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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
22:グレポプ2009/12/11(金) 13:20:32 ID:LfAy+aOsAAS
110 名前:グレポプ3[sage] 投稿日:2009/01/25(日) 15:57:11 ID:4s/uct6m
橋を渡り、大工の小屋を過ぎたところで、案の定、見慣れたピンクの後ろ姿が座り込んでいるのを見つけた。
「ポプリ」
近寄って呼び掛けると、彼女はビクッと肩を震わせて振り向いた。その姿にグレイの方がぎょっとする。
ポプリは服も顔も、泥と涙でどろどろに汚れていた。
「…グレイ〜」
「………何があった」
相手を捉えた途端に、安心したのか、ますます顔をぐしゃぐしゃにして泣き出す。
内心かなり狼狽えたものの自制して、グレイはしゃがみ込んで視線を合わせた。
「あのね、っ、あそこに、すっごく綺麗な、お花が、咲いててねっ、摘んで、帰ろ、と思った、んだけど」
ポプリの指す方を見ると、切り立った崖の肌、確かに見たことのない、真っ赤な花が咲いていた。
但しそれは、男でも届かないような高い位置に。
「…登ろうとしたのか、これを」
「だ、だって、ちっちゃい頃は、木登りだって、得意だったしっ」
「馬鹿」
しゃくり上げながらのポプリの言い訳をぴしゃりと制する。
111 名前:グレポプ4[sage] 投稿日:2009/01/25(日) 15:58:32 ID:4s/uct6m
「ケガは」
「うぅー…あし…」
「見せろ」
既にだいぶ捲れ上がっていたスカートを少し引っ張ると、膝に真新しい擦り傷ができていた。
大して深い傷でないことに、小さく息を吐く。
「他に、痛む所は」
「ぐすっ、落ちた時にお尻ぶつけた…」
「……それは我慢しろ」
懐を探り、まだ使っていないタオルを引っ張り出す。待ってろ、と言い置いて、グレイは泉に向かった。
川よりもそちらの方が水が綺麗だろう、傷を流すにはその方がいい。
冷えた湧き水にタオルを浸し、グレイは足早にポプリの元へ戻った。
「傷を出せ」
「っ、うん」
ポプリは脚を伸ばしてスカートをたくし上げ、脚を露わにした。
先は傷しか見ていなかったために気付かなかったが、ロングスカートから覗いた脚はすらりと白く、
子供じみた普段の姿からは思いがけないほど「女」らしかった。
「……グレイ?」
「…………何でも、ない」
不自然なほど背けた顔を、ぎしぎしと音が鳴りそうな鈍重さで戻す。
少し帽子を目深に被り直して、グレイは傷口にタオルを当てた。
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