毒を撒き散らすそこにいる息を潜めてそこにいるただそこにいる
迷子になった路地裏の奥立ちすくむ泣きわめく
誰もいない助けは来ない永遠に取り残された闇の中
息苦しく時間を数えるこれまだ費やしてきた時間の残骸
これから費やす無意味な時のただ虚ろな流れ
捨て猫は世界を見上げ拾われることに一縷の望みをかけている死ぬことが不可能な時
生きることは苦痛に満ちる苦痛は魂を殺す抜け殻の体は呼吸を続ける
生き続けることの無意味死ぬことの無駄迷子は立ち尽くす何処にも行けず誰も呼べず無力な自分を思い知る
----その凄まじい無能さ加減
助けを呼ぶ助けは来ない気の毒そうな視線の渦溺れてゆくあきらめとともに
喉がかれ声をつぶし残るのは抜け殻の体
さまよい出た息は苦痛を拒み浮遊する空の上でもう少しましな生を願う
空の体ゆるやかに死んでゆく殺されてゆく
孤独はいつも最上の友影のようにそこにあるいつもある
孤独に殺されてゆくゆるゆると死んでゆく
呼吸を停めてゆこうもう毒を撒き散らさないように
生まれたことを嘆く生き続けることを悔やむ
長引く苦痛怯えと慟哭
否定まみれの人生にはもう飽きている
腐り落ちる内臓と溶けてゆく皮膚と肉
残された骨が涙を流す孤独に蝕まれてゆく
破壊された人生修理不能の時計仕掛けのオレンジ
苦しみとともに歩んでゆく13段の階段に向かって
伸び続ける髪過ごした時間精神(こころ)が死んでゆく時間
骨細い手首の傷流れ出る血は望まない生の証し
殺すことのできない肉体のかけら
生き続け呼吸を続ける抜け殻の体
死ぬことを望む子宮に戻ることを望む殺されることを望む
死ねるという悪夢だけが生きることの糧
空っぽの体死んだままの精神(こころ)
夜に怯えながら眠りにつき目覚めとともに死ぬことを願う
目覚めのない朝死を運んでくる眠りの中で
悪夢に満ちた闇の背後の微かな先を眺めている