251−300

朝日の音色を聞く前に、君の瞳が閉ざされてしまわないことを願っているよ。
星空にワルツを乞うて、何億光年踊りましょう。
ラベンダー色の憧憬は、夢にまで見た刹那の空。
あなたになら作り替えられても構わないって、ずっとずっと思っていたの。
嫁ぐ準備は出来ております。アナタを見知ったその日から。

ハモニカを吹いた。掠れた音に下手くそって、やっとアナタが笑ってくれた。
それでも僕は人になれない君のこと、愛おしく感じていたんだよ。
お巫山戯だわね。そんなちんけな拳ひとつで、あたしのことを守るつもり?
愛し君へ。薔薇と一緒に囁くなんて、貴方じゃなけりゃ許されない。
甘ったるい声して呼んだなら、君をとろけさせたげる。

少しの間を優しく包んで。どうせ儚く終わるから。
桃色空に投げ込んだ、僕らの希望はいつ失せた?
指先で掘り返した地面の奥に、何かを忘れた気がしていて。
僕がいなかったら貴方は幸せで在れたでしょう? いいえ、答えてなんてくれないで。
時計塔で待ってます。あの日の出逢いを、再び刻む鐘の音を。

どんなに高価な宝石よりも、綺麗な君の硝子の瞳。
白いマニキュア乾かしながら、君への時間を指折り数えた。
体感温度で溶けてゆく。皮膚を滑った薄氷。
疼いた傷を舐めとるように、連ねた言葉は軋んで途切れる。
あなたが願うなら開きましょう。世界へ通じる心の扉。

夢を描いたキャンバスは、最初の色を見喪い。
浸した指から広がる波紋。心の海をそっと揺らして。
高らかに宣言しよう。この世界など必要ないと。
深い森の奥にはね、見てはいけないお伽話の秘密があるの。
いつかを思って泣く君の、今を願って僕も泣いた。

少しだけ、君が笑ってくれたなら。僕は救われるように思えたんだ。
君を誰にも奪われないよう、僕と云う籠の中に閉じ込めてしまえ。
ねぇ、あの子を知りませんか。名前も知らないあの子です。
月が喰われて消えたなら。星の灯りで君を愛そう。
恋をしたら無敵だなんて、いつの時代の強者が決めた?

違います。私はただの少女です。
ご期待に添えなくてごめんなさい。だって、あなたの役に立ちたくなくて。
僕にとっての唯一が君ならば、君にとっての答えもまたそうでないとならないはずだ。
何で生まれてきたんだろうね。君に会う為なら、よかったのにな。
初めて、だったんだ。泣きたくなるくらい、優しくされたの。

糸繰り人形繋がれた。蝋燭の先に繋がれた。
壊してくれればよかったのよ! 貴方へ残した未練なんて、真っ二つに。
アンタが幸せを願うなら、あたしの分まで祈っておいて。
耳元でノイズ。君の声ばかりが聴こえない。
手鞠唄を繰り返し、小さなあの頃歌ってた。てんてんてまり、てんてまり。

毒にしか成り得ない。この有害な思いの行く末は。
白い翼を広げましょう。ほら、天使みたいだよ。
いなくなってからじゃないと気づけないのね。こんなにアンタが大切だって。
笑わせる。この程度で出し抜けるほどに生ぬるい訳がない。
ばれないように井戸に落とした。さようなら、おやすみなさい?

笑い声が聞こえてくるの。眠っちゃダメって毎晩毎夜。くすくすと。
噛み砕いた、憎しみごと。飲み下した、悲しみごと。
どれだけ手を伸ばしても届かないのは星だけじゃないだろうに。早く気づけよ。
そんなあなたが好きなのよ。 ――なんて云ったら、落ちてくれる?
忘れてください。僕は今から、君の全てを裏切ります。

bacK