奇跡なんて起こらないって云ったじゃない云ったじゃないねえどうして、
苦しいくらいにあなたが好きよ。苦しめるくらいに愛されてるから。
嗚呼何なの? アンタはあたしを助けてくれるって、そう云うの?
アイツばかりをいつまでも見ているお前が、どうしても愛おしい。
多分僕は色々なものを切り捨てて君だけを選んで逃げようとしているんだ。
だっていつかは消えてしまうんでしょう。私より先にいってしまうんでしょう。
愛していると云えないのなら、どうして君に想いを伝えられるだろう。
愛の逃避行は全速力で、走って駆けて逃げ切ろう!
見惚れたわけではないのですが目を奪われたと云うのならその通りでして。
そんな狡いことを云わないでください。泣くことしかできなくなってしまう。
戸惑うくらいなら初めから素直に受け入れればいいんだよ。
一笑に付してしまえば気が紛れるだろうといびつに微笑む君の弱さ。
闇に閉ざされた時間の中でなら、少しくらい背伸びをしたっていいでしょう?
ひらひらと散ったわたしの想いはあなたに降り積もって、消えた。
その背中を追いかけて追い縋って抱きついて何か云えれば良かったのに。
目を閉じていても君が見えるならいいのにな。そしたら、寂しくないのに。
伸ばした手がいつかは届かぬ距離にまで、あなたは行ってしまうのでしょうか。
笑いたければお好きになさい。私は何も悔やんでなんていないんだから。
君は何処までも僕の予想を裏切ってくれるね。そんなところが嫌いじゃないよ。
世界の軸をずらしてご覧。きっと、有り得ないものが見えるだろうよ。
この身を投じて叶うのならば、せめて終わりのときまでを。
曇天が重く僕の背中にのし掛かってくるものだから、人知れず涙を流して。
きっと、きっとよ。あなたはわたしの元へと還るんだわ。約束よ、約束よ。
あなただけが全てでした。わたしの世界の限りでした。
君以上に大切な人になんて、きっともう出逢えないよ。
こんな奴とは絶対に好きあえないと思ってたのに。
嗚呼、わたしはこんなにも、愛されていたの、ね?
世界が、ぐりりと、捩れて、揺れて、千切れて、消えた。
誰があなたの為になんか泣いてやるもんですか。
届かない気持ち、届かない距離。誰より傍にいたのにね。
君との証しが欲しかったんだ。君が、僕を愛してくれた、証明が。
この口づけで私を満たして。あなたのために私を生かして。
寄せ集めた欠片ばかりで構成された僕と云う存在。
触らないで触らないで触らないで! あなたにあげるものなんて何にもない!
きっとあなたは、僕の中のあの人を愛していたんだね。
遠すぎたあなたを、近くに思い込んでしまったの。あたしが馬鹿なだけなのね。
夕焼け空に消えていった、お前の声が思い出せなくなりそうで。
少しくらいの遊び心は大切よ? やりすぎたら、そりゃあ大変だろうけど。
キャンディみたいに甘ったるい、可愛いキスを降らせてあげる。
呼び方を知らないの。何て呼んだらいいのかしら?
身勝手な感情に振り回されて、あぁけれど、私は幸せだったのです。
だって別にそれは俺にだけ投げかけられる特別じゃあないだろうに。
くるくると回るのは世界と僕と君との不快な高低差。
相容れないと云うよりは、もういっそすれ違い続けるしかないのだよ。
そんないつかが訪れるだなんて、本当は思ってもみなかったんだ。
さようならさようならさようなら、出逢ってしまったのだから、云うしかないの。
私の器を満たした赤を、どうぞ啜り尽くしてくださいな。
もういっそ、あなたばかりに引き裂かれてしまえたら、それでいいんじゃないかしら。
いつかのあなたに恋をして、いつかのあなたを嫌悪した。
どうかもう一度、あなただけを愛することが出来ますように。