君に出逢えたことが奇跡だと云うのなら、それは必然と呼ばれるんだよ。
望んだのは彼だから、私は汲んであげるだけ。きっと喜んでくれるんだもの。
貴方が僕にも願ってくれるなら、何だって叶えてあげる。だってそれが、幸福。
つられて返した言葉の端切れに、本音が紛れてしまったの。気づかないで。
僕が欲しかったのは、唯一の君が幸せで在ってくれると云う、事実だけ。
彼も彼女も自分も嫌い。要するに、総合的な同族嫌悪で御座います。
君が僕の所為で傷ついて苦しむなら、こんなに素敵なことはないね。
例えこの気持ちが本当だろうと嘘だろうと、真実として伝えないから関係ない。
君が重すぎるんじゃない、俺が圧迫しすぎてるんだ。だから、ごめんね。
貴方は嘘ばかりを並べ立てるくせに、如何して好きだなんて本音を云うの。
しらなかったでしょう? あなたはもう、わたしのいとのなかだって。
私は貴方の所有物。いつの間にそんな風に決まったの?
泣き出しそうな声をして、言葉にしたのは。子供染みた祈りだけど。
――ねぇ、そうでしょう? この腕に抱きしめられる、君だけで充分だ。
会わなきゃ良かった、初めから。そしたらこんなに辛い別れなんて、ないの、に。
永遠に恋をし続けるなら、君にがいいな。君とが、いいな。
今も遠い空の下、君と繋がっているの。嗚呼、馬鹿な気休めだこと。
貴方の涙を、一滴でいいの。どうか私に与えてください。
貴方がいると苦しくて、貴方がいないと苦しくて。ねぇ、どうすればいいのよ?
愛を檻に幽閉してください。貴方の愛が、私だけに向くように。
永遠に幻を追い求めたい。それを恋と呼ぶのなら、囚われたい。
空は嫌いだから、外なんて見えなくてもいいの。君がいれば充分。
私の中にあなたがいてくれたらいいのに。今更、そんなこと思えないけど。
記憶の中の貴方の声が、目の前にいる君に重なる。あぁ、愛おしい。
それでも僕は繰り返し君を呼び、愚かしくも返事を期待し続ける。
君に嘘を告げるくらいなら言葉そのものを喪ってしまった方がまだマシだ。
正義の味方なんて、そもそもいないのだと諦めることが大切です。
僕は君の為なら何処までも壊れてあげられる。君と一緒になる為なら。
君が私の中に溶けていってくれるなら、きっとそれでも構わないね。
きしりと軋んだアナタへの恋心。ずしりと重たくのし掛かり。
吐き出した息は妙に暑苦しくて、あぁ僕はきっと泣きたいのだと夢想した。
白い世界にぽつりとひとつ。染みを作って。
無理をして変わろうとするんじゃなくて、僕は僕に出来ることを。
君にとって僕が不必要であるのなら、喜んでそれを受け入れよう。
可愛すぎる君が悪いのよ。食べちゃいたいくらいに愛らしいんだから。
ぴりりと、透明な空気が揺れた。皹が入ってしまいそうに、強く。
眠りに落ちる暇は惜しいので、少し話をしませんか。ねぇ。
だって初めから決まっていたじゃない。私は貴方としか居られないって。
絶えず浸食されてゆく。君が喋る度、君が笑う度。
引き寄せられるほどに強くなくてもいいから、君と繋がっていたいんだ。
軽やかに抱き上げて軽やかに微笑んで。いつだって楽しげにするのね。
目を細めて空を見た。見えない筈の太陽が、笑った気がした。
知ってたかい。僕が君に何一つとして真実を伝えてなんかいないって。
素直に云った所で伝わる確証もないなら黙り込んでしまった方が、幾分も。
刻みつけて忘れられないくらいに嗚呼でもいつかは癒えてしまうね。
目覚めれば全てを忘れていられることは、きっと幸福の内の絶望です。
貴方がそうまでして私を欲してくれたと云うのならそれを証明して見せてよ。
そうして僕は囚われた。貴方と云う限りある世界に、出逢ってしまったが故に。
君は初めで終わりの人。僕を見届けてくれるのは、君だけでいい。
わかっているワケがないんだ。推し量れるワケもないんだ。