかに声が聞こえる。ファインのやる気を起こそうとしているらしい。 「いい、あんたがうちの木の実屋の、希望の星だからね、ファイン!」 とても楽しそうだ。ファインも気合が入って、ファイ!と答えている。でもやっぱり苦戦して、何度も尻餅をついている。 そろそろできたかな、と冷蔵庫の中をのぞいて、オレンのミゼリィを1個取り出して食べる。うんいい感じ。 窓の外で拍手と、いいぞ!その調子!という声が聞こえ、窓の外を覗き込む。すると見事にファインが宙に浮かんでいた。うわ、すごいすごい!とこっちも拍手をする。 実は、ナイドー地方では、たくさん木の実が採れるため、たくさん木の実屋があるのだ。そこで、木の実屋はそれぞれの店の個性を出さなくてはいけない。そしてカイカのところも考えて、「出前」をしようということになったのだ。 「そろそろおやつだよ〜。はい、オレンのミゼリィ!」 ありがと〜、と手を伸ばすお母さん、やけに子供っぽい。 ファインは細いくちばしで一生懸命つついている。ミゼリィはつるつるしているので、食べにくいんだろう。 「ねぇ、カイカ、コンテストに出る気はない?」 いきなりお母さんから聞かれて、びっくりした。つい、コンテスト!と大きな声で聞き返した。一番上に戻ればわかるが、私はコーディネーターに憧れていたのだ。やっと旅をさせてくれるのかと、期待して、なんでそんなにいきなり?と目を輝かせてきいた。 「あのね、優勝商品が、木の実詰め合わせ合計100個なんだって!そしたらその分は、ミゼリィの材料ただでしょ?」 商品目当てですか!? |
ちるる | #12☆2007.01/21(日)11:22 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第三話 レストランななつぼしで、222番道路にいくといい、という情報を手に入れた。バトルした釣り人さんの会計を済ませて(また負けたらしい)、店を出た。 なるほど、歩いていくと、釣竿を持っている人たちが海を睨みつけている。トゲは水タイプには強いから、釣り人にバトルを挑め、ということか。一人でうなずく。 「あの、釣れてますか?」 少し積極的になったユウタ、声をかけてみた。しかし返事はない。もう一度、すいません、と声をかけてみたが、やっぱり返事はなかった。しょうがない、他の人にしよう、と歩き出そうとしたら、声が聞こえた。それもとっても大きな… 「来た来た来たぁー!!」 という声。エラーが出そうなのでやめておくが、来た来た来たぁーのあとに何個も「ー」が付いている。ビックリして振り向くと、釣り人さんは釣竿と格闘していた。かなり大きな敵。いつの間にか、周りには人だかりができていた。 「よっしゃあ!」 という掛け声と共に、水面におおきな魚が現れた。あ、レストランななつぼしのポスターで見た魚、名前は・・テッポウオだ! 75センチ以上のテッポウオを釣れば、(たしか)賞金7500円がもらえる、とポスターに書いてあった。そのテッポウオが、目の前に現れたのだった。 捕まえろ、はやく、という声が飛び交う中で、釣り人さんが突っ立っていた。そしてこちらを振り向くと、言った。来た来た来たぁー、とは比べ物にならないくらい、小さな声で。 「おじさん、ポケモンゲットできないんだ…。かわりに捕まえてくれないか?頼む!」 状況が飲み込めないまま、ユウタは巨大テッポウオの前に突き出された。テッポウオがこちらを睨んで、待ちくたびれたのか、みずでっぽうをかましてきた。 尻餅をついたユウタの腰に付いたモンスターボールから、ポケモンが飛び出す。トゲだったが、一瞬わからなかった。 トゲの顔は明らかに怒っていた。 |
ちるる | #13☆2007.01/21(日)17:48 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第三話 「フリーザーかっこかり!かぜおこし!」 ポケモンに向かって風をたたきつけるフリーザーかっこかり。その強いかぜおこしを受けて、敵ポケモンは吹き飛ばされそうになったが、踏ん張ってこらえた。ここで、とどめの一撃! 「こなゆき!風に乗せて!」 かぜおこし+こなゆきで、ポケモンはついに吹き飛んだ。岩にぶつかって、キャン!と声がした。ダメージを受けているらしい。あとはゲットするだけ。ボールを投げて!とハナちゃんに向かって叫ぶ。慌ててハナちゃんがモンスターボールを投げた。 ポン、とモンスターボールが開いて、ポケモンがボールの中に入る。ユラリ、ユラリ、とボールが動く。なかなか止まらない。 そこで、ボールは動かなくなった。とぅん、となって、ボールはおとなしくなった。 「やったね!これでヒトリタビじゃないね。」 落ちているモンスターボールを拾って、ハナちゃんに渡す。出してごらん、というと、ハナちゃんは素直にボールを投げた。 「ラックゥ!」 意外とかわいらしい。あ、と気付いて紙製の図鑑を取り出した。陸上に住むポケモンで、4つ足。探すと、きっとこのポケモンだろうという絵が出てきた。名前はラクライ。電気タイプらしい。 「あなたはこれからミカちゃんだからね。よろしくね!」 鳴くと狼みたいな声だが、よくみると目は丸く、メスに見える。ハナちゃんって、観察力がいいんだな、と感心していると、カイナシティのほうから、フナデ〜、という声が聞こえた。 小さいメガネをかけた小柄な男の人、お父さんだった。 「ミナモへ行ってくれないか?海底にいるポケモンを調べて欲しいんだ。いいかい?」 青いボールを渡された。2時半に船が出るからね、と一方的に言ってから、ミナモに着いたら、そのミレルでダイビングしてみて!と言った。 腕時計は今2時25分。ハナちゃん、来て!と声をかけたが、相手は状況を飲み込めてない。とにかく手を引いて、船乗り場に走った。ラクライのミカちゃんもついてきた。そういえば、この腕時計、7分遅れてるんだよね…。 |
ちるる | #14★2007.02/12(月)10:38 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第四話 小さなタウンマップを覗き込む、わたしとお母さん。もう何度も見直している。カイカのすむノノツタウンから、コンテスト会場のあるマヤブタウンまでの道のりだ。 「ファインも見てね。カイカ、危なっかしいから。もし迷ったりしたら、この通りに帰れば帰れるからね」 カイカに言ったら、一緒に遊んでいた小雨もやってきて、覗き込んだ。いくらなんでも、2人と2匹はきつすぎるです。破れそうになって、ストップストップ、とみんなを抑えた。 「小雨も行きたいんだろうけど…悪いね、あんたには、木の実育てのお手伝いをしてもらうから」 お母さんが宥めたが、なんだか不満そうだ。きゅうぅ…、とうなっている。 チリリン♪ はいはいはーい!カイカは店のカウンターに走った。聞き覚えのある声が、カイカちゃあん、コンテストに出るんだって?といっている。 「なんでそんなこと知ってるの?さてはお母さんが?」 ピンポーン!店の奥からお母さんが顔を出す。あきれて、とにかく、なにが欲しいの?と聞く。 「今日は別に欲しいものはないの。ただ、プレゼントというか、ちょっとね」 常連さんは腰からモンスターボールを取り出した。そしてボールのボタンを押した。 「マァック!クロゥ!」 青いからだで、えら?がオレンジ色…。にこにこにこにこしている。いきなり飛び掛ってきたが、悪気はないらしく、やっぱりにこにこに(以下略)している。 「その子はナミコちゃん。ヌマクローよ。私がカイカちゃんの役に立ちたかったんだけど、こっちもいろいろと用事があるから、ナミコちゃんをあげるね。じゃ、頑張って!」 それだけ言うと、手を振って帰っていった。 ありがとうね〜!名前、わかんないけど、常連さんありがと〜! |
ちるる | #15☆2007.02/07(水)18:33 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第四話 鋭い目つきで巨大テッポウオを睨みつけるトゲ、いつものイメージとはかけ離れているため、戸惑ってしまう。とにかく、技を指示しようとする。トゲ、つつく! 「ぎゃあーあ!」 トゲが雄たけびを上げたので、それに重なって僕の声は聞こえなくなってしまう。びりびりびりっ!トゲの体から電気が放たれて、テッポウオに当たる。てっぽ!痛そうになく。痺れているようだ。よし!今度こそつつくだ! しかし、またもトゲの声が重なってしまった。しかも今回は、周りの岩が次々と浮かび上がった。うわぁっ!と言いながら、野次馬が散らばっていった。 岩がテッポウオにたたきつけられる。痛そうだなぁ、とのんきに見ていた。しかしテッポウオもそれだけではひるまない。思いっきり水を吸い込むと、トゲに向かってばばーっと水を噴射した。 「トゲ〜っ!」 吹き飛んでいったトゲに向かって叫んだが、トゲはすぐに体制を立て直して、飛んだ。今度は少し違った。 ぐるぐると回転しながら、すごい速さで飛んでいく。テッポウオにくちばしを押し当てる。ドリルみたいなくちばし、なんていう技なんだろうな。 「すっげぇ!あれきっとドリルくちばしだよ!」 ほう、ドリルくちばしと言うのか。そのまんまだね。 ともかく、トゲのドリルくちばしを喰らったテッポウオは、気絶してしまった。ここぞとばかりに、釣り人さんはボールを投げた。すぐにボールは静かになった。 「君!ありがとうな!ほんとありがとう!」 ボールを大事そうに抱えて、近くの小屋に駆け込む。 それにしてもトゲに、あんな強い力が…。もしかして、僕のために頑張って戦ってくれたのかな。 そんな感謝のまなざしを送っていたのに、トゲは気付くどころか 、ボールに入れて、という目で訴えてきた。 「きゅうぅ。」 |
ちるる | #16☆2007.02/08(木)19:14 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第四話 「ただいまミナモに到着しました〜!お疲れ様でした!」 船から降り、うーん、と伸びをした。じゃ、海に行くよ! しかし隣を見ると、ハナちゃんはいない。あれ?周りを見渡す。大きなピンク色の建物の前でたっていた。 「入りたいな、だめ?」 「だめだって!まずはおつかいしてから!」 すこし不満そうだったが、終わったらね!と念を押されて、海に行った。青いボールを海に向かって投げる。美しいミロカロスが登場した。ミレルだ。早く乗って、というような声を上げる。 「はいはい、せっかちなんだから〜」 ミレルにまたがってから、ハナちゃんも乗って!と言う。靴が濡れるのを嫌がっているようだ。高級そうな革靴。ハナちゃんの家がお金持ちだということを忘れていた。半分無理やりで、ミレルに乗せた。 「神秘の守り!」 ぱぁっと周りにベールが張られる。わぁ!と目を丸くしているハナちゃんを見て、なんだか得意になる。ミレルも張り切って、こっちが言う前にダイビングをした。急にもぐったので少しビックリした。お調子もののミロカロス♂だ。 しばらく深海を進むと、海藻がたくさん生えている地帯へと到着した。ここにしかいないポケモンがいるらしい。 またしばらく進むと、いきなり青と黄色のポケモンが飛び出してきた。ちょうちんみたいなものをつけている。ああ、かわい〜っ!さっそくゲットよ!(ヒカリみたいな口調になってる) 「ミレルはかいこうせーんっ!」 ばばーん!命中して、ポケモンはおもいっきり吹き飛んだ。 「ちょぉん、ちぃー!」 ごろごろっと音が上の方から聞こえてきた。嫌な予感が…。 |
ちるる | #17☆2007.02/15(木)18:53 |
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〈みんな集合&お知らせ編〉 痛っ、と三人そろって言った。しかしそれほどでもない。 雲の上だから。 ふと顔をあげれば、ルギアさんがこっちを見てにこにこ。少し遠くでお久しぶり、とホウオウさん。 どうも。ユウタが答える。こんにちは〜。カイカが言う。ハナちゃんは?フナデが。ルギアさんはすべてを無視して、話し始めた。 「今日集めたのは、話があるからなんだ。前に話したよね?あの鳥くんたちが完全に飛べるようになったら、お別れだって。」 みんな唖然。何もしゃべらない。しゃべれないのだろう。沈黙。最初に口を開いたのは冷静なフナデちゃん。 「せんせ〜い、その話聞いてませんよ〜。話してくださ〜い」 真面目な顔で手を挙げて言ったのに、だれもクスリともしない。 「おお、そうだったかぁ〜。じゃあ覚えてね。君達の鳥ポケモン三匹は、『特別なサンダー』たちなんだ。その三匹はオレンジ諸島のアーシア島で『雷の神』などになるんだよ。ここ、テストに出るからね。」 そこで一度話すのをやめた。二人の少女と一人の少年の顔色をうかがう。心の中で謝った。ごめんね、言わないわけにはいかないんだ。少年少女が何も話さないのを見て、話を続ける。 「そういうことだったんだけど、のんびり、完全に飛べるようになったら、と言ってる場合でもなくなっちゃったの。ファイヤーさんのお母さん、兼お父さんが、ぎっくり腰で大変なんだ。だから、できるだけはやく飛べるようになってほしいんだよ。」 勢いをつけて言った。言葉が途切れてすぐ、唯一の少年が声を出した。 「わかりました」 こちらを見ずに言った。下を向いて言った。 まるでナイテイルような声で言った。 |
ちるる | #18☆2007.02/22(木)17:50 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第五話 私よりいくつか年下だろう男の子が目を潤ませ始めたので、みんなで集合した会はすぐ中止になった。と思う…。 私のほかに二人が、雲の上でルギアさん・ホウオウさんの話を聞いた夢の結末です。夢かどうかは定かではないが。 そのあと見た風景は、初めて旅に出る日の、午前2時だった。ふと隣を見ると、ファインが入っているモンスターボールが、昨日寝た時の通り、布団の中に入っていた。夢かな、と思わずにいられなかった。ファインといつまでもいられない、という夢。 「そんなこと、あるわけないよ」 小さく呟いて、ボールをゆっくり撫でてから、枕に顔をうずめた。あるわけない。そうだよ。一人、うなずいた。朝になって起きれば、新しい冒険が待ってる。そう自分に言い聞かせた。 そして朝。大きなバッグを背負って、店の裏口から一歩踏み出した。横を飛ぶのはファイン。いってらっしゃい!と言われて、うん!と返す。なぜかあのナミコちゃんをくれた常連さんも手を振っている。おみやげよろしくね〜!と叫んでいる。暗に優て勝してよね、と語っていた。 マヤブタウンまではそう遠くはない。でも冒険なんて初めてなカイカ、とてもうきうきした気分になっていた。コンテストで優勝なんかしちゃったら、私の名前はナイドー地方中に知れ渡るだろう。そしたらうちの木の実屋も有名になって…。しかも木の実の詰め合わせが100個!いいことずくめだ。そんな想像を膨らませながら、上機嫌で歩き始めた。 しばらく何事もなく進んだ。しかし、やっぱり何事もなかったのはしばらく。しばらく進んだ先に見えてきたのは、トレーナーだった。 「ジムに挑戦する前に腕試しだ!いけぇ!エルファス!」 断る間などなく、少年のボールから、黄色いポケモンが出てきた。バトルなんか初めてなんだけどな〜? |
ちるる | #19★2007.03/02(金)15:58 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第五話 はあ。テッポウオをつかまえたあの砂浜に座り込んで、海を眺めている。トゲと別れる時がくるなんて、まったく信じられない。といいつつ、ルギアさんが舞い降りてきて、嘘です、と笑う光景を何度も考えた。 「おお少年!なにそんな無気力になってるんだ?リストラでもされたのかぁ!ははは!」 豪快に笑うおじさんが後ろに立っていた。世の中には楽しいこともあるんだなぁ、と思っていたら、気持ちが沈んで、表情も沈んだ。おじさんはそれを読み取ったらしい。もう一度、ははは!と笑ってから、何かを決めたらしい。よしっ!と言った。 「バトルしよう!いいな!?ここでやろう!」 もうボールを海に向かって投げていたので断るわけにもいかない。ぼーっと見ながら、頭の中では、まあいいか、と思っていた。 「こっちの一体目はギャラドス!さあ、ポケモンを出してくれ!」 ドラゴンのような容姿のポケモンが、こちらを威嚇してくる。海にいるんだから、水タイプだろう。じゃあトゲだ! 「行け!トゲ!」 ドリルくちばしだ!ギャラドスに向かってトゲはぐるぐる回りながら突進していった。避けたが、少しだけかすった。 「おおう、速いなっ!でも負けないからなっ!氷の牙!」 ギャラドスはトゲに噛み付いて、離さない。でも普通の噛み付くではなかった。噛み付かれたトゲは、氷に包まれた。動けなくなっている。 「アクアテールで決めるんだ!」 ギャラドスは口からトゲを離し、尻尾で砂浜にトゲをたたきつけた。思わず、トゲ〜っ!と叫んだが、かろうじてトゲは立ち上がった。砂がクッションになったらしい。体力はかなり消耗している。次で決める!と言うと、トゲはぎゃうっと鳴いた。 「10万ボルトぉ!」 トゲの体から電気が放たれて、ギャラドスに命中した。大きな音と水しぶきを立てて、ドラゴンは海の中に崩れ落ちた。よっし!とガッツポーズをしたら、トゲも疲れて地面の上に倒れた。相打ちか。おじさんはボールにギャラドスを戻しながら言った。 「トゲ、ありがと。クルク、頑張ってくれ!」 トゲをボールに戻し、代わりにクルクを出した。それを見たおじさんは珍しそうな顔で、こっちに自分のボールを見せてきた。 「偶然だなぁ!俺の切り札はこいつだ!いけ!フローゼル!」 ボールから出てきたのは、クルクとよく似た、しかしクルクより大きい、ポケモンだった。 |
ちるる | #20☆2007.03/05(月)14:34 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第五話 ミレルの神秘の守りホテル(!?)にタダで宿泊し、ミナモシティでの調査は二日目を迎えた。 「ホテルとか言ってるけど、要は砂浜に神秘の守りを張ってその中で寝ただけでしょ?」 ハナちゃんは最も冷静な意見を口にする。苦笑いするしかない。 「よおし!昨日逃げられたチョンチーを捕まえに行くよ!」 レッツゴーだよ!と言いながら、ミレルをおこして海に潜った。 「いたよ!チョンチーだ!」 ハナちゃんはお得意の「ポケモンを探す」能力を使って、チョンチーを見つけた。静かに近寄って、れいとうビームで凍らせる、という作戦だ。静かに近づいてね、と小声でミレルに言う。 チョンチーは後ろを向いていてこちらに気づく様子はない。 「そこよ!れいとうビーム!!」 チョンチーがわずかにふりむいたが、期待されているミレルが張り切って発射するれいとうビームは、避けられる程度のスピードではなかった。青い光が海の中を走って、チョンチーは岩にたたきつけられた。作戦は成功し、見事にチョンチーは凍りづけにされた。ダイブボールを投げて、とにかく一匹ゲットだ。 「じらじら?」 ゲットの一部始終を見ていたらしいジーランスがじろじろ…いや、じらじらと言ってくる。なんていいたいのかわからないが、とにかくゲットすることにした。バトル好きそうな顔でないので、そのままダイブボールを使った。ジーランスは抵抗せず、らくらく二匹目ゲット。 ゲットしたとたん、二つのダイブボールからポケモンが同時に飛び出した。じらじら!ちょお〜。仲がよさそうに話をしている。私は気づいた。あの二匹、恋人(?)同士かぁ。 まあ、逃がす気もないので、二匹一緒に仲良くゲットね。 |
ちるる | #21★2007.03/17(土)22:45 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第六話(折り返し地点です) 「早く出せよ!それともギブアップか?」 だれだって、そんなことを言われたら挑発に乗ってしまう。 「よっしゃ一発やってやる!ファイン!やっちゃえ〜!」 思いっきりキャラが変わってますよカイカさん!(by,作者) 黄色い人型ポケモンにファインが立ち向かった。エルファス10万ボルト!とファイン火炎放射!が重なって、ほとんど同時に10万ボルトと火炎放射が発射され、ぶつかる。もくもくと煙が上がった。しかし、その煙の中からエルファスがだだっと突進してきた。電気をまとったパンチを食らったファインは少し飛んでいったが、そこから火炎放射をぼー!っと吐き出した。 ここまでで、ファインも相手も同じくらいのダメージだ。よって次の技でバトルの勝敗が決まる!と両者は思っていた。 「もう一度10万ボルト!」 「火炎放射!と見せかけて鬼火!」 なんでかファインの持っている技も「やけどすると攻撃力が下がる」という事実も、カイカは知っていた。そうすればかみなりパンチの威力も落ちる、という計算を頭の端っこでして、鬼火を指示したのだった。 今度は10万ボルトと火炎放射ではなく、鬼火がぶつかった。でもこれは状態異常技。威力95には勝てなかった。鬼火はかき消されて、電気に飲み込まれて、ついでにファインもやられた。 ご存知の通り、伝説ポケモン3匹(5匹?)は電気に弱い。効果は抜群だ。ファインはたおれた! 「うそっ!状態異常はむずかしいな…。まあいいや、頑張ったね、ファイン!」 次のボールを投げる。もらったナミコちゃんだ。 「どろばくだん!」 なんだそれ。ぷぷっと相手トレーナーが噴出す。その間にエルファスというよりぶっちゃけエレブーは、泥を浴びまくった。目が見えてない。 「さあナミコ!たいあたりをかましてやりなさい!」 いやちがくない?カイカちゃん…? |
ちるる | #22☆2007.03/19(月)16:53 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第六話 フローゼル…あっ!前に姉ちゃんに聞いた、ブイゼルの進化形!よく観察してみると、目がブイゼルよりもきりっとして、牙も見えている。尻尾は2本に分かれていた。 「よおし!進化前だからって、手加減はせんぞ!はじめから飛ばしていく!フローゼル、氷の牙だ!」 フローゼルはクルクの足めがけて走っていった。すごい速さで、クルク!避けろ!というのが少し遅れたら、確実に噛み付かれていた。 「そのまま、尻尾でたたけ!」 フローゼルの背中に尻尾をたたきつける(覚えるの?)クルク。なかなかすばやいなぁ、とトレーナーは感心したように言う。 「穴を掘って土にもぐれ!」 フローゼルは相変わらず、とても速いスピードで、砂を撒き散らしながら穴を掘った。その土がクルクの目に入ったらしい、ぶいぃ、と目を押さえていやいやのポーズ。 「飛び出せ!」 砂の中からフローゼルが飛び出し、クルクにタックルした。クルクはそのまま尻餅をつき、動かないでいる。手は目に当てたままだ。どうしたのだろうと、相手トレーナーも、フローゼルも、当然僕も、クルクを囲んで、顔を覗き込んだ。 ぽろぽろと涙の粒を流していた。 まあもちろんこれは砂を目から出しているのだが、つぶらなブイゼルの瞳からポロリポロリと涙が出ているのだから、見ていた2人と1匹はビックリして、ついでに胸がきゅんとした。フローゼル君は、おい泣くなよぉ、とおろおろしていた。僕は、うそ泣き習得か?と首をかしげた。 そんなことをしていると、急にクルクの体は光りだした。2人と1匹は、あ、という口の形が戻らず、ぽかんと口を開けたまま、その「進化」を眺めていた。なんでレベルが上がったの?なんで泣いているときに?疑問はつきないが、とにかくクルクは進化した。フローゼルだ。フローゼルといっても、まだブイゼルの面影は残っていて、大きさも相手フローゼルにはかなわないが、正真正銘のフローゼルだ。 「おおっすっごいな!進化だ!おめでとう!」 少し大げさに相手トレーナーは喜んでいる。ありがとうございます…?と目をぱちぱちさせた。それはクルクも同じなようで、変わってしまった自分の体を不思議そうに眺めていた。 「まあバトル再開だ!フローゼル、氷の牙だ!」 「あ…。クルク、こっちもだ!」 フローゼル同士の噛み付き合いになった。クルクのすばやさは、進化して、一段とすごくなった。それでも進化したてで、相手のすばやさにはついていけず、氷の牙で噛み付かれてしまった。首のえりまきに食いつかれ、離れない。ぶいい〜!と(なぜかまだ鳴き声がかわらない)一生懸命首を振る。 「スピードスターでとどめだ!」 クルクの背中から、近距離でスピードスターを発射された。ぶいい…!とないて、とても痛そうだ。でもそれでも倒れずに、踏ん張って、耐えている。それになんだか感動して、ついフローゼルの取っ組み合いに近寄って、クルクを引っ張った。 「くるくぅ、もういいよ、よくやったよぉ…」 なんだか泣けてきた(ちなみに作者も)。クルクはもう体力の限界、ふにゃ、というのに似た声を出して、僕の腕の中でくてっとなった。 ボールに戻して、トレーナーさんに向き直った。 「ありがとうございました」 ぺこり。と頭を下げた。 「このバトルのリベンジは、ノモセシティのジムでやってやるからな!そのときまでには、もう一段階進化させるように!」 「ええっまだ進化するんですか!?」 「うそだ!ははは!」 遠ざかっていくおじさんの背中を見送って、そういえば、ノモセのジムリーダーの、マキシさんに似てないか?と首をかしげる。 |
ちるる | #23☆2007.03/28(水)15:47 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第六話 ミナモデパートの1階においてある電話でフナデちゃんが電話している。今日の実況中継は、わたくしハナがお送りいたします! 捕まえた2匹のポケモンについて熱く話していて、チャンス!何がか気になる?いまから知らない街を探検するの! てててと走って、デパートから出ることに成功。でもここでフナデちゃんにみつかっちゃったらだめだから、急いでいくよ、昨日見た、あのピンク色の建物に! 意外と簡単に、これました。まだ話し込んでるのかな?それとも慌てて探してるのかな?まあいいや、とりあえず、入ってみたよ。看板には「コンテスト」がどうとか書いてあった。初めて聞く言葉だね。自動ドアが開いて、入ってみると、人がいっぱいだよ!すごおい! 「あなた、1人?コンテスト見に来たの?」 肩をたたかれて、振り返ったら、女の人が笑って立っていたよ。知らない人には付いていっちゃいけない、ってお父さんやお母さんに散々言われてたけど、やさしそうな女の人だったから、つい、うんそうだよ、と答えちゃった。 「それならさ、あたしのこと応援してね。フェアラちゃんっていうフライゴンを使うから。あ、ちなみにあたしの名前はミナコっていうの」 うんわかったよ、と私はうなずいた。司会のお姉さんらしき人が、選手の方〜、観客の方〜、と大きな声で言っている。 「あ、じゃああなたも行ったほうがいいわよ。それじゃ、またね!」 は〜い!と手を振る。どこに行くのかはよくわからなかったのだけど、みんなが歩いていく方向に向かっていった。 「お譲ちゃん?ねえお譲ちゃん?」 今度肩をたたいたのは、かっこいいスーツを着ているおじちゃんだった。このおじちゃんは笑ってなかったし、中腰になって視線を合わせていたから、すぐに、お父さんお母さんに言われていたことを思い出した。付いてかないよ、と構えた。 「ね、おじちゃんに付いてきてくれないかい?」 本当に言われた。ううん、と思い切り首を振って、人ごみにまぎれようとしたのだけど、すぐに両腕をつかまれちゃったよ。ハナちゃん大ピンチ!こういうときはどうすればいいんだっけ、えっと、えっと? 「フナデちゃんが探してるよ。いうことは聞かなくちゃ」 へ?そういうことをしている間にコンテスト会場から出て、物陰に隠れた。おじちゃんはなんだか光りだして、なんだか鳥の形になって、そのうちホウオウさんになった。 「ごめんね、話の展開がわかりにくくて」 いやあホントわかんないんですけど(見ている方の気持ちを代弁&by,作者) |
ちるる | #24★2007.03/30(金)17:50 |
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〈ファイアー&カイカ編〉 第七話 ポケモンバトルで道草は食ってしまったが、なんとかコンテスト会場にたどり着いた。お母さんに教わった通りにエントリーを終えて、深呼吸するところだった。 「ファイン!出てきて!」 ぎゃう〜っ、とファインがボールから飛び出す。ここまで来る間にすこしコンテストの練習をしてきた。緊張しないで、リラックスよ!とお母さんに散々いわれていたけれど、多くの観客に見られるのかと思うと、なんだかドキドキしてしまう。 「いい?ナイドー地方のコンテストは、シンオウのとはすこし違うんだって」 ぎゅう?訳がわからなくて、ファインは首をかしげた。丁寧に説明をしてみるが、わからないらしい。 「だからさ…。まずファインが容姿でアピールするでしょ?その次に、ナミコちゃんとダブルでコンテストバトルするの。コンテストバトルっていうのはね、自分の技でバトルすると同時に、自分のよさもアピールするんだよ」 ううん、わからないなあ、といいたげに、ファインは困った顔をする。はは…と苦笑いしてみる。ピンポンパンポン♪アナウンスの前のおなじみな音が流れてくる。 「みなさん、コンテスト会場に来ていただいて、ありがとうございます。コンテストはあと約10分後に始まります。エントリーした出場者の方は集合場所へ、観客の方はステージの観客席へ入場してください」 おっと、行くよ、ファイン!と声をかけて、走り出す。ぎゃう、と答える声が聞こえた。 「みなさん、コンテスト出場者がもうすぐ登場しますよ!登場しましたら、拍手で迎えてくださいね!」 舞台裏で出番を待つ私たち。緊張してきてしまった。 「準備が整ったようです!それでは登場してください!はい拍手!」 拍手が鳴り響く。ほかの出場者と、ステージに上がる。ああ、足ががくがくだよ…。 「それでは!まずエリートナンバー1番、ミズリさん、どうぞ!」 ステージ中央に女の子が元気良く飛び出し、ポケモンを出した。 ち〜っく!背中に小さな羽根をつけた、天使のような白いポケモン。さあいくわよ!なんだか両方とも張り切っている。丸い円状のステージを、観客に笑いかけて飛んでいる。ステージを一周し終わると、お願いをするように手を合わせ、目をつぶった。 なっなにアレは!?お願いポーズしなきゃいけないのかしら!?わからないまま次の人が呼ばれる。見たことがあるピンク色のポケモン、プクリン。今度もステージを一周し、最後にころころと何回も前転した。目も回さずに、ピース。 私のエントリーナンバーは5。もう少しで出番だ。 3番のカメールは高速スピンで影分身、4番のワタッコはわたほうしをまき散らし、ついに私の出番だ。 「エントリーナンバー5番!カイカさんです!」 ステージの真ん中に進み出て、とにかくボールを真上に投げた。ぽん、と音がしてファインの登場。 「行くよ!ファイン!」 ぎゃう!と気合を入れた声がした。天井くらいまで飛んで、楽しそうに上下に飛んでいる。火の粉が羽根から少しぱらぱらと落ちた。一周し終わり、どうしようか困ってしまったが、テンションが高かったファインは、なにもいわなくても自分で鬼火を発射した。青い炎が二つファインの口から飛び出して、ぶつかった。二つの炎がぶつかってはじけた。 拍手が起こった。はぁ…と安堵のため息を漏らして、舞台裏に戻った。ボールに入ったファインに、ありがとね、と声をかけた。 エントリーナンバー6と7の人もアピールが終わり、審査が始まった。 「さあ、結果が出たようです!結果は向こうの電光掲示板に顔が映し出されます!はい、ご覧下さい!」 顔がいっせいに向こうに向く。ああ、木の実合計100個!お願いします、審査員の皆様〜!エントリーナンバー1番のポケモンがやったように、手を合わせて目をつむる。おお〜、と声が上がり、顔を上げて掲示板をみた。 |
ちるる | #25★2007.04/03(火)16:59 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第七話 マキシさんと思われる人とのバトルで、すっかりリストラ状態(?)も解除された。どんどんバトルするぞっ!とテンションが高くなり、何連敗もしている、財布の中身がきれいに消えた、例の場所へと向かう。 熱い、隠れたバトルの聖地。「レストランななつぼし」だ(いいすぎだな) この自信を見せ付けるため、食べている量が見るからに多い、でも小柄というよくわからないトレーナー(僕と同じくらいの歳に見える)に声をかけた。 「すいません、トレーナーさん、バトルしていただけますか?」 トレーナーさんはプリンのデザートを一口食べて、顔を上げた。 「バトル?うん、いいよ。でも代金は高くつくよ?」 まあ、それはわかってます、と苦笑いして、じゃあ行きます、とボールを投げた。 「ぶい〜る」 クルクだ。でも進化したのに鳴き声は変わんないのよね。少し、ぶいぃからぶい〜るに変わったみたいだけど…。 「名乗ってなかったよね。おいらはとっきゅう。こっちは…メガニウム!」 メガニウム…聞いたことはないが、首の周りの大きな花びらからして、草タイプだろう。むむ、弱点だ…。でも進化して、アレを覚えたんだよな!よし!がんばれクルク! 「氷の牙!」 テンションがあがってるなと自分でも思ったが、クルクはすごい早く、ぼんやりとしていると勝手にバトルが進んでしまう。メガニウムの足のあたりにかみついた。なるほど。動けなくさせる、という戦法だな。 しかしメガニウムは力が強い。だんっと足を思い切り踏み鳴らし、クルクは吹っ飛んでしまった。ああっと声を上げた。 「メガニウム!くさぶえだっ!」 メガニウムは首の花に口をつけ、音を奏でた。ぴいぃ〜い、というような美しく高い音が鳴り響く。 笛の音にうっとりしている間に、クルクは熟睡していた。あ〜っといいながらボールに戻す。どうも、お疲れ様。 「つぎはトゲ!頑張れ〜っ!」 今度はこっちがタイプ的に強い。ドリルくちばし! 「避けて、げんしのちから!」 すばやい身のこなしでトゲのくちばしを避けた、次の瞬間に、ドアがバンと開いた。 来客に、いらっしゃいませ、とウエイトレスが声をかけ…ない。その来客は…岩。 きゃあ〜!?と声を上げて逃げる客・店員・ウエイトレス。 「あわわ。ストップストップ、メガニウム!岩を戻して!」 岩がまた自動的?に戻った。これはすごすぎだ。このままだと店が壊れかねないので、1対1のバトルをしたことにして、結果、僕は負けてしまった。 「じゃあ、はい。お会計お願いします。」 はい…。会計票をみて目をまるくする。これほどまでに食べたんですか。 なぜか一緒に店を出て、話をしていた。 「へえ、電車好きなんですね。いろんなとこ行くんでしょう?」 「そうそう、この前はナイドー地方とか、アルトマーレとか…。あ、君は何やってるの?」 「殿堂入りを目指してます。今の手持ちは、あのトゲ君とクルク君」 「殿堂入りかぁ。じゃあ、この子を使うといいよ。メコちゃんっていうの。はい」 モンスターボールから小さい緑のポケモンが出てきた。メガニウムの進化前…かな。 「ちっこちっこ!」 やんちゃな性格だ。メコちゃん、よろしくね。 「ところで、バッジはいくつ持ってるの?」 バッジ?そんなものしらない。 「バッジってのはね…」 なんだか難しいことを話し出した。結論。 バッジを8つ集めないと殿堂入りには遠い。そして、 ユウタ君の旅は、まだまだ終わらないということ。 |
ちるる | #26☆2007.04/03(火)09:11 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第七話(春休みっていいね!) 話の展開がわからなくてすみません。 それはともかく、ここからフナデちゃん目線に切り替えましょう。 「すみません、あの、呼び出しして欲しいんですが…」 1階から屋上まで、ハナちゃん、ハナちゃ〜んと叫びながら行ったり来たりした後、呼び出ししてもらうことを思いついた。ハナちゃんがふざけてかくれんぼしてるなら、ビックリして帰ってくるだろう、と期待した。 「フナデちゃん!ごめんなさーい!」 と、嬉しそうなハナちゃんの声がやってきた。振り向いて、手を振る。どこ行ってたのよ!といいつつも、ほっと息をついた。 店員さんに、お世話かけました、と謝って、デパートを出た。 「ホウオウさんがね、言ったんだよ、フナデちゃん探してるよ、って」 とハナちゃんは言って、近くにいたおじさんを指差した。あれ、誰?と訊くと、ホウオウさん!と答えた。おじさんが近づいてくる。 「どうも。ホウオウさんです」 おじさんが丁寧に頭を下げて、挨拶する。どうも。 「いきなりなんだけど、大変なことが起こりますよ」 は?本当にいきなりだった。 「ハナちゃん!あなたのお父さん、ホウエン地方ポケモン生活環境整備委員会本部会長だよね?そのお父さんが、ハナちゃんを探そうとしてる。もうすぐ、20分もすれば、ホウエン地方全域に一気にハナちゃんの情報募集のポスターが張り出される。TVでもすごく大規模に放送されるよ。しかも、今度の賞金は、この前の3倍!」 この前だってすごかったはずだ。それの3倍!たくさんの人がハナちゃんの顔を覚えて、襲ってくるかもしれない。そういうことをホウオウさんは言いたかったんだろう。 「だから、早くお父さんのところへ行って、説得したほうがいいよ。それじゃあね」 「ちょっと待って!それまで乗せてくれるわけじゃないの?」 ホウオウさんはにこっと笑って、言った…。 「かわいい子には旅をさせよ!」 かわいくなくていいから、乗せてってよ…。 |
ちるる | #27☆2007.04/03(火)19:54 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第八話・番外編 「さあ、結果が出たようです!結果は向こうの電光掲示板に顔が映し出されます!はい、ご覧下さい!」 テレビナイドーのコンテスト中継を見ながら、店番中の私です。ほら、名前は出てないけど、カイカの母さんの。実はシュシって名前があるのよ。覚えてね。 電光掲示板には、名前と顔が並んでいる。カイカの顔…あ、あった。 「このとおり、4名に絞られました!お名前をお呼びします!エントリーナンバー1番、ミズリさん、3番、ルアスさん、5番、カイカさん、6番、ナカカさんです!」 ううん、一番顔がかわいいのは6番さんかしら?もちろんカイカは除くけど。うふふ。 「すいません、いいですか〜?」 きれいな毛を持つアブソルの隣に、お客さんがいた。肩には上品にヤミカラスが座っていた。 ちりりん♪という音は鳴ったのか、気付かなかった。テレビに集中していて…。ごめんなさ〜い! 「えっと、ラブタのミゼリィ・マゴのミゼリィ、10個ずつ下さい」 はいはい、待っててね〜、と言い残して、店の奥の方に消えた。「あ、ちなみにここに出てるピンクの服の子、私の娘なんですよ!応援してやってね!」 テレビの画面を指差してから、また消えた。忙しい人だと思っているのではないだろうか、と考えた。 「りゅう〜りゅ〜っ」 小雨が手元でじゃれてくる。ごめんねぇ、今木の実を探してるの…。あっち行ってくれる?」 やさしく言ったのだけれども、小雨と目をあわせなかったら、余計むかっという顔になっていた。 「りゅうう〜!」 少し文句を言いたそうだったが、ムカッとなった顔で台所から出て行った。ラブタのミゼリィはあったが、マゴのミゼリィはないみたいだった。 「ごめんなさい!すこし待ってられます?今作るので。そうねえ、15分くらいかしら。小雨ちゃんっていうハクリューがいるでしょ?その子と遊んでてもいいわよ」 ええ、大丈夫です、との声を聞いて、また台所に戻っていき、マゴのみを10個割り始めた。 窓から見ていると、小雨ちゃんはアブソルくんと追いかけっこしていた。10個のマゴのみを割って、果汁を絞って、ミゼリィの元を混ぜて、冷蔵庫に入れる。あとは10分待つだけだ。 「あっ、娘さん、すごいですよ、勝ちそうです。がんばれ〜」 なになに?と急いでテレビを覗く。ヌマクローのナミコちゃんが、みずでっぽうを発射して、相手のヘルガーを倒した。 「すごいわあ!さっすがカイカ!すごいわよね!」 「そうですねぇ!」 迷惑かな?と思ったが、そんなことはないみたい。楽しそう。 とそのときに、小雨があわててやってきた。アブソルくんも一緒だ。りゅりゅりゅ〜っ!?と鳴きながら来たのだが、どこが変かと言うと、光っているのだ。小雨自身も混乱?わからない状況のようだ。 「これは…進化ですね。ハクリューだから、カイリューに進化するんです。おめでとうございます!」 「わあい、ありがとうございます!じゃなくって、進化ってなんなの?小雨はどこに行っちゃうの?」 そんなことをいっている間にも、どんどん小雨の体は変わっていく。 「どこにも行きませんよ。体の形が変わるだけです。私進化を間近で見るの、初めてです。観察させていただきます!」 なんだか嬉しそうだ。小雨の光は止み、足ができて、羽根が立派になって、手もできて、色が黄色くなった。かわいい・美しい印象だったのが、一変、カッコよく、たくましい感じになった。 「どど、どうしよう!カイカに電話しなくっちゃ!」 いきなりの出来事で、こっちも混乱してしまった。そして、こんな電話をしちゃいました。 「カっカイカ!大変よ!大変!すぐに帰ってきて!ホント、お願い!お母さん、どうすればいいのかわかんないよぉ!」 もちろん。カイカが、いろいろと誤解して、小雨が進化しただけだとは思わず、飛んで帰ってきた、親思いな子だというのは、誰もがわかるだろう。 (ラティアス好き様、遅くなってすみませんでした。これでよろしかったでしょうか?) |
ちるる | #28☆2007.04/04(水)10:28 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第八話 バッジをゲットしなくては四天王にすらチャレンジできないという事実をとっきゅうさんから聞いた。バッジは、いろんなところにあるジムで戦って、ジムリーダーに勝てるともらえるらしい。 というわけで、クルクとメコがいるなら簡単に勝てるという、クロガネジムのヒョウタさんにチャレンジすることになった。とっきゅうさんのラティアスというポケモンの背中に乗って、一気にクロガネシティに飛んだ。 「がんばってね。メコちゃんそれなりに強いから」 じゃっ、と手を挙げて、ラティアスに乗って帰っていった。よっしゃ、がんばるぞ!と赤い屋根のジムへと入っていった。 「お願いします、ジムリーダーにチャレンジ…あれ?」 誰もいなかった。階段があって、奥に行ってみると黄色いマットが置いてあったが、誰もいない。なんだか寂しい感じがして、ジムの外に出て、とりあえずポケモンセンターに行こうとした。 「あれ、君。クロガネ炭鉱に行かないのかい?」 後ろから走って来たお兄さんに声を掛けられた。クロガネ炭鉱ってなんですか? 「しらないの?もうすぐシンオウ地方で初めての古代ポケモンの化石が掘り出されるんだって」 そういって、また走っていった。なにか気になったので、そのクロガネ炭鉱というところへ行ってみた。 人がすごく多い。がやがや、としていてうるさい。 「みなさん!見てください、この人だかりです!ここはクロガネ炭鉱。まもなく古代ポケモン、プテラの化石が掘り出されます!前方をご覧下さい!ジムリーダーのヒョウタさんも化石の掘り出しに協力していますよ!」 テレビコトブキも中継している。そんなニュースにするほどのことなんだな、と思った。生で見られてラッキーだ。 その直後、わぁ〜っという歓声があがった。化石が掘り出されたらしい。 「掘り出されたようです!プテラ!プテラの化石です!そのことについて、ヒョウタさんにインタビューしてみます。ヒョウタさん、プテラが掘り出されましたが?」 「ええ、シンオウ地方では初めてですね。とても嬉しく思います。まだまだ違うポケモンも発見されそうです」 後ろで、きゃあ〜っ、ヒョウタさ〜ん!との声も聞こえる。たしかに、爽やかで男らしい外見とメガネは人気が高いだろう。これの作者のように、影で応援している人がいてもおかしくはない。 人ごみにまぎれて、やっと炭鉱から出てきた。 ふう、とりあえず、ヒョウタさんは忙しそうだ。次のジムに向かいましょうか…。 |
ちるる | #29★2007.04/04(水)15:08 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第八話 ホウオウさんのみらいよち通りに、それからの出来事は起こった。 ちょうど20分後にポケモンセンターやデパートや、そのほかいろいろなところに、ハナちゃんの顔がかかれた大きなポスターが張り出された。ポスターのハナちゃんは髪をきれいに2つに縛ってあったが(今は髪を下ろしている)、特徴はわかりやすく書いてある。それに何より、『情報提供賞金』のところが赤く、目立つようになっている。 「ね、あれって大変な事態…キンキュージタイっていうんだよね。逃げなくちゃ。ヨニゲってやつだね」 隠れてひそひそと話さなきゃいけないという状況なのに、ハナちゃんは嬉しそう。そんな楽しい状況じゃないのよ、と教えてあげる。 「とにかく、ホウオウさんが言ったみたいに、ハナちゃんがいっぱいの人に襲われて誘拐されるかも知れないんだよ?はやく、お父さんのところに行って、説得しなくちゃいけないよ」 切迫した雰囲気で言ったのだが、それでも楽しそう。 「じゃあいいじゃん。お父さんのとこに帰ろうよ〜」 サトガエリ、サトガエリ、と嬉しそうに言った。 「ところで、お父さんはどこにいるの?」 いちばん大事な事を聞き忘れていた。カナズミシティ〜、とハナちゃんが言うと、もう木の陰から飛び出て、行こうよ!と言っていた。 「だめだから、目立っちゃ!」 注意するが、返事だけで、ぜんぜん聞いていない。あ〜あ、見つかったって、知らないよ! 脅しはもちろん効かなかったが、予想は当たった。ヒマワキシティの近くまで来たとき、お兄さんが勝負を仕掛けてきた。 「君、さっきさ、ハナちゃんとか言ってたよね?それって?」 ああだめだ、でもとぼけるだけとぼけよう、と決めた。 「はい、私ハナちゃんです!」 いきなりハナちゃんが手を挙げた。あ〜っだめだってば!と言おうとしたが、お兄さんは勝手に話を進めている。 「おっやっぱりか!かわいいとおもったんだよね。お父さんが探してるみたいだよ。連れてってあげようか?」 ありがとう、と言いそうなハナちゃんをさえぎって、結構です、と言い切った。もちろん、いい人かも知れない。でも、万が一のことがあるから、頼れない。 「じゃあ、バトルしようぜ!俺が勝ったら乗せてくよ」 賞金を手放せないんだろうけど、さっきも言ったとおり、万が一、がある。このバトルを断ったら、余計ムキになって、暴力的になるかも…。そういうことも考えて、結論を出した。絶対負けられない。 「そういうことで。俺はこいつ一匹で行く。いけっ!WIN(うぃん)!」 ニックネームはかっこいいのだが、WINクンの正体は…ペリッパー。 (ああっ!ちょっとしたミスをしてしまいまして、文字色が黄色になってしまいました…。すみません) |
ちるる | #30☆2007.04/05(木)16:03 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第九話 第二審査の一回戦を勝ち抜いた時、カイカにその電話が来たのだった。 「カっカイカ!大変よ!大変!すぐに帰ってきて!ホント、お願い!お母さん、どうすればいいのかわかんないよぉ!」 こんな電話がお母さんの声で、すごく慌てたようにかかって来たのだった。 いそいで走っていき、行きのバトルの時間を除いた時間の3分の1で家にたどり着いた。 「お母さん!どうしたの!?」 ばんっとドアを開けて、家に飛び込んだら、お母さんは苦笑いして、黄色いドラゴンを撫でていた。 「その…ポケモン何?」 あはは、と笑っている。この子は小雨よ!とわけのわからないことを言った。 「小雨が、進化したのよ!カイリューに。空も飛べるんだよ!ほら、羽根もすごいでしょ!」 そんなのんきなことを言っていた。もしかして、大変な話って、このことなの?聞いてみるが、苦笑しただけだった。ああ、木の実100個詰め合わせにあと一歩だったのに…。 「でもね、小雨ちゃんが空を飛べるようになったから、出前ができるようになったんだよ!だから、テレビナイドーの取材がくるんだって!」 とても楽しそうだった。私は木の実100個が頭から離れないのに…。 「ねえ、カイカちゃん。この木の実屋は、私が頑張って経営するわ。だから…コーディネーターになりなさい。コンテストに出てたあなた、とっても楽しそうだったわ。前に、コーディネーターになりたいって言ったじゃない?」 驚いた!本当は私の気持ちをわかってたんだ。それじゃあ…。 「旅に出る!」 カイカは、嬉しそうに叫んでいた。それを聞いたお母さんも嬉しそうだった。 |
ちるる | #31☆2007.04/18(水)18:27 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第九話 クロガネシティを出て、気合いで砂の坂道や山を越え、とにかく大きい街に到着した。ええと、なんていう街なんだろう。 「すいません、ここって、なんていう街なんですか?」 そこらへんに立っていたおじさんにきいてみる。ん?はいはい、ヨスガシティだよ、と笑顔で答えてきた。ありがt…とまで言ったときに、早口でなにか言い始めた。 「私、ホウエン地方からやってきたものです。コンテスト会場がわからず困っていた私を、ここの人は当たり前に送ってくれました!感動です!」 は、はあ…あまりに早口で、「ホウエン地方」というところしか聞き取れなかった。姉ちゃんが行っているところだから…。 「なので!あなたを送っていきましょうか?」 今度は聞き取れた。遠慮しないほうがいいと思い、ジムまでお願いしまーす、と言ってみた。 「ジム?ああ、いいですよ!でもジムリーダーは今はいないよ」 へ?どういうこと?ここで経験値をためて、マキシさんに挑もうと、ポケモンセンターの地図を見て思ってたのに。 「コンテストに出てるんだよ。知らないの?あの人はバトルは強いわ、コンテストには出て優勝し続けてるわ、もうすごい人なんだよ!」 へえ…じゃあコンテスト会場に連れてってください、といってみる。はいは〜い!とやっぱり嬉しそうに声を上げた。そこ少し歩き出したところで、見たことがある背中を見つけた。ちょっと待っててくださ〜い、と言い残して、その背中に走った。 「お〜い〜、もしかして兄ちゃん?」 その背中の主は、僕の兄ちゃん。うれしそうに微笑むと、ユータ!と言った。この微笑みはトレーナーズスクールでも人気があった。もちろん女子限定。 「がんばってるの?手持ちポケモンを見せてごらんよ」 ブリーダーを目指す兄ちゃんは、いろいろなアドバイスをくれる。今度はマキシさんにバトルを申し込もうと思ってて…、と言いながら、ボールからポケモンたちを出した。 「へえ〜っ。あ、マキシさんは水タイプのジムなんだけど、ギャラドスとヌオーの二匹は、ぜんぜん戦い方が違うから。ギャラドスはサンダー。ヌオーはチコリータで戦うといいよ。あ、きみすごいね、やどりぎの種を覚えてるんだ!あ、ギガドレインも?」 メコちゃんに声をかけ始めた。これから多分、兄ちゃんの説教兼アドバイスが始まるんだな…。そう覚悟して、ここら辺で終わりにしておこうか…。 |
ちるる | #32☆2007.04/23(月)19:27 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第九話 「WINに勝てるのなんかいないんじゃあないか?電気タイプ以外はな!」 思い切り弱点を言っちゃっている。たしかにひこう・みずタイプは電気にすごく弱い。ミカちゃんを出して!とハナちゃんに言った。うん!と素直にうなずいて、ミカちゃんのボールを投げた。 「おいおい、ハナちゃんが相手なのかい?大丈夫だよ、勝てないから。君達2人の手持ちポケモンぜ〜んぶ対WINでも勝てないね」 自信満々がしゃべったら、こうなるんだろうな。こうなったらやってやる!しかし1対1の正々堂々ではない。挑発に乗ってやって、すべてのポケモンを出した。ジーランス君とチョンチーちゃんは出せないなぁ…。まあいいか。WIN対ミカちゃん&ドレス&ミレル&かっこかりだ。結局フリーザーちゃんには「かっこかり」という名前が付けられた。 「よっしゃ!WIN!ちょうおんぱだ!」 ペリッパーの大きな口が、がばっと開いた。なにが起こったのかわからないが、ポケモンたち皆が目を回した。動きが不安定になった。混乱してるのか…。かっこかりとドレスの頭がぶつかる。ミレルにミカちゃんが踏まれる。ああ、みんな!落ち着いてちょうだい! 「混乱してるようだな…。よっし、吹雪!」 大きな口から、氷が乗った風が吐き出された。強すぎる吹雪でみんな吹き飛ばされた。ミカちゃんも、ミレルも、かっこかりも…あれ、ドレスは? 「かげぼ〜!」 ドレスは小さくて、当たらなかったようだ。角からびりびりと電気を出していた。その電気はWINクンに当たって、大げさそうな声を出した。ぺえりい〜!ひるんだすきにかっこかりが起き上がった。ばさっばさっと羽根を一生懸命に動かして、飛び上がった。早く乗れということらしい。ルギア爆誕にもこんなシーンあったよな…。 ボールにミレルたちを急いで戻し、かっこかりに乗った。ちょっと大変そうだね…。下のほうでWINくんのトレーナーが待てよ!と叫んでいる。 カナズミまで、がんばって、かっこかりちゃん! |
ちるる | #33☆2007.04/24(火)19:23 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第十話 「ここは木の実とミゼリィの聖地!ノノツタウンです!ここに、新たな試みを始めようとしている木の実屋さんがあります!それはお蕎麦なんかの出前の、ミゼリィバージョン!私の隣にいるこのカイリューちゃん、小雨ちゃんが運んでくれるそうです!」 そこで小雨ちゃんがアップになった。モモンの実をほおばっている。アナウンサーさんが、ほら、お辞儀だよ!と声をかけて、小雨ちゃんはぺこりと頭を下げている。 「かわいいわね小雨ちゃん!」 テレビナイドーのカメラの横で、取材を見ている私とお母さん。カイリューになったというのに、やっぱりかわいいwこれでお客を釣ろうというのか…、いいアイディアかも。 「…というわけで〜す。以上、ノノツタウンからでした!」 生放送だと言うのに、小雨ちゃんは最後までモモンの実をほおばっていた。ありがとうございました、とアナウンサーやらカメラマンやらがお礼を言い始める。どうも、お疲れさん。 野次馬なんかもみんないなくなったところで、そろそろ、旅立ちだ。 「それじゃあ、行ってくるね!そのうち帰ってくるよ!」 こんどこそ旅立ちだ。常連さんはいないけど、この前のコンテストに出るときみたいになった。隣にファインも飛んでいるし。 この前と少し違うところは、しばらく進んだ後、トレーナーが見えてきたわけでなかったところ。今回は、空から急降下してきた。 「おお、そのファイヤー、かっこいいじゃないかい?俺に貸してくれないか?」 あやしすぎるおじさんが、エアームドと一緒に落ちながらしゃべっていた。なんか超人っぽくていろいろな意味で怖かった。 「大人の取引をしようぜ、お譲ちゃん?」 いや、お譲ちゃんって言ってる時点で大人の取引じゃないから! |
ちるる | #34☆2007.04/26(木)20:17 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 第十話 ドアを押す。プールの水が反射して光っている。 「マキシさ〜ん!いやマキシマム仮面さ〜ん!」 ドアを思い切り開けると、マキシさんとフローゼル君が一緒にお茶を飲んでいた。 「おお来たな!そろそろくると思ってたんだ。作者が、もうすぐエンディングだ〜って騒いでたからな!」 ああ、なるほどね…、まあそれはともかく、バトルを挑むことにした。今度は3対3のバトル。しかし弱点はわかっている。自信はあるんだ! 「よっしゃ、いけヌオー!」 ボールから出てきたのは目がかわいらしい青いポケモン。作者が好きそうなキャラクターだった。たしかメコちゃんを出すと効果は最高なはず。ためらわず、ボールを投げた。 「ちぃっこ!」 バトル開始だ!マキシさんが叫ぶ。マッドショット! 「やどりぎのたね!」 泥がメコの顔に当たった。せっかくの美人さんが台無しだなぁ…。でもやどりぎのたねもヌオーの頭に着地して、芽をだした。これツボだわ…。どんどん行くぞ、メコちゃん!はっぱカッター!相手も叫ぶ。叩きつける! マッドショットで命中力が下がっているが、たくさん発射されるはっぱの一枚くらいは当たるだろう。しかしそう甘くはなかった。すごい身のこなしではっぱをすべて避けて、尻尾でメコをたたいた。きゃうっと鳴いた。 しかしさすがとっきゅうのポケモンである、尻尾で叩かれた瞬間に、メコちゃんはカプっとかみついた。そしてそこからギガドレイン!指示してないのに…。 まあそんなかんじでヌオーは倒した。メコちゃんもダメージを受けたけど…。 「次は…フローゼル!いけっ!」 フローゼルが飛び出てくる。相手はすばやさが高い。いっきに攻めていこう!やどりぎのたね! 「氷の牙!」 やっぱりそうきたか!でもたねを植え付けることができた。メコはリズミカルにたったっとフローゼルの牙をよけている。その間にもやどりぎはフローゼルの体力を奪い、メコはその分のダメージを回復している。 「ええい、高速移動!」 このままではらちがあかないと、フローゼルは高速移動で、もう目にも留まらぬ速さになった。メコに噛み付く。避けられずに、そのままメコは倒れた。でもやどりぎでフローゼルにダメージを与えている。次のクルクで倒したい!がんばって! 「クルク!信じてるぞ!」 おお、信じてるぞ!次でエンディングにできると信じてるぞ! |
ちるる | #35☆2007.05/02(水)19:22 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 第十話 たっ、とかっこかりちゃんは着地した。息が乱れている。お疲れ様、ありがとさん!バッグからモーモーミルクを取り出して、かっこかりちゃんにあげた。こくこくっとかわいらしい音を立てて、飲んでいる。 「じゃあ行くよ!」 ホウエン地方ポケモン生活環境整備委員会本部、と書いた小さいビルに向かって歩いていく。ドアを開け放して、中に入る。 「ただいま〜、ハナちゃんです!」 事務机に座っていた女の人がびっくりして立ち上がる。会長!か〜いちょう!、となんだか慌てて走っていった。 少し経ちました。 「ハナ〜!戻ってきたんだな!そちらの方は?つれて来ていただいた方?」 「ううん、違う。フナデちゃん。一緒に旅をしてるの!」 「じゃあ、お別れを言いなさい、もう旅は終わりなんだろう?」 「いや。まだまだ旅は続くもん!」 「駄目だよ。だってハナはまだ7歳だ。10歳にならないと旅に出てはいけないんだ」 「いや!だって、フナデちゃんは17歳だよ!足して割ったら12歳になるよ!」 「…まあ、そうだな…。でもまだハナには旅は危ないぞ」 それでいいのかよ?なんだか少し不思議な会話だ。 「でも、フナデちゃんと一緒だよ!ミカちゃんも!」 「ミカちゃんか。よしわかった!バトルで決めよう!そのフナデちゃんという方も一緒でいいな?2対2だ!」 ちょっと待ってよ…。でもやる!ハナちゃんのピンチなんだからね。 「こっちは…ころん、でぃん!」 エネコロロとウインディ。強さが一目でわかる。 でもやる!なんで最後いつもバトルで終わるのかはまったくわからないのですが。 |
ちるる | #36☆2007.05/14(月)19:29 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 第十一話 「まきびしいっ!」 いきなりエアームドは鋼のするどい羽毛を地面にさした。それは私を囲んで、動けなくした。この時点でうすうす気付いていた。もしかして、この人、ハンター!? 「俺とバトルしようぜ。俺が勝ったらそのファイヤーを譲ってくれ」 「わたしが勝ったらどうするの」 「おとなしく去りますよ」 身勝手なルールだ。わたしには得るものがまるでないし…あれ、どこかで見たセリフ?作者の趣味だろうな。ああ、そうじゃなくって…。 「お前は何体出してもいいんだぞ。いや一匹だけしかいないのか」 うあ、ムカつく。ナミコちゃんいってらっしゃい!勢いに呑まれて出したら、まきびしでダメージを受けた。ああ、気をつけないと…。 「よしいくぞ!エアームド!はがねのつばさ!」 エアームドの翼が固くなり、ファインとナミコに叩きつけられる。まきびしにぶつかったダメージも受ける。うう、強い。でも勝たなきゃ!ファインはこいつに渡せない!(ベタだな) 「ファイン、火炎放射!ナミコ、水鉄砲!」 すばやさの高いファインから炎と水で攻撃。強いだろうと思ったが、相手が強く、あまりダメージは与えられなかった。ほんとに勝てるのだろうか? 「弱気になってない?本気で行くぞ!」 ぎくっとした間に、エアームドは一直線に飛んできて、ファインとナミコとすれ違う。どうなったのかわからなかったが、とにかく二匹は倒れた。ああ、もしかして、辻斬りか…。 「さすがだね、コウオウちゃん。約束どおり、ファイヤーはもらうから」 だめっ!まきびしのおかげで動けない。ファインは檻に入れられそうになっている。ダメージで、ファインは抵抗できないようだ…。誰か助けて!ファインを助けて! そこに、マンガのような展開で、救世主が現れた。とんでもなく甘党の救世主…ってもちろん木刀は持ってないよ!? |
ちるる | #37★2007.05/23(水)14:55 |
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〈サンダー&ユウタ編〉 最終話 相手のフローゼルは高速移動で素早さが高くなってるから、気をつけないと!クルク、相手は素早いぞ!集中していけ! 「フローゼル、お前の力を見せ付けろ!」 こっちから仕掛けていかなきゃ、勝てない。先手多分勝!(ぇ) 「スピードスター!」 必中技で攻める。クルクは勢いよく口から星を出した。 「ひっ…ひるむなぁぁ!!」 マキシさん、なんかテンションあがっている。作者がこのセリフを叫びたかっただけかも知れないけどね(笑)いやかっこ笑いじゃねえよ…。 フローゼルは星をものともせず、速さを盾とし爪を武器としてクルクを斬り裂いた(マテ) でもスピードスターのダメージも少しは受けてるんじゃないかな。メコちゃんの置き土産?やどりぎのたねのおかげもあって、相手のフローゼルはダメージを受け、クルクは体力を回復した。 「氷の牙!」 どんどん技をしかけて来る。しかも素早さは最高だ。あっという間にクルクの右足に噛み付いた。足が凍り付いてきた。ああ、ピンチだ!動きが取れないよ、とパニックになっている間に、クルクは冷静に、凍りかけてるか冷静に、尻尾で相手の頭を叩いた。あ。 「ふるぅ…」 相手フローゼルはついに力尽き、倒れた。そのころクルクは氷に包まれて、動けなくなってしまった。 「ありがとクルク。いけっ、トゲ!」 「ほっほう、トゲ君か!こっちはギャラドスだ!」 やっぱり!大きなプールにギャラドスが光臨した。プールの水かさがぐんと増える。威嚇してくるが、トゲはひるまない。たいしたものだ。僕と比べて…(苦笑) 「特訓の成果を見せてやれ!氷の牙!」 トゲの羽根に噛み付く。凍らされたら大変だ。 「振り切って!10万ボルト!」 強く羽ばたき、トゲはギャラドスの牙を避けた。そしてビリビリッと強い電気を放った。直撃した!と思ったが、すごいスピードで電気を避けた。速い!これじゃあダメージを与えられない…。 「たたきつけろ!」 トゲがギャラドスの尾ひれに叩きつけられる。急所に当たった…ようだ。危険だ、もうあと一撃で倒さないと…。ふと気付いて、叫んだ。 「飛んで避けろ!」 トゲは飛べるのか、正直言ってわからなかった。でもトゲなら多分!そんな期待していたけど、そんなの朝飯前だというように、ジムの天井まで飛んだ。ギャラドスは手も足も出ない。手も足もないけど。 でも、声は届かないんじゃないか?そんな心配はいらなかった。トゲはでんじはでも10万ボルトでもない電気を体から放出した。一直線に電気がギャラドスに向かった。マキシさんも僕もギャラドスもおどろいて、動けない。イナズマの光がギャラドスの脳天に直撃。ばしゃ〜ん!と大きな音と水しぶきを立てて、ギャラドスは崩れた。 「トっ、トゲ〜!」 思わず歓喜の声をあげた。トゲは嬉しそうに寄ってきた。きゅう!トゲも嬉しそうな声を上げた。よしよし。頭を撫でようとしたら、自分の肩くらいのところに頭があった。育ったんだね、トゲ。いつのまにか目が潤んでいた。 「よし、バッジをやろう!フェンバッジだ!」 丸くて、波のようなデザインのバッジ。かっこいい。 「ありがとうございます!」 「ははっ!お前達おもしろいな、またバトルしに来いよ!」 そんな声を聞いて、ジムの外に出た。光がまぶしい。しかし空を見つめて目を細めると、気分的に目の前が暗くなった。空を飛べるということは、アーシア島に行かなければいけないことだった…。わかってはいるけど…悲しい。今まで一緒だったから…今まで一緒に成長してきたから…。 だからもう一息、大人になろう。トゲを神様にしてやろうじゃないか! 「トゲ、君はアーシア島ってところの神様になるんだよ。だから、そこに飛んでいけ!わからなかったらホウオウさんにでも聞けばいいさ。立派な神になりなよ!」 そう言って、もう一度トゲの頭を撫でた。頑張れ!一方的に言い残し、歩き出す。わけがわからないトゲが、ぎゃう?ぎゃあ?と鳴いているが、トゲは神様だもの。振り向かない。僕も大人にならなくちゃ。まず一人称を変える必要があるか。そんなことを考えながら、一歩一歩歩く。なんだか視界が霞んでくる。おかしいな…。 そのうち、ばさっばさという音が聞こえてきた。トゲがはばたいているんだ。そこで無意識に足を止めた。なにそれ、薄情じゃない、トゲ?何もいわずに飛び立つの? くるっと方向転換して、羽根を動かすトゲに向かって走る。一生懸命、全力で。そして飛び上がろうとしているトゲに、DIVE!!(森絵都著) その時点ですでに涙が止まらない。トゲの羽根のトゲトゲが痛い。そういえば、抱きつかれたとき、このトゲトゲが痛かったからトゲにしたんだよね。今はこっちが抱きついてる。あ〜あ、トゲのほうが大人だね。僕は大人になれないや…。 「ぎゃっ」 泣き虫、と言われたのかもしれない。それでもいいんだ。泣き虫でも大人になれなくてもね。自分勝手は僕のほうでも。 トゲ、一緒に大人になっていこうよ? 〈トゲ&ユウタ編〉 完結 |
ちるる | #38☆2007.05/24(木)19:02 |
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〈フリーザー&フナデ編〉 最終話 かっこかりをボールから出す。ウインディには弱いけど、レベルは一番高い。はずだ! 「よし、バトル開始だ!うぃん、フレアドライブ!」 いきなりウインディが、炎を体にまとって走ってきた。速い。かっこりに体当たりしていく。まともに喰らい、激突した。かっこかりには効果は抜群。 「負けないで!頑張って!こごえるかぜ!」 ダメージを受けているが、気合と根性で飛び上がった。口から冷たい風を放出した。エネコロロもウインディも凍えている。今がチャンス!そのチャンスを、ハナちゃんは見逃さなかった。 「ミカちゃん、噛み付いて!」 ラクライのミカちゃんが走って、ウインディに噛み付いた。でもウインディはミカちゃんに比べてとても大きくて、振り払われてしまった。 「ころん、あまえる!」 たたっと走りよってきたエネコロロがかっこかりに擦り寄ってきて、かわいい声で鳴いた。かっこかりは戸惑っている。 「だましうち!」 いきなり、かわいい声の猫が尻尾でピシッとかっこかりを叩いた。ビックリしているところに、もう一度、もう一度、ぺしぺしやってる。 精神的なダメージもあって、かっこかりは倒した。う、ダメだ。こんなに簡単に負けてしまうなんて。 ミカちゃんも、本気になったうぃんにあっけなくやられてしまった。すっごく相手は強かった。 「さぁ、ハナ。お父さんと勉強しような」 「いやよ!勉強楽しくないもの。フナデちゃんと旅する!これからミカちゃんと強くなるもん!」 「ハナ、それでも勉強しないと。ホウエン地方ポケモン生活環境整備委員会の委員長になってくれよ、ハナ…」 「あのね。私ね。フナデちゃんと旅に出て、ポケモンの捕まえ方を覚えたよ。ダイビングして、海の底をみてきたよ!もっといろいろ覚えたいな。いろいろ見たいな!」 「…ハナ…」 なんかレベルの高い親子喧嘩だ。作者もたまにはいいこと書くよね(ぇ) そのうちハナちゃんかっこ父は、苦笑しながら言った。 「あはは、負けた。よし、行ってこい!でもたまには帰ってきてくれよ。少し休んでから行ったらどうだ?」 やった!ハナちゃんは飛び上がって喜んだ。私は、ふう、と安堵の息をついた。 あ。安堵してる場合じゃなかった。かっこかりちゃんはアーシア島に行かなきゃいけないんじゃなかったっけ。今さらだけど、気付いて、はあ、とため息をついた。ハナちゃんはまだ喜びではねている。 静かに、ハナちゃんにもハナちゃんかっこ父にも気付かれないようにドアから外に出た。かっこかりのボールを持って。 「かっこかり、出ておいで!」 ダメージを受けたままだったのでミックスオレをあげて、体力を回復させてから、話しかけた。ずっと前、かっこかりはもっと小さかった気がしたけど…気のせいかな。 「かっこかり、アーシア島は知ってる?」 ここから長くなるので中略。フナデちゃんの説明が丁寧だということで、勘弁してください。 「だからかっこかりちゃん、アーシア島に行って。これは義務なのよ。いかなければならないの」 わかるよ。と言ったように、かっこかりは首をぺこっと上下に振る。 「いってらっしゃい!かっこかりちゃん!」 なんでそんなことを言ったんだろう?わからなかった。帰ってくるという根拠でもあるのかな?とりあえずかっこかりは、ぎゃ〜う〜と一鳴きし、羽根をはばたかせた。ばいば〜い。手を思い切り振った。かっこかりの体は地面から浮く。力強い羽ばたきで、空に飛んでいく。悲しいけれど、かっこかりにはかっこかりなりの生き方があるし、神様になるなんて誇らしいことだからね。かっこかりは完全に飛び立って、雲の間に飛んで行っている。 ばいばい、かっこかりちゃん。後ろを振り向いて、ドアに向かって歩いた。ぎゃ〜うう〜!!という声が聞こえて、つい振り向いた。空からどんどん近づくかっこかりの影。なんだか笑ってしまった。 どおん、と音を立ててかっこかりがぶつかってきた。あはは、ちょっと重いよ、かっこかりちゃん。 ホウオウさん、ルギアさん。ほんとにかっこかりちゃんは、扱いにくいです。ちょっといじっぱりで、おてんばなところがあって、負けず嫌いなわりに寂しがりやですね。だから、お願いです。あともう少し、このこと一緒に… 〈かっこかり&フナデ編〉 完結 |
ちるる | #39★2007.05/25(金)20:44 |
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〈ファイヤー&カイカ編〉 最終話 木刀は持ってないけど、大きなバスケットは持っている。小雨ちゃんだ!でも救世主には似合わない、かわいい顔でふわふわ飛んでいる。 「小雨ちゃん!助けて〜!」 叫んだ。小雨ちゃんがこっちを見た。嬉しそうに手を振った。いや笑ってる場合じゃねーよ。 「ほお、けづやのいいカイリューだな。欲しがる奴がいそうだ。コウオウ!アイツも!」 うあ、ダメだ…。小雨ちゃん、状況が飲み込めてない。エアームドのコウオウちゃんが、するどいくちばしで飛んでくる。辻斬り!?切り裂く!?ドリルくちばし!? どれだかわからなかったが、でも小雨ちゃんはひょいと避けた。す、すごい!ハンターもコウオウちゃんもビックリしている。 しかしその拍子!小雨ちゃんのバスケットからモモンの実がこぼれた。ボトッという無念の音がして、モモンの実はつぶれた。地面にピンク色の残骸。 「りゅうう〜!!」 小雨は激怒した。必ず、かのジャクチボウギャクのエアームドを除かねばならぬと決意した。小雨には加減がわからぬ。小雨は…え?もういいって? ハンターの人もコウオウちゃんも逃げ出そうとしたが、小雨の逆鱗は止まらず、その辺を焼け野原にして、ハンター&紅桜ちゃん(ぁ)に痛い思いをさせてから、やっと止まった。キーの実を口にほおりこんでいる。 いつのまにかハンター達は消えて、まきびしもどこかに吹き飛んで、とにかく小雨ちゃんに助けられた。ファインも助かって、とりあえず一件落着。 でも…。小雨ちゃんが通りかからなかったら。通りかからなかったらファインは、ハンターに捕まって売られてたんだな…。 「ファイン!アーシア島に行きなさい!」 勢いで言った。悲しみを紛らわすために早口なんだと自分でもわかった。 「ここにいたら、ハンターに狙われるわよっ。あなたは…神様になるんだよ!ね、ファイン!」 こうなるんだね、結局。バイバイだね。でも、ファインを育てるのが私の役割だから、あとは見送ってあげるだk 「ぎゃう」 なんと言ったのかはわからない。でもその「ぎゃう」で強がってたのが吹っ切れた。やっぱり、離れたくないよ…。 「ぎゃあう!」 こらえていたが、もうダメ。涙が一滴こぼれ落ちると、それにならって次々に涙が落ちてくる。 頭を思い切り撫でると、ファインは嬉しそうな、少し迷惑そうな顔をした。 〈ファイン&カイカ編〉 完結 |
ちるる | #40☆2007.05/27(日)13:04 |
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〈ホウオウ&ルギアINアーシア島編〉 エピローグ 「じゃあ頼みますわ、ホウオウさん方〜」 「は〜い、2人ですが、がんばりま〜す」 「ホウオウさん方、がんばりま〜す」 ルギアが、ファイヤーにホウオウさん方、と言われたのに皮肉を言っている。島から、今までアーシア島の神様だったファイヤーサンダーフリーザーの3匹が飛び立って、ホウオウルギアとヤドキングのいる花畑から見えなくなった。ファイン、トゲ、かっこかりの親である3匹は、これからゆっくりと余生を過ごす…らしい。 「で、あなた達はあの3匹の子供たちの代わりにここにいるんですね」 ヤドキングが、ファイヤーたちが飛んでいった東の空をながめながら言った。 「そうです。いろいろありまして」 「そうですか。いろいろですか。じゃあお茶でも入れますね」 「わ〜い!ありがとうございま〜す」 隣のルギアが子供のような声を上げて喜んでいる。こんなとき、憂鬱な気持ちもため息もどこかに飛んでいき、なんだか笑顔がこぼれる。これが幸せなんだろう。 おとといのことだ。そろそろアーシア島に行ってください、そうあのトレーナーとポケモンたちに伝えようとしたが、それはできなかった。言おうとしても、口が動かなかった。不思議ですね。 「は〜い、お茶です。熱いので気をつけて」 ヤドキングさんがお盆にお茶碗を乗せて持ってきた。 「わざわざすみませんね〜」 お茶に手を伸ばしながら、なんだか無意識に笑っていた。幸せだな。これから大変になるけど、そんなの気にしない。あのトレーナーとポケモンたちには、一緒にいて欲しいと思った。 あの少年少女とポケモンたちは、いま幸せかな?笑っているかな? きっと笑ってるよね。そう決め付けて、また笑っていた。 空のタマゴ …? おしまい |
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