深く深く貴方を愛した。その罪さえも愛してしまった。
泣きじゃくってただ求めた。安堵をください。
陰惨な夢の中、幸せそうに幸せそうに、君は微笑む。
君なしで生きるこの世界は、何処か優しすぎて、酷すぎるんだ。
君を忘れ去られたら、幸せになれるかな。ううん、無理だって知ってたよ。
ふやけてひしゃげて毀れ落ちそうな脳髄を一掬い。お味は如何?
ぐちゃりぐちゃりと磨り潰した指先でもう誰にも触れさせない。
交差した道の上で手を振った。こんにちは、さようなら、ありがとう。
僕は君を信じていたんだ。ずっとずっと、待ち焦がれた。
泣きながら君は何を見たの。それは優しい世界でしたか。
恋をしたけど、愛せなかった。愛したから、恋なんて出来なかった。
こんな記憶が永遠に続くだなんて、悲惨にも程があるわ!
君がずっと僕を愛してくれるのか、他に確かめようがなかったんだ。
何も知らなかったのよ。だからこれは、ただの押し付けで勘違い。
君がどんなに大切かを知った。その頃には、君は何処かで幸せに。
地に伏して、願え、願え。神様、どうぞ僕をつまらない人間にしてください。
ばら撒き尽くした僕の想いは、一片ですら君の眼に映ることもなく。
ザクザク切り裂いて新しく縫い付けて。ツギハギだらけで嘘まみれの感情。
噛み付いて切り裂いて熱く甘い血潮に濡れて、愛してるだなんて嘯いて。
素直に貴女を愛せなかった。向き合う術など知らなかった。
不規則に巡る空を辿ったら、ちっぽけな僕は終わってしまう。
愛おしいから。貴方がダメになるのを待っています。
僕の不幸せが君の幸福なら、喜んでこの身を差し出すよ。あぁ、矛盾しているね。
どうして君が幸せになれないのに僕が笑う必要があるの?
貴方は最後にとっておいてあげる。誰より惨めに潰してあげる。
いつか離れてしまうなら、どうして出会わないって選択肢を選ばせてくれないの。
優しく騙されるよりも酷く傷つけられた方が嬉しい時だってあるのよ。
愛を喰らって幸福を嘯いた。幸せなんて嘘。貴方なんて嘘。
嘘吐きと罵って、僕の為になど泣かないで。嬉しいんだ、嘘だけど。哀しいんだ、嘘だけど。
疲れたよって呟いたら、誰かが休ませてくれるの? 甘えるなよ。
君が二度と僕を振り返らなくても。この気持ちは、変えられないんだ。
例えこれが別れだとしても、僕は君を置いて世界を救う旅に出る。
好きだったからって、その過去が今の私に何を与えてくれるの?
僕はまた悔いるように、水面を覗き。ぼちゃりと落ちる。
君が空に帰ってしまったあの時に、僕の心も持って行ってしまったんだね。
君のことが好きだった。それだけで充分すぎる程に充分だった。
何もかもが全部全部嘘で虚構であったなら、真実なんて言葉は要らないよね?
もう一度昨日がやってきたら、今度はうまく云えるのかな。
頭の中ではこんなにも能弁なのに、君を前にすると「スキ」の2文字すら云えない。
腐り落ちた感情論で、君は僕にどんな罰を与えてくれるの。
致死量にも満たない愛の言葉で私を酔わせるおつもりかしら?
君の鮮やかさが目に痛いから、僕はいつだって視界を閉ざす。
僕は空虚だ。だからどうか、君と云う存在で満たしてくれ。
月に向かって背伸びして、届かないねと笑った懐かしい夜。
甘やかな声で君は歌った。かなしい、むなしい、恋の音色。
奪われた。心を刮ぎ取って、貴方を塗り固めてあげましょう。
世界規模なんて云わないからさ、せめて目の前の君を救いたいんだ。
そんなこと云わないで、云わせないで、厭だ、サヨナラ。なんて、
伸ばした腕も、叫んだ言葉も届かない。だって君は、もういない。
艶やかで、鮮やかで、狂おしい。花の香に酔わされて、僕は哀しい夢に惑う。