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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
174:氷原に咲く花(1)4/72010/04/11(日) 13:55:56 ID:wMZw0/yY0
90 名前:氷原に咲く花(1) 4/7:2009/12/22(火) 22:45:57 ID:xnK8FvEo
「…それでも、」
沈黙を破ったのはマイスだった。
「一度、家に帰るべきだと思いますよ」
「……え?」
ソフィアが顔を上げてこちらを向いた。目には涙が光っている。
「ドンチャコスさんもソフィアさんのことを心配してそう言ったんだと思いますよ。
それを話さずに逃げて来ちゃ駄目ですよ。ちゃんと話すか、
お見合いしてそれから決めたって良い…」
言葉は最後まで続かなかった。
バシッという音の後に頬に痛みが襲ってくる。
一拍おいてソフィアがはたいたものだと気付いた。
「…バカぁっ!」
ソフィアはそのまま大樹から飛び出してしまった。
突然の行為に誰も動けなかった。
「…あの、もしかして僕なんか悪いこと言ってしまいましたか…?」
数秒の後、マイスは尋ねた。
「…悪くはないと思う、けど…」
俯きながらトゥーナが答えた。
「……ソフィアは多分、もっと別のことを言って欲しかったんだと思う…」
カリンもそれに続く。
「……」
マイスはそのまま黙り込んでしまった。
そのままでしばらく時が経ち、
「…早く追いかけなさいよ」
カリンがこちらをにらんできた。
「早く」
トゥーナも同意見らしい。
「…はっはい、探してきますっ」
そう言うとマイスは部屋から出て行った。
「……いいの?」
二人だけになった空間にトゥーナの声が響いた。
「…良くはないけど……仕方ないでしょ……?」
虚ろにカリンが答える。
なんだかおかしくなって、二人で苦笑してしまった。
「はぁ……」
マイスはため息をついた。
飛び出したまでは良かったものの、何処に行ったのか全く見当が付かなかった。
でも、なんとしても見つけなくてはいけない気がした。
それがどうしてか、何故そうしなければいけないのか分からなかったけど、それでも…
マイスは走り出した。
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