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入れ物フェチ
2004/02/26(Thu)
 自分のことは、それなりにわかっているつもりでいて、いまだひとつだけ、どうしてもわからないことがある。
 入れ物に対する偏愛。
 記憶を遡ると、とにかく箱の類いが好きで好きで仕方なかったのを覚えてる。使いもしないのに、ちょっときれいな箱とか、厚みがあって何かに使えそうとか、とにかく片っ端から捨てずに取っておいたような気がする。
 今もいくつか思い出せる辺りが、自分で怖い。
 コレクターとかいうのとはちょっと違って、何て言うのか、別に絶対に集めたいとか、手元にとどめておきたいとか、それほど強烈な感じでもなく、ただ何て言うか、大事な友達が家に帰っちゃうのは淋しいなあと、そういうのに似てる。
 入れ物が欲しくて、つい手が伸びたり、まあ、さすがにめたらやったら買ったりとかはしないけど(財力がな)、やっぱり入れ物というのにはこう、自分なりに、こういうのが好きだ!というのが強烈にあったりとかして、自分でも、一体何なんだろうなあと、首を傾げてみたり。
 紅茶の缶とか、チョコレートの箱とか、飴の入ってたビンとか、ひそかに捨てられないのが、水のボトル(笑)。とにかく、物を入れるという機能を持つものに、奇妙な偏愛と執着がある。
 で、当然の帰結として、かばんが好きで好きで仕方がない。
 スポーツバッグの類い、リュックの類い、ポシェットの類い、本屋さんの取っ手のついた紙袋とかさ(苦笑)。
 母親のハンドバッグも、けっこう憧れてたなー。もっとも、いわゆる女性向けのハンドバッグにはあまり心をそそられず、目を引くのは、もっぱら機能重視のヘビーデューティーなタイプ。
 旅行用とか、もうお店へ行くと目がランラン。
 カバンの専門店なんかへ入ると、気分はもう、アダルトビデオのお店へ入った高校生(あまり大袈裟でもなく)。
 恍惚、という感じで、しかも好きなタイプのかばんが並んでると、もうそこから出たくなくなる。
 大人になって、やっぱり最近は革製品が好きで、でも手入れも大変だし、気軽に使うには少々気疲れするので、実際に手に入れるとなると、やっぱりためらいが勝つ。
 ポケットがいっぱいついてて、あまり大きくなくて、でも何でもいっぱい入りそうな、そういうカバンが好きだ。色はオレンジとか緑とか黒とか。
 とは言え、そもそもカバンが必要な生活でもなく、気に入ったからと言って、ほいほい買っちゃうようなことはほとんどなく、大抵は、ああ、これいいなー!と心の中で叫んで、そっと棚へ戻す、というのが日常。
 まあ、買ってしまいたいほど気に入る、ということも、実は滅多とない(苦笑)。
 10代の頃、外へ出掛けると言うと、必ずウォークマン(テープも2,3本)、文庫本、システム手帳必携で、それが全部収まるサイズのウエストポーチを使ってて、その後、ポケットのいっぱいついたアーミーベストを手に入れて、外出は基本的に手ぶらになった。
 このベストはけっこう長い間重宝して、とにかく何でも入れられるので、普通の外出にはカバンなんて必要ない。
 学校へ通うのには、さすがに中学から使ってたでかいランドセルもどきを使ってたけど、ちょっとぶらっとどこかへ行くなら、このベストを羽織って、それだけ。
 とりあえず、この頃まで、嫌いではなかったけど、いわゆるショルダーバッグというのに気が向かず、でもある日、ジャマイカからの輸入がうんたらという露店で買ったのが、赤黄緑黒のでっかい縦のストライプの、ニットのバッグ。
 A4を、ちょっと寸詰まりにしたくらいの大きさだったと思う。フタはかぶせて、木のビーズでとめ、外には四角い、マチのあるポケットがついてて、下にはぴらぴらフリンジつき。色と大きさと、妙な派手さがが気に入って衝動買いした。
 とにかく何でも入る。日本のハードカバーの本も楽々、ウォークマンもテープも全部突っ込んで、けっこうな重さになっても、びくともせずに支えてくれる。
 残念ながら、仕事中に盗まれて、それっきり。今でも惜しい。大好きなカバンだった。
 その後は、常に使うショルダーバッグというのは特にはなく、あまり外にも出なくなったので、持ち歩くのは、いわゆる手提げが多くなった。
 B5よりちょっと小さいくらいの、デニムの手提げ。確か中学の頃か、学校で使えばと、親戚の誰かからもらった物のひとつではないかと思う。
 下の方に、ななめにチロリアンテープが張ってあって、ほんとうに、ただの袋なんだけど、財布やら文庫本やら、ちょっと入れて出掛けるにはちょうどいい大きさで、とにかく汚れるとか濡れるとか、そういうことに頓着なく気軽に使えるのがよくて、ここ何年か、こればっかり使ってる。
 さすがに、酷使されて、何度も洗濯されて、あちこちすり切れて来てて、ちょっと心配になり、まだまだ使えるけど、そろそろ次に目をつけようかな、と。
 いちばん理想なのは、好きな布でも見つけて来て、まったく同じものを作ってもらうとゆーのだけれど、こっちの人の裁縫がちょっと安心できず・・・布は実は手元にあるんだけど(苦笑)。
 それでまあ、ここ1年くらいは、気に入れば買うつもりで、普段使いのカバンを探してたわけで・・・。
 もちろん見つからない(爆笑)。デザインが気に入らない、色が気に入らない、値段が気に入らない、素材が気に入らない、作りが気に入らない、とにかく気に入らない。
 日本にいりゃあ、もっと色々あるのによう、とネットで検索しつつ、でもやっぱり良さそうなのは、日本でも値段が素晴らしかったり、革だったり(こっちに送るのが大変)、やっぱり手に取って見てから決めたいなあと思ったり、気に入らないカバン買うくらいなら、今手元にある、アーミーベスト(2代目。初代にはやっぱり劣る)で我慢した方がいいよな!と思ったり、まあ、結局こう、ぴんと来るものもなく、デニムの手提げも健在だし、切羽詰った気分でもないわけで。
 でもって今日、たまたま、オークションで、ずっと読み返したいと思ってたマンガが一揃い、そろそろ入札終了時間ということで、誰かが落札するのかなーと、見るともなしに、成り行きを見守る間、時間つぶしにネットをさまよってたら、どういう流れかで、バーゲンのバッグの特集などというところへ行き着いてしまい、ふと目に付いたトートバッグ。イタリア製でうんちゃらかんちゃらと言う説明に心魅かれ、写真を見て・・・ほぼ一目惚れ。
 いわゆる箱型で、底には足つき、ポケットも中に色々ついてて、大きすぎず小さすぎず、とりあえずケチのつけようのない感じ、色もカーキに黒。買えって言うのか。しかもバーゲン品最後の1個。
 ・・・注文終了。
 ついでに、入札者のいなかったオークションも、うっかり落札してしまいました(うっかり?)。
 そういうわけで、今日は一日ハイパー。ネットで買い物って、こわい。あまりに簡単に手に入ってしまうので、自戒せねばと、クレジットカードを隠しつつ(無駄だけど)。
 トートバッグとゆーらしーので(笑)、とりあえず現物がこっちまで来るのが楽しみです。こういうタイプのカバンは、使ったことがないので、まあ使い勝手とか、手に持った感じとか、色々。
 もしかすると、久しぶりに、日本に戻っても使えるカバンかもしれない・・・こっちで使ってるものって、日本じゃ恥ずかしくて使えないものが多いのは、やっぱりデザインのせいだよな、多分。
 写真でサイズだけ見てると、こいつなら、1泊分の荷物も入ってしまいそうな感じ。
 一目惚れしたと同じくらい、使い勝手もいいといいな〜。楽しみだ〜。どきどき。



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