薄暗い体育倉庫の引き戸に手がかけられた。
女性の細く滑らかな手は重い引き戸を開けるのに少し手間取ったようだったが、
それでもガラガラと音を立てて扉は開き、暗い倉庫内に外の光が差し込む。
外は綺麗な夕焼けで、燃えるような橙色の光が平均台やバレーボールといった
物品を赤く染め、やがて扉が閉められるとともにまた闇へと戻った。

パッ。

室内が暗くなるかならないかといったところで、壁に設置された
照明のスイッチを入れたせいで人工的な光が彼女を照らす。
いや、そこにいたのは彼女「ら」であった。

倉庫の扉を開けた女性一人を先頭にして、その後ろから別の二人の女性が
おずおずと室内の奥へと歩を進めて誰かいるのかを探っている。
彼女らは一様にブレザーの制服を着ているところを見ると、恐らく
この高校の女子生徒だが、しかし部活の片付けに来たにしては
彼女らが浮かべる不安そうな表情はそぐわないものだった。
まるで不安に押し潰されて声が出てしまったかのように、
一人の女子生徒が声を開く。

「ねえ、祀(まつり)……本当に私達の正体……バレたのかなぁ……」

口を開いた女子生徒の名は、佐倉美由紀。
もともと背が低くあどけない顔立ちをしているのに加え、髪を左右で
結んでいるリボンが高校生にしては子供っぽい印象を強くしていた。
勉強は決して得意な方ではないが意外にも運動神経と平衡感覚に
優れており、それを生かして新体操部のエースとして活躍していた。
レオタード姿でリボンを回す姿は「可愛い」の一語に尽き、
何度追っ払っても性懲りもなくギャラリーが体育館に押し寄せるので
新体操部顧問の悩みの種でもあった。

「わかりません……でも休みの日に倉庫に呼び出されたということは、
 覚悟はしておく方がいいかもしれませんわ……」

祀と呼ばれた女子生徒の名は、雛森祀。
美由紀に比べて背が高く、ややスレンダーながら女子高生の
標準的なスタイルをしていると言えるだろう。
肩まで伸びた黒髪と敬語を交えた言葉遣い、そして生徒会長という
役職から、清楚な才女として普段は男子生徒の憧れの的である。
だが、いつもは前を見据る理知的な瞳も、今はやや不安に泳いでいる。

「どっちの覚悟かな? 自首する覚悟、それともボコる覚悟?」

そう不敵な態度をとったのは立花里香。
祀と比べてさらに背が高く、かなり引きしまった体をしている。
気取らないざっくばらんな口ぶりと空手の有段者であることに加え、
黒髪のボブカットにやや吊り目といった中性的なビジュアルは
男子生徒のみならず女子生徒からも憧れの的になっていた。

彼女らはこの生徒数の多いマンモス校でも有数の美少女三人組であり、
しかも親友同士ということで男子生徒の間では評判だった。
だが、彼女らは単なる女子高生ではないのである。
夜になると全身を覆うレオタード姿で街を疾駆し、美術品を軽やかに、
そして鮮やかに盗んでいく巷で噂の怪盗三人組張本人であった。


「ねえ、やっぱり泥棒なんてやめといた方がよかったのかなぁ……」
「美由紀、今更泣き言を言っても仕方ないですわ」
「そりゃそうだ、大体『あのスリルがたまらない』って超乗り気
 だったの美由紀じゃないか」
「う……そりゃそうだけどぉ……」

三人が沈黙に耐え切れず、何度繰り返したかわからない会話を
倉庫内で繰り広げていたその時、重い扉が乱暴に開いた。

ガラガラッ。

「「「ーーッ!?」」」

三人の美少女は撥ね上がるように一斉に出口の方を振り返る。
そこには制服姿の男子生徒が五人、笑みを浮かべて立っていた。
彼らに向かって、まずは祀が茶封筒を手に口火を切る。

「あ、貴方たちですわね……こんなものを送り付けてきたのは……」
「そうだよ。本当に来たということは、心当たりがあるということかな?」
「へん、こんな真似をする男の顔を見に来てやったんだよ!」
「へえ……さすがは立花さんだ。でも強がっていられるのも今のうちかもね」

そう言った男子生徒は後ろ手で体育倉庫の扉を閉め、内から閂をかけた。
倉庫の奥に女子生徒三人、出入り口付近には男子生徒五人、
そして重い引き戸には閂がかけられているという危険な状況。
木製の閂が立てるガコッという音に、美由紀は体を震わせた。

「ーーひっ!?」
「そう怯えなくてもいいじゃないか、美由紀ちゃん。
 だって本当に怯えることになるのはこれからなんだから、さ」
「回りくどい真似はやめて、さっさと本題に入ったらどうだい?」
「そうさせてもらうよ、立花さん。まずはこれを見てほしい」

そう言うと、恐らく彼らのリーダー格と思われる男が何かをばらまいた。
それは、レオタード姿の三人の姿が撮影されている写真だった。
中には盗んだ美術品が一緒に映っているものさえある。

「あ、あ……ど、どうして……こんなものを……」
「ダメだよ、いくら夜中だからって学校の更衣室で変装しちゃ。
 実はコイツがさ、女子更衣室を盗撮してたんだよ」

決定的な証拠を前に、三人は背中に氷を入れられたような心地がして、
それぞれの顔から冷や汗がしたたり落ちた。

「へへ、そういうわけ。驚いたぜ、データを家のパソコンに飛ばして
 編集してたら、夜中にレオタード姿の三人が現われるんだもんな」
「こ、この変態ッ……」
「そんな言葉遣いでいいのかい、今すぐ警察に突き出したっていいんだぜ」
「う……く……」

「な、何が望みですの……? お、お金なら……」
「さすがは生徒会長、話が早い。でも残念ながらお金じゃないんだな」
「え……じゃ、じゃあ何を……」
「そうだな、とりあえずこれに着替えてよ」


彼女らの反応をじっくり楽しんでいるような口調で、男子生徒は
手に提げていた紙袋から、三着のレオタードを取り出し放り投げた。

「こ、これはぁ……」
「そう、怪盗ご自慢のコスチュームだろ? もっともコスプレ専門店で
 買ったレプリカってのが残念なところだけどな」
「ち……わかったから、あっち向いてなよっ」
「やっぱりわかってない。生着替えだよ、な・ま・き・が・えっ」
「ーーーーッ!?」

涙目でおろおろするばかりの美由紀。
冷静に彼らの狙いと打開策を図っている祀。
ギリッと歯噛みしてキッと彼らを睨みつける里香。
反応はそれぞれだったが、結局は大人しく従わざるを得なかった。

「おっと、せっかくの美少女三人の生着替えだ。もっとゆっくり
 脱いでもらおうか……おい、ビデオ回しとけ」
「い、いや……こんなの撮らないでぇ……」

ストンッ。ファサッ。
チェック柄のスカートが、紺色のブレザーが、赤いスカーフが、
白いシャツが、次々と少女達の体から離れ、床に落ちていく。
下着姿になった彼女らは投げ捨てられたコスチュームを拾い、脚を通し始めた。
普段彼女らが着ている物と比べると幾分素材が安っぽい気がしたが、
それでも着てみると外見はさほど変わりがなかった。
これで腰にスカーフを巻き、顔にアイマスクを装着すれば
立派な怪盗三人組の出来上がりとなるだろう。

「さて、それじゃカメラに向かって自己紹介をしてもらおうかな」
「う……くっ……雛森……祀ですわ……」
「えぐっ……ふぇっ……佐倉……美由紀ですぅ……」
「くぅッ……立花……里香だ……」

腰のスカーフがないため、両手で胸と下腹部を覆って必死で
男子生徒の舐め回すような視線を遮りながら自分の名前を口にする。
だが、体に密着したレオタードは発達した体の丸み、膨らみを
雄弁に語っており、男子生徒の一人などはそれだけで涎を垂らしている。

「よく出来ました。やればできるじゃないか」
「おい、今気づいたんだけどさ、真ん中が雛森祀だろ?
 んで右が佐倉で左が立花だろ……それに今日は3月3日……これってさ」
「なるほど、『左近の桜、右近の橘』か。ひな祭りそのものだな」
「俺らはさしずめ五人囃子ってか、はははは……」
「それじゃ、いただいちゃいますか。俺『左近の桜』な」
「じゃ、俺は『右近の橘』だ。女の癖に生意気だったんだよなぁ」
「いいのかよ、俺は『ひな祭り』をいただいちゃうぜ」
「おい、後でビデオ役ちゃんと代われよ?」

好き放題言っている彼らをじっと見つめていた三人だったが、
背後からいきなり抱きつかれ、胸を揉まれてはたまらない。
懸命に身をよじって彼らの手から逃れようとするが、男の手は
力強く、そして荒々しかった。


「いたッ!? 痛いってばぁっ!!」
「ちょっと、やめなさいよこんなこと!!」
「こんなことしてただで済むと思ってるのか!!」

ぱんっ! ぱしっ! ぱしぃっ!!
「痛いッ! お、お尻叩かないでぇ……」
「そういやひな祭りって桃の節句だったな。桃を赤く熟させてやろうか」

ばしぃッ!! びしぃッ!! ぱんっ!ぱんっ!
「ひううぅぅッ!! も、もう許してくださいまし……」
「わかったろ、抵抗すると痛いだけだよ? それにこっちには
 写真があるんだ。大人しくした方が身のためだよ」

彼らの切り札である写真をほのめかされ、彼女らは抵抗をやめた。
大人しく胸を揉みしだかれ、脚を、腰を、尻を撫で回されるままになっている。
無抵抗であることをいいことに、男子生徒は首筋や耳に舌を這わせ、
わざと聞こえるようにちゅばちゅばと音を立てた。

「す、すげぇ柔らかい……菱餅みてぇだぜ」
「うっ……くっ……ふぅッ……」
「んッ……んんんっ……い、いやぁ……」
「あぅッ……や、やめろぉ……もむなぁ……はぅんッ」

「あれ、甘い声が出てきたじゃないか。ピクピクと体を動かしてるし、
 ひょっとして三人とも感じてるのかい?」
「そ、そんなわけないでしょぉ……あぅんッ」
「く、くすぐったいだけですわ……はっはぅっ……」
「き、気持ち悪いだけだ……うっくぅんッ……あぁぁ……」

だが、男子生徒の手が動き舌が這うたびに、強がる彼女らの体は動き、
声には確実に甘い響きが加わっていった。
それを感じ取った男子生徒達は下卑た笑みを浮かべると、指で胸の
突起をこりこりと摘み、反対の指でコスチュームの股間部分に筋を描いた。

「ほら、こんなところに二つひなあられがあるぜ?」
「はぁぅッ!……そ、そこは……んんんぁ……ゆ、許してぇ……」
「そ、そんなところ……んあっ、んんッ……つままない、で、くださいまし……」
「ふっあはぁッ……頼むから……あぁはぁぁ……そ、そこだけは……」
「ダーメ。おい、ハサミ持ってこい」

三人の懇願を一蹴すると、ハサミを手にした男子生徒は両胸と股間部分の
コスチュームを円く切り裂き、下着すらも切り裂いていった。
タイプは違うものの、いずれ劣らぬ美少女が体に密着するレオタードを着て、
あまつさえ胸と股間部分だけを露わにされ、羞恥に眉間に皺を寄せながら
はぁはぁと上気させているその姿は、あまりに扇情的だった。

くちゅっ。じゅっ。ちゅくっ。
「んあぁぁぁッ!! だ、だめなのぉ……ゆ、ゆびぃッ……」
「あっはあぁぁぁ……んっんんん……んくっ……ふああぁぁ……」
「んくっうう……くぅんっんっんっん……んぁはぁあ……」
「なんだ、もう三人ともびしょ濡れじゃないか。ほら、見てみなよ。
 腿の部分まで液が垂れてきているよ?」


後ろから割れ目に指を挿入され、外を擦られ、中をほじられ、
美少女怪盗三人組はガクガクと脚を震わせながら息も絶え絶えに
喘ぐことしかできなくなっていた。

「そうだ、ひな祭りってさ、蛤の吸い物を飲むんだっけ」

じゅるっじゅるるるるっ!
「ひああぁぁ……だめっだめっ……それいやぁぁ……」
「んんあぁぁはぁぁ……吸うなんて……ダメですわぁぁぁ……」
「ひうっ……んっくぅぅぅ……や、やめてくれぇ……くっはぁぁ……」

「あー、まぁ蛤っていうよりは鮑だけどな」
「いいじゃねぇか、鮑だろうが赤貝だろうが貝には違いねぇんだから」
「おい、誰だよ下にひなあられこぼした奴は……もったいねぇなぁ」
「まったくだ、縁起物は一粒残らず食べないと」

ちゅばっ。
「ひっ!! ひあぁぁぁッ、ひぅっ、ひぅぅぅぅぅッ」
「そ、それは……ひなあられじゃないですわぁ……んあああああぁぁ!!」
「や……やめろ……んんんッ、ひっ、ひああぁぁはぁぁっぁあ!!」

ぷしゃあぁぁっぁぁぁぁぁ……。
三人の股間から流れ出ていた潮汁が、飛沫となって大量に漏れ出した。
それとともに、ガクガクと震わせながらもなんとか立ったままの姿勢を
保っていた三人は、とうとうぺしゃんっと床に座り込んでしまった。

「おやおや、立ってられないほど気持ちいいのかよ」
「これからが本番だってのになぁ?」
「おい、ビデオ役そろそろ変われよな」

そう言いながらカチャカチャとベルトを外し、ズボンを下ろす五人。
そのうちの三人は彼女らを強引に立たせると、思い思いの体位で
自らのそそり立ったものを挿入した。

「んあぁっはぅぅ! んっくぅぅッふあぁぁぁんッ!」
美由紀は再び立たされ、中腰で背後からパンッパンッと突かれている。

「んくっんんんッ……ふ、深いですわはぁぁぁ……ひあっはぁっ!」
祀は寝転がった男を無理矢理跨がされ、自ら腰を動かすことを強要されている。

「ひあぁはあぁぁぁ……あふぅ……はんっ!はんっ!……きゃぅうぅ」
里香は床に仰向けで転がされ、両足を掴まれて出し入れられている。

残った二人は下から突き上げられる快感を堪えている祀の手を掴むと、
それぞれの股間のものを無理矢理握らされる。
しかもそれだけでは飽き足らず、代わる代わる祀の口に無理矢理挿入した。

「はぶうぅぅぅ……おむっうむっ……じゅぱっ……」
「そうそう、五人囃子の笛をちゃんと吹いてくれよな」
「太鼓の皮の方までしっかり舐めるんだぞ、お雛さまよぉ」
「は、はいぃ……じゅぱっじゅぽっ……おむぅ……」


彼らの責めはますます激しくなり、もはや彼女達も、そして
責めている若い男達も限界に達しようとしていた。

「さて、ひな祭りといえば白酒だよなぁ?」
「たっぷり飲んでもらわないとな、それっ!」
「ひあぁぁあはぁっぁ……らめ、らめなのぉ……つよ、すぎぃ……
 み、みゆきおかひくなっちゃうよぉ……んあっ、んあぁぁぁぁッ!!」
「おむっむむむむ……はぶぅ……んあぁ……も、もう……だめへぇ……
 き、きもちよふぎて……イクっ、イクっ、イッてしまいますわぁっぁぁ!!」
「はんっ!はぁッ!! ……あ、あたしももう……あふぅ……
 な、なんだよこれ……あはぁぁッ……なんか、きてぇぇ、うっくぅぅぅ!!」

びゅるるるっ、どぷっ、びるるっ!
五人分の大量の白酒が三人の口へと注がれ、咄嗟に吐き出そうとするも
頭と顎を掴まれて強制的に嚥下させられた。
その苦さに喉が焼けそうになり、それでいてもっと欲しいような気もしていた。
そしてその望みは叶えられることになる。
一度達しただけでは、美少女の痴態を前にした若い男たちの精は
満足するはずもなく、三人の女怪盗は代わる代わる犯され続けた。

「んくっ、んんんあぁぁ……も、もっとほしいのぉ……ちょうだいぃ」
「ず、ずるいですわ……私にも……んあぁぁ……そこ、いいですわぁ……」
「はうぅぅ……こ、今度は後ろから……た、頼む……んっんあぁぁッ!!」

と、彼女らの痴態をビデオに納めているリーダー格の男が呟いた。
「今日は楽しいひな祭り〜……か。もっと楽しもうぜ?
 おっと、もう聞こえてないかな。あはははは、はははは……」