本当は抜け出したかった。この、絶対世界から。
君さえいなけりゃって、考えたことくらいあるよ。それこそバカみたいにね。
誰よりも君のこと、壊してやりたいと思ってたんだ。
お前だっていつか俺を見捨てるに決まってるさ。だから優しくしないでくれ。
君が大切すぎたから。何処にも行かないようにしたかった。
お前に云わなきゃいけないこと、ひとつも云えないままだったな。
この世に色さえなかったら、モノクロさえもなかったら。
お母さん、泣くくらいなら産んでなどくれなくてよかったんです。
他に誰もいなかったから、お前を愛しただけなんだ。
全てを守ることなど出来ないから、何もかもを残らず捨てた。
誰よりも何よりも、お前だけが愛おしいから傷つけた。
私はきっと、壊れることでしか愛を体現出来ないのよ。
お前の望みを俺が叶えてやっただけなのさ。結局はお前の一人勝ち。
だって怖いでしょう? 残らず消してしまわないと。
雨が降れば笑えるの。赤い赤い、雨がいいわ。
俺はお前に、なくした面影を重ねていたんだな。
何も知らないから無邪気だなんて、あなた方の幻想じゃあないですか。
笑顔の下にひた隠す。誰も知らない、そう、自分さえ。
放棄すればそれで終われるなんて思ったら大間違いよ。逃がさないから。
教えてあげるよ。嘘だって、ねじ曲げちゃえば真実になることを。
愛おしさを押しつけてねじ伏せて、ほら、愛していると云ってご覧。
限りなく自己満足でも構わない。俺は貴方を守りたい。
痛みなんて忘れました。悼みなんて知りませんでした。
言葉を無くして、思いを失して、後は何を喪えば楽になれますか。
ある日突然、世界は凶悪に剥かれた牙を突き立てた。
灼熱色が空に溶けた。まるで闇を誘うように。
夕陽に向かって叫びましょう。嗚呼素晴らしきこのセカイ。
向日葵のように笑う君は、僕の薄暗い心には眩しすぎるよ。
淡い若葉の真下でね。君にそっと告白します。
緑雨が幾度も降り注ぎ。けれど僕は未だ救われず。
空が憎らしくて仕方なかった。貴方を虜にした空が。
探してきたよ。見てご覧、これが僕らの幸せだ。
深い海の中にまで、届いた光はやさしすぎて。
薄く包んだ朝焼け色で、君の涙が滲まぬようにと。
君が笑ってくれるなら、僕もまだ笑っていられるよ。ずっと。
そんなこと云ってたら、本当に攫うよ? なんて、冗談でも云えない。
貴女の歩く横顔を、隣で見られる贅沢な日。少しくらい、もう少しくらい。
嘆いたところで意味などはないと知っています。
縋るように依存するそれは惰性にも似たエンドレスループ。
余りにも弱々しい、儚い一面の偶像。
いつか全てを忘れたとしても。
ありがとう。貴方に出会えたことが、私の全て。
涙を杯に、心を剣に、愛だけを君に。
明けてくれるな永き夜。夢の中まで永遠に。
晴れ渡った空だから。あなたは、そこにいるはずなのに。
新しい、時を刻む。またひとつ、罪を犯す。
シズクは地に落ち、また流れるときを待つ。
縛り付けるくらいに、繋いでいてね。せめて、この器が果てるまで。
わずかな熱に、壊れそうな白い自我を抱き。
鳴り響く警報機にあなたの声が消え て ゆ く ・ ・ ・