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牧場物語・ルーンファクトリー小説保管スレッド Part1
3:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 12:55:00 ID:LfAy+aOs [sage] 10 名前:ユーニのダイエット大作戦3/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:42:34 ID:XLE6zzK6 鏡の前に立って自分を見つめるユーニ。 あれから毎日薙刀を振った成果もあり、見事なまでに体は痩せた。 「うん…、これなら大丈夫…?」 まだ自分に自信が持てなかったユーニだが、早くこの姿をラグナに見せたかった。 さっそくラグナを探しに外へ出るユーニ。偶然、そこにラグナが通りかかり驚く。 「あっ、ユーニさん。こんにちは。」 「ラ、ラグナさん。どうですか?だいぶ体、スリムになりました」 緊張して上手く言葉が出来なかったが、何とか意味がわかるくらいまでの言葉にはした。 これで否定されたらと思うと、今にでもこの場を逃げ出したかった。 「本当ですね。すごいですよ、ユーニさん。とっても綺麗です」 「ほ、ホントですか!?嬉しいです…。でも、また元に戻らないように食事には気をつけないと…」 ラグナに誉められて本当に嬉しかった。好きな男の子に自分が認められた。 それだけで、辛いダイエットの日々が吹き飛びそうだった。 そして、まだユーニの用は終わってなかった。今度は自分の気持ちを伝える番。 「あ、あの。今度の聖夜祭…一緒に行きませんか!」 勇気を振り絞って言った言葉はあまりにも細々で、自分の声ではないかに思えた。 「え?聖夜祭…ですか?」 「はい…。駄目です…か?」 「い、いえ。こちらこそよろしくお願いします」 やった! そう心の中で呟いた。本当にダイエットした甲斐があったというもの。 「そ、それじゃあ夜に教会横の森前で待ってます」 そう告げ、ユーニは足早にその場を去って行った。 好きな人と過ごす聖夜祭。この村に来てから恋人とそれに出るのを密かに楽しみにしていた。 まだ恋人ではないけど、その夜勇気を出して告白する。 そう心に誓っていた。 そして、聖夜祭当日の夕方。聖夜祭の夜は村人も夜遅くまで起きている。 今まで夜に出かけることなどないユーニは両親の許可が取れるか不安だった。 「…お父さん、お父さんー?」 コンコンッ。 両親の部屋をノックして部屋に入るが父親の姿は見えない。 その代わりに母親であるリタが居た。 「ユーニ、お父さんに何かようなの?」 「え、と。お母さんでも良いの。その…」 何故か罪悪感に囚われてなかなか言葉に出せないでいる娘を見て、その母親は。 「聖夜祭、行きたいんでしょう?ふふ…ユーニもそんなお年頃だものね」 「え!?お母さん、どうして…」 自分が言おうと思っていた事を先に言われて激しく動揺する。 「良いわよ、行ってらっしゃい。その代わり、あまり遅くならないように、ね」 「お母さん!ありがとう…」 「お父さんなら、酒場で既に酔い潰れてるから気にしないでいいわよ」 リタに後押しされてユーニは家を後にした。 外は雪が積もり、肌に触れる外気が妙に冷たく痛かった。 11 名前:ユーニのダイエット大作戦4/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:43:55 ID:XLE6zzK6 教会横の森入り口に着くと既にラグナは来ていてユーニを待っていた。 「ラグナさん、ごめんなさい。お待たせてしてしまって…」 「いえ、まだ時間じゃないですし。僕が早く着きすぎてしまったんですよ」 寒い中、自分を待っていてくれて暖かく迎えてくれるラグナ。 旅行で帰りが遅くなった両親を心配する私のために探しにまで行くと言ってくれたラグナ。 そんなラグナを思うだけで心臓が高鳴っていた。 (ラグナさん…、私…。やっぱりラグナさんの事が好き…) 「ユーニさん?寒くないですか…?」 「え、あ…はい?」 考え事をしていていきなり問いかけられ、慌てふためく。 変に意識してしまいまともに目を見れない。顔は赤くなっていないだろうか…? そうこうしている内に森の奥の大樹へ着く二人。 「今年はすごい雪が降っていて綺麗ですね。こんな聖夜祭を過ごせて良かったです」 「はい…」 今しかない。ユーニは心の中で自分に言い聞かせる。 (私はラグナさんが好き…。この気持ちをどうしても…伝えたい) 「あ、あの。ラグナさん、お、お話があります」 「え?」 「あ…その…」 急に口ごもってしまうユーニ。やはりこういう事を言うにもそれなりの勇気がいる。 上手く言葉に出来ない。気持ちだけが焦りを覚える。 もし断られてしまったら、今まで頑張ってきたダイエットが全て無駄になる気がした。 「あの…。ええと…私……」 もう駄目だ。肝心な時にこんな…気持ちを伝えられない。 きっと目の前で勝手に動揺している自分にラグナも呆れ返っている…。 そう思い、今日はもう諦めようよしていた時だ。 「ユーニさん、僕からも話があるんですけど…良いですか?」 ラグナがいつになく真剣な眼差しでユーニを見つめる。 ユーニは突然の事に驚き、言葉が出なかった。 「ユーニさん、じつは……」 「え…」 「僕は…あなたの事が…ずっと好きでした」 好きでした。その言葉がすぐに理解できなかった。 何を言われたのだろう? 好き?私を…? 「え!?」 徐々に自分の置かれている状況を理解し、更に顔を赤らめるユーニ。 心臓がドクドクッと高く鼓動し、耳まで赤くなっているのが自分でもわかった。 夢じゃないだろうか…? 「もしよろしければ、僕と…付き合ってもらえませんか?」 ラグナ自身も顔が赤くなっている。彼も自分と同じだったのだ。 知らず知らずの内に気持ちがこみ上げてきて、ユーニはラグナの胸に飛び込む。 「はい…。私も…ずっとラグナさんの事が…大好きでした」 ラグナもユーニを軽く抱き返し、優しく頬に触れる。 しばらく恥ずかしながらも見るめあう二人。そして、近づく距離。 チュッ……。 お互いの気持ちを確かめるよう、二人は唇を重ねた。
4:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:00:40 ID:LfAy+aOs [sage] 12 名前:ユーニのダイエット大作戦5/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:45:32 ID:XLE6zzK6 神秘的な聖夜祭という事もあり二人は、しばらく抱き合い甘いキスをした後も熱くなる体を抑えられそうになかった。 ラグナに手をひかれるようにユーニは彼の自宅へと招き入れられ体を重ねる。 「ユーニさん…」 ベッドにユーニを優しく寝かせ唇にとキスを施す。 甘くとろけそうなキスにユーニは知らず知らずの内に口を開き、ラグナの舌に舌を絡めていた。 体が熱く変になりそうな気分、口からはよだれがれて舌は激しくラグナを求めていた。 「ユーニさん…僕、もっとユーニさんと触れ合いたい…」 そう言い、ラグナの手はユーニの胸へ伸びる。 服の上から優しく揉みしだかれる度に、ユーニは甘い吐息を吐く。 「あっ…や……っ…」 「す、すみません。痛かった…ですか?」 「そ…そうじゃないんです…。はぁ…大丈夫です…。もっと…触ってください…」 ラグナは一瞬躊躇したが、ユーニのその言葉を聞いて行為は更にエスカレートしていく。 今度は激しく胸を掴み動かしていく。 「…ああ…ん…すごい…あ…っあっ…」 そして、今度は両肩に手をやり服を脱がそうとするがユーニの手がとっさに阻む。 「ご、ごめんなさい…。私…恥ずかしくて…」 ユーニは無意識に抵抗してしまったので、恥ずかしながらも弁解する。 ダイエットしたからといってユーニにとっては今現在の体型も自信があると呼べる代物ではなかった。 今は服で着飾っているから問題はない。 だが、いくら好きな人とはいえ裸を見られるのはまだ恥ずかしかった。 「ユーニさん…、ユーニさんは今のままでも充分素敵です。だから…もっと素の貴方をみせてください」 ラグナはユーニの手を優しく握り、服から放す。 「はい…」 彼女もその言葉で安心したのか、ラグナに身を任せる。 一枚一枚服を脱がしていくと、目の前には一糸まとわぬユーニの姿が。 「あまり…見つめないでください…。恥ずかしいです…」 ダイエットして得た、その体は見事なまでに綺麗な体だった。 胸も年相応にあり、太股も太っていた頃の名残か妙にむっちりとしていて興奮を誘った。 「綺麗です…」 ただ一言、そう呟きラグナの手は乳房へと向かった。 もう片方の手ではむちっとした太股をいやらしく触り続ける。 「ひゃっ…ぁ……ん………」 更に、綺麗なピンクの乳首を口に含み下でねぶる。 乳首はすでに立っていて彼女が感じている事がわかりラグナの理性を更に溶かしていった。 舌をいやらしく這わせる度に可愛い声を上げて喘ぐユーニ。 「あっ……は…んん…っ…」 「はぁ…はぁ……気持ち良いですか?ユーニさん」 「…はいっ…きもちいい……っ…です…」 その言葉を聞き、ラグナは既に膨張しきっているペニスを出すためズボンを下ろす。 そして、ユーニの太股に擦り付けて緊張を高めていく。 ユーニも太股に当たる脈打つものの正体がわかりより一層興奮を煽られる。 13 名前:ユーニのダイエット大作戦6/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:46:51 ID:XLE6zzK6 ひとしきりユーニの体を堪能したラグナの下半身は既に暴発しそうだった。 もう我慢できないと悟り、ユーニの中へと突入しようと割れ目へと押し当てる。 「あっ……ん…ラグナさん……お願い…きてください…っ…」 ユーニの方も待っていたかのようにラグナを受け入れるため足を開く。 ラグナは自分の指で既に濡れているユーニの割れ目を開き、ペニスの先端を入れていく。 「あっ…っ…んぅ…」 それだけでも処女のユーニにとっては痛かっただろう。 それでも彼女は必死に我慢してラグナを欲した。 「ユーニさん、いきます…」 意を決して一気にユーニの中へ入っていく。 凄い締め付けで今にも射精しそうだったが何とか耐え続けた。 二人の結合部からは痛々しい真っ赤な血が流れ出てきた。ユーニも目に涙を浮かべて痛みに耐えていた。 「くぅ……きつ…」 「ラグナさん…ラグナさん!…っ」 痛みと快感で完全に理性が麻痺しているのかユーニは必死にラグナの名前を叫ぶ。 それを見て更に興奮したラグナはゆっくりと腰を動かしていく。 「あっ…あっ……はっ…ぅ……」 ユーニもラグナの腰に足を回し、必死に腰を動かしていた。 「ユーニさん…ユーニさん…!…ユーニさんっ……」 「ラグナさん……私…私っ…!」 お互いに名前を呼ぶ度に腰を激しく動かしていく。 「やっ…あっ…あっ…くる…っ……ああっ…」 ユーニはそう叫ぶと身を仰け反らせてイった。 それと同時にラグナのペニスを激しい締め付けが遅い、耐え切れずに中に射精してしまう。 「くっ、あああああああああああああ」 大量の精子がユーニの中へと出される。ユーニも快感に身を震わせて感じていた。 「あつっ…なかに……あっ………」 「はぁ……はぁ……」 ラグナは射精し終わった自分のモノを抜き取る。だいぶ力を使い果たし息も絶え絶えだった。 それでも目の前の好きな女の子の淫らな姿を見てしまうと再び硬くなってきてしまう。 「元気ですね…ラグナさんは……」 少し休んでいたユーニがその状態を見て軽く笑ってみせる。痛みがだいぶ引き少し余裕が出てきたのだろうか。 「今度は私が気持ちよくしてあげますね」
5:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:01:14 ID:LfAy+aOs [sage] 14 名前:ユーニのダイエット大作戦7/7 ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:48:05 ID:XLE6zzK6 今度はラグナが仰向けになる形になりユーニが上からラグナのペニスを持ちしごいていく。 「うっ……うっ…はぁ…」 「どうですか?気持ち良いですか?」 主導権をユーニに完全に渡し、やられるままに感じているラグナ。 いつも宿屋の洗濯や掃除をしているユーニの手は妙に鍛えられていて心地よかった。 射精したばかりだというのに、軽く握られているだけで絶頂しそうだった。 「はいっ…気持ち良いですっ…ユーニさん」 「それじゃあ、いきますね」 ユーニがラグナのモノをしっかりと握り自分の腰を落としていく。 そして、先端を割れ目へと入れていく。 「あっ…はぁ……っ…く……」 徐々に腰を落としていくと子宮口へとぶつかる。 今度はスムーズに入り、あまり痛みをともわなかった。 「それじゃぁ…いきますね…」 その言葉と同時にユーニが体を上下に揺さぶる。 形の良い胸がはずみ、余計にいやらしさを強調しているようだった。 その胸をギュッと鷲掴みし反撃するラグナ。 「いやっ…ああん…っ…あっ……」 思った以上の力でつかまれそれだけで感じてしまうユーニ。 「ラグナさんっ…ラグナさんっ……もっと…もっと……」 腰を激しく動かしラグナの名前を必死に呼び続ける。 「くっ…うううううっ……」 ラグナの方も思った以上の刺激を受けて射精感が頂点に達しようとしていた。 「ラグナさんっ!わたし…ああっ……んんん…」 「ユーニさんっ……」 「ラグナさん、すき…ああっ…んっ……」 「うっ…ああああああああああああああ……」 騎乗の状態でユーニへと精液を再びぶちまけるラグナ。 ユーニも大量の精液を受けて同時に絶頂を迎える。 「やっ、イクっ……あっあっ…あああああああ」 その後、疲れきって眠ってしまったユーニの体を拭いて服を着させて上げラグナも力尽きて眠ってしまった。 気が付くと朝で、既にユーニは帰った後だった。 まるで夢のような出来事だったが興奮は残っていた。ユーニはいつもと変わらず宿屋の掃除をしていた。 「ユーニさん、おはようございます。あの、昨日は…リタさんに怒られませんでしたか…?」 「あっ、はい。なんとか…」 昨日の事を思い出したのか少し顔を赤らめるユーニ。 「そうですか、よかった…」 ラグナもそれを聞いて安心した。 「あの、ラグナさん。これからもよろしくお願いしますね!」 「はい…!」 ユーニの笑顔を見てラグナは仕事へと戻っていった。二人はまだ付き合い始めたばかり。結婚するのはまた後の話。 ただ、ラグナの頼もしい後姿を見てユーニは思った。 (ラグナさん、こんな私を好きになってくれてありがとう…) ダイエットの成功よりも何よりも、大切な何かを得られた宿屋の娘は今日も元気に働く。 〜Fin〜 15 名前: ◆wemfKKHl/U [sage] 投稿日:2008/12/31(水) 18:51:13 ID:XLE6zzK6 以上。さて、来年は何を書こうか。 フロンティアと風バザで一本づつ考えてみようかな。 …ということで、来年も良いお年を。 16 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/31(水) 21:04:23 ID:6l+QVjCL ユーニ萌えのおいらにとっては、一足はやいお年玉! ありがとうございます! よいお年を
6:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:02:15 ID:LfAy+aOs [sage] 17 名前:STRANGE GANTLEMAN 909[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:51:50 ID:t9cwEGtq ラグナ×ミネルバ 一つの石が投げ込まれ湖面に映り込む月は揺らぎ始める。 波の中に揺れる影はこちらを見ていた。 ため息を一つこぼして褐色の肌を持つ少女は夜空を見上げる。 膝小僧を抱え座り込むと顔をうずめた。 目尻にうっすらと涙が浮かぶ。 自分が何のためにはるばるこの土地までやってきたのかわからなくなってきていた。 それというのもあの男のせいなのだ。あのボケーッとした顔を思い出すだけで胸の奥が波立つ。 つい先日まではこんな気持ちになることはなかったのに。 一番大事なものが何かといえば揺るぎないものがあった。 胸を張って答えられる自信があった。 今はもうわからない。 一番傍に居たいと思い続けてきた人の為にここまできたのに。 一番傍にいてほしい人が違う人だったなんて、今更、そう、今更なのだ。今更、どうしようもないのだ。 しんしんと雪が降り積もる中ラグナは先日の吹雪で荒廃した畑の手入れをしていた。どこから湧くのだか切り株だの大岩だのがみっしりと集まっている。 ラグナは手慣れた様子で斧を宙に放り投げると自身も跳躍し斧を空中で掴み縦回転しながら落下の勢いを利用した一撃を振り下ろす。切り株は一撃で弾け飛び十数本の木片と化した。 「……それってほんとに農作業なの?」 声の方向へ振り返ると自宅の軒先に褐色の肌をした少女が佇んでいた。呆れたような珍しいものでも見るような眼差しをこちらに向けている。 「ミネルバさん、おはようございます。今日も寒いですね」 「あのね、冬だから寒いのは当たり前なのっ、せっかくレディが訪ねてきたのに他に言うことはないの?」 「厚着しないんですか?」 「うっ……。い、いいの! ミネルバはこの格好が気に入ってるんだから! それにラグナだってそんなに変わらないじゃない」 「あはは、体を動かしてるとこれでもときどき暑いくらいです」 「そりゃあんな曲芸みたいなことしてればそうかもしれないわね。あんな風に切り株割るの余所で見たことないよ……」 「こうすると切りやすいんですよ」 「……ラグナも相当変わり者ってことね」 「ところでミネルバさん、何かご用でしょうか」 「べ、別にないわよ。用がなかったら来ちゃいけないっていうの?」 「いいえ、聞いてみただけです」 「そ、じゃあさっそくお茶の一つでも出していただこうかしら?」 18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:53:05 ID:t9cwEGtq 「お茶受けはいつものでいいでしょうか」 「そうね、今日は栗きんとんもつけてほしいな」 ミネルバは軽く首を傾げ片目をつむって目一杯可愛らしく見えるようにウインクをした。これで乗せられない殿方はいない、筈なのだが。 「それだとリラックスティーより緑茶の方がよさそうですね。ちょうど緑の草がいっぱいありますよ」 いたって普通の反応。 生来の朴念仁なのか血統書つきの天然なのかこの少年に対してはいまいち効果が発揮できない。 (なんだか自信なくなっちゃうなあ……) それでもこの少年の作る栗料理にはちょくちょく通うだけの価値があるのだからタチが悪いと言える。 中でも見た目は最悪だが味は絶品というミステリーフードが格別なのだ。似たような見た目のものは自分でも作ったことはあるだがそれとはまったく異なる味わい。それこそ月とトータスほどに違う。 かつて誕生日に姉が初めて作ってくれた料理がこれとよく似ていた。それとも違う味なのは作った人の個性だろうか。 「うーん、美味しかった♪」 「お粗末さまでした」 「じゃあお昼にまた……っくしゅ!」 派手にくしゃみをした後に寒気が襲ってきた。肩を抱くと自分が軽く震えているのがわかる。 「ミネルバさん、大丈夫ですか!?」 「ぐす……風邪ひいたみたい……夕べ夜更かししすぎたからかなぁ……」 「早く帰って寝た方がいいですよ」 「うぅ……ミネルバにお昼ご飯持ってきてくれる……?」 「持って行きますから、早く休んでください。送っていきますから」 「えへへ、約束だからね……」 ミネルバはラグナに支えられながらなんとか歩くことができた。 ラグナがドアを開いた瞬間凍えるような強風が吹き込みミネルバは身を縮めた。外は吹雪になり始めていた。後数分もすれば数メートル先さえ見えない猛吹雪となるだろう。 大きな音を立ててドアがしまった。 一気に吹き込んだ風で更に体が冷えたのかミネルバは強い脱力感にみまわれた。 きつく閉じていた目を開き見上げると心配そうにこちらを見下ろしている顔があった。できればそんな顔をしないでほしい。自分に対して向けて欲しいのはそんな表情ではなく……もっと…… 徐々にまぶたは重くなり、ラグナの顔も遠ざかっていった。
7:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:06:27 ID:LfAy+aOs [sage] 19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:53:51 ID:t9cwEGtq 姉が小さい頃から願い続けてきた理想が自分には理解できなかった。 なぜ願うのかも理解できなかった。 姉が自分のもとを離れた理由もいつまでも理解できなかったし、姉が傍に居なくなってからの自分はもっと理解し難かった。生まれたときから傍にいたというのに。 その距離を縮めたくて必要以上にひっついていたのかもしれないと今では思う。 時が経つほどにその距離は広がっていき、ついには本当に彼女は自分のもとからいなくなってしまった。 昔故郷の国の森で迷子になったとき、泣きじゃくっていた幼い私は何度も姉の名を呼んでは返って来ない返事を待ち続けていた。 森の空気の冷たさと言いようのない心細さと深みを増す暗闇の中で座り込んだままどれだけ時が流れたのか。 自分を呼ぶ声を期待しながら待ち続けていたのはそうしていれば姉が迎えにきてくれると思ったからだった。 ああそうだ、あの時私は迷ったんじゃない。 自分で……森……へ…… そして私はそのまま…… 20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:55:14 ID:t9cwEGtq 衣服に染み込んだ寝汗の冷たさを肌に感じると無性に裸になりたくなった。半分まどろんだ頭にはまだいくつかの映像が焼き付いていた。だんだんと夢の内容が曖昧になっていき断片的にしか思い出せなくなったころ階段を昇ってくる足音がした。 「あ、ミネルバさん、起きてたんですね。牛乳がゆを作ったので晩御飯にしましょう」 ラグナはベッド脇の台に鍋を置くとミネルバの額にそっと手を当てて熱を計った。ミネルバは一瞬自分が子供に戻った気がしてくすぐったくなった。 「よかった。風邪薬が効いたみたいですね」 「え、覚えてないけど……」 「寝ているミネルバさんに飲んでもらうのは大変でした」 ミネルバはかぁーっと顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。 「レ、レディが寝ているあいだに勝手に何か飲ませるなんて!」 「き、緊急事態でしたから……」 「もう、バカバカバカバカーっ!!! そ、そんなの起きてからでいいじゃない!」 「す、すいません。ミネルバさんがあんまりうなされてるものでしたから」 うなされていた理由自体は多分違うのだが、それを訂正できないほど夢の記憶は不確かになっていた。 ミネルバはラグナを半ば睨みつけるように見据えた。 「いい!? 今回は仕方がなかったと思ってあげるけど、次やったら百たたきだからね! ……もう」 ミネルバは腕を組んでため息を吐くと牛乳がゆをいそいそと小皿によそっているなんともデリカシーに欠ける少年に向けて不満のこもった視線を向けた。 きっとこの底抜けのお人好しはそんな目線に気づきもしないだろう。 だが、それもこれも好意というか善意というか、素朴な優しさからくるものだというのはわかる。 わかるのだが、それは向けられる側にとっては、少なくとも自分にとっては、たまらなくくすぐったいというか、有り体に言うと恥ずかしすぎるのだ。 「はい、ミネルバさん、どうぞ」 ニコニコしながら牛乳がゆを差し出してくる。素直に受け取る気にはなれない。しばらくそっぽを向いているとラグナは困った顔を見せた。 ちょっぴりの罪悪感と、ちょっぴりの優越感。 子供っぽい支配欲だとは思うのだが、この少年の前で大人で居続けるのはなかなかに難しいのだ。 「どうすれば食べていただけますか?」 この言葉を待っていた。
8:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:07:33 ID:LfAy+aOs [sage] 21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:57:13 ID:t9cwEGtq 「ねぇ、ラグナ……」 うつむいて目一杯乙女の恥じらいを演じる。 肩を寄せ軽く握った右手で口元を隠す。 ラグナもこちらの様子の変化に気づいたようで、小皿を手に固まったままこちらをじっと見つめて言葉を待っている。 「 ……ところで……さ……」 ちらりと視線だけ向ける。 「どうやって……飲ませたの……?」 自分が何を言わんとしているのかラグナには伝わった筈だ。あとは反応をじっくり見て楽しませてもらうだけだ。 「え……?」 「た、例えば……その……くち……うつしとか……///」 すっと視線を外し意味深な空気を演出する。 視界の外でラグナがどんな顔をしているか想像しただけで頬が緩みそうになる。それを必死でこらえる。 だがここではっと気がついた。 もし本当に口移しで飲ませていたとしたら? ラグナに限ってそんなはずはないと自分に言い聞かせるのだが頭の中では寝ている自分に唇を重ねるラグナの姿が意に反して勝手に浮かび上がる。 口内に差し入れられる舌が自分の舌と触れ合い錠剤を互いの舌で弄んだあと唾液を流し込まれそのままゴクリと飲み下し…… そこまで想像した途端顔面が火にでもあたったかといわんばかりに熱くなった。たとえの一切を抜きにして顔が真っ赤になる。 もしかして本当に口移しだったのかもしれない。もしそうだったらどんな態度でいるべきだろう。怒ろうか、それとも泣くべきだろうか? むしろ自分はその結果を期待しているのではないか? 実はラグナをからかってやろうと思っていたのではなく、加虐心によるものでもなく、自分の願望か何かで答えを引き出そうとしていたのではないか? 心臓の脈打つ音がいよいよ聞こえようかというころ。 「鼻をつまんで水で流し込みました」 ほのかな期待は打ち砕かれ、次の瞬間思わず手が飛んでいた。 22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:58:09 ID:t9cwEGtq 「バカッ! バカバカバカバカバカバカバカーッ!!!! そういうときは、嘘でも、したって、言わないと、いけないの!!!!」 「す、すいません……」 「謝ってもダメ! ダメだからね!」 激しい剣幕に狼狽えるラグナ。 自分の怒りがどれだけ理不尽なのかわかってはいるのだが、矢継ぎ早に飛び出す言葉を止めることができない。 「すいません……」 落ち度などまったくないというのに謝るラグナを見て胸が痛む。 本当はそんな顔などさせたくはなかったのに。 それでも気持ちは収まらない。身が引き裂かれるような思いは自分を放してはくれない。 「ラグナはほんとはミネルバのことが……嫌いなの? ねぇ、答えて……」 「そ、そんなことは!」 「だったら……ミネルバのお願い、聞いてくれる……?」 一連の流れの中で行き着く先がはっきりする。 「な、なんでしょう?」 今ならどんなわがままも許される、そんな確信めいた予感と暴走する欲求に歯止めをかけられない歯がゆさとが交錯する。今ならどんなタブーもタブーにはならない気がした。 こうなったら後戻りはできない。口に溜まった唾をゴクリと飲み下し、声を絞り出す。 「き……キスしてくれたら……許してあげる……」 ラグナの目を正面から見ることができず顔をぷいっと逸らしてしまった。 いったいどんな表情をしているのだろう。驚いているのか、呆れているのか、もしかして変な奴だと思われたかもしれない。 もしそうなら明日からどんな顔をすればいいのだろう。 もし嫌われていたら。早まったかもしれない。焦り過ぎたのかも。 突拍子もないことを言ってしまった後悔と焦燥からラグナの顔をまともに見ることができない。 ミネルバはぎゅっと目をつむりラグナの言葉を待った。
9:名無しさん@カブ好き 2009/12/11(金) 13:07:58 ID:LfAy+aOs [sage] 23 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 00:59:22 ID:t9cwEGtq 言葉は返ってこなかった。恐る恐る目を合わせるとそこには真剣な表情のラグナがいた。 なぜそんな表情をしているのかわからない。想像だにしなかった。 こんな表情は見たことがない。 いつもどこかふわふわしていて時々何も考えていないんじゃないかとさえ思えるような脳天気な少年だと思っていた。 ラグナは普段どんな時にこの表情を見せるのだろう。今のラグナは外見よりも大人びて見える。 気持ちの真剣さが滲み出ているようだ。 そんな想いを込める言葉とはなんだろう。ミネルバにはわからなかった。 「ミネルバさん……」 「う、うん……」 「初めてなので上手くできないかもしれませんが……がんばります」 なんともくだらない理由もあったものだ。 だが、そんな理由でここまで真剣な表情ができるのもラグナくらいだろう。 拍子抜けしてしまったものの、決して失望させるものではなかった。 頭の中が真っ白になり、次いで口元がほころんだ。何も考えることができないままつい笑ってしまう。 相変わらず真剣な表情のラグナ。 それなのに胸の鼓動は先ほどよりも一層高鳴っている。胸に手を当てると心臓が暴れているのが感じ取れた。 「下手だったらやりなおしだからね……」 いじわるっぽく笑い、次いで瞳を薄く閉じながらおずおずと唇を差し出す。 肩に手が置かれる。 触れられた肩からラグナの体温が伝わってくる。肌と肌が馴染み合い互いの温もりが混ざり合う。 唇と唇が触れ合おうかというところで瞳を閉じきった。唇と唇が交わった瞬間、牛乳がゆの香りがした。 舌と舌が絡み合い互いの歯をなぞり合う。 ラグナから差し入れられた舌を唇ではさみ舌先でチョロチョロと弄ぶ。 お返しに差し入れた舌はちゅうっと吸われ唾液を飲まれてしまった。 密着していた唇を半分ずらして隙間をつくり舌と舌を押しつけ合うとヌルヌルと滑った。吐息と口内の温もりが交わされ白い煙となって冷たい室内を舞う。 手と手を合わせ指と指を絡め合う。 うっすらと涙が浮かび上がって頬を伝わり落ちた。 何分間そうしていたかわからない。 ゆっくりと唇を離すと、思わず衣服に手をかけていた。 さりげないアピール。 寒さなどまったく気にならないほどに熱気をおびた身体が疼き、そのまま僅かに衣服の裾をずらして素肌をあらわにする。 ラグナの手が添えられそこから奥へと遠慮がちに進んでいく。 24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/01(木) 01:00:12 ID:t9cwEGtq 肉親以外は誰も触ったことのない身体にラグナの手が這わされていく。 それにつれてずり上がっていく上着。 裾に手がかけられめくられていく。 褐色のお腹があらわになり、次いでみぞおちが、胸が明らかになる。 胸のすぐ上で一旦中断され、脇を抱えられるようにして衣服がささえられる。生まれて初めて異性の目に乳首を晒している。 ミネルバはまともにラグナを見ることができず思わず上目遣いになる。 誉められたものではないが自分の身体はエルフの国でも一二を争う未熟さだ。ラグナががっかりしたらどうしようと不安がよぎる。 「へ、変じゃない……? お、お姉ちゃんみたいにスタイルよくないし……」 「全然変じゃないです、とってもかわいいですよ」 「そ、それってどういう意味?」 「とてもスレンダーできれいです」 「ラグナは……このくらいの方が好きなの?」 「あはは……実はそうです」 「そうなんだ……ちょっと、得した気分かも♪ 男の子ってみんなおっきい方が好きなんだと思ってたなぁ。それともラグナが特別なのかな? えへへ」 ミネルバはラグナの首に両手を絡めると猫のように額を擦りつけて甘えてみせた。 「特別なラグナには特別に触らせてあげる♪」 「あ、その前に、舐めてもいいですか……?」 ミネルバはどきっとする。 「な、舐めても味なんかしないわよ……ま、まぁいいけど……ひゃっ!」 言い終わるのを待たずにラグナの舌先がミネルバの乳首にあてがわれた。チロチロと舌先で弄ぶとそのまま口に含んで軽く吸い上げる。ほんのわずかな膨らみがミネルバの呼吸につれて上下し、ラグナの鼻先に押し当てられる度にふにゅっとたわんだ。 「く、くすぐったいよ……」 「じゃあこういうのはどうでしょう」 ラグナはミネルバの乳首を甘く噛むと舌先で先端を刺激する。 「ちょっと……まっ……待って……噛んじゃだめ……っ」 コリコリという音の中ミネルバの呼吸は荒くなっていく。 「ラグナ……なんだか……変な気持ちになるよ……」 「気持ちいいですか?」 「なんていうのかな……ミネルバはラグナに舐めてもらうの……ちょっと好きかな……んっ……」 ビクンと身体を震わすと肩をすくめて大きく息を吐く。 ラグナの指がスカートの中へと伸びかけたところでミネルバが制した。 「ラ、ラグナ……そろそろ、ミネルバの順番だよ……代わって……?」
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