ぴくの〜ほかんこ

物語

【ぴくし〜のーと】 【ほかんこいちらん】 【みんなの感想】

連載中[948] 予想外冒険記シンオウver

みなみ #1★2007.01/07(日)16:02
ここはシンオウ地方フタバタウン。
この町に、今日旅へと出発する1人の少女が居た。その少女とは…。
ジリジリジリジリジリジリジリ!
ベットの隣においてある目覚まし時計が、けたたましく鳴り響く。
「ん〜…。朝かぁ…」
この目覚まし時計で起こされるショートカット(?)の少女。まだ眠そうだ。
「おっはよー、サン」
「今日はココを出る日だろ?」
隣の部屋からエーフィとブラッキーが声をかける。この少女の名前はサンというらしい。
「そうだったね」
サンは着替えながら返事を返す。服はいたって身軽だ。紺色のキャミソールの上に水色の半袖の上着。六分だけ位の青のズボン。そして、黒のウエストポーチ。
「…お前。見た目からして陸上選手」
「いえる…」
っとブラッキーとエーフィが突っ込んでくる。たしかに、そう見えなくも…ない。
「リート、キャリィ、私は今バレーにはまってんの!!」
っとサンはむきになって言う。ブラッキー♂はリート、エーフィ♀はキャリィと言うらしい。
この2匹はサンが小さい頃に両親から誕生日プレゼントとしてイーブイからプレゼントしてもらったポケモンだ。
現在、両親は遠くの地方でジムリーダーをやっているため、別々に暮らしている。
「あはははは。まぁまぁ、早く行こうよ」
キャリィがサンのウエストポーチをグイグイ引っ張る。
「ちょっと待って、キャリィ。・…ポケギア、ナビ、図鑑、薬、木の実、ボール、金、ケータイ、その他諸々…」
「オイ、ケータイって何だケータイって?!」
またもやリートが突っ込んでくる。
「いいじゃない別に!そんなケチケチしないでよ!!」
サンは多少切れ気味だ。でも、さすがにギアがあればケータイは要らないと思う。
「もしドロボーが入って取られたらどー弁償してくれるの!?個人情報モロバレじゃない!」
サンはリートに当る。
リートは「はいはい」っと短く言って、玄関までいった。
「サン、はやくぅ!」
キャリィがサンをせかす。
サンは、両手首にリストバンドを付け、一呼吸置くと2匹の方に走って行った。
「よ〜し!行ってくっかぁ!!」
そう言うとサンは玄関を勢い良く飛び出し、2匹とジムのあるクロガネシティへと向かった。
玄関に鍵をかけずに飛び出していったのだが…大丈夫なのだろうか…。
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みなみ #2★2007.01/05(金)14:17
家を飛び出して行ったサンたちは途中、森じゃない森に差し掛かっていた。
辺りは薄暗く、背の高い木が数十本も立ち並び、今にも何かが出そうなところだった。
「ね、ここ何処?」
キャリィがあたりを見回しながら言う。
「そういう時はポケナビ♪」
と言ってサンはポケナビを操作する。が…。
          ―ERROR―
「何このエラーって!どういうこと!?もしかして私たち迷った!?」
頭に「!?」マークをたくさん浮かばせるサン。
「迷ったらしいな。ったく…。家を出てそうそうこれかよ」
リートが呆れたようにため息交じりで言う。
「リート!あんたも道探してよ!」
「わーったよ!わかったから怒鳴るな!」
「あー何か人が居るー」
キャリィが前方を指差す。
「本当だ。ちょっと道聞いてみよう」
サンはお金持ちのおじいさんっぽい人に話しかけた。
「あのー。この森(?)の出口って何処ですかー?」
イキナリそれかよ。
サンが聞くと、おじいさんはメガネを少し上にあげてこう答えた。
「あぁ…ここを真っ直ぐいって突き当りを右に曲がったら出口だよ」
「は…はぁ。有難う御座います」
出口までの道がいかにも単純すぎてサンはため息をついた。
「そうそう。キミ、色違いのコリンク見なかったかい?」
「みてませんけど…どうかしたんですか?」
「1時間前、私の家から色違いのコリンクちゃんが逃げ出しちゃってさー」
「それってアンタのしつけが悪いんじゃ…」
リートがサンの後ろでボソッと呟く。
運よくおじいさんには聞こえていなかったようで。
「15匹居る中で一番気に入ってた子だからさー」
「15匹も居たら逆に気持ち悪いよ」
キャリィもサンの背後で呟く。それをリートは頷きながら聴いている。
サンは一々突っ込みすんなと言いたげな顔をしている。
「どうしても探したくって…でももうこの森には居ないのかなー」
「もうちょっと探してみたらどうです?まだ居るかもしれませんし」
サンはおじいさんを元気づける。
「キャリィ…サンの内心が目に見えるんだが…」
「よーく見えるよ…。内心メッチャ腹黒い」
2匹の会話はサンに聞こえていたのだろうか…。
「そうだね。もうちょっと探してみるよ。キミも旅頑張って」
「どうもー」
サンはおじいさんと別れ、はじめに教えてもらった道順を思い出しながら森の中を進んで行った。
「…出た」
10分もしない内に外に出ることが出来た。
3人が前に進もうとしたら、明らかに色が違うコリンクが目の前に飛び出してきた。
「あ、色違いコリンク」
「コレって…さっきの人の…」
「ゲットしーちゃお♪」
「はぁ!?」
…色違いコリンクはあっさりサンにゲットされてしまった。コリンクには『ライル』とNNが付けられた。
後からライルに聞いたところ、森で会ったおじいさんの家がイヤになって抜け出したのだと言う。
「15匹もいるんだからねぇ…」
サンは苦笑しながらもあのおじいさんの家からはまた何匹かコリンクが家出するのではないかと思っていた。
新たにコリンク♂のライルを手持ちに加え、サンは途中町のマサゴタウンに向かった。
歩いている途中でずっと考え込んでいたキャリィが口を開いた。
「さっきの森、シンジ湖だったんじゃ…」
キャリィの言葉でハッとするサン。あわててポケナビを開く。
「本当だ…」
「家の近くの森の道くらい知っとけよ!」
リートにバシバシ叩かれる。
「すんませんでしたー!」
こんな調子で1つ目のジムがあるクロガネシティにたどり着けるのだろうか…。
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みなみ #3☆2007.01/05(金)15:55
マサゴタウンポケモンセンター
森を出てから直ぐにマサゴについてしまった。全く簡単な森の中で迷ってしまうとは情けない。
サンはジョーイさんに手持ちを預けて、ショップに買い物に行った。
「店員さーん。MB10個と毒消し5個よろしくぅー」
「以上でよろしいですか?」
「あ、生茶も一本」
…生茶?
「へいまいど!」
サンは袋を受け取り、外に出た。
「はー。やっぱ生茶はいいな〜♪」
満足そうに生茶を飲むサン。
生茶が置いてあるショップなんて始めて聞いたぞ。
そして小走りでセンターに戻り、ポケモンたちを受け取った。

「次は何処行くの?」
「えっとねー。コトブキシティ」
歩きながら聞いてくるキャリィにサンはポケナビを見ながら言う。
「ふーん意外と近いんだね」
ライルがサンの頭の上に乗りながら言う。
「そうだよ。…ライル、重い。降りて」
「やだ。ここが気にいってる」
ライルは分けの分からない意地を張る。
サンはまぁいいか。と呟き、足を202番道路へと進めようとした。が、
「おーいそこの色違いコリンク連れた陸上選手!」
後ろから誰かに大声で呼ばれた。声からして少年だ。しかし台詞が長い。
「あぁ?」
陸上選手と言われたサンは後ろを向いて睨んだ。
「そうキミ!」
「…誰?なんのよう?ってか私、陸上選手じゃないよ」
サンを呼び止めた少年はサンのほうに駆け寄ってきた。
少年はサンより身長が低く、麦藁帽子をかぶっている。見た感じ虫取り少年。
「俺、ミキオ!勝負してよ!」
「はぁ?勝負…?」
サンは間の抜けた表情をする。
「2VS2の入れ替え戦!どちらかが2匹先頭不能になった時点で試合終了」
ミキオがルール説明をする。
「ジム戦前の腕ならしとしてバトっちゃえば?」
キャリィが足元からサンに言う。
「そーだね…。よし。やろうか」
「そうこなくっちゃ!」
そしてそして。道端でバトル開始。
ちょっと場所を変えたほうがいいかもしれない。ギャラリーが大勢2人に注目している。
「いけ!コトロック!」
「ひゃっほぅきもちいぜ☆」
語尾に「☆」をつけて出てきたのはコトロック。
「こっちはライル!」
サンは今さっきゲットしたばっかりのライルを前に出した。
「そっちからどうぞ」
「ライル!でんこうせっか!」
「かわせ!」
サッ!
ライルの早い攻撃はコトロックに軽々かわされてしまった。
「いやなおと!」
みわわ〜ん
コトロックのいやなおと!
「うぎゃぁ↓」
ライル、思わずとおぼえ!
「ライル、じゅうでん!」
ライルはじゅうでんし始める。その間にコトロックがとっしんしてきたぁぁー!
しかーし!ここで運良くライルのじゅうでんが切れた。
「ほうでん攻撃―!」
バッチーン!
ライルはためていた電気を一気に放出した。
「ケホッ…。つえーぞ色違いコリンク…」
バタ。
捨て台詞を残してコトロック先頭不能!
「戻れコトロック!次は…リンちゃん!」
ミキオはそういってボールを投げた。出てきたのは…
「イエ〜イ☆」
「コリンク…」
キャリィが呟く。
「リンちゃんはねーだろ流石に…。女が呼ぶならまだしも男が呼ぶのはちょっと…」
リートは遠い眼でミキオとリンちゃんを見ている。
「全てのポケモンが語尾に『☆』つけるとは…」
サンもちょっと引いている。
「ごちゃごちゃうるさーい!」
「わかったよ!ライル、かみくだく!」
しかしリンちゃんは動こうとしない。ミキオも指示を出さない。
ガブッ!
ライルが噛み付いた。…が。
バチバチバチ!
「なっ…!?ライルはなれて!」
ライルはリンちゃんから離れる。ライルは体が麻痺してしまった。
「引っかかった!」
リンちゃんをよく見るとリンちゃんの体からは電気がバチバチ流れ出ていた。ボールから出てから直ぐ電気をためていたのだ。
「私たちが呆れているときに…」
「そうだ!呆れているのは余計だが…。リンちゃん、たいあたりー!」
ダダダ ゴィ〜ン
「ぎゃ〜」
ライル、呆気なくリンちゃんに飛ばされる。
「ライル!」
ライル、先頭不能。
「ライル戻って!ゆっくり休んでね。次はリート!あくのはどう!」
サンはリートを指名したと同時に技を命じる。
「任せろ!」
ぐわわ〜ん
おーっとリンちゃん避けきれない!だが耐えた!凄い生命力だ!
「生き残った!!」
一番びっくりしていたのはリートだった。
「リンちゃん!スパークとっしん!」
「はっ!?」
リートは前を見る。
リンちゃん、凄い勢いでリートに突進してくる!しかも電気を帯びている!
「リート避けてサイコキネシス!」
サンが慌てて指示を出す。
「うおっ!あぶねぇ。喰らえっサイコキネシス!」
リートはギリギリで避け、サイコキネシスを発動した。
キン!
辺りは眩しい光に包まれた。
何が起こったのかわからなーい!だが、コレだけはわかる。
リンちゃん先頭不能!
「ふー。勝ったぜサン」
「ありがとねリート」
サンはリートの頭を撫でた。
一方のミキオは、リンちゃんをボールに戻し、サンのそばにきた。
「いや〜キミ強いね〜。僕もキミみたいな強いトレーナになれるようがんばるよ。はい金」
「どうも。それじゃぁうちらいくからー」
そういうとサンとミキオは別れた。いつの間にかたくさん居たギャラリーも居なくなっていた。
サンの初バトルは白星スタートとなった。

202番道路
「結構ライル強いねー」
キャリィがサンの頭に乗っかってグダーとしているライルに声をかけた。
ライルはだるそうに「たまたまだよー」と答えた。
「アンタなんでだるそうにしてんのよ」
サンが一向に頭からどかないライルに聞く。
「なんかー…グゥ…」
ライルは言いかけで寝てしまった。
「寝るなボケー!」
リートは怒鳴る。
その怒鳴り声で一回起きたが、また直ぐに寝てしまった(ぁ)
その後、ステータースを見たらライルは昼寝が好きだということが判明。
これにはサンもため息を吐くしかなかった。
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みなみ #4☆2007.01/07(日)16:02
「あーやっとついたよ」
「コトブキ着☆」
サンたちは大都市コトブキに到着した。
「Hi!キミたちコトブキは初めてかな!?」
「うわ!ピ…ピエロ!」
いきなり後ろからピエロに話しかけられた。
突然のことだったので、寝ていたライルも飛び起きた。
「まだポケッチもってない?」
「はぁ…」
「だったら、僕以外の残りの2人のピエロを見つけてみなよ。見つけられたらポケッチをプレゼント!」
「はぁ…」
サン、さっきから「はぁ」しかいっていない。
「さー頑張って見つけてね☆」
そういうとピエロはスキップしながら去っていった。
「なんか自然的に探さなきゃいけなくなったような…」
「…仕方ない。探そう」
サンたちは仕方なくピエロ捜索を開始した。
ピエロ捜索…名前的に不自然だ。
「とりあえす…カンパニーのほうでも行ってみましょう」
カンパニーは直ぐ近くにあった。
「お、いた」
カンパニー入り口の前にはさっきのピエロと同じ格好をしたピエロが立っていた。…監視委員みたいに。
「あのー…」
「ポケッチ引き換えチケットだね。はいどうぞ」
ピエロはあっさりとサンにチケットを渡す。サンは呆気にとられている。
「はいじゃー頑張ってね」
ピエロはカンパニーの中に姿を消してしまった。
「チ…チケット?」
キャリィがチケットを見る。
「分けの分からないチケットだな…」
「はー…もう一人探すか…」
サンはため息を吐いて探し始めた。
5分後、ポケモンセンターの前にピエロが突っ立っていたので話しかけてチケットを貰い、はじめに出会ったピエロがいるショップの前にいった。
「おー!見つけることが出来たか!それじゃあ約束通りポケッチを渡そう」
ピエロはサンタの袋みたいなところからピンクの新品のポケッチを取り出してサンに渡した。
「それがあれば時間や今いる場所などが直ぐ確認できるんだ。別の町でアプリの数を増やすことも出来るんだ」
「へー。じゃーポケナビはいらないか」
サンは独り言のようにつぶやいたつもりだっただが、ピエロには聞こえていたらしく。
「うん?なんだいその『ぽけなび』って」
あの…発音が平仮名なのは何故?
「…は?」
サンはもちろん。リート、キャリィ、ライルも驚いた感じでピエロを見た。
「新しいどうぐかい?」
「あ…新しくは無いだろ…」
リートは呆れた表情でピエロを見る。
「ポケッチ開発関係者が知らないなんて…」
「…馬鹿?」
ポケモン3匹が言った言葉はばっちりピエロに聞こえていたらしく体が硬直した。

ポ…ポケモンに馬鹿にされたー!

ピエロは心の中でそう吐いた。
「と、とにかくキミたちは次の町へ向かいたまえ!」
それだけ言うとピエロは風の様に去っていった。
「…予想外だ」
リートがボソッと呟く。
「て言うか無知…」
「サン、ポケッチの使い方分かるのか?」
ライルの問いにサンは
「ん?わかんなぁい☆」
と笑顔で答えた。
「わかんないだと!?貰った意味なくねぇか!?」
さかさずリートが突っ込みを入れる。
「テキトーに弄ればOK!はい次の町いこー」
サンはポケッチを左腕につけ、スタスタと歩き出した。
「あぁ…サンの性格は雑だったんだった」
リートはうんうんと頷きながら言う。
「リート!置いてくよ!?」
キャリィがリートと50メートルくらい離れたところから呼んでいる。
「い…いつのまに!?」
リートはダッシュでサンのところに行った。
リートが一人でブツブツ言っている間に他のメンバーはサンの後を追っていた。…リートを置き去りにして。
「マップからすると…右のゲートを通ればクロガネシティだ!」
「早くいこっ!」
「え?あ、ちょ…まっ…」
ドドドドド…
キャリィ、サンたちを置いて独走。
「あ〜待ってよキャリィー!」
「独走多し…」
3人はキャリィを追いかける。
「ふぁ〜眠い」
「いい加減にしろー!」
またもやライルのお昼寝タイム開始。寝床はやっぱりサンの頭上(笑)
リートは一回怒鳴ったがもう疲れたらしく、怒鳴らなかった。
しかし今度はサンが文句。
「進化してもこのままだったら私泣くよ!?」
「いや…俺に言われても…;」
これからドンドンサンの負担は大きくなりそうです。
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みなみ #5☆2007.01/08(月)10:08
クロガネシティ
についたサンたちはジムに向かった。
…が。
「ジムリーダーが居ない!?」
なんと、グロガネジムにはマネージャー1人しか居なかったのだ。
「リーダーは何処かにお出かけに…」
「何処かって何処よ!?」
キャリィがマネージャーに飛び掛る。
「わ…私はマ…マネージャーなので…ど…どこにいったかは…」
マネージャーはキャリィを引き離そうと頑張る。しかしキャリィは服をガッチリ握っているためそう簡単には離せなかった。
「リーダーが行きそうな場所とかは?」
「クロガネたんこうあたりが…」
そういうとキャリィはマネージャーから降りた。
「仕方ない。そこに行かなきゃジム戦してもらえないんでしょ?」
「まぁ…」
サンはふーっとため息を吐くとマネージャーに背を向けた。
「キャリィ、リート、行くよ」
ジムから出て行った。サンたちがジムからでたら、マネージャーは思い出したように手を合わせた。そして大声でこういった。
「あ、気を付けてくださいねー!岩とか余裕で落下してきますからー!」
「何―!?」
その声にリートが直ぐ反応。
「頭上に注意しながら行ってくださいねー!」
「ふざけるなー!無責任め!」
サンも久々に怒鳴る。
その声でライルがハッと目を覚ます。
「ここは何処?私は誰?今まで何をしていた?」
ライル、完全に寝ぼけている。
「ここはクロガネ!アンタはライル!今まで寝てたのよ!」
キャリィが言う。しかもマジメにライルの質問通りに。
「そんなに真面目に答えなくていいよキャリィ」
「だってこうでもしないとライル、ボケ激しいからわからないよ!」
キャリィがちょっとむきになって言う。
「ボケ激しいの?」
サンが聞くとキャリィは深く頷いた。
「目が半開きだもん」
キャリィの言葉を聞いたサンはライルを目の前に持ってくる。
「ほ…本当だ;」
ライルの目は半開きでトローンとしていた。なんというか可愛い。♂だけど(笑)
「…眠いならまだ寝てなさい」
そういってサンは頭の上にライルを戻す。
そんなことをしているともうたんこうの入り口の前に来ていた。
「ここねぇ…」
「早くいこーぜ」
リートの声でサンたちは中に入って行った。

「ここ暗いんだけどー?」
「そのうち慣れるでしょ。大丈夫大丈夫」
確かに中は暗かった。真暗というわけではないが足元に注意して歩かないと躓きそうだ。周りにはズバットがバタバタと羽音を立てている。
「本当にこんなとこにいるのか?」
「知らないよ…だってマネージャーが」
サンはマネージャーのせいにする。
4人は足元に注意しながら奥に進んでいく。
入り口から結構歩いた所で4人は後ろから妙な音が近づいてくるのに気づく。
「…ん?なんか来るよ」
さっきまで寝ていたライルが目を覚ました。そして後ろを見る。
「なんだアレ…」
確認しようと思うのだが暗くてよく分からない。
だが、音で向かってくるものが何かが分かった。
ゴゴゴゴゴ…
「ら…落石だぁー!」
ライルが声をあげるとサンとリートとキャリィはダッシュでその場から逃げ出した。
しかし今走っているところはゆるい坂で、落石の転がる速さは増していた。
「何で急に落石なんか…」
「知らないよ!ってか追いつかれるよ!」
いくら足が速いサンでも落石の早さには勝てない。
「キャリィ、リート、準備OK?」
「え?う、うん」
「いつでもこい!」
リートとキャリィの準備は満タンだ。
「よし…。キャリィ、シャドーボール!リートあくのはどう!」
サンは一気に指示を出した。
「はぁぁっ!」
「いけぇっ!」
みわ〜んドーン!
2匹の混合技で落石は粉々に砕け散った。
「はーっ。よくやった2人とも」
「軽い軽い」
「久々にぶっ放したょ」
リートとキャリィは余裕だよという表情をしているが、サンとライルは安堵の表情を浮かべた。
「全くハタ迷惑なはなしだ…」
ライルがため息を吐くと奥からパチパチと拍手が聞こえてきた。
「誰…?」
「素晴らしい回避のしかただ!」
奥から出て出てきたのはヘルメットをかぶってめがねをかけている若い男性に声をかけられた。
「あなたは?」
「僕はクロガネジムジムリーダーのヒョウタ。キミは挑戦者だね?」
「アンタがリーダー!?」
ライルがびっくりする。服装がジムリーダーと思えないのだ。
「さっきの落石は僕が故意的に落としたんだ。キミがどういう行動に移るか見てみたかったんだ」
ヒョウタの言葉にサンは呆気に取られた。
「ジム戦をしたかったらクロガネジムにおいでよ。勝負してあげるよ」
そういうとヒョウタは呆気にとられたままのサンの横を通って入り口へと向かって歩いた。
「…無駄な体力使わせやがって…」
リートは多少切れ気味だ。
「サン、ジム戦の時絶対私達使ってね」
キャリィも背中から黒いオーラが出ている。ように見える(恐)
「分かってるって。あの様子じゃいわかじめんタイプの使い手だからライルの攻撃は効かないでしょ。さ、行こう」
サンは歩き出したがライルがスネだした。
「う``〜…」
サンの頭の上で何故かイライラしている。今回のジム戦に使わせてもらえないからだろうか。
「仕方ないでしょ!我慢してなさい!」
サンが説得するがライルはスネるばかり。
「あのジムリーダー叩きのめす…」
ライルがボソッと呟く。性格が明らかに変わっている。
「いや、怖いから!キャラ変わってるから!」
キャリィがライルを見上げて言う。
「コイツの世話は全く大変だ…」
ライルをみて大きなため息をついたリートであった。
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みなみ #6☆2007.01/08(月)20:03
クロガネたんこうをぬけたサンたちはクロガネジムに戻った。
「やーキミたち遅かったじゃないか」
中に入るとヒョウタが待っていた。しかも入ってきた途端人事のようなことを言う。
「誰のせいだと思ってるんだ(怒)」
リートは頭にむかつきマークを浮かべてヒョウタに言う。結構不機嫌だ。
「まぁまぁ。さ、きたんだからジム戦ジム戦」
ヒョウタはリートの話を聞き流してジム戦の準備をする。
「キミも準備したまえ」
ヒョウタに言われ、サンは挑戦者サイドにつく。
「ルールは2対2シングルバトル!どちらか2匹が先頭不能になった時点で試合終了。ポケモンの入れ替えは挑戦者のみ認められます」
審判者がルール説明をしていく。
「両者、準備はいいですか?」
ヒョウタとサンは同時にうなずく。
「それでは試合…開始!」
「僕の一番手はこいつだ!イワーク!」
ヒョウタのボールから出てきたのはイワーク。
「やっぱりね。キャリィ頼んだよ!」
「任せて!」
サンはキャリィを前に出す。
「シャドーボール!」
「あなをほる!」
ゴゴゴゴゴ…
イワークは地中にもぐった!
「いきなり!?」
キャリィ、たじろぐ。
「えーと…こういうときは…」
サンは上をみた。上にはフィールドを照らす大きい電灯がたくさんある。
「キャリィ!地面にシャドーボールで電灯に乗っかって!」
「なんだと!?」
サンの指示にヒョウタは驚く。だがキャリィは特に驚いた表情は見せず、指示された通りに地面にシャドーボールを打った。
タッ
キャリィは電灯に着地し、地面の様子を伺う。
「サン、もう使ったな」
この技を利用した回避の先方は、もう何回も使っているようだ。
「まぁね。場所はキャリィはわかってるはず…。後はいつ出てくるか…」
エスパータイプのキャリィには地面の様子も見えるのだ。
ゴゴゴゴ…
大きな地響きがフィールド全体に鳴り響く。
ゴゴゴ…ガラガラッ!
ついにイワークが姿を現した。イワークはキャリィに向かって一直線。
「イワーク、りゅうのいぶき!」
イワークの技がキャリィに当ろうとした時。
「後ろに回ってシャドーボール!」
キャリィは素早い動きでイワークの後ろに回り、速攻でシャドーボールを放った。
ドォーン!
「イワーク!」
見事命中。その衝撃で2つの電灯が粉々に砕け散った。
スタッ
キャリィは軽々地面に着地した。まだまだ余裕だ。で、イワークはと言うと…。
ズ…ドォン…。
「イワーク、先頭不能!エーフィの勝ち!」
「やったぁ!キャリィナイス!」
サンはキャリィの頭を撫でてあげた。キャリィは余裕だよーという顔をしている。
一方、イワークは目を回して地面に倒れていた。
「よくやったイワーク」
ヒョウタはイワークをボールに戻した。
「なんなんだあのエーフィ…」
ヒョウタはキャリィを見ながら呟く。
「次は…コイツだ!」
ヒョウタは2個目のボールを投げる。出てきたのは…。
「オゥなんだぁ?イワークのやつはやられちまったのかぁ?」
笑いながら出てきたのは恐竜がタマゴをかぶったみたいなポケモン…ズガイドス。
「恐竜がタマゴかぶってる…」
ライルが普通の声で言う。
「何だと!?俺は恐竜だがこれはタマゴじゃないぞ!外れないし!」
ズガイドスは真顔で言うがそういう問題じゃないと思う。
「んじゃ…交代してリート!」
サンはキャリィに変わってリートを前に出す。
「まかせときぃ!」
「試合開始!」
審判の旗があがる。
「リートあくのはどう!」
「おおぉぉお!」
リートは体から大量のオーラを出す。
「負けるな!ものはのずつき!」
ズガイドスは物凄い勢いでリートにむかって飛んでくる。
「よけて!」
サッ!
リートはギリギリまでひきつけ直ぐ避けた。
避けられたズガイドスはひるまずリートに向かってきた。
「Σうおっ!」
ドンッ!
ズガイドスはリートに突撃。リートは一旦離れて体制を整える。
「リートに直撃したよあのタマゴ」
ライルが文句を言う。勿論サンの頭の上で。
「アンタ、進化してもこのまま私の頭に乗ってるつもり?」
サンが何気なく聞いてみる。
「うーん多分」
「…」
サンは黙って言葉を返さなかった。
進化したら体が一回り大きくなる。それが頭の上にのったら…。
サンは頭の中からその考えを消す。
今はそれどころじゃなかった…。
ズガイドスが再びリートに突進してきていた。
「ずつき!」
「リート!サイコキネシス!」
キン!
リートのサイコキネシスがズガイドスに命中。ズガイドスの体は宙に浮く。
「あらららら;」
「そのままどっか飛ばして!」
「ど、どっか!?」
サンの適当な指示にリートは一瞬念力を緩めてしまった。しかし再び念力を強めた。
「何処飛ばしていいかわかんねーから適当に飛ばす!」
「え?えぇ!?」
ブン!ドッカ〜ン!
「あー!ズガイドス!」
リートは本当に適当に飛ばしてしまった。しかも運悪く窓ガラス(ぁ)ズガイドスは窓ガラスを突き破って外に投げ出された。
審判者が下したジャッジは…。
「ズガイドス先頭不能!よって勝者、挑戦者サン!」
「…」
ヒョウタは声が出なかった。
「キミたちの攻撃には恐れ入ったよ。はいこれコールバッジ」
ヒョウタは直ぐサンにトレーナーバッジを渡した。物凄く気落ちしているようだ。
そりゃそうだ。試合開始から15分も経っていないのに勝負がついてしまったのだから。
「有難う御座います♪よし!1つ目のバッジGET!」
サンはそう叫び、リートをよしよしと撫でる。
「次のジムはハクタイシティにある。頑張ってくれよ」
「はい!」
サンは次いくよ!と言って足早にジムを出て行った。
そんなサンたちをヒョウタは苦笑いしながら見ていた。
そしてため息を吐いた。
「あー…。派手にやってくれたなあの子たち…修理代金は…」
直ぐヒョウタはジムに工事を入れた。その工事料金が莫大な料金だということはサンたちは知らない。
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みなみ #7☆2007.01/16(火)18:29
一つ目のバッジをゲットしたサンたちは、丁度、ハクタイの森に差し掛かっていた。
「な〜に〜?この気味悪い森は」
サンが文句を言う。
「てーかさぁ。結構進んでるけどさぁ、人一人いないんだよねぇ」
ライルが頭の上から言う。
「もしかして迷った?」
キャリィが言いたくないようにいう。その言葉にリートが「何っ!?」と声をかえす。
「そ、そんなことないよ!ちゃんとポケッチで地図みてるんだから!」
そういってサンが前を向いて「あっ」っと声を出して足を止めた。
「あん?」
「なんだろこの屋敷…」
サンの言葉に3匹は黙って前方を見た。
そこにはもう廃墟になってしまっていそうな古い洋館が建っていた。
「ポケッチに載ってないのか?」
「えーと…『もりのようかん』だって…」
「そのままだな…」
「と…とり合えず行ってみない?」
ライルが言う。
「い、いいの…?はいっても…」
キャリィは駄目なんじゃない?という顔をしている。確かに、廃墟になっていても元は持ち主が居たはず。勝手に入って良いはずが無いだろう。
「でも…ポケッチも廃墟って書いてるし。いってみよーよ」
「…しかたねーな…」
そしてサンたちはもりのようかんの中へと入っていった。
後ろから誰かに監視されていることはまだ気づいていない。

「うーん。ほんとに錆びてるわねぇ」
「やっべーなんかでそう…」
リートが辺りをみわたす。
中は外見以上に汚く、あちこちにコケがはえている。床は一歩歩くごとにミシミシと音を立てて、さらには雨漏りもしている。一体いつ廃墟になったのだろうか。
「あ、部屋入ってみない?」
「い、いいの?」
「へーきへーき」
サンは全然平気のようだ。しかし3匹はちょっとおびえてる様子。ライルはサンの頭から降りて階段の手摺りに乗った。
サンは階段を上って直ぐ右にある部屋の前に立ち止まり、ドアノブを握る。
ギィ…
古い音を立てて扉が開いた。
「っ…!」
ドアを開けたサンは部屋の中をみて一歩後ずさった。
「どうした?」
ピョンとサンの肩にのったリートは次の言葉を言う前に固まった。
「こ…これ…」
キャリィとライルも寄ってきた。そしてリートと同じ反応をした。
「…血…だよね…」
「てか…新しくない…?」
そう、サンが開けた部屋は真っ赤な血の海とかしていた。しかも乾いていないのでつい最近のもの。本棚に入っていたであろう書類や本はビリビリに引き裂かれ、原型をとどめていない。壁にかかっている絵にはナイフが突き刺さっている。
「誰か殺されたんじゃねぇのか…?」
ライルが再びサンの頭に乗って言う。
「誰かって誰?この屋敷は廃墟になったんじゃ…」
「そうだよ」
サンが言い終わった直後、背後から女の子の声がした。4人は驚いて後ろを振り返る。
そこには150センチくらいの背丈で髪を2つに結んでいる女の子が笑顔でたっていた。だがこの少女、ちょっと違った。
何週間も着ているような服。
服には沢山の血が。
そして右手に見える刃渡り20センチのナイフ…。
それを見たサンは足元から恐怖がこみ上げてきた。
「え…?」
「昨日、ここにおじいちゃんが来たの。でね、この部屋荒らしはじめちゃったからおしおきしちゃった」
笑いながら言う少女。
「お姉ちゃん、この部屋見ちゃったね。このまま返したら私を追放するよね?」
「なにすんのさ…」
サンが言ったら少女は目つきを変え、ナイフを向けてサンにこういった。
「見ちゃったんだから…ねぇ?」
「!!」
ドンッ!
先を感じ取ったキャリィは少女に体当たりして少女のバランスを崩した。
「サン!逃げて!」
「わ、わかった!」
サンは急いで階段をおりる。
少女はまだ部屋の前だ。
…もうすこし…。
もう少しで出口だった。だが2階にいたキャリィの声が響いた。
「止まって!」
その声に反応し。サンは足を止めて玄関を見た。
「い…何時の間に…!」
玄関の前には2階にいたはずの少女が不気味に笑って立っていた。
「帰らせないよ。見ちゃったんだもん」
「なんでお前ここに…」
ライルが少女を睨みつける。
「そいつ、人間じゃない!幽霊だよ!」
叫びながらサンのところに寄ってくるキャリィ。
「幽霊!?」
「この屋敷に住んでた子じゃない…?」
「お姉ちゃん何はなしてるの?」
少女はいつの間にか手持ちのマタドガスを出している。
「ドガちゃん、毒ガス宜しく」
ブシュー…
「うわっ!」
4人に毒ガスがかかる。
「キャリィ、サイコキネシス!」
サンが指示するがキャリィは技が出せていない。
「キャリィ!?」
「ふういん。私のドガちゃんはサイコキネシスを覚えている。エーフィの技は封じたよ」
「何だって!?…ゴホゴホッ!」
口を開いてしまったリートは煙を吸ってしまった。
「ドガちゃん体当たり〜!」
マタドガスがサンに向かって突進してくる。
「きゃあぁ!」
マタドガスの体当たりを真正面から食らったサンは数メートル飛ばされ、体を叩きつけられた。
「サン!」
3匹はサンに近寄る。だがサンは腕を強く打っておきあがれないようだ。
「みんな…ボールに戻って…」
サンは心配している3匹をボールに戻した。
「お姉ちゃんもう直ぐ終わるよ」
気づいたときには少女が目の前に来ていた。手にはナイフを持って。まだガスは残っている。
「バ〜イバイ♪」
サンは意識が朦朧として、目を閉じる。少女がナイフを振り下ろそうとした。
ガッ!
耳元で大きな音がしたので目をうっすらと開ける。そこには少女の姿はなく、一人の男性の姿があった。顔ははっきり分からない。
「悲鳴が聞こえたと思ったらコレだもんな…」
男性はそういうとサンを抱えて玄関へと歩き出した。
少女は…?
サンはそう聞こうと思ったがそこで意識が切れてしまった。
男性は外に出ると耳が葉っぱの形をしたポケモンと一緒にサンを抱えて森の出口へと歩いていってしまった。
To Be Continude...
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[948]

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ぴくの〜ほかんこ