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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
20:蕪は無慈悲な畑の女王2009/12/11(金) 13:19:13 ID:LfAy+aOs [sage] AAS
「……あぁ」
我ながら腑抜けたため息を吐く。自分の意思とは無関係に上下する胸板が妙に恨めしい。
で、その胸板の上に倒れこんで、こちらも荒い呼吸をしているのがさっきまで好き勝手やらかしていた我らがミストさん。
さすがの彼女も精根尽き果てたようだった。いや、どうかそのまま尽き果てていてください。
ああ、それにしても
「気持ち良かったなぁ」
思わず独り言がこぼれる。さて、これからどうしたもんかと考えてると。
ごっつっっ!!!!!!!!!
「ぁ痛っだあぁぁ!!」
突如目の前で星が散った。数瞬遅れて頭の中に衝撃と痛みが広がる。
何事かと思って顔を横に倒した瞬間、
「あっ……」
目の前に広がる綺麗なブロンドの髪。何故かそれが急接近してきて、
「ぅぶっ!!!」
今度は鼻先にまともに食らってしまった。
「あいたたたた……」
二度目の天体観測が収まると、目の前にはむすっと膨れたロゼッタの顔が。
うっすら涙目になっているのは痛みのせいか、それとも別の何かのせいなのか。
「ロゼッタさん、痛いですよ……」
何かと思えば隣に居たロゼッタから頭突きをお見舞いされていたのだった。
いくら縛られてるからってそれはないんじゃないでしょうか。
「うっさーい!! 何が気持ち良かったー、よ。人の隣でいつまでもよろしくさかってるんじゃないわよー」
「うっ……」
そういわれて急に後ろめたさが込み上げてくる。確かにこれは言い訳の仕様がない。
「いや、その、なんていうか、ごめんなさい」
「ふうん、別に謝らなくたっていいわよーだ。ラグナはあたしよりもミストとエッチしてる方がいいんでしょうよ」
「うぅ……面目ない」
気まずい沈黙が場を支配する。
132 名前:蕪は無慈悲な畑の女王[sage] 投稿日:2009/02/02(月) 02:09:01 ID:S46/WUcR
「お二人とも、お困りのようですねぇ」
「わっ」
「きゃっ」
胸の上から空気が読めてない声が降ってくる。ていうかいつまで乗ってるんですか。
ああ、でも今はその空気の読めなさっぷりが逆に頼もしい。
「ちょっとミスト! 元はといえば全部アンタのせいでしょーが。何暢気なこと言ってんのよ」
「ロゼッタさんったら、さっきから怒ってばっかりですねえ。もうちょっと落ち着いたほうがいいんじゃ……」
「だーかーらー、ぜ・ん・ぶ、あんたのせいだって言ってんでしょーがー!!!!」
ぜえぜえはあはあと息を荒げて思いのたけをぶちまけるロゼッタ。でも多分相手が悪い。
ロゼッタの魂の叫びを受けたミストさんは全く動じている様子もない、すごいなこの人。
そしてなにやらしばらく考え込んでいたミストさんは、ピコーンと何かがひらめいたような顔をして。
「分かりました。あたしにいい考えがあります」
あー、なんかすんごい嫌な予感がする。
ただ一つ確実なのは、この夜はまだまだ終わりそうもないことだった。
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