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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
176:氷原に咲く花(1)6/72010/04/11(日) 13:57:12 ID:wMZw0/yY0AAS
92 名前:氷原に咲く花(1) 6/7:2009/12/22(火) 22:50:15 ID:xnK8FvEo
次に目を覚ましたのはどこかの部屋だった。ここは確か…
「……大樹の…家?」
何となくつぶやく。その声に反応したのだろうか、誰かが駆け寄ってくる。
「ソフィアさん、目を覚ましたんですね。よかった…」
そう言って胸をなで下ろすマイスはとても疲れているように見えた。
「私……」
体を起こそうとしても動かなかった。それに、なんだかとても寒かった。
「氷原に倒れていたんですよ。ほんと見つけられて良かったですよ。」
…ああ、わたしはあのまま眠ってしまったのか。
そんなことを思っているとマグカップを差し出された。
「…あの、こんなものしか出せなくてすみませんが…」
マイスが申し訳なさそうな顔で言う。別にそんなこと気にしなくても良いのに。
そう思いつつ、マグカップを受け取ってゆっくり飲む。
「…おいしい」
体の隅々まで暖かさが広がる。ただのホットミルクなのに、とても美味しく感じられた。
「…すみません」
何故か彼の表情がさらに暗くなる。そういえば…
「…ううん、そうじゃなくて……ほんとうにおいしかったの」
反対の言葉が出なかった……出したくなかった。
「……あの…ごめんなさいっ」
不意にマイスが謝ってきた。
「……え?」
どうして彼が謝るのか分からなかった、迷惑掛けたのは私なのに。
「僕が失礼なことを言ってしまって……」
「…ううん、謝らなくちゃいけないのは私だから…」
「……良かったです。ソフィアさんを傷つけてしまったんじゃないかなと心配で…」
…ああ、そうか。
何となく分かった気がした、さっきの自分の問いかけが。
心が温かくなってくる気がする。何かで満たされていくような、そんな感じ。
バタリッ
大きな音がしてはっとすると、マイスが倒れてしまっていた。
それになんか激しく咳き込んでいる。
「…大丈夫!?」
「大丈夫…ですよ」
声を掛けるとマイスは笑みを返してきた。それでもとても苦しそうだった。
……多分、私の性だ。私はずっと探してくれたから、こんな…
「…じゃあ、お休みなさい」
そう言ってマイスは部屋の隅に行こうとした。多分私を気遣ってだろう。
「…マイスっ!」
彼を追いかけようとしても体が動かなかった。疲れと寒さで私の体も限界だった。
だから…
「……今日は、ありがとう…」
明日、早く起きようと思った。
起きて、マイスの看病をして、そして…
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