「雛乃のヤツ、まさか紫暮の家に来るとは…。」
「でも意外でもないんじゃない? 雛乃は筋肉マニアだから。」
雪乃と小蒔は雛乃の後をつけてきていた。
「おかしいと思ったんだよ。小蒔の家に行くって言ってた割に変におめかししてたからな。」
「うん、ボクの家に電話してきて正解だったね、雪乃。」
二人は紫暮の家の庭に忍び込み、植えこみの陰に隠れている。
「ところで…、」
後ろを振り返り雪乃は言葉を続ける。
「なんでお前らまでここにいるんだよ。」
「なんでっていわれても。なあ、壬生。」
「僕と龍麻はここに稽古に来ただけだよ。いつでも使える道場はここくらいだからね。」
壬生がそう説明する。
「それより雛乃ちゃんがどうしたって? 筋肉がどうとかって聞こえたけど。」
「あ、ひーちゃんは知らないんだね。雛乃って筋肉マニアなんだ。」
「「筋肉マニアぁ?」」
龍麻と壬生が綺麗にハモる。
「ああ。雛乃の部屋にはバンナとかノゲイラとか、そんなポスターばっかだぜ。」
その様子を想像して軽く目眩を覚える二人。
「つまり、雛乃が紫暮君に気があっても不思議じゃないって話。」
「雛乃さんがここに来てるってこと?」
「そ。それで中の様子を知りたいんだけど。」
「それならこっち、こっち。」
龍麻が家の裏の方へと進んでいく。
「そこが紫暮の部屋だから、ちょっと覗いてみよう。」
「!」
「!!」
「!!!」
「!!!!」
「いや、しかし紫暮のやついい能力持ってるもんだな。」
「龍麻もあんなことしたいのかい?」
「うーん、でもマリィが壊れちゃうからなあ。」
「…ロリコン。」
「なんか言ったか、マザコン。」
「…。それより、あの二人には刺激が強すぎたようだね。」
「二人とも処女だな。まあ、結局最後まで見てたけど。」
雪乃と小蒔は放心したまま帰ったところだ。
龍麻と壬生も稽古は無理とあきらめて帰る途中である。
「龍麻はこれからどうする?」
「どうするかな…。」
とか言いつつ、マリィに会ってあれこれしようと考えている。
「マリィに会いに行くのか?」
何故判るんだという視線を壬生に向ける龍麻。
「良ければ協力するよ。」
「は?」
壬生の申し出になんの協力かと訝しむ。
「紫暮みたいなこと、やってみたいんだろう?表裏の技を使う僕なら、君の分身役にぴったりだと思うよ。」
「なんだ、壬生もマリィとやりたいのか。」
「別にそういうわけじゃ…。」
「隠すなよ。しかし、マザコン且つロリコンなんて光源氏みたいだな。」
「…。」
龍麻の脳裏に一瞬「頭が光る源氏」という言葉が浮かんだが、命に関わるので口には出していない。
「嫌なら別にいいよ。」
「おっと、嫌なわけないだろ。協力感謝するよ。」
「アン、アン、オニイチャン、アアン。」
龍麻と壬生の二人はマリィを同時に責めている。
「どうだいマリィ、前と後ろ両方からなんてすごいだろ?」
「うん、マリィ、おかしくなっちゃうゥ。」
前から壬生が突き上げた後、後ろから龍麻が突き上げる。
「アン、紅葉もすごくイイよォ。」
「ああ、マリィもとっても可愛いよ。」
そう言ってマリィの唇を奪う壬生。お互いの舌を絡めあい、唾液の交換をする。
「どうだ、壬生、マリィの中は最高だろ?」
「ああ、締め付けがきつくて、こんなのは初めてだ。」
「アン、ダメ、マリィ、もう、いっちゃうっ。ああ――――っ。」
あまりの快感にあっという間に果てるマリィ。
龍麻と壬生の二人はまだいっていない。
「よし、交代しよう。」
二人は前後入れ替わって、いったばかりのマリィを再び突き始める。
「アアン、ダメ、オニイチャン、マリィ、アアン。」
「本当にマリィは可愛いね。」
そしてお互いに舌を絡めあう龍麻とマリィ。
「うう、さすがにもう…。」
壬生が声を上げる。
マリィの中はだたでさえ狭い上、お互いの男根が薄い肉壁越しに当たり、快感を増幅する。
「よし、壬生、俺もそろそろだ。いくぞっ。」
「い、陰たるは、空昇る龍の爪…。」
「陽たるは、星閃く龍の牙…。」
「表裏の龍の技、見せてあげましょう…。」
「「秘奥義・双龍螺旋根!!」」
「アアン、マリィ、いっちゃうぅぅぅぅ――――っ。」
「「うああ――――っ。」」
どくっ、どくん。マリィの小さな体にありったけの精を流し込む二人。
肩で息をするマリィがつぶやいた。
「これからも…、三人でしたいな…。」
マリィは病み付きになったようだ。それは龍麻と壬生の二人も例外ではなかった。