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1-182様
「あれ?ここは一体?」
アルルは目を覚ますと自分が見覚えのないところにいることに気づいた。
石造りの丸い部屋だ。特にこれといったものは置かれていない。
とりあえず半身を起こして辺りを見回す。
円柱状になったその部屋は塔の中を思わせたが、とりあえず窓はなかった。
代わりに鉄でできた頑丈そうな扉がひとつある。
上を見上げるとアルルの身長よりもはるか遠くに鉄格子がはまった天井が見える。
「もしかして僕、閉じ込められてる?」
「聞くまでもないだろうが」
「その声はヘンタイ!!」
「誰がヘンタイだ!」
重い音を立てて扉が内側に開く。そこから入ってきたのはアルルの予想通り、闇の魔導師シェゾだった。いや、銀髪のヘンタイのほうが通りがいいだろう。
「キミにきまってるだろう!」
アルルは床に座ったままびしっとばかりに指をシェゾのほうに向ける。すると、じゃらりと重い鎖が腕についてきた。手首に金属の錠がまかれ床を這う鎖でつながれている。
「な、なにこれー!ちょっとキミそういう趣味もあったわけ!」
その問いにシェゾは意地の悪い笑みで応えた。アルルはその笑いにいつものシェゾとの違いを認め、少し眉をひそめる。そんなアルルの様子をめずらしそうに眺め、シェゾは口を開いた。
「捕まえた贄をどう扱おうと俺の勝手だ」
「贄って・・・」
「覚えてないようだから教えてやるよ。おまえは俺にぷよぷよ地獄で負けたんだ」
「嘘!僕がシェゾなんかに負けるわけないじゃん。143戦全勝だよ!」
シェゾの言葉に覆い被せるようにアルルはいった。本人にその気はないいつもの挑発だ。
しかし、そんなアルルの即答ぶりにも、シェゾは普段のように怒鳴り返したりしなかった。
余裕の笑みを浮かべている。その笑みに悪意を感じるのはアルルの気のせいではない。
「それなら144戦目で負けたってことだな。ぷよに頭を打たれて気絶ついでに記憶も飛ばしたか?」
「そういえば頭が痛いかも・・・ってじゃあ僕、魔力とられちゃうの?!ちょっと待ってよ!」
「安心しろ。いろいろと準備があってな。儀式までは間がある。それまで俺がおまえを飼ってやるよ」
「か、飼うってなに考えてんのさ!僕をどうする気?」
「・・・さあな」
シェゾはかがみ込んでその碧眼をアルルに近づける。銀色の前髪がアルルの額に触れた。
アルルが怯えたように息を飲むと、シェゾは嗤い、右手をアルルの首筋に這わせた。
シェゾの中指が首の静脈をなぞる。
手のひらをまわし、無意識に後ろに逃げようとするアルルの首を支えるようにしながら親指の腹でうなじをなであげる。
アルルはいつもと違うシェゾに恐怖を覚え固くなり、生理的嫌悪感すら感じない。
笑っている口元とは対照的に、シェゾの青い双眸は今までみたことのないくらい本気に満ちていた。
「抵抗しないんだな」
怯える心の底を見透かそうとでもいうように目を覗き込まれ、アルルは我に返った。
シェゾは顔を傾け、さらにほおを寄せアルルの唇を塞ごうとする。
「ちょっと待ってってば!抵抗するよっ!・・・」
アルルは口づけをかわそうと頭を後ろに引き、左腕を突っぱねて、シェゾの身体を押し戻そうとする。
しかし身体を支えてた右腕を払われると、そのまま後ろに倒れ込んでしまった。
床にぶつかるはずだった後頭部はとっさにシェゾの手のひらで覆われて痛みは感じなかったものの、事態は悪くなった気がしてならない。
男の身体は16歳の女の子の腕の力で押し返せるようなものではないのだ。
アルルはあっさりと組み伏せられる。
右腕は自分の身体の下に折り込まれ、動かせない。
が、シェゾは抵抗を楽しむかのように、必要以上の束縛をしようとしなかった。
シェゾの右手はどう料理しようかとでもいうように、アルルの首筋や肩をたどった後、シャツの上からその胸のふくらみをゆっくりとさぐる。
「やだ、ってばっ」
まだ経験のしたことのないものへの恐怖から、アルルは自由な左手でとっさにシェゾの顔をひっぱたいていた。
その目には涙が浮かんでいる。
シェゾは叩かれたほおをそのままに上体をおこし、少しだけ身をはなした。
アルルの身体から力が抜け、ほっとした表情をした。
しかし、シェゾはその期待を裏切るようにアルルの服に手をかけそれを引き裂いた。
襟元から白のノースリーブと青いアンダーをまとめて破かれる。
それはいつもの防具に引っかかり、最後までは引き裂かれなかったものの隙間から白い肌が十分あらわになった。
「きゃ。」
アルルは小さく悲鳴をあげた。
あまりにショックなことに遭遇するととっさに大きな声はでないものらしい。
代わりに無邪気な鳶色の瞳から涙があふれ出す。
アルルは手で破けた服を抑えると後ずさりし、シェゾから少しでも身体を離そうとした。
シェゾは怯えきって震えるアルルを捕まえ、片膝をついて見下ろす。
その表情からはアルルに対する同情は読みとれない。
「所詮女だな。いつもの強気はどうした?」
シェゾのあからさまな挑発だ。
しかし、アルルは挑発にのった。
身体の震えをなだめ、手の甲で涙をぬぐうとシェゾをにらみつける。
「ちょ、ちょっとなに考えてんのよっ。いくらなんでも冗談じゃすまないよ!」
アルルの精一杯の虚勢だ。
その言葉にシェゾは呆れたように小さくため息をついた。
「別に冗談のつもりはない。この期に及んでなにを寝ぼけたことをいってんだ」
「ならなんで突然こんなことするのさっ。魔導力が目当てならこんなことする必要ないじゃないか!」
シェゾはアルルの顔に手を伸ばす。
とっさにアルルは身体を固くした。しかし、シェゾの手のひらはそっとほおに触れただけだ。
「・・・わからないのか?」
「わからないよっ!」
アルルは悲鳴なような声をあげると、シェゾの手を振り払った。
そのまま手のひらをシェゾに向け、至近距離から魔法を放つ。
「アイスストーム!」
その声に呼応するように青白い光の魔法陣がまばゆく床に浮かび上がって、やがて消えた。
ただ、それだけだ。
氷の固まりがシェゾを襲うはずだった。しかし魔法は放たれない。
「発動していれば、なかなかの威力だったな」
シェゾが目を細めて感心するように、息を吐いた。
「魔法がつかえないっ!?」
アルルは呆然としてつぶやいた。
「当たり前だ。魔導師を監禁するのに魔法を封じなければ話にならん。酔狂でこんな妙な部屋に閉じこめた訳ではないってことだな」
シェゾはアルルの腕をつかむと、強引に自分に引き寄せた。
アルルは悲鳴をあげて腕を振りほどこうとするが、腕力の差はどうにもならない。
その両手はシェゾの片腕で後ろ手に絡め取られた。
がっしりとしたシェゾの手に捉えられた腕は悲しくなるほど細くて非力だった。アルルはこの時ほど自分の身体が頼りなく思ったことはない。
(これじゃ・・・僕はただの女の子じゃないか。魔法が使えなかったら僕は誰にでも・・・こんなのって)
アルルはくじけそうになる。でも落ち込んでる場合じゃない。
「シェゾっ離してってば!これ以上、変なことするんなら僕、舌かんで出血多量で死んじゃうからねっ!」
「・・・それは困るな。死体からじゃ魔導力は吸収できないんだ」
言葉とは裏腹に少しも困っていない態度だった。
しかも、腕は少しも緩まない。
シェゾのその態度はアルルを知らぬ間に追い詰める。
「だったらっ!」
「知ってるのか?舌を噛みきっても別に死ぬ訳じゃない。それなりに出血はするがな。大抵の死因は噛みきった舌をのどに詰まらせる窒息死だ」
シェゾの返答に一瞬、気勢を削がれる。
しかし、アルルはすぐに言い返した。
「だったらっ!だったら舌飲み込んで死んじゃうからっ!!」
アルルがそう応えたのはほとんど反射だった。
しかし。
「仕方ないな」
シェゾは服の中から何かを取り出す。そのまま器用に片手でそれを開いた。
10cm程の細身の刃が反射で光った。片刃で薄いナイフだ。
リンゴの皮をむくのに向いてそうとアルルは思った。
もちろんここにリンゴなんてない。悲しい現実逃避の思考回路だ。
シェゾはアルルの顔に、銀色に光る刃を近づけた。
さらにナイフの背で彼女の口元を撫でる。
「な・・・」
アルルの声になったのはそれだけだ。
それでも、聞きたいことは伝わった。
「つまりだ。先に舌を抉っておくって手もあるってことだ。安心しろ。止血はしてやるよ」
再び、アルルは硬直した。
シェゾはナイフを人差し指と中指ではさみ、親指でアルルの口をこじ開けようとした。
アルルは思わず目をつぶる。
シェゾは親指で彼女の唇を軽く撫で指を離し、自分の唇をもってアルルの口を塞いだ。
カシャりとナイフが床に落ちる音がした。
アルルは目を見開き、いやいやをするように弱々しく首を振る。
が、すぐにナイフを持っていた手で頭を固定されてしまう。
座ったまま抱きすくめられるような格好で後ろ手に両腕を押さえつけられ、さらに逆の手で頭を抱え込まれ、アルルは身動きがとれない。
シェゾの唇と舌は優しく蠢いた。舌でアルルの唇の輪郭をゆるゆるとなぞった後、下唇を軽くはさみ、離す。
かと思えばその桜色の唇を自分の唇を割入れ、強引に開かせ、また戻り、ついばむようなキスをする。
恋人同士であればじれったっくなるような、そんな愛撫をシェゾは唇に繰り返した。
諦めからだろうアルルの力は次第に抜けていく。
シェゾが頭を押さえていた手を離しても、逃げようとしなくなり、はじめてシェゾは舌をアルルの唇に押し込んだ。
「んっ・・・」
太くとがらせた舌を強引にねじ込まれ、無意識にアルルの喉がなった。
その声が男の劣情を掻きたてるものであることを彼女はまだ知らない。
シェゾはそのままの舌を何度もアルルの口に出し入れした。
そのたびにアルルの唇とあごは無理やり開かされる。
その行為にアルルはなぜか羞恥を覚えた。
同時に密やかな快楽がそれと知らずアルルに忍びよる。
(・・・もやもやする。なんか僕、へんだ)
アルルの左胸を覆っていたアーマーをはずして、シェゾの右手が服の裂け目から侵入し、アルルのやわらかな素肌をなで上げる。
さらに、シェゾがアルルの口中を掻き回すと小さな舌は蹂躙された。
アルルのもやもやは大きくなる。
理性がそのもやもやに捉えられるなといってるかのように、アルルはその感覚に抵抗しようとする。
そして、舌は絡め取られた。シェゾは当たり前のように舌を吸った。
「あっ・・・」
アルルのもやもやはしびれるような感覚へつながり、背筋を滑り降りていった。
シェゾの口元が小さくわらった。
シェゾの手はアルルの服の下を這い回る。
破れた服はすでに腹のほうに押しやられ、縛められた腕のひじに引っかかりとまっていた。
シェゾはアルルの胸のふくらみを下から撫で上げ、掌で包み込んだ。
そのまま円を描くように手を動かすとアルルの声があがる。
「んっ・・・」
さして乱暴に扱われたわけでもないのに思春期の胸は痛みを覚え、アルルが身をよじると自由なほうの胸の薄い色のつぼみが遠慮がちに揺れた。
(卑猥な光景だな)
シェゾにとって無理やり女を犯すことはは特別に欲情するものではない。
シェゾにとっては合意の上でやることも、強引にことに及ぶこともそれ程大きな違いをもたないかった。
それでも目の前の光景は男の欲情を誘うものだった。
シェゾは動きにつられるようにそのつぼみに唇をよせた。
口に含み、唾液を擦りつけるように舌で転がすと、たちまちとがってシェゾの舌を押し返す。
「ぅん・・・あ・・・」
アルルの口から甘い声がもれた。アルルの胸には痛みとは違ったうずくような感覚がある。
それはシェゾの舌の動きと共に触れられていない下半身にもしびれをもたらしアルルを戸惑わせた。
「どうし、て。ボク、こんなのいやだ・・・あっぁん」
アルルの弱々しい抵抗は、自身の喘ぎ声で遮られる。
「・・・なかなかいい声でなくもんだな」
顔を起こしたシェゾの顔に、嘲りとも優越感ともとれる笑いが浮かぶとアルルの顔は羞恥に染まった。
アルルは声をあげることに恥じらいを感じ、それを抑えよう唇をかんだ。
しかし、執ように続く胸への刺激にアルルの吐息は甘さを増していく。
(声がでちゃう・・・ボクの体なのにいうこときかないよぉ)
「・・くんっ・・う・・ひゃっ」
シェゾがアルルの胸の薄い紅色の固まりを強く吸うとアルルは高い声をあげた。
没案
(体が熱い。やっぱりボクおかしいよぉ。熱に浮かされているみたいだ)
アルルが意識した時はすでに体はうっすら汗ばんでいた。
その熱く湿った体をシェゾがなぞる。
シェゾはやっとアルルの腕を開放するが、空いた腕はそのままアルルの背中にまわされていた。
その腕でアルルの体を支えながらも、もう一方の腕の固い掌はどこまでもアルルの体を探っていった。
指紋でうぶ毛をとかすように繊細に指先がうごいたと思えば、下着の上から手荒く尻を揉みしだく。
ようやく欲情を覚えかけた体に、さらに甘く痺れるような感覚を植え付けようとシェゾは丹念にアルルの体を踏みにじっていく。
「・・・んっ・・ぁん」
その動きとともに鼻にかかった甘い声がアルルの口からもれる。
声を抑えようと自らの手で口を押さえたが、今度はくんっと喉がなってしまう。
「ぅん・・・いや、だ・・んぁっ」
アルルの幼さを残した顔は羞恥と困惑、それと与えられる甘い刺激で涙ぐんでいた。
上気した頬に涙が跡をつけている。
鎖のついている腕は冷たい床についているものの、力が抜け、体をシェゾにあずけていた。
シェゾの唇は胸の愛撫を続け、舌先はその頂点を弄び、あたかもアルルから喘ぎを引き出すことに夢中になってるかと思えた。
しかし、シェゾの碧眼には何かに夢中になっている者に特有の熱っぽさはない。
ただ冷たい闇が宿っていた。
シェゾの手はアルルの脇腹に螺旋を描いて滑りおりる。
腰骨を爪でなぞり、青いスカートに指をかけ臀部を撫でながら、それを脱がした。
汗で濡れたわずかにレースがほどこされた白い下着が肌に張り付いている。
湿った布の上から黒い繁みが透けてみえる。
シェゾは大腿を這わした手を内側に滑りこませて、繁みの奥に下着の上から触れる。
そこは、汗ともしれない液体ですでにぐしょぐしょだった。
「・・・ぃやだ。さわら、ないでよ・・・」
アルルは反射的に膝を閉じようとする。
しかし、シェゾの手はすでに足の間に取り付いていて、どうにもならない。
力の入らない足で抵抗をするが、無駄だった。
アルルにとってその場所は、今まで誰にも触れられたことのない場所である。
自分でだってそう触れたことがない。
体を洗うときだって、泡立てた石鹸をつけたスポンジで洗うだけだ。
その場所を下着の上からとはいえ、触られている。
それは嫌悪と恐れを感じさせる行為だった。
「こんなに濡らしておいてよく言う」
シェゾの声ではじめてアルルはそのことに気付いた。
足の間がぬるぬるしている。
アルルは唖然とする。
(ここって気持ちいいと濡れるって。なんで?ボクこんなにいやなのに。本当はいやじゃない?!)
「うそ・・・そんな、わけ」
アルルは震える声でいう。
シェゾは軽く笑うと、割れ目にそって親指を何度か往復させ、そしてその指と人差し指で割れ目を押し開いた。
すでにこれだけ湿っていれば、いまさら下着に染みなど付くはずもない。
しかし、その部分の布が湿り気を増し、重くなるのをシェゾは指で感じていた。
「その分じゃ、ここが濡れることの意味はわかっていそうだな」
シェゾはアルルの耳に息を吹き込むようにしていう。
蔑みの色を含んだ低い声にアルルの身は震えた。
「しらない、よ・・・」
「そうだな。簡単にいうと触ってほしいっていってるようなもんだ」
「そんなんじゃ・・・」
アルルの言葉が終わるのを待たずに、シェゾはアルルの下着に手をかけ、一気に引きずり下ろした。
アルルは悲鳴を上げて、シェゾの手を押さえるがそれは、無駄に終わった。
引き下ろされた下着は片足だけ抜かれ、右の足首に絡まる。
破られたアルルの服は腹から腰の辺りに辛うじてまとわりついていたがそれだけだ。
シェゾは身を固くしながらも自らに身を預けていたアルルを床に横たえると、必死に繁みを隠しているアルルの華奢な手を掴み、それを押しのけた。
生えそろったばかりのような薄い繁みがシェゾの前に露わになる。
湿って張り付いたそれから割れ目が透けてみえる。
「いやだっ見ないで!」
アルルが悲鳴まじりの声をあげた。
しかし、シェゾは皮肉げに軽く唇の端を引き上げるだけだ。
暴れようとするアルルの上半身を押さえながら、シェゾはアルルの足の間に自分の膝を割り込ませる。
アルルの顔を上から見下しながら、シェゾは指を這わし、淡い繁みの上から割れ目をたどっていく。
その指は奥に入り、やがてアルルの小さな花芯を捉えた。
そのまま、こねるように嬲る。
「ひゃぅ・・・ふわっ・・」
その刺激は今までとは違う直接的なしびれをアルルにもたらした。
今までの刺激は下半身に向かっていったが、この場所に与えられるのは頭の中に駆け上がる刺激だった。
「シェゾ・・お願いだ、よ・・やめて、ボク・・変、になっ、ちゃう」
アルルは刺激に声を途切らせながらも哀願した。しかしシェゾは聞き入れない。
「ふん・・・変になるのはこれからだ」
「・・え」
シェゾはアルルの花芯を奥から手前に撫でるようにして露出した。
むき出しになったそこを指を長く使い、ぬるぬると摩擦してゆく。
「ひゃん、あん・・いやぁん・くんっ・・・あぁん、・・・」
今まで以上に甘く鼻にかかった声がアルルの口から漏れると、その声に応じるかのように閉じた割れ目からあふれ出すように潤滑液が流れでて、シェゾの手を濡らしていった。
(・・・・頭が真っ白になる。ボクもう、なにも考えられない)
アルルは無意識に足を突っぱねて足先を緊張させた。
シェゾは花芯を親指で刺激しながらも、中指を割れ目に滑らせる。
アルルがあふれさせた蜜によりぬるぬるとなったそこに指を入れた。
シェゾの指を押し戻そうとするそこを掻き分けるように第2関節まで押し込んだ。
「ああぁぅんっあっーー」
秘所に飲み込んだばかりのシェゾの指を吸い込むようにアルルの中は痙攣した。
(悪くなさそうだな・・・)
シェゾは中指にねっとりと絡みつく肉の感触を確かめるように掻き回す。
そのたびに弛緩したアルルの体は反応し、与えられる痛みと快楽とに甘く啜り泣くような声をあげた。
「あっけないものだ」
シェゾのその声にアルルは反応する余裕はない。
息は上がり、いつもの勝ち気な瞳は涙に濡れ、とろりとした視線を宙に投げかけていた。
だらしなく弛緩する目の前の少女をみてシェゾは皮肉に笑った。
世間知らずの馬鹿。
シェゾがはじめてアルルに出会ったときの印象である。
年頃の娘が一人で危険な旅をするなどいくら魔導師でもあほかと、目の前で無防備に気を失う少女をみて思った記憶がある。しかし、同時にその度胸に感心しもした。そして、その自信を裏付けるような巨大な魔導力に納得したのだ。
ただ、アルルにいくら巨大な魔力があったとしても、その度胸は世間を知らないからこそだ。
無邪気で勝ち気で怖いもの知らずのアルル。
いつも光の中にいるこの少女を、本気で追い詰めてみたいとずっと思っていた。
「・・・ひゃっいたっ・・・いたい」
乱暴に指を動かすとアルルが痛みを訴える。
しかし、乱れる息によって痛み以外の感覚を受け止めているのは間違いない。
ぐちぐちと卑わいな音をたてて、シェゾの指が何本かアルルの秘所に出入りした。
そのたびにアルルの体は無意識の緊張と弛緩を繰り返した。
(こころあいだな)
アルルの腰がさらなる刺激を求めて自ら揺れはじめるのをみてシェゾは指を抜いた。
「あ・・・」
甘く濡れた声で喘いでいたアルルは絶え間なく与えられていた刺激を止められ、不安な声をあげる。
「不満そうだな」
シェゾが声に嘲りをこめる。
「・・・そんな・・・ボク」
それだけいうと唇を噛みしめてアルルは黙り込んだ。
(イヤだって思うのに・・・ボク、本当は・・・そんなのって)
その様子をみてシェゾはアルルの足首を掴み、秘所に目を向ける。
薄い産毛に囲まれ、小さく開いたきれいなピンク色の花弁は呼吸にあわせて、誘うようにひくついている。
「安心しろ。ここまできてやめる気はない」
シェゾはアルルから身を離し、上着を脱ぎ捨てると、下履きを緩め、既に立ち上がった自身をさらした。
アルルは、そのグロテスクなものを視界の端に捉え、体を強張らせた。
(あれが男の人の・・・怖い)
赤黒く血管の浮き出た得体のしれない男のもの。それが立ち上がった状態でシェゾについていた。アルルにとってひどく違和感のある光景だ。
それでも、シェゾが固く反り返った自身をアルルの濡れそぼった秘所に軽く押しあて滑らせると、アルルは赤く充血した花芯を擦りあげられて、甘い声で鳴いた。
「ひゃっん・・」
シェゾはアルルの片膝を抱え上げると、それをアルルのまだ一度も使われたことのない秘所にあてがう。
アルルの表情が固まった。とっくにどこかへ行ってたはずの理性の欠片がアルルに戻ってきて、この状況を拒否する。さらに本能的な恐怖がアルルを襲った。
それでも、腕を動かして抵抗する気力までは戻ってこない。ただ、涙の膜に覆われた鳶色の目が震えた。
「ふん。破瓜の痛みについての知識はあるわけか? 」
「・・・い、痛いの? 」
「さあな」
膝をついたシェゾは蔑みの宿った目でアルルを見下ろすと、少しずつ腰を進めた。
「いや、だ。痛・・・い」
アルルの狭い裂け目のような入り口にある膜は、シェゾのもので押し広げられ、そして裂けた。
鈍い痛みが一瞬で鋭いものへと変わる。
「・・・っ!!」
あまりの痛みにひゅっと喉がなる。アルルは痛みに身を捩ってそれから逃れようとするが、それもかなわない。
腰はシェゾの右腕に押さえられていた。右腕に巻かれた鎖がじゃらりと重たげに鳴る音が響いた。
アルルは痛みに声もでなかった。ただ泣きながら小さく呻く。
(いや、だ。い、痛いっこんなの、やだっ離し、て、やめてっ・・・ぃやだ)
じたばたと手を動かし、少しでも痛みから逃れようと、上にずり上がろうとする。もちろん無駄な努力だ。
シェゾは、そんなアルルの右足と腰を抱えあげるようにして、引き寄せ、自身を半分ほどアルルに埋め込んだ。
きつい粘膜の柔壁がシェゾのものにまとわりつく。アルルの体が痛みで固くなっているせいもあるだろうが、そこは思っていた以上に狭かった。
「きついな・・・」
しかし、シェゾは躊躇わず、向かい合わせの状態で、奥まで一気に貫いていた。
動きにアルルの高い悲鳴が重なる。竿を根本近くまでアルルに埋め込むと、シェゾはアルルの背に腕をまわし、肩を手のひらで掴むとそのまま抱き寄せ、上体を起こさせた。
つながったまま胡座をかいた自分の上に座らせる。涙でぐしょぐしょになった顔がすぐそばにあった。
「・・シェゾ・・・いた、い」
当然だった。この体勢はアルルの負担が大きい。
傷ついたばかりの裂け目に自らの体重がかかっているのだから。確認はしていないが、おそらくそこは血を流していることだろう。
この少女を苦しませ泣かせているのは自分だという自覚がシェゾにはあった。
しかし心の痛みはない。しかしサディスティックな願望を満たしているという興奮もなかった。ただアルルの悲惨な有様を胸の内に刻み込むように少女を見下ろす。
シェゾは脱ぎ捨ててあった黒い服から手のひらにすっぽり隠れるくらいの小さな小瓶を取り出す。口を使ってその蓋を開けると、アルルの唇の間に瓶の中身を流し込んだ。
真珠色の液体はぴりぴりと酒に似た刺激を与えて、アルルの喉に流れ込む。
いまの、なに? 声を出さずにアルルの唇が動いた。
「・・・別に死ぬようなものじゃない」
単なる即効性の媚薬だ。しかし効果は相当に強い。
小瓶を石床に落とすと、シェゾは本能を満たすために動き出した。アルルの腰を持ち上げ、上下に揺らす。誰にも未だ汚されたことのないアルルの中をシェゾのものが蹂躙した。
「あっぅ・・・うっ・・・っん・・・つっ・・」
その動きに合わせ、アルルが痛みから声をあげた。経口投与では薬が効くまでに少し時間がかかる。
直接、粘膜に塗り込むのが効き目が早いが、それでは男の方にまでも多少なりと薬の影響が出てしまう。お互い仲良く楽しむ気にはなれない。
シェゾはアルルの血の匂いを感じていた。メスの匂い混じった血の気配は薄暗い部屋に凝っていくようだ。
その中でシェゾは、自身にまとわりつくアルルの狭い膣を抉るように動いた。粘膜の締め付けがうねりのように襲い、シェゾのものに堪らない快楽を与えた。
アルルは痛みを訴え、少しでも花弁の傷口にかかる負担を減らそうとシェゾの上体にしがみつく。
背中にまわされたアルルの手のひらは皮膚を引っかき、シェゾの疼きを与えた。
「ぅん・・・ぁっ・・あぁんっ・・・ひゃあぁん」
突然、アルルの声に甘さが混じる。
(なに? これ・・・痛いけど、熱くて・・・このままじゃボクおかしくなる!)
指で刺激されたとは違う大きなうねりがアルルを捉えていた。
相変わらず痛みはあった。しかしそれ以上の何かがアルルに与えられていた。
シェゾはアルルを揺らすのをやめた。
動きを止められ一瞬、アルルは我に返った。
「あ・・・・」
「薬が効いてきたようだな」
しかし、シェゾの息を耳に受け、それだけでアルルの体がピクっと跳ねた。
シェゾのものをくわえたままの秘所がこくんと喉を鳴らすように、収縮する。
その意識を絡め取られるような感覚にシェゾは堪え、アルルの顔を見た。
目が合うと一瞬、アルルは恥じるように震え、瞳をふせる。
しかし、それはつかの間だった。
再び、シェゾが動きはじめると、羞恥にまじり大きな鳶色の瞳に熱っぽい光が宿った。
「あぁっん・・・ひゃぁん・・・ぁあんっ・・・ぅあぁん」
アルルは、熱っぽい唇を半開きにして、シェゾの動きに押し出されるように声をあげる。
その声にシェゾは自らの唇を噛みながらも、深く浅くアルルの中を掻き回す。
シェゾは自分の中に生まれつつある不快感から目を背けるように、真新しい粘膜を抉る快楽を夢中に追い求めた。
「・・・・っ!」
やがて、アルルの中でシェゾのものが大きく脈打つように膨れ上がり白く弾けた。
シェゾは荒い息を数回繰り返すと、アルルから身を離した。
男のものが引き抜かれたアルルのその場所は白い精液と血で無惨に汚されいた。
アルルが身を捩るとそこから精液がひとすじ床に流れ落ちる。
「や・・・ぁ」
その精液が内股を伝う感触にアルルは声をあげていた。
「・・・なんだ。足りないのか? 」
アルルは縋るようにシェゾを見上げた。
薬のせいだろう。全身を細かく震わせ何かに堪えるように唇を噛んでいる。
しかし、シェゾはアルルから視線をはずすと、服を整え上着を手に取り立ち上がった。
そのまま、そこから立ち去ろうとする。
アルルの手がシェゾの黒い服の裾をきゅっと掴んだ。
「・・・・ぃやだ。1人にしないで」
シェゾは無表情にアルルを見下ろすと、片膝を付きアルルの顎を掴んだ。
そして正面から目を合わせる。
「はっきり言え」
「ボク・・・もっと、して・・・してほ、しい」
かちゃりとアルルの中で何かが壊れる。自尊心だろうか自我だろうかあるいは無垢さなのかもしれない。でもアルルにはもうどうでもよかった。体が欲する感情を満たすことただ求めていた。
シェゾは、アルルの手を掴むとそれを服の上から自身に導いた。
「なら、お前がその気にさせろ」
「・・・うん」
アルルの中で何かが音を立てて崩れていった。
エピローグ。
サタンがシェゾのもとを訪れたのは、それから一週間ほどたってからだった。
シェゾは塔の入り口の壁にもたれてサタンが近づいてくるのを見ていた。
「遅かったなサタン」
「突然の来訪だったはずだが? それとも私を待っていてくれたのかな」
「馬鹿いえよ」
夕方の光が低い位置から2人を照らしていた。シェゾからは逆光で、歩いてくるサタンの表情は読みとれなかった。
「やはりアルルはここにいるのだな」
「ああ。連れ戻しに来たのか? 無駄だぜ。魔力は完全には吸収していないが、あいつはすっかり俺の言いなりだ。散々調教したからな」
シェゾの言葉にはどこか投げやりな響きがあった。あるいはサタンを挑発したかったのかもしれない。
「私はアルルの保護者ではないよ」
シェゾの傍らに立ち、サタンは穏やかにそういった。シェゾが拍子抜けするほど敵意がない。
「本当にアンタ何しにきたんだ?」
サタンもアルルの魔力をシェゾとは別の意味で狙っていた。シェゾはそれなりの怒りをぶつけられることを覚悟していた。もっとも黙ってやられるつもりはなかったが。
「話をしにきたのだよ。おまえは本当に望んだ結果を手に入れたのかと思ってな」
宥めるような声がシェゾを苛立たせた。
たしかにあの時、アルルの頭を下腹に抱え込んだシェゾは心のどこかで絶望していた。
魔力を効率よく奪い取るためには、相手の自我をある程度、破壊しておく必要があった。
アルルを抱いたのは、そのための茶番だったといってもいい。
それでも自身に慣れない手つきで愛撫をくわえ、舌をよせてくるアルルの有様は不快だった。
「余計なお世話だ」
「あの少女の周りを巻き込むような明るい活発さが嫌いだったわけでもあるまいに。むしろ好んで巻き込まれていたのだと思ったが? 」
「それはアンタだろう」
トゲを含んだシェゾの言葉にあっさりとサタンは同意する。
「そうだ。アルルと騒ぐのは妙に楽しかった。まだ外見と年齢が一致していた頃を思い出したよ」
シェゾはそこで初めて、馬鹿でも慇懃無礼でもない素のサタンの表情をみた気がした。赤い瞳にはどこか年を重ねた者だけのもつ諦観を感じさせる。若い男の顔にその瞳は、赤い色以上に不釣り合いだった。
「・・・老人の思い出話ならほかでやってくれ。悪いが興味はない」
「にべもないことをいう。・・・なぜアルルの人格を壊すような真似をした? 」
サタンはシェゾの目に視線をあてた。その見透かすような目に促され、シェゾは口を開いた。
「いつまでも馬鹿やっていられるか。ヒトには寿命ってものがある。魔族と違ってな」
サタンは同情するようにシェゾをみた。
この人間の魔導師も、本当は永遠に馬鹿をやっていたかったのだということを知っていたからだ。
そして、おそらくはサタンのような長い寿命と巨大な魔力を持つ存在が身近にいなければ、もう少しは長く自分の野心に蓋をしていられたに違いない。
永遠ともいえる命を持ったものの存在は、人間の生命の短さをいやでも実感させる。
憐れみの視線にムッとし、シェゾがなにかを言おうとしたとき
「そのひたむきさは少し羨ましいな」とサタンはつぶやいた。
その口調に本気の羨望を感じたシェゾは気勢を削がれ、一瞬、夕日の中でその端正な顔を、いやそうにゆがめた・・・・・・・・。