どうかどうか、私を呼んで。ずっと呼んで。必ず返事をするからね。
空から注ぐ雨粒が、大地と僕とを繋げてくれればいい。いつまでも、ずっと。
無邪気な子供は残酷に笑う。残酷さも知らずに、けらけらと。
天使さえ君の髪を飾る彩りに過ぎないよ。美しすぎる、愛し君よ。
指先に滑らかな蜜をつけて。唇から舌へ、ほら、溶かしてくれ。
君が余りに健気に僕を慕ってくれるから。甘えてしまうんだ。
さようならと笑った声が離れないよ。別れなのに。別れたのに。
珍しいくらいに嬉しそうな顔をするから、恥ずかしくて俯いた(けれど、
終焉が怖いのは、何もかもなくなってしまうから。いなくなるのは自分なのに。
言葉が貴方を抉るなら、要らないね。唇ごと縫いつけてしまおうか。
手のひらからすり抜けてしまうんだ。君は余りにも遠すぎるよ。
私をずたずたに引き裂けばいい。その感情が愛だと云うなら。
幾重にも重ねた嘘が綻びたら、俺は君を騙したことになるんだろうか。
君が限りなく僕と云う個人に縛られてくれればいいのにな。
笑えるわけがないじゃない、だって泣きたいんだから。泣けないんだから。
その時の僕にとって、貴女がどんな存在であったのかがわからないんだ。
そっと触れた唇の温度に体が凍る。動けない、動かない。愛しすぎて。
それでもわかっていたのは、あなたじゃなければならなかったという、事実だけ。
全てが崩壊して世界が荒廃しようとも、貴方がいればそれで充分事足りる。
生まれてきてくれて出会ってくれて愛してくれて、ありがとう。
抱きしめて離さないから溶けてかないで消えないで。一人は嫌。
僕がいなくなったら君はせめて、いつかは笑うと約束してください。
貴女が望むなら差し出しましょう。貴女が厭うなら投げ出しましょう。
ねぇ耳元で囁いて。限りなく無尽蔵な愛の言葉を。
記憶の片隅に残るのは、笑顔と泣き顔、そうして嬉しげに名を呼ぶ声。
微睡みのように訪れる、それは甘い甘い羊水の響き。
ゆるやかに壊してください。気づかないように、気づけないように。
貴方はいつか、私の元から消えてしまうの。知ってるわ。
この背中に羽があったら、毟ってしまおう。ずっと傍にいる為にね。
お前が俺を手放す時は、ちゃんと破片も壊して行けよ。心すら残さないで。
大嫌いだったの。それくらい、大好きだったの。
貴方に会わなければ私はこんなにおかしくならなかったのよねぇそれすらも勘違い?
アンタが死んでしまったら、あたしがアンタを産んであげるわ。
空が泣いたね。僕達が余りにも悲惨極まりなく愛し合っているからだね。
海の底に沈んだ姫君の涙は、キラキラと光る真珠になりました。
雪が降るのは、こんなにも莫迦らしい世界を覆い尽くそうと躍起になっているからだよ。
太陽に手を伸ばしたら、燃え尽きちゃいそう。眩しくて、目映くて。
はぐれてしまった帚星。まるであの頃のアナタみたいね。
私が欲しいって云うなら証明してよ。気紛れじゃないって教えて頂戴。
ごめんなさいどうしても忘れられないのだってだってだって、
締めつけて、ゆるゆるとその白い指先で。最期まで。離さないで。
そんなに簡単に世界は回らない。こんな手じゃ回せない。
跪け、全てを統べる祖が為に。
耳を澄ますから。君の元へ連れて行って。
儚くも美しい君。手の届かない空のアナタ。
数年越しの真実。久しくも初めまして。
ぢつと見つめて。密着するほどに。その生を。
好きも嫌いも何もかも越えて守るから。泣かないでいいよ?
心音のともする時に。見えず消え逝く、それでも募る。
旋律に敷かれた鼓動。不規則に揺れ動き、はらりはらり。