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髪にしようか目にしようか、嗚呼、君の遺品が貰えるならどの部位がいいだろう?
あなたって本当綺麗なのね。死蝋にして部屋に飾っておきたいくらい。
もう他に手段がないような気がするんだ。だからほら、俺の為に、
大人しく所有物面してたら、もう少しくらいは可愛がってあげるのにね。
君がいなくなったその刹那、麻痺していた感情が一度だけ黄泉返った。

愛しい姫君。君を恋わなかった日が、一日たりともあろうものか。
この世界がもっと素敵に完成したら、僕のものになってくれるだろうね?
「お願いやめて、あたしのために争わないで!」「煩ェ少し黙ってろ!!」
君は何て可愛らしいんだろう! その屈辱に塗れた表情が愛おしくて仕方ないよ!
もしあなたが覚えていたら、そのときは続きを教えてあげる。

ごめんねかあさん、せめてすぐにらくにしてあげるから。
ゆるしてくださいゆるしてください。僕には他に選択肢がなかったんだ。
約束して。もうひとりにならないで、苦しまないで、馬鹿にしないで。あたしがいるでしょ。
死んだって構いやしないわ。少しばかりアンタが悼んでくれるならね。
俺がいなければ、なんてアンタは云うけど。いるんだから仕方ないじゃん。

けたたましく笑い声を立てる狂人に、安らぎすら覚えた夜。
僕の存在がどれだけあなたを傷つけただろう。あぁ、それこそが理想的だが。
謝る代わりに憎しみを、この胸の中に募らせてみたりした。
空を覆う大地を覆う、花に埋もれて 眠れ。
願わくば、時なんて意味がなくなるくらいに。僕達に幸福をください。

受け入れられなくても届かなくてもいい。貴方の縁に、触れられるなら。
引き摺り上げて抱きしめて、もう大丈夫だなんて囁いてほしいの?
醜く無様に縋ってこいよ! そうしたら、心底愛し抜いてやるってのに!
反転すれば気持ちが変わるなんて、そんな簡単な理屈は信じません。
あの人を返してなんて云わないわ。代わりにあなたが消えて頂戴。

聞いてあげないんじゃないわ。云わせてあげないの。でも、訊いてみるのが厭がらせ。
置いてかないでと泣いたように。君の哀しげな声が響いた。
出逢ったときから奪われたこの心を、どうか受け取ってくださいませ。
君の中から僕がいなくなることで君が幸せになれても、その逆は無理なんだ。
その髪の一房だけでもいいんです。どうか僕にくださいませんか。

あなたの視界の向こう側に、私はきちんと映れているの?
僕にさようならを云う権利を、あなたは与えてくれますか?
当たり前のことで悩むのね。好きだなんて、当然でしょうに。
羨望すればいいよ、僕たちの幸せは君たちには訪れない。
もしも万が一奇跡が起こって僕が君を愛することの出来る確立はどれくらい?

彼が泣けないって云うのに、どうして私が泣けると云うの?
いつもいつだって見えるところにいてくれないと厭! そうでしょ?
君の心を支配してみせようか。きっと簡単だろうから。
追いかけても意味がないって、知っていたから諦めたの。
君のためなら俺は奇跡だって起こせるんだ。だってそれが愛だろう?

私は貴方の剣です。だから盾にはなれません。
もしも目覚めて一番に目に入るのが君の顔じゃなかったらどうしよう。
さようならなんて陳腐な言葉じゃなくて、もっともっと、悲哀的な言葉で名残惜しんで。
いつもいつだって君のことばかり気にしているからさ、馬鹿になりそうだよ。
この美しさを得る為に手折った君に語りかけるなど、詮無いことと知っているけど。

籠の中で身動ぎせずに、大人しくなんてしてられない。
彼らは何て自己中心的なんだろう。自分ばかりが世界だと思って。
綺麗にお化粧しましょうね。旅立ちの前に。
君から溶け出した限りないブルーで世界中が染め上がればいい。
青空の向こう側まで。そうしたら、僕らは永遠になれるだろうね。

bacK