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「乳を揉ませてください」
龍麻は土下座した。
「アホかぁぁぁぁ!!」
雪乃の叫び声とグチャッと肉の潰れる音が響く昼下がりの織部神社。
それは小春日和の秋の日の出来事だった。
「突然1人で訪ねてきたと思ったら言うことはそれか!」
血走った目で長刀をかまえる雪乃。
「いやいや、俺は雛乃ちゃんにお願いしたんだぞ?」
「どっちでも一緒だ! そんなふざけた事が通るとでも思ってやがんのか!?」
「かまいません」
「そう、雛乃だってかまわないって……は?」
「どうぞ、龍麻様の思う存分揉みしだいてくださいませ」
頬を薄紅色に染めた雛乃が俯き加減に、しかしはっきりと言った。
「なっ!」
当然の事ながら目を白黒させる雪乃。
さっそく手をワキワキさせながら雛乃に近づこうとする龍麻をとりあえず蹴飛ばしておいて、
トチ狂った妹を説得しようと詰め寄る。
「なに馬鹿なこと言ってるんだ、雛乃!」
「これも宿星のお導きです」
「わけわかんないって!」

「話は済んだか? 明日香学園のゴールデンフィンガーと呼ばれた俺の妙技を見せてくれよう」
「ふ、ふざけんな! そ、そんな事させるわけないだろ!」
「でも雛乃ちゃんはOKって言ってるぞ?」
「言ってますよ?」
「と、とにかく駄目なものは駄目!!」
「じゃあ、尻でいいや」
「駄目!」
「ふとももは?」
「駄目!」
「唇」
「駄目!」
「んー、じゃあ……」
     

十数分後。
「どうだい、雛乃?」
「ん…、少しくすぐったいです」
「………」
「可愛いね、雛乃のココは。それにとっても柔らかい」
「あ、あまり言わないで下さい。恥ずかしいです…」
「………」
「こんなのはどうかな?」
「んっ、ん……あ……」
「……なぁ」
「どうかしたか、雪乃?」
「耳たぶなんか触って楽しいか?」
結局すったもんだの挙句、龍麻は雛乃の耳たぶを堪能することとなった。
耳たぶならそんなにやらしくないだろうと思った雪乃だったが、何故か龍麻は喜々としていた。

「ああ、楽しいよ。柔らかいし」
「そうかな?」
試しに自分の耳たぶを触ってみる雪乃。
確かに柔らかいけれども、喜ぶほどではないんじゃないかと思った。
「なら雪乃にもやってあげようか?」
「え?」
「別に気持ちいいとは思わないんだろ? ならいいじゃん」
「それは……そうかもしれないけどよ」
「ほらほら、おいで。俺の手は2本あるんだからさ」
「……わかった」
まあ、耳たぶなら大丈夫かな。雪乃はそう思った。
「それじゃあいくよ」


どうしてこうなったんだろう。
「駄目ぇ、やめ……やめて……」
本当に耳たぶだけのはずだったのに。
「いやぁ……」
だんだん気持ちよくなってきて、ちょっとだけならいいかなって、それで気付いたら、
「たすけて…雛乃……」
こんなはしたない格好ではしたない声をあげてはしたないことをされてる。
「姉様、可愛いですわ」
雛乃に見られている。
「そうだな、雪乃は可愛いな」
よがって、しがみついて、受け入れている自分を見られている。
「雛乃も良かったけど、雪乃の耳たぶもまた絶品だな」
そう、耳たぶだけで狂わされていた。
「なんでぇ……なんでこんなにいいのぉ……」
「このセリフだけ聞くと官能小説でアナル開発されてる女教師みたいだな」
「『変態アナル奴隷教師 ゆきの』といった感じでしょうか?」
織部雛乃、高校2年生。好きは出版社はフランス書院。

耳たぶに ハマりハメられ 雪乃ちゃん
              声高らかに 秋の夕暮れ
                               龍麻・心の百人一首



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