牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
164:ドリンクの話。10/102010/02/19(金) 00:03:29 ID:4I45nBxr0AAS
460 名前:ドリンクの話。 10/10:2010/02/15(月) 20:55:24 ID:MQKucs5q0
「……違うわ、マイスくん」

「えっ?」
「私、ちゃんと気づいてた。あれがどんな薬か、何の為の物か……。
 好きな人が、マイスくんにもちゃんといるんだ、って。
 それと一緒に――これを誰に飲ませるんだろう、って思っちゃった」
「……」
「エルフだから、長寿だからって、人やモンスターに恋をしない訳じゃない。
 私……、『これを飲めばもしかしたら、マイスくんが好きな子よりも、先に―――』
 ……そう思って、それで私は、あれを飲んじゃったの……」
「ダリアさん……」

「私……怖かった。大好きな、マイスくんが、他の子と一緒になっちゃうのが。
 そんな後悔を残したまま、長すぎる人生を過ごすことが。
 それが、マイスくんの心を裏切るような、酷いことだったと、してもっ……。
 わたし……ひ、ひきょうよ、ね……うぅっ、あぁっ……うわぁぁん……! 
 あぁぁっ、まひふくん……ごめ、んね、ぐすっ、ぐすっ……ゆる、してぇ……」

言葉が途切れ途切れになっていき、僕の胸の中で、ダリアさんは声を上げて泣き始めた。
突然子供のように、素直で無垢になるダリアさんを、僕は何度か見た。
でも……こんなに素直に気持ちを打ち明けてくれたのは、初めてだった。
嬉しさと愛しさが交じり合い、僕の体は勝手に動いて、ダリアさんを抱き締めていた。
そして、ダリアさんの耳元で囁く。

「……ダリアさん。今度は、薬が無くても……素直になってくれますか?」
「えっ……、まひすくん、それ、って……ぐすっ……」
「僕も卑怯です。ダリアさんに、素直になって欲しかったから、
 だから……こんな物に頼ろうとしてしまったんです……。
 ……許してください」
「まいす……くん、ほんとに、いいの……?」

「僕は……その。ダリアさんが……ダリアが……好きだから……」
「マイスくん……あり、ありがと……うぅっ……うわあぁぁん……!」

ダリアさんは泣きながら、僕を抱き返してくる。
僕達はその一日、ベッドの中でお互いの温もりを確かめ合っていた。
やがて来る別れの前に、互いの温もりを覚えておこうとするように。


―終―


461 名前: ◆ecegNbNqok :2010/02/15(月) 21:01:27 ID:MQKucs5q0
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どうも、お粗末さまでした。欲望の赴くままに書いていった結果は、
やっぱりベタベタです、本当にありがとうご(ry
応用が利くのが唯一の救いなネタなので、他のキャラでも書こうかなぁと思う次第でございます。
それでは時間を割いて読んでくださった方々、ありがとうございます。


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