401−450

白日の眩暈と黒色の憂い。
軋み続ける痛みを孕んでいつかの月へと孵しましょう。
嘘を吐くな。君の世界に僕なんて、必要ないくせに。
禁断の果実を噛み砕いて。甘い蜜の口移しで窒息心中。
漆黒の世界に雪は降るか ?

幾重にも呟いて手に入るなら云いましょう愛しています。
降り注ぐのはいっそ憎悪にも似た、
泣き叫ぶように云った愛してると、笑いながら告げたさよならは。
君の為なら苦しくないよ。だって、好きだから。
貴方の中に欠片でもいいから私が残ればいいだなんて。

この身体が焼け落ちて灰になったら、貴方へと空気感染できますように。
渦を巻いたのは不可視の感情。君にだけは見せられない。
いつか君に出会えたら。僕は救われるのだと信じて、た。
ねぇどうして? ずっと一緒にいたはずなのに、気がつけば一人きり。
引きずり込んだ闇に溺れる。お前よりも、深く。

白いばかりの世界に君はいた。余りにも当然として、超然と。
喩えば私が消えることで。貴方の中に永遠に残れるのだとした、ら?
見上げた貴女の眩しさは、まるで太陽の花でした。
僕は君なんかの為に生まれてきたわけじゃないよ。
つまらない幻想に取り憑かれて、生きながらに朽ちればいいさ。

嘘だろう。こんなにも君のこと、愛おしむつもりなんてなかったのに。
僕と君とで紡ぐのはロマンスレスな恋模様。
そんな君だから? いや違う、どんな君でも好きなのさ。
君の心をすくいあげるほどの采配は、きっと僕には未だなくて。
俺にはお前がいないとダメだなんて、お前は知らなくてもいいよ。

何時かは別れの時が来る。知っているけど、知らないでいたい。
恋してるも愛してるも、言葉に出来るワケないだろう。
可愛げないのに気になるのは、要するにそういうことなんだろうか。
あなたがあたしの王子様? 一体誰が決めたのかしら。
お前が俺を必要としなくなっても。欲してしまいそうで、狂ってしまいそうで。

青い空に嘲りを啼いて。紅い空に蔑みを叫べ。鳥のように、戦慄いて。
体が震えて立っていられないんです。だから貴方に縫いつけてください。
この雨は。空が重たく落ちてくる代わりに、流し続ける涙の洪水。
無償の優しさ。それはいっそ、無情の残酷さにも似ているから。
あぁどうして忘れていたんだろう。初めから、全ては貴方の腕の中。

教えてください。僕らが信じるべき《それ》の在処を。
貴女と共にいられるのなら時間なんてものは永久に止まってしまえばいいのです。
アナタへの思いを全て云い訳にすれば救われる? 巫山戯るな。
傷ついた君に更に上書くように傷をつければ、僕が支配できるんだろうか。
そうして時は巡り続けて。俺はまた、お前の姿を見失う。

貴方を屠るのはこの私でなくてはならないのです。耐える為に、絶える為に。
お前の存在は確実に、俺の世界の色を変える。
素直に有難うなんて云えなくて、代わりに馬鹿と呟いて。
何処かで貴女を騙していると、知っていたのに。わかっていたのに。
なら、手が届いたら抱き寄せてくれたっていうの? 間に合った、ら?

君の肌を涙の雨で濡らし続けた。いつか目を開けてくれると信じて。
貴方を愛しています。えぇそれは、確かに不変の事実です。
僕が貴方の翼になります。笑って、笑って、君は呟く。
僕がおかしいのは元からですが、貴方の前だと一層にずれてしまうんです。
云えばお前を救えたのかと悔やむことすら、最初から決まってた。

bacK