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牧場物語・ルーンファクトリー総合エロパロ Part4
883:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:32:45 ID:pEMPDM1S0 「はぁ……」 数えていないので、もう何度目になるのか分かりませんが、私は飽きることもなく溜め息を吐きます。 別に好き好んで溜め息を吐いてるわけではないですけど。あの人の事を考えていると吐かざるをえませんね。 「アルスさん……」 溜め息の原因である、あの人の名前を呟きます。名前を言っただけで胸が高まってしまいますわ。 多分、というより確実に私はあの人に恋をしているのでしょう。 アルスさん――私のお友達、私の思い上がりでなければ親友の女の子。アリアさんのお兄様です。 その方に私は見事にどっぷり惚れてしまったというわけです。いつ恋に落ちたか、などと聞かれても分かりませんわ。 アルスさんとは数年来のお付き合いですが、特にこれといった大きな出来事はなかったように思えます。 きっと長い間一緒にいるうちに好きになってしまったようですね、恋愛小説は大好きで月に何冊も読みますが、現実はそうそう 劇的な変化やイベントなんてありませんね。ちょっぴり残念です。あ、でも親友のお兄様と恋に落ちるというのはありがちな パターンですね、うふふ。 「はぁ……」 ……なーんて妄想をしていてもあの人が私に振り向いてくれるわけでもないんですけどね、恋愛小説みたいに あまーい恋をしてみたいとは言いません。ただ私の事を好きになってくれるだけで十分なのですが、そう上手くはいきませんね。 暗い気分に思わず下を見つめると、自然豊かなアルヴァーナの美しさを象徴するかのような透き通った泉があります。 そこに映っているのは、翠色の瞳が特徴的な女の子の姿。私ことラムリア・レムナンド・ヴィヴィアージュですね。 こうして自分の顔を客観的に見ると、器量が悪いとは思わない(というより思いたくない)ですが、アルスさんに釣り合っている程 美少女というようにも思えませんね。というより私と同世代の方たちは皆美人美形ばっかりです。コンプレックスが 刺激されてしまいますね。 「せめてアリアさんみたいに可愛くて人気者だったらなぁ……」 「呼んだ?」 「ぶふぉっ!!?」 驚きのあまり思わずはしたない声を上げてしまいました。横からひょっこりと顔を出したのは、先程から 話題に上げていた女の子。アリアさんです。アルスさんとは双子の兄妹なのですが、それにしてもそっくりですね。 髪型が違うだけで顔は完全に一致しています。ムーさんとスーさんは同じ性別なので、そっくりなのは分かりますが、 アルスさん達は男女の双子なのに瓜二つなんですよね、不思議です。
884:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:33:13 ID:pEMPDM1S0 「ねー、ねー、さっきから溜め息ついてばっかりだけど、どしたの? お腹痛いの?」 「うっ……」 どうやら見られていたようですね、しかしまあ、お腹痛いの? とは可愛らしい事を言っているので、 バレてはいないみたいです。アリアさんのお兄様であるアルスさんに懸想しているなんて知られたら、 恥ずかしいですし、天然のアリアさんのことですから口止めしてもらってもうっかり、なんてこともありえますから。 まあ、でもアリアさんのそんなところも可愛いんですけどね、好きの方向性は違いますが、兄弟揃って私の大切な人です。 「いえ、大丈夫ですわ……お腹が痛いわけじゃありません、ちょっと考え事を」 「なんだぁ、良かった……アルスの事考えてるの?」 「うわらばっ!?」 な、ななななななななな……なんでばれたんですか!? お、落ち着きましょう。すー、はー、すー、はー…… ふぅ、深呼吸したら落ち着きました。いや、心臓はドキバクしていますけど。 「い、いいいやぁ、べ、別にアルスさんの事を考えているわけでは……」 「あれ? そうなの? ラムリアのことだからてっきり……」 「ひょえ!? 私の事だからてっきりってどういうことなのですか!?」 「え? だってアルスの事大好きじゃないラムリアは」 ひ、ひええええ!! すっかりばれちゃっています! そ、そういえばアリアさんは天然だけど妙に鋭いところが ありました。ぐぬぬ、自分の恋愛には疎すぎるくらい疎いのに、なんで他人の恋愛には鋭いんですか、というか アリアさんはその方面で恵まれ過ぎです。可愛くて格好良くて、何でもできて(以下略)な兄弟仲の良い双子のお兄様が いて、学校のイケメン男子の全員に好意を持たれていて、おまけに双子の女の子にも恋愛的な意味で好かれているなんて、 おまけにお父様が行方不明(だった)という不幸属性もあるし……これは、まあ羨ましいとは思いませんが。 兎に角! どこの恋愛小説のヒロインですかあなたは! 本人の性格も元気で明るくて鈍感で天然というヒロイン要素の 塊みたいな方ですし……
885:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:34:01 ID:pEMPDM1S0 「おーい、ラムリア……なんか凄い怖い顔になっているけど」 「……はっ! 思わず我を見失ってしまいました」 私ったらはしたない……ま、まあアリアさんを羨んでいても現状変わることがありませんし、何より友達に 嫉妬するなんて、駄目ですね私は、こんなことじゃアルスさんに振り向いてもらえるわけがないです。 「こ、こほん……さ、流石アリアさんですね、私の秘めたる想いに気が付くなんて」 「え、あ、うん」 (ほとんど四六時中アルスの方を見ていたり、跡をつけたり、話したら顔真っ赤にしてるのに…… アレでばれないと思っていたんだ……) ……? なんで苦笑いをしているのでしょうか? 「それは兎も角、アルスの事が好きなんでしょ? だったら私に任せてよ!」 「え……」 どん! と音が出そうな勢いで胸を叩くアリアさん、強く叩きすぎてむせてますね。 しかし、アリアさんが手伝ってくれるというのは嬉しいのですが、嬉しいのですが…… 「……すっごい不安です」 「えー! なんでー!?」 なんでもこうも、うっかりなアリアさんに恋愛相談なんてしても良いものか…… しかし、現状良い手を思い浮かばないことも事実です。可愛らしく頬を膨らませているアリアさんに、 泥船に乗ったつもりで話を聞いてもらいますか…… 「じ、じゃあアルスさんにアプローチする為に何か良い方法はありますか?」 「え? うーん……プ、プレゼントとか……」 ……あ、ありがちですね、まあ恋をした経験もない(されてはいますけど)アリアさんに画期的な 意見など出る筈もないですしね。う〜ん、しかし、何もしない現状よりはずっとましですよね。 下手に恋愛小説の真似をして上手くいくとも思えませんし、プレゼント作戦。シンプル・イズ・ベストですね。 兄弟ですからアルスさんの好きなものも私以上に知っているでしょう。案外良い考えかもしれません。
886:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:34:47 ID:pEMPDM1S0 「プレゼント……何かアルスさんの好きなものや欲しいものとか知っていますか?」 「えーと、アルスの好きなもの……あっ! 剣とか好きだよ!」 剣ですか、女の子が送るプレゼントの内容としてはいささか物騒な気がしますけど、確かにアルスさんは 剣を何本も持っていますね……私のお小遣いで買えるでしょうか? 「あっ……でもアルスって自分で凄い剣作れるんだった」 「ううっ! 確かに……」 昔、アルスさんが剣を作っているところを『偶然』見させていただきましたけど、並の職人でも到底作れないような 凄い剣を作っていましたね、試し切りとか言って大岩や地面を軽々と切り裂いていました。本人の剣の腕前もあるのでしょうが、 どちらにしても人間業とは思えません。あれもアースマイトの力の一部なのでしょうか。 「というかアルスって大抵のものは自分で作れるねー」 「ぐぬぬ」 そうなんですよね、あの人装飾品でも料理でも更には薬品までも作ってしまうんですよね。材料もダンジョンで 現地調達をしているみたいです。それこそ私どころか、お父様でもおいそれと手に入れることが出来ないような品物を 作ってしまうんです。 「いやー、アルスは色々と器用だよね、羨ましい」 あなたも十分すぎるほど凄いんですけどね、人やモンスターと仲良くする才能はアルスさん以上ですし、 アルスさん同様アースマイトで器用なのですから、真面目に勉強さえすれば、もっと色々出来るはずなんです。 天然ですけど頭も悪くないですし、テスト前にちょっと勉強しただけで及第点が取れるのはずるいです。 ……何だかまた苛々してきちゃいました。 「じゃあ何を送れば良いんですか!」 「落ち着いて、気持ちは分かるけど落ち着いてラムリア」 思わず声を大きくしてしまう私。アリアさんは悪くありませんが、どうしようもないじゃないですか。
887:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:35:46 ID:pEMPDM1S0 「うーん、今思ったんだけど、ラムリアが送ったものならなんだって喜ぶんじゃないかな?」 「そ、そうなんですか」 「うん、大切なのは愛情だよ!」 い、言われてみれば確かにそうかもしれませんね、お嬢様という私の立場を使って高価なものをプレゼントするのは、 嫌味にとられる危険性もありますし、そういう展開は恋愛小説でも鉄板ですね。……なんだか言い包められている気もしますが。 「でも、何よりラムリアはそんなことよりもアルスともっと話をした方が良いんじゃない?」 「う、痛いところを……それにアリアさんが提案した話なのにそんなことって……」 多分今思い出した事なんでしょうね、思いつきで行動できるのは、見ていて危ういですけど、とても羨ましいです。 指摘するとアリアさんはアルスさんそっくりの笑い方で頭を掻きます。仕草もそっくりですね。静かで大人っぽい アルスさんと、明るくて子どもっぽいアリアさん。性格はあまり似ていませんが、根っこの部分ではとても似ているように思えます。 やっぱり兄妹なんですね。 「あはは……で、でも間違ったことは言ってないでしょ? 最近のラムリア、アルスの跡つけてばっかりで、 あんまり話は出来ていないみたいだし」 「あ、あ、あああ、あ、あ、跡つけているわけじゃないです!! じゃなくて……だってアルスさんが好きだって 気が付いてから、話そうとしても顔が赤くなってしまいますし、胸がいっぱいになってしまうんです。そんな状態で 話なんかできませんわ……」 「へー、私は恋なんてまだしたことがないから良く分からないけど、そんなに緊張しちゃうものなんだね」 何だかアリアさんに恋をしている男の子の皆さん、と二名の女の子が無性に可哀想になりましたわ…… 無知……いや、鈍感は罪ですね……まあそのことは置いておきましょう。修羅場になりかねない事柄へ無暗に首を突っ込むのは ごめんです。もちろんアリアさんの身に危険があれば別ですが……まあ大丈夫でしょう、根拠はありませんが。
888:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:36:41 ID:pEMPDM1S0 「んうー……でも話しかけてみなければ何にもならないんだし、一か八かチャレンジしてみれば?」 「そ、そうですね……でもどんな話をすれば……」 「別に難しい話をしなくても大丈夫だと思うけど、学校の話とか、悩み事とか……正直に話せば良いと思うよ」 悩み事、ですか……アルスさんのこと以外は……うぅ、嫌な事を思い出してしまいました。最近夜におやつを食べちゃって 体重が増えてしまっているんですよね……でも、これもアルスさんの事を考えているからなんですけどね、多分 アルスさんと上手くいかないから、そのストレスでついついおやつに手が出てしまうんです。うん、きっとそうです。 べ、別に責任転嫁をしているわけじゃありませんわ! 「……どうしたの、ラムリア?」 うぅ、どうやら顔に動揺が出てしまったようです。アリアさんが不思議そうな顔でこちらを見てしまっています。 「……まあ話の内容は兎も角、アルスと二人っきりになって思いっきり話せば、少しは今までよりも仲が良くなれるんじゃないかな」 「ア、アルスさんと二人っきりですか、ど、どうやって……?」 「えーと、あ! この前私を呼び出したときみたいに掲示板に依頼を書いてみれば?」 「……! それは良い考えですね!」 ゲームシステム的にアルスさんとアリアさん以外には掲示板の依頼を使わないですし……と、興奮のあまり思わずメタな発言を してしまいましたわ。私ったらはしたない。 「で、でもやっぱり緊張するので一緒に……せめてどこかで見ていてほしいですわ」 「駄目駄目、流石にそこまでやったら逆に意識しすぎちゃうでしょ、甘え過ぎるのは良くないしね」 (本当は面白そうだし、とっても見たいけど、そこまでやぼじゃないよ私は) 「う……それもそうですね……」 「だからさ、頑張って! アルスの方は私が上手く誘導してみせるからさ!」 アリアさん……私のためにここまでしてくれるなんて……本当に私は良いお友達がいて幸せです。 アリアさんが御膳立てをして、応援してくれているのですから勇気を出してアルスさんにアタックしてみます。 そしてラブラブになって、それはもう甘い甘い蜜月のような毎日を……
889:◆EAGHfd50gHQi 2012/05/30(水) 23:37:59 ID:pEMPDM1S0 「うふふ……ふふ♪ ふふふふふふ♪」 「えーと、それじゃあ早速準備をしようか……」 (ラムリア……顔赤くしているのは可愛いけど、くねくねしているのは凄く気持ち悪い) 数日後。 ――――――――――――――― ――――――――――― ――――――――
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