インターネットと音楽、そして官能的経験について
2001/12/23(Sun)
インターネットが普及して、音楽のダウンロードがごく簡単にできるようになって、ふと考えると、音楽のあり方、みたいなのが随分変わっちゃって来てるんじゃないかと、危惧してみたりする、アナログ人間な今日この頃。
確かに、この曲(だけ)聞きたいとか、この曲聞いてみたいとか、そういう時って、ネットでダウンロードできるのは、この上なく便利なことだと思う。でも、それが高じて、アルバムっていうものを無視するようになると、これはこれで問題だと、アナログ人間は、ふと思う。でも、そういうのって、こいつだけが感じてること?
ファイル共有ソフトを使い始めて、正直、1ヶ月くらいはハマった。あの曲この曲、手元に音源のない曲とか、レアな音源なんかを探して、ハマった。簡単に見つかって拍子抜けがしたくらい、ありとあらゆる音源が、ネット上に存在してるのを知って、正直びっくりした。うれしかったと同時に、あまりの簡単さに、少々情けなくなったのも事実。
手軽さって、いつもいつもいいことだとは思わないんだけど、どうだろう。
結局聞きたいのは、曲単体ではなく、アルバム全部なんだと気付いて、音楽をダウンロードすることはあまりしなくなった。もちろん、昔懐かしい、アニメの主題歌なんかは、今も探して落としてるけど(笑)。
考えたら、昔はシングルしか知らないでファン自称してる連中のこと、かなりバカにしてたけど、今はネットでしか音楽聞かない連中に、実は眉をひそめてるかもしれない。っつーか、眉をひそめてる相手は、ある特定の個人だったりするんだけど(笑)。もっとも、彼女が、何百曲(1G以上ね、もちろん)と、人様のコンピューターにダウンロードしてるってことがなければ、こんなことも考えなかったんだろうけど。
なんて言うか、音楽ってのは、曲ではないんじゃないかと、近頃しみじみ思う。曲の集合体としてのアルバムとかジャンルとかではなくて、もしかすると、音の集合体なんじゃないかと、思ってたりもする。音符の集まり、美しい(この形容詞の定義は、極めて個人的になる、もちろん)音符の連なり。
まあ、図々しくも音楽の趣味の良い人間ってのを自称してたりするので、ちょっと最近のやたらな音楽とネットの癒着(・・・)はちょっと恐ろしい。音楽に官能を求めるこいつは、なんだかそういうのとコンピューターの組み合わせが、ごく個人的にしっくり来ない。
もっとも、コンピューターとポルノの組み合わせは、まあ手軽でいいやね、って思ってるんだけど。ああ、いいかげんな奴。だってポルノって官能じゃないんだもん、こいつにとっては。
いわゆる誰か(まあ、この場合は男だけど)と寝るより、音楽の方が気持ち良いって言ったら、それはいいセックスをしてないからだ、って自信に満ちた反論をされたことがあるけど、(存在するかどうかすら怪しい)いいセックスを、妊娠、性病の危険を冒して求めるくらいなら、好きな音楽に浸ってイク方が、よっぽど健全だと思うんだけど、暴言?
音楽とは、つまり極めて個人的な官能的経験、及び表現である。本日の結論(笑)。官能に、お手軽さ
”だけ”を求めてはいけない、と思う。どうですかね?