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2017年

4月までの短文s

ひとり持ち帰るキャリーの空ろの重さ。(2/4)

水に紛れても塩辛い涙。(2/4)

外した首輪の鈴が、手の中でちりちりと鳴る。(2/4)

青い空に白い雲をゆるく走らせる春の風が坊主頭にまだしみる、そろそろ2月の末に掛かる、ある日の午後。(2月のいつか)

まだ春は少し遠い夜風が、坊主頭と指先にしみる。(2月のいつか)

名残りの雪の上、サンダルでしゃくしゃく歩く。(3/18)

新品のウォークマンに1985年のアルバムを入れて、聞きながら帰る、2017年の春の道。(4/12)

寒さに縮めた首にマフラーを巻き直す、4月のいちばん最後の日。(4/30)

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