おふろアルル

◆qdttrtrYyo様

シェゾは洞窟に住んでる。
といっても横穴式石室のような原始的なのじゃなくて、内部の部屋は広くて立派な調度をしてる。
魔導器を使った照明や、キッチンや暖炉とかの通風、空調もばっちり完備。
なかでも水道は彼が長年研究している古代遺跡の技術を自ら再現、応用して造りあげたもので、
そこらの一般住宅よりも遥かに機能が優れてるかもしれない。
研究の成果をいくぶんか実践することができた、ここの拠点はかなりのお気に入り。
それに…秘密基地のような空気も、少年の趣味を秘かに満たす自分だけの楽しみになってる。
…………なってた。

「あ、おかえり〜(にこにこ)」
「…………来てたのか」
「そりゃ来るよ。だって今日帰ってくるって言ってたじゃん」
ここに、アルルがやたらと押し掛けるようになってしまった。
まあ、シェゾだって彼女の家に入り浸って、よく食事や、夜をともにしてるし、
向こうからねだられてだが、彼女をここに招いたのも、自由に出入りできる資格を与えたのも、
結局は自分なのだから文句は言えないんだけど。

アルルは、力は奪えなかったものの、それ以外の全ては自分のものにすることができた少女。
そんな彼女といっしょに過ごせることにはシェゾだって喜びを感じてる。
救われない筈の自分の人生に光が差し込んだとすら思ってる部分もある。
でも、それとは別に、この、せっかくの秘密基地を侵食されるようなやるせなさは一体?

数日ぶりに仕事から帰宅してみたら、すでに来てたアルルにお迎えされてしまった。
彼女はソファーに座ってクッションを抱えて、嬉しそうに茶を飲んでる。
そもそもここにはクッションなどなかった。彼女が持ち込んだものだ。
それだけではない。食器も服も洗面器具も、ここには彼女の持ち物が確実に増えてる。
物置部屋の空きスペースにはいつの間にかアルルコーナーなんてものができていた。
今だって秘蔵のレコードプレーヤーを勝手に使って音楽なんか楽しんでるし。
彼女を初めてここに招いてからまだ一ヶ月と経ってないのに。
この、このやるせなさは一体なんだというのだ。

「シェゾ、ちゃんとただいまって言ってよ。言ってくれなきゃやだよう」
「……タダイマ」
「おかえりなさいっ」
「……あのな。別にここで帰りを待っててくれなくてもいいんだぞ」
「んー。でもボクここが好きなの。秘密基地みたいで」
「…………」
「それにさ……。少しでも早くキミに会いたいもん……」
アルルが立ち上がってシェゾに寄ってくる。そして手を伸ばして彼の頬を撫でた。
「ひげ、はえっぱなしだね……。むこうでちゃんと剃らないの?」
アルルは無精髭を非難するくせに、目でキスをせがんでくるので、一応してやった。
「ん…………。なんか、さ。お風呂にも入ってないんでしょ」
「……だから、髭も剃って風呂にも入ってからそっちに行こうと思っていたんだがな」
「う〜ん。それじゃあ、だめだよ。ボクに会うのが先。お風呂はそのあとにしてね」
「でもそれでは不潔だろう」
「だからっ。ボクがこっちに来てお迎えするの。お風呂もね、すぐに入れるようにしといたよ」
「……きっ、気が利くことで」
「でしょっ!」

で、シェゾはなにか釈然としないまま、風呂に入る。
髪をわしわしと洗って、顔は石鹸で洗って、そのまま石鹸を体にも適当に塗って、それで流す。
彼の体の洗い方はそんなもんで、髭もヒゲソリで大雑把に剃った。
あとはずっと湯舟につかるだけ。そしてボーッとする。
「……なんだかな…………」
俺は、あいつの体を奪った代償に、あいつに”生活”を奪われているのか?
そして、その物思いに大して耽る間もなく脱衣所から声が掛かってきた。
「シェゾ……、背中流してあげようか……?」
返事もしないうちに戸が開き、裸にバスタオルだけを巻いたアルルが入り込んできた……。

奪われてる?

「いっしょに、入ろ……」
「おい……なに勝手に…………」
「ここのお風呂って広くて綺麗で、いっしょに入りたいなって、思ったの……。だめ、かな?」
駄目だとは言えなかった。
頬を染めて愛らしい表情で微笑んでくるアルルを見てると、湯舟の中のペニスが疼いた。
シェゾも数日ぶりに彼女を存分に抱きたいと思ってるのも事実だったし。

それにしても……、アルルはずいぶん大胆になった。それにちょっと驚いた。
二人は初めて結ばれてから、幾度と愛し合った。
当初はシェゾのほうからアルルを求めて、そしていろいろリードして教えてあげてたけど、
彼女はセックスに慣れるにつれて、自分から求めるようにもなってきた。
なにも知らない処女は男を知って急速に大人の女に変身していったみたいだ。
まだ16歳で、それよりさらに幼く見える童顔で、いつも天真爛漫に笑ってるのに、
その内側にはこんなにも女を強く感じさせる情動を秘めてる。
シェゾは、彼女をそうさせたのは他ならない自分であることに感動を覚えると同時に、
自分が彼女を捕まえた筈が、逆に自分が彼女に捕まってしまったような印象も感じた。

「あはは。さ、どうぞどうぞ。お背中お流しますよっ」
「…………」
いろいろと複雑な心境だけど、とりあえずアルルの申し出は受けてやる気になってきた。
この”一緒にお風呂イベント”を楽しむことにして、据え膳は存分にいただこう。
「じゃあ……頼もうか」
湯舟からあがって、半勃ちのペニスもよく見せてやった。
それを見て彼女は紅潮したがもう極端に動揺もしない、立派に男を知ってる女の反応になった。
「……じゃ、じゃあ、どうぞっ」
はにかみながらシェゾを促す。
「だが、その前に、さ。一緒に風呂に入るならそんなタオルは不要だろう。取れよ」
「……あ………うん」
彼女は身にまとうバスタオルを取ってその可憐な裸身をシェゾに晒す。
その様子を見て彼もペニスを完全に勃起させていった。

アルルはシェゾのペニスが勃起していく様子を潤んだ瞳で見つめた。
「じゃあ、背中、流してくれるか」
シェゾはそれには構わずに腰掛ける。
「ん、うん」
アルルもそれが、後のお楽しみであることはよく分かってる。
我にかえってバスタオルをそこらのフックに掛けて、シェゾの体を洗う準備をした。
「そのスポンジは、お前が用意してきたのか?」
「うん。だって、ここボディスポンジがなかったし」
「(また持ち込み品か……)そんなものタオルと大して変わらんだろう」
「違うよう。なんとなく……。お肌に優しいっていうか……」
「ふふ、なんだそりゃ」
「あはは……」

少し話してリラックスしてから、アルルはシェゾの背後に膝立ちして背中をごしごし擦り始めた。
ごしごし……
「……気持ちいい?」
「ああ。ありがとう」
素直に礼を言ってやったら、彼女も嬉しそうに張り切って背中を磨いた。
「……やっぱり、男の人の背中って、大きいねえ」
「そうか」
「うん……。なんか、安心するような大きさ……」
ごしごし……
首筋や肩も洗って、アルルは背中に湯を流そうとした。
「じゃあ……」
「……いや、アルル。前も洗ってくれよ」
「え、あ……。じゃ、えっと」
「そのままで。こうすれば充分手が届くだろう」
シェゾはアルルの手を掴んで、ぐいっと引き寄せた。
シェゾの背中とアルルの腹が密着して、彼女が背後から彼に抱き着くような姿勢になった。
「きゃぁ」

「シェ、シェゾ……」
背中にアルルの柔らかい乳房の感触がする。湯につかっていた分自分のほうが少し体温が高い。
アルルには肩ごしに勃起したペニスも見えてる筈。それも充分に意識させる。
「ほら、そのままで前も洗ってくれ」
「う、うん」
「スポンジはいらない。手で洗ってくれよ」
「え……」
「ほら、こんな風に」
彼女の手を取って、自分の胸板に石鹸を塗って撫でる。
それをそのまま彼女に続けさせた。
密着したままなので、彼女の小さな体もぬるぬると背中で動いた。
「な、なんか……これ、すごく、えっちだね……」
「ああ。でも、それが、気持ちいいだろ……」
「ん、うん………」
アルルも次第に自分の乳房をシェゾの背中になすりつけるような動きになっていった。
「ほら、胸ばかりじゃなくて、下の方も洗ってくれよ」
「あ……うん、ん……」
アルルの手が胸板から脇腹や下腹をまさぐった。段々と陰毛の生えた部分に近付く。
そして、彼女の手がペニスの根元に触れたとき、少し動きが止まった。
「あの…シェゾ、ここも、いい…の…?」
「ああ……頼む。念入りに、な……」
背後から回されているアルルの指が、それを優しくくるんだ。
そのまま充分に泡立てて、ぐちゅぐちゅと音を立てて、上下に擦り始めた。
アルルは横から身を乗り出して、それを食い入るように見てる。
彼女にはペニスの愛撫の仕方も躾けたので、なかなか動きを心得てきてる。
先端や裏筋部分への細やかな指使いも痺れるように心地よい。
「シェゾ、シェゾ……気持ち、いい……?」
「ああ……。でも、もう少し…強くても、構わない、ぞ……」
「ほんと……?痛くない?」
「あ、ああ。今、は……石鹸が、あるからな………」

アルルはもう少しペニスを握る力を強めて、勢いよくしごいた。
「すごく、固いね……。それに、びくんびくんって、してる、ね……」
上擦った声で呟いて、彼女も興奮しているのが分かる。
背中にぐりぐりと体を押し付けてきていた。
ぐちゅ……ぐ…ちゅる、ぐしゅ、ぐしゅるん……
数日分の欲求不満もあって、射精感もすぐに加速していった。

今までアルルの口や膣内では何度も射精してやったけど、
まだ、ペニスが射精する瞬間を彼女によく見せてやったことはない。
ここで見せつけてやろうという気になってきた。
……というよりも単純に自分が彼女の手でいきたいのかもしれないけど。

「いいぞ……そろそろ……」
射精が近いことを教えて、そのまましごき続けさせる。
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅる!ちゅるん!
「んん……ふう……」
湯気のこもった浴室に、卑猥な液体の音と二人の熱い吐息が響いた。
そしてシェゾのペニスが一瞬膨張して、彼は射精した。
びゅくん!びゅっ!びゅく!
大量の精液が勢いよく放出されて浴室のタイルに飛び散っていった。
「…………ふ…う…」
「あ……あ、すご、い……」
アルルが呆然とした表情でそれを見つめてるのが分かる。
彼女のペニスを握り締める力がこもって少し痛みを感じたけど、その痛みも心地よかった。
びくんびくんと何度も脈動して精液の糸を垂らした。

「ふう、ふー……。アルル。こういうの見るの、初めてだろ…」
「ああ……、うん。すごい…ね。いっぱい……」
激しい射精を迎えても虚脱感が全然湧かない。
挑発されて好奇心と欲情でいっぱいになってる彼女を見てると勃起はまだまだおさまらなかった。

「そろそろ、お前も欲しいんじゃないか……」
「…………うん。すご、く……ほしい……」
アルルをぐいっと抱き寄せてやると、彼女はぐにゃっとしなだれてきた。
そしてキスしながら彼女をバスマットに押し倒した。広い浴室なので充分に横になれる。
「お前の体も洗ってやるよ……」
シェゾは一度熱い湯を二人の体にかけて、石鹸で手を泡立てる。
その手で彼女の体を撫で回した。
ぬるぬるといつもよりやや力を入れて体中を責めた。
「ん、ふうぅ、んやっ」
アルルはとたんに甘い声をあげ始めた。
「んあぁ、あっ……あ……シェゾ、もう……」

アルルは早く挿入して欲しいとサインを送ってくる。
彼女はフェラチオさせただけでも濡れる女だ。
だから今ももう充分にできあがってることはよく分かってた。
でもシェゾは必要以上なほどに愛撫を与えるのが好きだった。

シェゾはアルルの上に覆い被さって、体全体で彼女の体をぬるぬるに擦ってやった。
「んはぅ、はっ!…だめ…あ!」
彼女は涙目になって体をぴくんぴくんと痙攣させた。
数日ぶりのセックスで、彼女も飢えてたようで、快感の上昇がいつもより早い。
「シェゾ、シェゾ…、おね、がい……」
必死の哀願で、ようやく彼女の中に挿入する気になった。
すでにとろとろに濡れてほぐれてる膣口に、一気にペニスを突き立てる。
「ああ……あ…ぁ…」
その瞬間に彼女は口をぱくぱくさせて声にならない悲鳴をあげた。
奥まで入ったとたんに膣壁が収縮して締め付けてくる。入れただけで軽くいったみたいだった。
「あっ、あぁー…はあぁ、シェ……ゾ」
彼女はぎゅっと彼の体にしがみついた。

ちょっとの間だけ休ませてやって、シェゾはすぐに運動を開始した。
いつもより体全体が擦れ合うような感じで。
「んやぁッ!あっ……はああ!」
「ほら、アルル、こういうのも……、いいだろう」
アルルの中は、処女から何度も貫いて、自分専用のように絶妙な快感を味わえるようになってきた。
さっそく再び射精感が湧いてくる。
少し早いがここでまたぶちまけようと思った。今夜はまだまだ抱ける自信があったし。
「ああぁ!だめ!シェゾ!シェゾォ……!あっ……やあ!」
彼女の本気の絶頂も近い。一気にスパートをかけて、思いきり奥まで突き入れてやった。
「あはああぁー!やあぁあああッ!!」
「…………ッ!」
びゅく!びくん!がくがく!
二人は同時にいった。
「は、あぁー……はあ、はぁ」
石鹸で全身をぬるぬるにさせた二人がぐたりと重なりあって脱力した……。

……ことが終わって、二人は一緒に湯舟につかって温まった。
広い湯舟の中でアルルはシェゾの足の間に座って、彼にもたれてくつろぐ。
「…………ねえ、ボク、ちゃんとしたボディソープ持ってくるよ」
また、にこにこ笑顔でうっとりとそう語りかけてくる。
シェゾは二度も射精したから、彼女の言葉を聞いて比較的冷静に考えた。

アルルは本当にかわいい。何度抱いても飽きることはなさそうだ。
でもやっぱり、自分の生活空間や生活ペースを徐々に支配されいってるような気がする。
それはそれでそれでもいいような、でももっと完全な主導権を握りたいような。
そのへんをどうするかが、自分の今後の課題のような気がした。

どうするシェゾ?

おわり。

index