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UFCとTUF
2009/05/30(Sat)
またUFC。
古い試合を、チェックしてると見返すことができたりして、まあその辺りの感想とかいろいろ。

Lesnarで格闘技再燃して、するっとGSPたん萌えに移動したわけがだ。
最初にまともに見たのが対Fitchだったので、わりと最近までふぃったんは大した選手じゃないんだろうという印象だった。
同じことがAndersonとやった選手にも言える。
両方とも凄すぎて、相手が雑魚に見えてしまうという。Andersonにほとんど手足が出せなかったDan Hendersonも、相手が変われば充分強豪だし、ふぃったんはWelterでは、今ひとつ決めがないのがアレかもだけど、タフさではNoguiera辺りに引けを取らないと思う。
とは言え、相手を選ばないと、GSPたんとかAnderson相手ではただのイジメになってしまうという。

Randy CoutureとかChuck Liddell辺りは、最盛期を全然知らないのでぜひ全部見返すチャンスが欲しい。
Matt HughesとSerraもだなあ。
Hughesはとにかく伝説級の神扱いで、新しい世代のWelterの選手たちに、もう押し出されてる印象だけど、それでもその凄さは絶対に否定できないし、今の状態が、いわゆる劣化ということなのか、それとも新しい選手たちが以前の先週よりも技巧に長けてるということなのか、あるいはその両方なのか。
昔に比べれば、練習方法も相手の研究方法もリソースが多いだろうし、手の届く量も増えたろうし、そういう理由で、明らかに理論派のGSPたんみたいな選手が力を伸ばしてるというのはよくわかる。
昔みたいなケンカ殺法じゃもう瞬殺レベルだし、ブラジル系柔術だけできてもダメだし、パンチ強いだけじゃどうしようもないし、全体的に求められる量もレベルも上がってるよなあと、素人が見てて思う。
GSPたんの凄さが際立つにつれ、逆に、彼には体格的に劣る選手たちの凄さというのもよく見える。
Hughesは身長はともかくも手足は短いし、体が柔らかいというわけでもなさそうだし、Serraは何もかもが短くて、体だけはとにかく柔らかいけどね、と、何であれで他の選手倒せるんだろうなあと思う。すげえよSerraたん。
Sean Sherkは、ちょうどふたりの中間みたいな体格だけど、以前のWelterの選手は、そういうタイプの体つきが多かったのかなと思ったり。
その体格のハンデを補える選手が、Welterではきちんとやり合えたということなのか。
元々はLight WeightのPennも、いわゆる白人的体型ではないし、ある意味GSPたんが珍しいタイプなのかなWelterとしては。
速さとか凶暴さとか容赦のなさとか、そういう諸々でPennはすげーよと思う。立ってるだけじゃ、ただひょろんとしたにーちゃんなのに、どうして自分より大きな連中を叩きのめせるんだろう。しかも完膚なきまでに。
容赦のなさでは引けは取らないGSPたん。うわエグーという攻め方もお手のもの。そのくせすべてがクリーンなんだよなーあの人は。

Pennとの2戦目の後でのインタビューで、GSPたんが、いわゆる攻略方法というのを全部説明してたんだけど、Pennはこういう体つきだからこう、体がこう柔らかいからこう、こういう風にするからこう、という、ほんとに一から十まで全部説明してたのに驚いた。
「抱きついたりして、肩を使わせるようにしたんだ、そこがあんまり強くないから」とか「寝技に持ち込んだら、体の位置は必ずここにとか、そうすると腕を取られない」とかね、そしてそれをちゃんと試合中に実行してるGSPたんオソロシス。
理論はあくまで理論で、もちろん試合というヒートアップした状態でそれをどこまで冷静に実践できるかだけど、こんな全部考えて行動するもんなのかと、改めてびっくり。
みんなしてることだよくらいのことかもだけど、素人にはもう理解不能の世界。面白すぎる。

自分がチビのせいか、体の大きな選手に無条件に魅かれつつも、体格では劣るけど技術とタフさと根性でがんばる選手たちがすごく好きだ。
そういうわけでSerraたんがとても好き。Hughesとリマッチして欲しいなあ。ふぃったんにもがんばって欲しい。
Light Weightとしては小柄なRashadたんもがんばれ。Machida氏に負けたけど、Good loserだったし、また這い上がってベルト奪ってくれ。
逆に、デカすぎてかわいそうなイメージのTim Sylviaにもがんばって欲しいな。Sylvia可愛い。

UFCは、今いわゆるはっきり(アメリカ人の)白人と言えるスター選手がいないので、他から連れて来ようと必死なんだろうというような話を聞いて、へーそんなもんかと思ったけど、まあそうなんだろうなあ。今のタイトル保持選手の中では、HWのFrank Mirくらいだしなあ、いわゆるアメリカ人で白人なのは。
個人的には、日系だったり黒人系だったりするブラジル人の選手がタイトル持ってるのって、ちょっとだけ何だかうれしい。
HWは今全然ドラマがないしなあ(個人的印象)。以前はWelterとか全然面白い試合がないって印象だったのに。飛び抜けて強い選手が出ると違うよなあ。
がんばれみんな。

ここから違う話。
The Ultimate Fightersという、まだ無名の選手を集めて合宿をして、その間に勝ち抜きでどんどん振り落として、いちばん最後まで残った選手と契約するという、いわゆるリアリティショーがあって、この手のRSにはウンザリしてるので、宣伝は見掛けても全然興味が湧かなかった。
たまたま断片的なものをちらっと見て、あり?意外と面白そうじゃね?と思って、あれこれ探してみたのが運の尽き。見事にハマり中。
正直、若手がどーのにはあんまり興味がなくて、現役/引退の元チャンピオンとかがコーチするという方に魅かれた。だってKen ShamrockとTitoが一緒に並ぶとか、番組中に、やらせ臭プンプンだけど殴り合いになりかけるとか、でもKenのケンカっ早さはガチなので、いやーリアルで有り得るわーとか。
もっと早く知ってれば、かのHughesとSerraのガチの嫌い合いっぷりとか見れたのになああああああ。
DVDが出てるので、うっかり買ってしまいそうでこわい。
今のところ見たいのは、1期と2期と6期かなあ。Randy CoutureとかChuck LiddellとかSerraとかHughesとか色々色々。
ってか、Chuckとかコーチとかできんの?と思ったら、これが意外とまともで、上手い選手が必ず教え方も上手いとは限らないけど、見た目がいかにもな人がコーチ向きでないというのも、これも根拠のない先入観だった。
まあ、Hughesはこの番組のせいで性格の悪さがバレてしまったという話。いやあの、試合前後の口振りでも充分じゃね?
Randyの素敵なコーチっぷりに惚れる。Nogueiraの家族大切チーム大切ないいおにーちゃんっぷりに和む。
Nogueiraは見た目がフケてるのであれなんだけど、まだ30そこそこなんだよなー。自分が教える選手には年上の人とかもいて、こういう世界は実力主義だから年齢とかは関係ないんだろうけど、そういう人もちゃんと全部まるっと懐ろに抱え込むNogueiraたんスゴス。
でまあ、このTUFで、1期と8期に、明らかにおまえアル中だろうという選手がいた。
1期はChris Leben、初日からすごい酔っ払いっぷり、容赦のない暴れっぷりに、実力はともかく人気はあったらしい。チーム内では好かれてなかったんじゃないかなと思いつつ。実力の方も、口で言うほどではない印象だけど、負けても負けても懲りずに這い上がってくる根性だけは人一倍みたいで、TUFが終わった後も、それなりの戦歴を築きつつある、らしい。
コーチであるRandyは、このChrisを合宿開始早々チームから蹴り出すチャンスがあったにも関わらず、何か感じるところがあったのか、そのまま据え置きにして、見てたこちらとしては、えええええええええええええマジですかだったんだけど、まあある意味Randyの判断は正しかったということか。
もうひとりは8期にいたJunie Browning。名前からすると、Jr.の略か何かかなこの名前。
Light Weightなので、当然体は大きくないわけで、真っ白の金髪に目ばっかりギョロっとして、全身に棘立ててるくせに怯えまくってる小動物という印象だった。
これも初日から泥酔、みんなに絡む絡む、殴り合いのケンカを始めようとする、グラスは投げつける、Chrisに比べると、絡み酒&凶暴化というので、さらにタチが悪い印象だった。
ふたりとも、酒のことでコーチとかから注意されると、「まあ、ちょっと問題かな。ちょっと飲みすぎたかな。ちょっとやりすぎたかな」と、必ずちょっと、というのがつく。ちょっとじゃねえと、内心超ツッコミ。
そしてChris同様、酔っても酔わなくても、自分が一番、自分がチャンピオン、自分が自分が自分が。黙って練習しろおまえら。
Junieは凶暴化もあるので、暴れ方がエスカレートすると、HWの連中が止めに入る。チームは違うBaderと、チームメイトのKrzysztof。このふたりに抱きかかえられたり、真摯に説き伏せられたりしてるJunieは、まるで10歳くらいの子ども。
自分と仲良しのLight Weightのチームメイトが勝ち抜き戦で負けた時は、いきなりキレてリングに飛び込むということをやらかした。なぜか止めるのは、自コーチのMirではなくて敵チームコーチのNogueira。でかい男の中に入ると、いっそう小ささというか、貧相なのが際立つだけのJunie。
まあ、この辺りや子どもっぽい容貌に、すごいコンプレックスがあるんだろうなとは、誰でも見当はつく。そのせいの泥酔や凶暴化なんだろうなあ。個人的には、典型的な、ある種の暴力の被害者の反応だなあと思ってた。
Chrisはまだ、口ほどではなくてもそれなりに戦う人だったけど、Junieはそれすらない人で、「なんで君はこの合宿に参加できたの?」と素で訊きたかった。
ってかDana、番組のためにわざわざこの子選ばせたな。全国的に恥晒しかよ・・・・気の毒に。
Junieは酒だけじゃなくて、精神的にも異常なほど不安定で、酔う→暴れる→泣く→ごめんなさいもうしませんみんなのことが大好きですサイクルを短期に繰り返す、誰が見ても、これは薬が必要なレベルだろうと。
結局、ぎりぎりで勝ち残りはしたものの、最後まで残れる可能性は全然なく、本人はカメラの前で負ける恥を晒すよりは自分で先に辞めてやるといい、コーチのMirは、好きにすれば?オレシラネ(この人はずっと常にこういう態度)、また社長のDanaが出て来て、「勝手に逃げられると思うな」と釘を刺す。
そして最後の勝ち抜き戦、ベストは尽くさない、最後までがんばらない、で、投げた負け方で終わり。リング際のMirも呆れて、もう応援の声も出さなかった。
Danaは、「Justice served」(正しいことが為された)って笑ってたけど、何と言うか、ざまーみろと思うと同時に、後味悪いアレだった。
そしてJunieがさらに、「オレは最初からここにいるべきじゃなかったんだ。時間の無駄だった。これはオレのためのスポーツじゃない。3年間も無駄にした」と後足で砂をかけまくるかけまくる。
ここまで見事な人も珍しいなほんとに。Chrisはまだ、自分が負けた時は自分が悪いって認めてたけどなあ。
このJunieと好対照なのが、同じチームのKrzysztof。ポーランド出身の選手で、放映時には30過ぎてたのかな。子どもの頃にカナダに来たとかで、英語には問題なさそうだったけど、育ち方のせいなのか年齢のせいなのか、Junieをちゃんと構ったり、みんなが飲みまくった後の後片付けを黙々とひとりでやってたり、何このお母さんキャラ?とちょっと萌えた。
しかもスキンヘッドの刺青だらけという、どこの刑務所行ってたんですか?な容貌だけに、物静かで、何か言う時は必ず「これはオレが思うってだけのことだけど」と付け加えることを忘れず、いわゆるありがちな陰口を叩くこともなく、ただひたすらストイックに練習に励む姿は、あるべきUFC選手の姿だなあと思った。
こういうKrzysztofなので、番組内の決勝で、チームメイトのタカビーくんVinnyに負けた時は、人ごとながら超悔しかったよ!
Vinnyは、階級違うけど、AndersonとかGSPたん辺りにボコボコにされて、一度自信を失ってみるべきだと思うよ。
ところでこのストイックなお母さんキャラKrzysztof、お茶目なところもあって、腹は立つけど害はないいたずらを仕掛けるのが大好き。しかも手間の掛かる、誰得ないたずらが多いところが何か・・・萌える。

引き続きTUFを見たいかどうかはともかく、たまたま見た分は面白かった。ぜひぜひSerraとHughesがコーチした分が見たい。
合宿中にあるドラマそのものには興味ないけど、ああやって、プロになりたいと思う人に機会が与えられるのはいいことだと思う。

次の次の100は、またGSPたんが出るよ! 楽しみだよ! HughesをボッコボコにしたThiago Alves相手だ! 計量失敗してHughesとやり合ったということなので、その辺り含めて、GSPたんに指導してもらうといい。
関係ないけど、ShamrockのKenとFrankって、養子同士で血の繋がらない兄弟なんだと初めて知った。道理で仲悪いわけだ。いや実の兄弟でも仲悪い人はたくさんいるけど、あの、冷え冷えとした感じはなんだろうなあと、ずっと思ってたので勝手に納得。



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