理想郷をめざして















「アイク、・・・・・・虹、が、見たいです・・・・・・」




「虹だな。わかった。きっと見せてやる」






























アイクは、セネリオをその背に乗せて。

傘を差して、歩いた。

きっと虹が見えるところへ。






























「・・・アイク」

「どうした?」










「どこまで・・・、行くんですか?」

「虹が見えるまでどこまでもだ
・・・・・・見たいんだろ?」






























その傘の中から見た世界は、それはそれは切なくて。

厚い雲、打ち付ける雨水、身を刺す空気。






























「ごめんなさい・・・」

「知ってるか?
虹の根元には財宝が眠ってるらしいぞ」










「そんな・・・あるわけ・・・」








































「雨、やんだな」





「もう、・・・・・・・・・」

「諦めなければ見れるかもしれないだろ
きっとどこかに見える場所がある」




















「あなたって、人は・・・・・・」








































背の上から見た世界は、それはそれは美しくて。

あたたかな陽射し、つやつや光る草、流れる風。

















































「セネリオ、見えたぞ!」





「言っただろ?諦めなければ見れるかもしれないって」





「よかったな、セネリオ」




































































































「セネリオ・・・」