牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
3:名無しさん@カブ好き2009/12/11(金) 12:55:00 ID:LfAy+aOs [sage] AAS
10 名前:ユーニのダイエット大作戦3/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:42:34 ID:XLE6zzK6
鏡の前に立って自分を見つめるユーニ。
あれから毎日薙刀を振った成果もあり、見事なまでに体は痩せた。
「うん…、これなら大丈夫…?」
まだ自分に自信が持てなかったユーニだが、早くこの姿をラグナに見せたかった。
さっそくラグナを探しに外へ出るユーニ。偶然、そこにラグナが通りかかり驚く。
「あっ、ユーニさん。こんにちは。」
「ラ、ラグナさん。どうですか?だいぶ体、スリムになりました」
緊張して上手く言葉が出来なかったが、何とか意味がわかるくらいまでの言葉にはした。
これで否定されたらと思うと、今にでもこの場を逃げ出したかった。
「本当ですね。すごいですよ、ユーニさん。とっても綺麗です」
「ほ、ホントですか!?嬉しいです…。でも、また元に戻らないように食事には気をつけないと…」
ラグナに誉められて本当に嬉しかった。好きな男の子に自分が認められた。
それだけで、辛いダイエットの日々が吹き飛びそうだった。
そして、まだユーニの用は終わってなかった。今度は自分の気持ちを伝える番。
「あ、あの。今度の聖夜祭…一緒に行きませんか!」
勇気を振り絞って言った言葉はあまりにも細々で、自分の声ではないかに思えた。
「え?聖夜祭…ですか?」
「はい…。駄目です…か?」
「い、いえ。こちらこそよろしくお願いします」
やった!
そう心の中で呟いた。本当にダイエットした甲斐があったというもの。
「そ、それじゃあ夜に教会横の森前で待ってます」
そう告げ、ユーニは足早にその場を去って行った。
好きな人と過ごす聖夜祭。この村に来てから恋人とそれに出るのを密かに楽しみにしていた。
まだ恋人ではないけど、その夜勇気を出して告白する。
そう心に誓っていた。

そして、聖夜祭当日の夕方。聖夜祭の夜は村人も夜遅くまで起きている。
今まで夜に出かけることなどないユーニは両親の許可が取れるか不安だった。
「…お父さん、お父さんー?」
コンコンッ。
両親の部屋をノックして部屋に入るが父親の姿は見えない。
その代わりに母親であるリタが居た。
「ユーニ、お父さんに何かようなの?」
「え、と。お母さんでも良いの。その…」
何故か罪悪感に囚われてなかなか言葉に出せないでいる娘を見て、その母親は。
「聖夜祭、行きたいんでしょう?ふふ…ユーニもそんなお年頃だものね」
「え!?お母さん、どうして…」
自分が言おうと思っていた事を先に言われて激しく動揺する。
「良いわよ、行ってらっしゃい。その代わり、あまり遅くならないように、ね」
「お母さん!ありがとう…」
「お父さんなら、酒場で既に酔い潰れてるから気にしないでいいわよ」
リタに後押しされてユーニは家を後にした。
外は雪が積もり、肌に触れる外気が妙に冷たく痛かった。

11 名前:ユーニのダイエット大作戦4/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:43:55 ID:XLE6zzK6
教会横の森入り口に着くと既にラグナは来ていてユーニを待っていた。
「ラグナさん、ごめんなさい。お待たせてしてしまって…」
「いえ、まだ時間じゃないですし。僕が早く着きすぎてしまったんですよ」
寒い中、自分を待っていてくれて暖かく迎えてくれるラグナ。
旅行で帰りが遅くなった両親を心配する私のために探しにまで行くと言ってくれたラグナ。
そんなラグナを思うだけで心臓が高鳴っていた。
(ラグナさん…、私…。やっぱりラグナさんの事が好き…)
「ユーニさん?寒くないですか…?」
「え、あ…はい?」
考え事をしていていきなり問いかけられ、慌てふためく。
変に意識してしまいまともに目を見れない。顔は赤くなっていないだろうか…?
そうこうしている内に森の奥の大樹へ着く二人。
「今年はすごい雪が降っていて綺麗ですね。こんな聖夜祭を過ごせて良かったです」
「はい…」
今しかない。ユーニは心の中で自分に言い聞かせる。
(私はラグナさんが好き…。この気持ちをどうしても…伝えたい)
「あ、あの。ラグナさん、お、お話があります」
「え?」
「あ…その…」
急に口ごもってしまうユーニ。やはりこういう事を言うにもそれなりの勇気がいる。
上手く言葉に出来ない。気持ちだけが焦りを覚える。
もし断られてしまったら、今まで頑張ってきたダイエットが全て無駄になる気がした。
「あの…。ええと…私……」
もう駄目だ。肝心な時にこんな…気持ちを伝えられない。
きっと目の前で勝手に動揺している自分にラグナも呆れ返っている…。
そう思い、今日はもう諦めようよしていた時だ。

「ユーニさん、僕からも話があるんですけど…良いですか?」

ラグナがいつになく真剣な眼差しでユーニを見つめる。
ユーニは突然の事に驚き、言葉が出なかった。
「ユーニさん、じつは……」
「え…」
「僕は…あなたの事が…ずっと好きでした」
好きでした。その言葉がすぐに理解できなかった。
何を言われたのだろう?
好き?私を…?
「え!?」
徐々に自分の置かれている状況を理解し、更に顔を赤らめるユーニ。
心臓がドクドクッと高く鼓動し、耳まで赤くなっているのが自分でもわかった。
夢じゃないだろうか…?
「もしよろしければ、僕と…付き合ってもらえませんか?」
ラグナ自身も顔が赤くなっている。彼も自分と同じだったのだ。
知らず知らずの内に気持ちがこみ上げてきて、ユーニはラグナの胸に飛び込む。
「はい…。私も…ずっとラグナさんの事が…大好きでした」
ラグナもユーニを軽く抱き返し、優しく頬に触れる。
しばらく恥ずかしながらも見るめあう二人。そして、近づく距離。
チュッ……。
お互いの気持ちを確かめるよう、二人は唇を重ねた。
1-AA
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