いみのおと
いない いない どこに いっても
ポゴしか いない ばしょを どこまでも あるきました
たどりついた ここには いた けれども
「オマエ……ポゴってのか」
つたえる まえに つたわったのを
どうしてと ポゴは すこし おもいました
「オレを信用してねーだろ?」
わらった けれども ちがいます
みている のは あらそいの こころが あるか
ないを つたえないと あらそいに なるでしょう
「ブルブル!」
「へー、そーかい?」
わらいは まだ ちがいます
「……やるな」
いま ほんとうに わらいました
そして いっしょに あるき はじめました
「ひれー森だなー、他にも誰かいるかもな」
あるく あるく アキラは くちから おとを だします
なにか あいず では ありません
「取り敢えず……あっちのでけー城にでも行ってみっか」
とおくを ゆびさして また おとを だしました
おとを だすのは どうして なのか
ポゴは かんがえます
「ポゴ?」
アキラが みてきます
ポゴの かおが どんな かたちか
「どした、なんか考え事か?」
この おとは どうして なのか
やはり かんがえました
おおきな いしの なかを したに したに あるきました
したは くらい つめたい ところ
「誰だッ!」
また おとが きこえました
「ひとつ聞かせろ……おまえは俺の敵か?」
みている のは また あらそいの こころ
けれども アキラとは すこし ちがいます
「ブルブル!」
あらそいの こころは ない けれども
「どっちにしても出来そうだな」
「そう来んのかよ……」
たたかいを たのしむ なら ちがう かも
あしを ふんばって ぶきを にぎって
「ウガーッ!」
「面白え!」
ちからと ちからを ぶつけて みました
「世界中ってすげーな、何語もいけんじゃん」
「日本語しか話せないぞ?」
「え、じゃあどうしてたんだよ」
「身振りと気合いだ!」
「マジか……、いやでもそういうもんか……?」
タカハラと アキラは いろいろな おとを だします
いろいろな おとを だして わらいます
いろいろな おとを だして たのしみます
どうして なのか かんがえました
もしかして どうしては ひとり だけ
「ポゴ? またどしたよ」
どうしては どうして どうしてなのか
ポゴの どうしては とまりません
「また?」
「ああ、さっきもこんな感じになってさ」
「そうか」
すると ポゴの あたまに おおきな てのひら
なでる あたたかい てのひらが こんどは こぶしに
「ポゴ!」
タカハラが みている のは また たのしみ
タカハラの にぎった こぶしは また つよく
「もう一戦だ!」
「拳で語るヤツかよ! まー、あとはポゴに任せるしかねーか」
これは どうして では ありません
きめる できる やる だから つたえるのです
「ウホ!」
タカハラは とりでは ありません
けれども とびあがり とどきません
タカハラは マンモスでは ありません
けれども おおきくて つよいのです
「ウガッ!」
ポゴが ほねを ふると
タカハラは うでで とめました
「……さっきより弱いぞ!」
タカハラの からだが まわって あしが しなり
マンモスの ハナむちよりも つよく ポゴに あたりました
からだが ふきとんで きに あたり
いたい けれども
「ウー……」
「まだやるか?」
うちがわで すこし かたまりが とれました
「……ブルブル」
かたまりが とれて すこし らくに なりました
「そうか。顔付きは良くなったな」
けれども どうしては かわりません
「――高原、ちょいと交代してくんねーか」
うごかなかった アキラが ちかづきます
「緊急って事で勘弁な」
すこしして アキラが ポゴの あたまを なでました
「あー……。そもそも言葉ってもんが解んねーで困ってたんだな」
なでる てのひらは タカハラより ちいさくて
おなじ ように あたたかくて
「此処の原住民じゃなかったのか?」
「いやいや……。ポゴは多分、すっげー昔のヤツ、それこそ原始時代くれーじゃねーかな」
「つまりだ、原始時代にこんな強いやつがいるって事だな! 凄いじゃないか!」
タカハラは げんきに
「まー……なんだ、困ってっかもしんねーけど」
アキラは たのしそうに
「こんだけうっせーんだ、淋しかねーだろ?」
アキラの ては めのまえ
さわって ないのに あたたかくて どうしてだろう
けれども どうしての なかみは もう いりません
「ウホ!」
てを にぎって つながります
タカハラも てを かさねました
「改めて宜しくな!」
「ウホウホ!」
はなした あとも きっと つながる でしょう
「つるむのも偶にゃ悪くねーな」
「ははは、そうだな」
ポゴに とって おとは どうして
けれども もう それで いいのです
つながって わらって だから たのしくなりました
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