桔梗「晴れて〜、く、くもま…にィ〜…」
若「……?桔梗どうしたのだ、具合でも悪いのか?」
桔梗「い、いえ…ちょっと……三味線の調子が悪くて…」
若「そうか…俺にはいつものように澄んだ音色に聞こえるが…」
桔梗「………」
九桐「桔梗が言うのだから、我等男には分からぬ繊細な違いなのでしょう」
若「ふっ、それもそうだな。俺もお前も父親似で武骨者だからな」
桔梗「そ、それじゃ、あたしはお先に失礼してもよろしいでしょうか?」
若「ああ、すまなかったな。もう下がってもよいぞ」
桔梗「は、はい。失礼します」
九桐「それでは若、拙僧も明日は早い故、この辺でお開きとしましょうか?」
桔梗「…っ!!」
若「そうだな。尚雲、旅の無事を祈っておるぞ」
九桐「ありがとうございます。必ずや若のご期待に添えるかと」
若「ああ、ではな」
九角屋敷前―
桔梗「はぁ、はぁ、はぁ……」
九桐「苦しそうじゃないか…桔梗?」
桔梗「さ、触らないでおくれよっ!あぁっ、はぁ、はぁ…」
九桐「ふふふっ。そうは言っても辛抱できるのか、桔梗?」
桔梗「……んんっ…はぁん…あぁ…こんな・・・こんな身体…」
九桐「発情期か…人形でいてもお前は半妖・・・因果なものだな」
桔梗「う、うるさいね…あっちにいっておくれよっ!!」
九桐「本当にいいのか?お前が限界まで欲望を抑えていたのは
わかっている。だが今俺のような強い氣を持った男の精を…」
桔梗「あぁ…いやだよ…さわらないで…おくれ…よ…あぁ…ん」
九桐「……それとも、若にお願いするか?ふしだらな淫らな願い事を」
桔梗「あぁっ、そんなこと・・・できるわけ…ないじゃ・・・あっ…そこは…」
九桐「だったらいつものようにおねだりするんだ…若ではなく、俺にな」
桔梗「……あたしに…うぅ…尚雲の…精を…おくれよ……お願いだよ」