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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
27:となりの空き部屋 2009/12/11(金) 13:24:31 ID:LfAy+aOs 149 名前:となりの空き部屋1/9[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 13:22:37 ID:ZZ9rk4NV ラグナ×うづき です しとしとと雨が降っている。どれぐらい続いているだろう。 もう何日も日の光を見ていない気がする。 夏の終わり、まだ暑さの残るこの時期の長雨は湿気がこもって蒸し暑さに拍車がかかる。 嵐になって畑が滅茶苦茶にされるよりかはマシなのだけど。 「それにしても生のままでいいのかな」 かばんに入っている今日のお土産を取り出してみる。 生の魚、ニジマスだ。 好きな人と仲良くなるにはその人の好物をプレゼントするのが得策だとは言うが、この時期に生魚はどうなんだろう。 そんなことを考えながらいつものように宿屋の二階に上がりこむ。 階段を上がってすぐ左の部屋。 その部屋は今僕が思いを寄せている異国の少女が泊まっている部屋だ。 彼女の無邪気な笑顔を見るために僕は毎日魚を届けに来ている。 ニジマスを手に部屋の扉をノックしてみる。 いつもならすぐに返事が返ってくるのだが、何回か叩いてみても返事がない。 留守なのだろうか、出直そうと扉から少し離れてみると。 『ラグナ殿、ラグナ殿……!』 「うづきさん?」 『こっちじゃ、こっち』 小さな声が聞こえてきたほうを向いてみると、右隣の部屋の扉から顔の半分だけ出したうづきさんが手招きをしていた。 「どうしたんですかうづきさん」 「いいからこっちじゃ!」 そう言うとうづきさんは、半開きにした扉の向こうから僕を引っ張り込んだ。 わけの分からぬまま招き入れられた僕は廊下をのぞき見ている少女に向き直った。 「うづきさんどうしたんですか、じいやさんは……むぐっ」 「しっ! あまり大きな声を出すでない、見つかってしまうであろ?」 小さな手が僕の口をふさぐ。 一体どうしたのか、理解に困っていると廊下から聞きなれた声が聞こえてきた。 『お嬢様〜〜! どこに行かれたのですか! お勉強の時間ですぞー!!』 つぶてさんの声だ。 そして今うづきさんがなぜ隠れているのかまでいっぺんに理解できた。 また喧嘩でもしたのだろうか、もっとも彼女らの喧嘩は一種のコミュニケーションのようなもので深刻な事態にはそうそうならないので胸をなでおろす。 しかも原因はうづきさんが勉強をサボったことのようだし、すぐにおさまるだろう。 150 名前:となりの空き部屋2/9[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 13:23:39 ID:ZZ9rk4NV 安心した僕はふと、今時分が置かれている状況に目を見開いた。 うづきさんの手が僕の口をふさいでいるのだが、そのためにうづきさんは背伸びまでしている。 その体を支えるために彼女のもう一方の腕は僕の腰に回っている。 つまりうづきさんは僕に抱きついている形になっているのだ。 「まったくしつこいのぅ……こんな蒸し暑い日に机なんぞに向かっていてはゆだってしまうというに……」 うづきさんは気にしてないようだが、僕は彼女の体温を布越しに感じている。 目線は首筋から胸元にのびていく。 暑いからかいつものえりまき(? は着けておらず、着物の合わせは少しはだけていた。 白い肌に浮いた鎖骨の線。普段見慣れないものは僕の視線を釘付けにした。 僕を虜にしているのは目に映る白い肌だけではなく、サラサラの黒髪から香る匂いもそうだ。 特別な香料の洗髪剤を使っているのだろうか、嗅いだことのない良い匂いだ。 黒髪と白い肌、そして視界の中でまた一際目立っているのは、桜色の唇。 「……あ、すまんなラグナ殿。もう離れても――ンンッ!?」 心臓が高鳴る。彼女にも聞こえてしまっているだろうか。 気が付くと僕は目の前の唇に口付けしていた。 いや、そんな程度ではない。僕は彼女の、うづきさんの唇をむさぼっていた。 硬く閉じられた口をはむように何度も何度もキスをする。 甘い味がした。 「ン―ン――! ぷはっ、な、何をするんじゃ!」 口が離れていく。 うづきさんは離れようと僕の胸を腕で押しているが、力が足りず首をそらすまでしか出来ない。 いつの間にか僕が抱きつく側になり、彼女の細い腰に腕を回していた。 「うづきさん……」 「ムゥッ!――ンッ、ンゥ」 抵抗を見せる彼女にもう一度キスをする。 今度は深く、少し舌を出して閉じられた唇を割って口内に入っていく。 しかし歯がしっかりとガードしていてそれ以上は入れない。 仕方なく舌を曲げて唇の裏を丹念に舐っていく。 「ンフゥ――ンンッ! ンクッ」 うづきさんがまた身をよじり始めた。どうやら息が続かないようだ。 名残惜しくも口を離すと、むせ返りながらも酸素を求めた。 顔を真っ赤にしている。そんな仕草も愛しい。
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