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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
74:ラグナ×キャンディ 2009/12/13(日) 21:52:47 ID:kh1UIBdU 391 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 00:21:19 ID:LC4bHXtk とはいえ、そう決めたものの、どうすれば向こうに戻れるだろう? 僕は思考を始めた。 先に自分が向こうまで泳いで、改めてボートで泳いで此処まで来ようか? ……いや、それは無理だろう。ボートで泳いでさえ7〜8分弱なのに、ましてや直に泳いで向かい岸まで辿り着くのは非常に困難だった。 何か良い手段はないものかと――辺りを適当に見渡しながら、思考を巡らす。 天を突く螺旋の蔦。 足元を歩く蟻。 水に濡れた少女。 蒼く透き通る湖。 遥か遠くに見える陸地。 ――そうだ。 直に泳ぐことが無理でも、直に帰ることのできる最高の魔法が記憶から浮きあがる。 どうして忘れていたのだろう。こういう時のリターンの魔法があるじゃないか。 僕は空高く手を掲げ、魂の休まるべき場所を心の中に思い浮かべた。 「……」 しかし周りの景色は何も変わらない。 もう一度だけ思い浮かべた。 「……」 やはり何も起こらない。 『でも、どういうわけか、時々、使えなくなるんですよ』 突然、脳裏にミストさんの言葉が浮かんできた。 “どういうわけ?” 理由は全く分からないけど、どうやら今がその使えない状況であるらしい。 「はあ……」 結局、ここに誰かが来るのを待つしかないという事実に落胆し、僕は溜め息をついた。 392 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/05/07(木) 00:22:19 ID:LC4bHXtk ただ、待つ前に最低限やらなければいけないことが残っていた。こんな島に自ら訪れるような人は恐らく僕だけしかいないだろうから、ここに人がいて、しかも帰れなくなっていることを周りに知らせる必要があった。 自分のバッグの中に使えるものはあるだろうか。僕はゴソゴソと中身を漁りはじめた。 農業関係、探索関係、戦利品、アクセサリーと数あれど、せいぜい使えそうなものは、釣竿、ファイアロッド、細い棒切れ、上質の毛皮、首かけタオルくらいだろう。 僕は上質な毛皮のうち、特に大きなものを選んで地面に敷くと、キャンディを抱き抱えて、その上に仰向けに横たえた。 それから、いくつかの細い棒切れを重ねるようにして隣の少し離れた地面に撒いて、 「魔法なんて、あまり使ったことはないんだけど……」 不安を漏らしながらも、僕は片手の火杖を棒切れへと向かわせ、徐々に魔力を込めてゆく。 「ファイア!」 そして僕の掛け声と同時に放たれた火球は――棒切れを巻き込み――やがて見事な焚き火になった。 空へと昇ってゆく狼煙を見上げながら、僕は安堵した。 時間はかかるだろうけど、これで村人の誰かが気づいて船を出してくれるだろう。 チリチリと音を立てて燃える焚き火に両手を近づける。 「うん。これで暖かさも確保できた」 ……それから一足先に下着だけの姿になった僕は、キャンディの服を脱がすことにしたのだった。 濡れている服のままでいさせたら、どんどん彼女の体を冷やしてしまって、せっかく焚き火を起こした意味がなくなってしまう。 まずはケープと上着、それからブーツ、靴下を脱がし、ベルトを外してスカートに手をかけ、丁寧に脱がしてゆく。 服は濡れているせいか、どれも肌に張り付いていて、脱がすのに一手間かかった。 脱がした服は、焚き火の隣に釣竿を突き刺しておいて、そこに引っ掛けて乾かすことにする。 「後は下着も脱がして乾かせば完了――だけど、」 そしたら、彼女は■■■になってしまう……のか。 「あ」 その時、僕は当たり前のことに今さら気づいた。 どうして今まで気づかなかったのかが不思議だった。 ――僕は今、キャンディの――女の子の服を脱がして、ハダカにしようとしているんだ……。
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