no title
7-273様
唐突に、目が覚めた。喉が渇いていた。ワインで喉を潤す。できれば風呂に入りたい。寝乱れたシーツから身を起こす。
抱いていた女の髪が腕に触れた。さっさとほどくのも情緒がない。サタンはしばらく戯れにそれを弄び、指の腹で押し
潰した。
部屋に明かりはないが、外からの光で十分室内は見通せる。もうすぐ日の出の時刻だろう。サタンは目を凝らす。
薄闇に女の裸体が浮かび上がる。女というよりは、ようやく少女期を脱した程度の幼さの残った身体だ。まだ青い色気が
ある。身体の線も細く無駄がない。
シーツを剥ぎ取り、裸体を露にした。鳥の鳴く声が聞こえた。横切る影がカーテン越しに射しこんで流れていった。
徐々に賑わいを増していく城内の様子にも、少女は頓着せずに深い眠りに就いていた。少しやんちゃが過ぎたかも
しれない。
床を見る。気を抜くとぼやけてしまいそうな視界がわずらわしい。まさかとは思うが、もうこの年で老眼が始まったの
だろうか。昔から目はいい方だった。ただ、見たくないものを目にしたときだけピントを敢えて狂わせることはあった
ような気がする。たとえば、媚とへつらいに満ちた舞踏会の夜を思う。同じ死でもセックスの時に訪れる短い死なら
歓迎するのだが。助平親父の典型のようなことを思い、サタンは床に散らばった衣服を掻き分けて道をつくった。
少女の青い服の下から、丸まった下着が姿を現した。
サタンは卑猥に丸まったそれを拾い、丁寧に広げると陰部のあたりに顔を近づけ、舌先で布を舐めた。
だが、おりものと尿と発情した女のフェロモンと汗が混ざり合った匂いがしただけで、想像していたような南国の果実が
腐敗しかけたような甘さを感じることはなかった。サタンは諦めて舌を引く。唾液が銀の糸を引いて滴った。
備え付けの棚を開け、瓶を取り出した。酒の減りが激しい。きちんと補充しておくように、朝になったら召使に苦情を
言っておこうと思う。自分で厨房から持ち込めばいいのだが単純に面倒くさい。風呂に行こうかと思ったが気が変わり、
サタンはベッドに戻った。華奢な足を重ねて眠っている少女の正面に立った。
よほど体力を消耗したのか、少女はサタンが足を引いて大股開きさせても全く目を覚ます気配はなかった。
サタンは足の狭間に肩をねじこんで固定する。舌を尖らせ、先ほどまで犯していた少女の傷口に舌を差し込む。
淡い。陰毛だけでなく、色彩も風情も、全てがだ。花弁をサタンは唇で食む。差し込んだ中指は食いちぎられそうなほど
きつい。まだ生娘の気配を喪ってはいなかった。
数時間前までサタンを受け止めていた中は温かく、ぬるんでいた。サタンは満足し、思わず息を吐く。
執拗に弄っていると狭い穴からサタンの精子がぼってりと滲んでくる。目の毒だ。
少女の下腹部は、その華奢な体型に似合わずむっちりと肉厚で、発情した名残で淡い桃色をとどめている。そこにサタンの
髪が擦れるのが不愉快なのだろう。眠ったまま彼女は嫌そうに身じろいだ。嫌がられるとますます調子に乗るのが
男の心理と言うものだ。サタンはわざと顎をそこにすりつけながら舌で花弁の狭間を味わう。しかし直接舐めてみても
少女の其処は、おりものと尿と発情した女のフェロモンとコロンと汗が混ざり合った匂いがしただけで、想像していた
ような南国の果実が腐敗しかけたような甘さを感じることはなかった。
お門違いな落胆が少しだけあるのは否めない。サタンはぐいぐいと少女の性器に頭を押し付ける。できることなら
赤ん坊になってこの胎から生まれ直したい。
「……うわぁっ、朝から何するんだよ、キミは…!」
さすがに目が覚めたのか、アルルは身を起こし後ずさった。剥いであったシーツを身体に巻きつける。細い太股から
先だけ出ているのが逆にいやらしくもあった。サタンは悪びれずに声をかけた。
「私の精子がちゃんとお前に入ったか確かめただけだ」
「こんなことするなんて、キミも立派な変態さんだよ」
憎まれ口を叩く女の頬は赤い。身体を交わらせても素直に陥落しないアルルを見ているうちに、サタンは楽しくなって
きた。サタンは逆境に燃える男だ。もう先ほどまでの憂鬱のかげりはない。
早業でベッドの空いた部分に戻り、彼女の肩を抱いた。
「そうつれないこと言うな、アルル。本当は私のことを嫌いではあるまい」
アルルは何故か溜息をつき、頭を左右に振った。
「何でボク、サタンなんかと寝ちゃったんだろうなぁ…」
どこまでもかわいくない。それがまた可愛い。今はまだ幼いが、あと数年もすれば誰もが振り返る女になるだろう。
中身まで高嶺の花に育つかどうかは今後の頑張り次第か。サタンは少し本気を出すことにした。
女にとって最初に性戯を仕込んだ男は、その女の人生を決めるという。自分はどうだろうか。
「好きでもない男のものを飲みながら、達ったのか?」
乳房をこねくり回しながら囁く。ほんの少し眼差しに殺気をこめるだけで、アルルはゾクリと背筋を粟立たせた。
「淫乱だな」
「いやぁ……っ!」
髪の毛ごと引っ掴んで女を押し倒す。暴れて足をばたつかせるのを、あっさりと手足を押し付けて封じた。
細すぎる女の身体は、簡単に思うがままになる。
手首を掴んで拘束した掌を引いて、サタンの分身に導いた。柔らかな手が亀頭を掠める。サタンの分身は、自分でも
唸るほど凶暴にそそり立ち、アルルの胎にもぐりこむのを虎視眈々と狙っていた。アルルの手には経験の浅さゆえの
嫌悪感がある
「ちゃんと触ってくれ、アルル。散々昨日も教えただろう」
「いやだよ」
アルルは鋭く拒絶をする。男の理屈からすると、一度咥えりゃ二度も三度も一緒のようだが、女はそうではないらしい。
サタンは諦めて彼女の手を離すと、幼い肢体を追い上げることだけに没頭した。
元々の立ち位置からしてフェアではないのだ。この十万年ちかく生きてきて無駄に積み上げた性戯ひとつひとつを、
何も知らない少女の柔肌に、容赦なく加えていく。暴力と紙一重だ。サタンらしくない丹念さで、半ば意地になって、
サタンはアルルを昂ぶらせる。
最初は意地を張っていた少女のまなざしが、徐々に上気してゆく。熱が身体から発散される。切ない戸惑いをサタンに
向けるようになった。追い詰めている本人に救いを求めるのだからとことん女というのは救われない生き物だ。
「救われないのは、私もだな」
いささか滑稽になった。凶器の上をひょいと跨がせる。既にアルルに羞恥心などなく、自分から腰を落とそうとさえした。
勿論、そう易々と与えてやるつもりはなかったが。
「欲しいか」
アルルは恥らって答えようとはしない。
「もっと欲しがれ、アルル。狂って、おかしくなって、私のところまで堕ちてこい。牝犬のように」
サタンは乾いた唇を舐め、産毛のういた彼女の耳朶に囁きを吹き込んだ。できるならもっと焦らしておきたかったが、
最近は我慢が利かなくていけない。気を抜くと爆ぜそうになってしまう。名残惜しい気持ちでサタンはアルルの中に
侵入を果たした。
部屋の中に少女の掠れた悲鳴が、響く。
「ひゃぁあああんっ!」
腰を揺すってサタンは笑った。悪辣な笑みが溢れて止まらなかった。何故だろう。他のどんな女にもこれほどの衝動を
覚えたことはない。どうしてこれほどに、滅茶苦茶にしたいと思ってしまうのだろう。
「やだやだぁっ!!そんなの、だめだよぉっ!!」
子宮口まで先端を押し付ける。奥まで意図して当てているのだ。アルルの顔に苦痛の色はなかった。犯しながら快楽の魔法を
かける。卑怯なのは承知の上だ。女には二種類あって、クリトリスで感じる女と膣で感じられる女がいる。
サタンはどうしても後者にアルルを仕立てあげたかった。
しっかりと手足を絡みつかせて、中に白濁を注ぐ。アルルは口ではいやがりながらも、両脚をこちらの腰に絡みつかせたままだ。
女の本能だろうか。
頂点を極めると、アルルはがくりと崩れ落ちる。突き挿したまま後ろを向かせ、うつぶせにベッドへと横たえた。
アルルは実は、背中から見るヴィジョンが一番美しい。背中の美しい女はいい女だ、と昔誰かが言っていたものだが、
それにしたってこの子供はとびきりだ。胸から背中にかけての柔らかなラインには、癒されてしまいそうな淡い陰影がある。
薄い肌をなぞるサタンの目に、鏡台に放置されたままの口紅が飛び込んできた。腕を伸ばしそれを手に取る。
繰り出し式の口紅は、幼い女には不釣合いに赤い。深紅の色だ。サタンはこの部屋で今まで抱いてきた女達のうち、誰が
赤い口紅を使っていたか思い出そうとしたが、どうしても思い出せなかった。
口紅を背中にすべらせ、横一文字を引く。そのまま器用に赤を操って、アルルの背中にカーバンクルを描いた。
気づけば口紅が尾てい骨のあたりまできていた。悪戯心を起こしてそのまま下に引く。後孔に先端が当たる。冷たい感触に
アルルが微かに胴震いした。サタンは躊躇わず、固い蕾に口紅を侵入させた。
ぐり、と赤い赤い塊が、きつい皺を押し広げて埋まっていく。