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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
46:カイル×ジュリア 2009/12/13(日) 21:39:08 ID:kh1UIBdU 262 名前:カイル×ジュリア(0/8)[sage] 投稿日:2009/03/23(月) 00:32:47 ID:X3OoDaLl 期待しつつ待ってるあいだに投下してしまう >>261 大変そうでよくわからんけど体調崩すなよ だいぶ前に書いたカイル×ジュリアの続き。無理矢理…っていうちょっときついやつです。 続き物なのに間空きすぎてるしハードなんで、苦手じゃない人は>>261を待つ間の退屈凌ぎにでもして下さい。 今回エロは無いです 263 名前:カイル×ジュリア(1/8)[sage] 投稿日:2009/03/23(月) 00:34:46 ID:X3OoDaLl 明け方から雨が降っていたが、日が昇るに連れ、小降りになっていった。 どの家も戸窓を閉ざし、表通りに人影は無い。 その日、夕方になっても、彼女の家の扉が開く気配は無かった。 ジュリアは未だベッドの中。 ジュリア自身の心持ちの様にどんよりと暗く沈んだ部屋の中で、彼女は横になったまま、ぴくりとも動こうとしなかった。 目覚めてはいる。 あれから一夜明け、日が落ち始めた今でさえ、体に受けた痛みはほとんど引いていなかった。 消えない傷を負った体はまだじんじんと痛んだし、頭の中にはずっと不安や悲しみが渦を巻いていた。 そういうものが繰り返しジュリアを苦しめていたせいで、できれば動きたくなかった。 本当は、今日も何事もなかったように店を開けるつもりだった。 昨日の夜に何があったか街の皆は知らないから、風呂屋は今日もいつも通り開かれると思っている。 休むかもしれないなんて誰も考えないだろう。 だから突然休めば皆に嫌われると思った。 皆に冷たくされる自分の姿を想像して、胸が潰れそうになった。 そのくらい強く、脅迫観念的に、ジュリアは日常を取り戻そうとしていた。 なのにジュリアは今こうして臥せっている。 ガチャ、と、下階で鍵のかかった扉を開けようとする音がした。 何も知らない街の誰かが、風呂に入ろうとやってきたのだ。 ジュリアは反射的に飛び起きる。 窓の方を向くが、ここからではやってきたのが誰かも分からない。 必死に耳をそばだてるが、何か言われても返事はできない。 どっと冷や汗が溢れる。 何もできないことに、ただ焦っている。 もしかしたら、自分が今まで積み重ねてきた幸せな日常が、今ここで、だめになってしまうのかもしれないのに。 ぎゅっと胸を強く押さえて、窓の外の何も無い部分を見つめながら、彼女は小さく開いた口を震わせている。 もうジュリアには、何をすることも、何を避けることもできなかった。 できたのは、今起こっている出来事を受け止め、耐えることだけ。 そうでなければ、耐えられずに傷つくことだけだ。 もう一度だけ、ガチャ、と音がして、それきり何も聞こえなくなった。 「誰か」は、諦めて帰っていったらしい。 「……うっ……、ううう……」 ジュリアは…、泣き出してしまった。 顔を覆い、小さな体を震わせながら、か細い悲痛な声を上げて。
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