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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
386:ツナ缶 2012/06/30(土) 23:07:31 ID:GCddMrE00 645 名前:ツナ缶:2010/10/16(土) 20:23:41 ID:IMjd0BqvO サアアアァァ………………………………チチ…チ… 「……………ぅん………あさ?」 窓から漏れる光に気付いて体を起こす。目を擦りながらベッドから降り、カーテンを開けるとお日様と顔が合った 彼女の名はトゥーナ、美しい赤髪が特徴的な、温和しい女の子である 日の光で徐々に目を覚ますと、キッチンへと向かう 「………………今日は…卵焼き」シャアアア… 朝の静かな空間に暖かな香りが立ちこめる。そこに、奥の部屋から一人の小柄な男が現れた 「おはよう、トゥーナ」 「……………おはよう……ごはん…できたよ」 彼の名はガジ、ドワーフ族の刀鍛冶で、この家の家主。そしてトゥーナにとっては共に生活する家族である 「ん、そうカ」 トゥーナからミルクを受け取り、テーブルへと運ぶガジ。そのまま二人でテーブルにつき、軽めの朝食をとりはじめた 普段は物静かなトゥーナに合わせているためか、あまり会話はない。しかし今日は珍しくガジが口を開いた 「そういえばトゥーナ、マイスとはどうなったんダ?」 急な問いに驚き、ゴフッと咽せてしまうトゥーナ 「だ、大丈夫カ?ほら、水」 慌ててカップに水を酌んでくるガジ。トゥーナがそれを受け取り、クーッと飲み干して息を整えた 646 名前:名無しさん@カブ好き:2010/10/16(土) 20:24:32 ID:IMjd0BqvO 「……ケホッ……な…何?…急に…」 落ち着いたトゥーナが逆に聞き返すと、ガジがちょっと笑って答えた 「アァ、ここ最近あまりマイスと会ってないみたいだし、どうなってるのかと思ってナ。その様子だと“何か”あったみたいだナ」 ガジと目を合わせられず、少し顔を赤らめているトゥーナ。誰がどう見ても動揺している。 「……………な…なんでもない……急だったから少しびっくりしただけ」 確かに数日前、その“何か”はあった。その事で、つい避けてしまっていたのも事実である しかし、今はまだ話す段階ではないと思い、なんとか誤魔化そうとするトゥーナ 「…………そうカ、それならいいガ」 改めて食事の手を進める。さっきまでの空気がどこに行ったのかと思うほど、重たい空間になってしまった。 カチャカチャと食器の音だけが響く中、ふと思い出したかのようにガジが口を開く 「……そうダ、今日はちょっと鉄を採ってきてほしいんだガ…頼んでもいいカ?」 「……………うん…構わないよ…」 少しホッとして答えるトゥーナ。彼女自身、さっきの嘘が気にかかっていた 「じゃあ頼んだナ。あと、最近は物騒だから誰かと一緒に行くといい。たとえば…マイスとかナ」 再度マイスの名を挙げられ驚く。おそるおそるガジの様子を伺うと、ガジは何かを怪しんでいる様子はなく、ただ普段通りに笑っていた 「……………ガジ……ありがとう」 いつの間にか食事を終えていたガジが、食器を片づけて答える 「ン?何がダ?………まぁいいカ。鉄は明日使う予定のヤツだから急がなくていいからナ。じゃあ頼んだゾ」 それだけ言って、ガジは下の工場へと降りていった。マイスと会うきっかけを与えてくれたあたり、大体は感づいているのだろう それから少しして、トゥーナも朝食を終え、家事を済ませて早々に家を出る。この時トゥーナは、自分の身に起こる事など知る由もなかった……
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