no title 2

◆NcW5Ne1aAY様

「あなたはだあれ?」

「サタンだよ。アルル」

「サタン・アルル?」

「私がサタンで君がアルル」

「ぼくはアルル?」

「そうだよ」

「サタンはぼくを知っているの?」

「よく知っているとも」

「ぼくはぼくのことが分からないみたい」

「そのようだね。ここは君の家だから安心してゆっくりするといい」

三日三晩眠り続けた娘は目覚めたとき何もかもを忘れていた

***

「サタン、今日はお外へ出てもいい?」
言葉を発したのはその言葉が似合わない外見、誰がどう見ても大人の女性である
髪を結ぶリボンと同じ青のワンピースに身を包み、清楚なお嬢様にも見えるであろう彼女であったが
首をかしげ、上目使いでものを尋ねる仕草は幼子同然であった
「昨日言ったはずだ。今日は私が出掛けるから外へは出さないと。アルル、部屋でおとなしくしていなさい」
サタンと呼ばれた長身の男は彼女を諌める
小さい子供を叱る父親のようであるが二人は血縁などではない
何も覚えていないアルルへの説明をそのまま鵜呑みにするならば二人の関係は夫と妻である
その言葉のままに自分を認識し、アルルは彼と共に暮らし共に過ごしている
しかし彼女の心が幼く何に対しても無邪気であるため、その生活はまるでままごとのようだった
それも父と娘の
そんな父親のようなサタンへアルルは不満を抱く
あれも駄目、これも駄目ばかりでアルルの自由は無いに等しい
幼い子供のような彼女にしてみればそれは苦痛以外の何ものでもなかった
サタンもそれは重々承知していた
本当は彼女を自由に外へ出してやりたいのだが、そうする訳にもいかない事情があった
しかし、そんな事情などアルルには全く関係のないことである
アルルはサタンへ反抗するように駄々をこねた
「じゃあ、お部屋でおとなしくしているからこれをはずして」
そう言うとアルルは無邪気にスカートをまくりあげ、下半身をあらわにした
彼女は全く悪びれることもない
やはり子供というか無知というか
悪びれることもなくそのような事をし出すアルルにサタンは顔をしかめた
サタンはアルルの手を取ると、その手を叩く
「駄目だ。そしてスカートをそのようにまくりあげるのは辞めなさい」
アルルは手を引っ張り自分の胸元へと引っ込めた
手を守るように両手を重ね合わせたかと思うとそのまましゃがみ込み泣き出した
・・・こんなつもりはなかったのだが
サタンは肩を落とす
そして彼女の幼かった頃はこうであっただろうかと首をかしげた
まるで昨日のことを思い出すように幼い頃の彼女が浮かんだ
好奇心が旺盛で明るく・・・
その好奇心を奪っている今の状況では致し方ないのかもしれない
サタンはため息を一つついてアルルを横抱きにし、彼女の部屋のベッドへと連れて行った
「ゆっくりとおやすみ」
サタンがそう言い寝かしつけるとアルルは寝息を立て始めた
サタンはその様子をみてほっとする
「早く帰っておいで・・・私の・・・」
そう言いアルルの頬を撫でるサタンの顔には憂いのようなものが浮かんでいた
それは誰にも悟られることはなく消え去り、サタンは屋敷を後にした
・・・

寝たふりをしてサタンが出ていくのを待っていたアルルは彼が居なくなったことを薄目を開けて確認すると立ち上がった
サタンが居なくなればこの屋敷に彼女を止め、咎める者は居ない
「っくぅうっ」
大きく伸びをする
フカフカのベッドからぴょこんと飛び降りるとすぐに窓を開けた
空は晴れ渡り、屋敷のまわりの小さな庭、屋敷を囲う森は美しい緑が生い茂っていた
屋敷を囲う森、今の彼女にはそれが自分の好奇心を満たす格好の遊び場だ
あの場所へどうやっていこうかと考える
屋敷は大変高い塔で窓から降りて外へ行くことは困難であると容易に想像できる
アルルは部屋を見回し、部屋の扉を見た
ここは外から鍵がかけられており、その鍵はサタンが持って出ている
アルルは部屋にある可愛らしい小物をかき集めた
それはサタンが土産に持ち帰るものなのだが、アルルはそれらの物に興味がなかった
小細工のしてある高価そうなものもあったがアルルは構わずそれらを使い鍵をいじり始めた
・・・ガチャッ
屋敷は古くに建てられたものらしく、コツをつかめばいとも簡単に鍵は開いた
アルルは目の前に広がる屋敷の長い長い階段を一段一段降りていく
それは自由へのカウントダウンのようで降りるたびに胸が高鳴った
最後の一段を降り、やっとの思いでたどり着いた大きく重い扉を開けると・・・そこは眩く輝いていた
眩しさに少し目がくらみ手で日の光を遮る
アルルは深呼吸した。太陽の匂いをかいだ気がした
目がその明るさに慣れたころ辺りを見回すと美しい緑が広がっていた
外の空気はとても澄んでおり、そして心地よかった
アルルは屋敷の周りを囲む森の方へと歩き出した

***

とある森へとやってきた男がいた
銀の髪に青い眼をした美しい青年であった
彼はずいぶんと前から旅へ出ており、先日立ち寄った村でこの森の噂を耳にした
この森は時折魔物が現れることを除けば至って普通の森であるが、
ある地点へ行けば必ず森の入口へと戻ってしまう魔の森だと
何か強い魔力が働いているに違いないと踏んだ青年・・・シェゾは喜んでこの地へと赴いた
期待を胸に森へと足を踏み入れる
が、森は奥へ奥へと進めど、何の変化もない
そして出てくる魔物も大したことのない低級の魔物ばかりであった
「無駄足だったようだな」
シェゾは退屈な道中に痺れを切らす
森も半ばまで来たかと思うのだがここまで何もないと引き返すという選択肢が頭をよぎった
しかしこのままではイライラして戻るのもおっくうだ
気分転換に少し休もうと拓けた場所を探すことにした
暫く歩き回ると休むのに丁度よさそうな場所を遠目に確認することができた
ゆっくりとその場を目指し足を進める
身体的には全く疲れてはいなかったのだが精神面で疲れていた
ぼんやりとしながら進むと何やら声が聞こえ始めた
「はぁ・・・んっ・・もっとぉお、もっとぉお」
小さく聞こえたのは女の声だった
更に肌の打ちつけ合う音まで聞こえてくる
何が行われているかは瞭然たるものだった
シェゾは苦虫を噛んだように苛立つ
「低俗な・・・」
舌打ちと共に言葉を吐く
場所を変えよう・・・
そう思いその場を後にしようとしたのだが先ほどから聞こえる声が段々と大きくなりだすと足が止まった
それはどこか聞き覚えのある声であった
引き返そうとした足を再び声の聞こえる方へと向ける
恐る恐る近づく
荒い息遣いと嬌声
まさかまさかと覗き込むと信じられない光景が広がっていた
魔物と若い娘が交わっていた
森の近くの村では村の娘がさらわれて腹を大きくして帰ってきたという話もあるにはあるが、それはかなり稀な話である
目の前の出来事は既に日常を逸脱したものだった
それが更に信じられないことに今目の前で魔物と交わる娘にシェゾは見覚えがあった
栗毛の髪に琥珀色の瞳そして何よりも青のよく映える娘だった
娘は四つん這いになり、青のワンピースを胸のあたりまで捲くられていた
魔物は四つん這いになった娘の腰を掴み自分の腰へと力の限り引き寄せ、自身を打ちつけていた
娘はと言うと嬉しそうに鳴き声を響かせている

シェゾは戸惑った
彼はアルルの挙式に出ておらず、サタンの魔力の及ばない地を旅していたので彼女のことをしっかりと覚えていた
が、記憶する普段の彼女からは想像も出来ない姿が目の前に晒されていた
曲がりなりにも一度その魔力を狙い、そして気にかけた人間である
目の前に居るこのいかがわしい女を他人の空似と思い込もうとしたが
何か強い力で抑え込まれているものの、感じ取れる魔力が自分の知る彼女本人であることを物語っていた
事情は分からないが彼女が好き好んでこのような状況に陥るわけがない、とシェゾは愛用の魔剣手に取った
魔物は行為に夢中でシェゾに気がつく気配は無い
今まさに絶頂を迎えようというのに他に気を散らす雄はそう居ないであろう
シェゾは隙をつこうと急いで背後に回る
この森では高等にあたるであろう魔族は隙だらけであった為、いとも簡単に背後を取ることができた
シェゾは間合いを確認し構えると一気に切り裂いた
魔物は切られた瞬間に達し、アルルの中へ最期の精を吐き出す
繋がった部分からは大量の白い液体が零れ出た
魔物は生を失い力なく彼女の上へと倒れ込んむ
二人は折り重なりあい、アルルは今何が起こったのか全く理解出来ていなかった
と言うよりも行為の絶頂を迎えすっかり疲れ切り、周りのことが全く目に入っていないと言った方が正しいかもしれない
剣の血を振り払い鞘に納めると、シェゾはアルルへだらりともたれ掛った魔物を彼女から引き離し放り投げた
アルルへ声をかけようかと思ったのだが、自然と目に入ったそれに意識を持っていかれた
それは知識だけでは知っていたが実際に見るのは初めてであった
鉄製の器具がアルルの陰部全体を囲っていた
・・・いわゆる貞操帯である
目に付いた腰周りに目をやると鉄の帯が腰を一周巻いていた
それは腰周りの肉に少し食い込むぐらいぴったりで、肌と鉄の帯の間に手を入れることを困難にさせている
力なく倒れ込む彼女を仰向けにする
腰周りの鉄の帯にはちょうどへその部分に南京錠あった
そこから股の方へと帯は下りてきていた
その先がどうなっているのか様子を見ようと足を広げる
が、足が開かない
ふっくらとしていながらもしなやかな足へと視線を移す
両太ももの中ほどに鉄の輪がはめられ、それが股の部分でチェーンにより繋がっていた
これが原因で足を大きく広げることが叶わなかったようである
全く開くことができないわけではなかったので、一先ず広がる最大限に足を広げてみた
鉄の帯はしっかりと陰部を塞いでおり、小さいほうの排泄部分にだけ最低限の穴が開いていた
それを過ぎると後ろのほうはチェーンで二手に分かれて腰の帯へと繋がっていた
普段はチェーンが尻の筋を通っているが大きい排泄の時にはそれを左右へ広げれば容易に用が足せる、機能的な作りだった
一体誰が・・・まず最初に湧いた疑問である
そして何の為に・・・どちらも考えたところで分かるはずもなかった
兎に角これをはずしてやろうと後ろのチェーンを引っ張るために四つん這いにさせ思い切り引っ張った
「あっ・・・はぁっ・・・」
アルルはチェーンを引っ張られると息を荒げる
何度か引っ張ってはみるものの、チェーンは見た目とは違い大変頑丈でびくともしなかった

シェゾはこれ以上はどうやったも無駄だと感じた
これをはずすには鍵を開けるしかなく、その鍵はおそらくこれを着けた主が持って出ているはずだからだ
どうしたものかと考えた末、取りあえず先ほどからあふれ出てくる白い液をぬぐってやろうと思い立った
このままでは衣服を整えて近くの村へと連れ帰っても、歩くたび股から液が零れおちるであろうことは誰の目に見ても明らかであった
後部のチェーンを左右に広げる
広げたチェーンは形の良い尻に食い込んで肉を圧迫した
尻の筋を広げると白濁とした液が零れ落ちてくる穴があった
先ほどの魔物は前の穴を諦めこちらの穴を使ったのだと悟るとその穴へと指を入れた
穴は先ほど使われていた為柔らかくほぐれており、中の方は排泄物はなく先ほど出された液体を除けば綺麗な状態であった
穴の中を指で一周ぐるりと撫でまわし、液を少しずつ掻き出す
掻き出すときに腹側の壁にゴツゴツとした異物を感じた
腹側の壁を形を確認するように丁寧に撫でまわす
「はうぅんっ・・!」
アルルは驚いて腰を震わす
どうやら前の穴に何か入れられているらしい
状況から言って恐らく張形であろう
先ほど彼女が息を荒げたのはチェーンを引っ張ったときにこの異物が更に奥へ食い込んだからだったようである
あまり引っ張ると肌が擦れ痛みを伴うであろうが、ある程度までなら先ほどのように悦ぶだろうと考え至った
先ほどから目をとろりとさせ彼のされるがままにされていたアルルは再び体が熱を帯びてくるのを感じた
「ねぇ、ぼくを治してえ」
そう言うとおもむろに男の下半身の衣服を脱がし始める
「お、おい。待て!」
その言葉も今のアルルには届いていないようだ
”恐らく、媚薬か何かを飲まされそのまま放置された。もしくは・・・”
彼女の今の状態に大体の察しがついたにはついたが、それが当たっている場合のこの先に待ち構える展開にシェゾは動揺する
「おい、しっかりしろ!」
自分の足もとに跪くアルルの肩を揺さぶった
しかしそれがあだとなる
揺さぶられ姿勢を崩したアルルは脱がそうとしていたシェゾの衣服を握ったままぐらりと倒れ込んだ
彼の下の衣服は完全にずり降ろされる
アルルは顔を上げた
アルルの目の前に猛々しい男根が現れた
それは魔族のものを基準にすると少々控え目なサイズであったが人間のものを基準にすると結構な大きさになるものだった
それを見たアルルは頬を紅潮させ嬉しそうに立膝を付き、男根の根元に親指と人差し指で円を描くように優しく手を添えた
その手は腹の周りを撫でるとそのまま根元の方へと寄せられ、手で作った円を広げたり縮めたりしていた
アルルは愛おしそうにシェゾの男根を左右から眺める
「お、おい・・・やめるんだ」
口ではそう言うシェゾも本気で止める理性は残っていなかった
荒げる息を吐き、口を開けるアルルは可愛らしくちょこん舌を出すとそれで男根の先を舐めた
先の方をぺろりと舐め、口づけし、先のほうの穴に舌の先を擦りつけた
女の子がアイスキャンディーを舐めるようだとシェゾは思った
それと同時に自分が幼子に陰茎を舐めさせているような錯覚を覚える
シェゾは苦しそうに息を吐いた
達してしまおうとする自身をとどめようと深く息を吸い込んだ
アルルはその様子に気づかず男根を口に含む
小さな口で先の方だけ含むとそこを懸命に吸ったり口の中で舐めまわしたりした
たどたどしい動きはシェゾを興奮させた
旅の途中も幾度か夜の慰めに女を呼んだ事があるが、気付けば栗毛の髪の女ばかり望んだ
元々こういった行為に頓着のある方ではない
しかし、望む髪の色の女と行為に及ぶ時の高揚感は嫌でも分かった
今、こうしていやらしく自分のものを舐め、口に含んでいるのは望む髪の色の女である
否、心のどこかで自分が欲しがっていた女である
シェゾは余りの快感に足の力が抜け、ガクリと膝をついた
口に含んでいたものがなくなったアルルはと言うと、物欲しそうにシェゾを見つめる
立膝をついた状態になったシェゾはそのアルルを先ほど魔物と交わっていたときと同じ四つん這いにした
アルルは落ち着きなく後ろのシェゾの顔を何度も見る
まるで何かを催促するようなアルルにシェゾは口の端を釣り上げた
自らの人差し指、中指、薬指に唾液を絡ませてアルルの後ろの穴へと捻じ込んだ

「あぁあっんんっ」
アルルは待ちかねたように声を上げた
先ほど調べたときのようにぐるりと一周回し、そして丹念に腹側の壁を擦ってやった
前の穴に入った異物がゴリゴリと当たるようでアルルは擦るたびにガクガクと小刻みに震えた
締め付けもなかなか良く、実際に目にしていなければ先ほどまで魔物のものを咥えこんでいたとは思えない程であった
「もっとして・・え・・・はやくう・・・」
アルルは限界が近いのか腰を振り乱し自ら尻を押し付けてくる
彼女は体が自分の意志とは関係なく快楽を求め、気が狂うぐらい必死なのだと分かる
分かってはいても、先ほどまでは子供のようで、今度は娼婦のようにものをねだる
そんなアルルの姿にシェゾは欲情していた
男根がいつのまにか腹へと当たっていた
指を抜くと穴は先ほど魔物が出した精液の残りと分泌物が隅々に行きわたりずいぶん滑りやすくなっていた
シェゾはそこへ大きく膨張した男根を宛がう
穴の周りを先端で刺激してやるとアルルは入れて入れてと懇願した
シェゾは満足げに笑うとそこへ根の先の方だけを入れ、そして間を置いて一気に突き入れた
「はぁぁああんんんっ」
アルルは思わず大きな声を出した
男根が入れられた快感のせいでもあったが、シェゾが突き入れると同時に尻のチェーンを力いっぱい引っ張ったのである
まるで馬のたずなを取るようにシェゾはチェーンを引っ張りながら腰を振った
箍が外れてしまったかのように彼は加減を知らずチェーンを引っ張った
アルルは前の穴の異物が食い込むのと金具で陰部が擦れるのとシェゾの男根を同時に味わい
痛いのか感じているのか分からなくなった
「はぁ・・あああっん・・ぼく・・・おか・・しくなっちゃうぅ・・・」
声を上げ、涙を流した
シェゾはと言うと、チェーンを引っ張った際にチェーンの根元が男根の下に当たり、抽送するとそれが擦れる
金属独特の感触を味わったかと思うと、中に入れたときにはかなりの締め付けと前の穴に入った異物が刺激と圧迫をしてくる
快楽のままに抽送を繰り返すとシェゾは男根が精を吐き出しながら膨張するのが分かった
延々と快楽の波が押し寄せるのである
アルルは彼がチェーンを引っ張るのに合わせて尻を浮かせ、腰を振った
チェーンはシェゾの方へ強く引っ張ったり、アルルの腰の方へ引っ張ったり
シェゾが気分しだいで変えており、その次は何が来るか分からない感覚にアルルは何とも言えぬ悦びを感じた
シェゾは発情期の獣のようにひたすら腰を打ち続けた
彼女の腰を掴み、そのまま耳元へ語りかける
「アルル・・・アルル」
アルルは泣きながら男根を締め付けた
シェゾはアルルの名前を呼ぶことで自身の気分が高揚していることに気付いた
自らが欲しがった女の名を口にし、その女を自分が犯しているのだと確認する
その名はまるで魔法のようにシェゾを快楽の高みへと昇らせる
律動を早め白く細い腰を掴む手に力が入る
「アルル・・・っく・・・ぅう」
名前を呼び、一層力強く打ちつけるとシェゾはアルルの中へと自らの精を吐き出した
「ぅうっん・・あぁああああっ!」
アルルも大きく痙攣し、力なく倒れ込んだ
尻だけ高く持ち上がったまま、男と繋がるアルルの姿は酷く淫猥であった

***

「おやおや。随分面白いことになっているじゃないか」
繋がったままであった二人に声をかけたのは緑の髪の長身の男である
その男は空から颯爽と降りてくるとアルルの目の前へと舞い降りた
サタンの姿を認めるとアルルはぼんやりとしていた意識をすぐさま取り戻し、そして取り乱した
「サタンどうしてえ?」
そう聞くアルルの姿は滑稽であった
尻を上げ、男と繋がりながら、泣き出しそうにサタンを見上げているのである
「いつもより早く終わったからね」
サタンはその滑稽な姿がとても可愛く愛おしいと感じながら優しく微笑んで答えた
反対にアルルは表情に脅えが浮かぶ
アルルは分かっていた
サタンがこのように微笑むのは彼が自分を叱るときだと
アルルはそれが悲しく、恐ろしく、ついに泣いてしまう
「サタン・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
彼女は謝りながらも男と繋がったままであった
謝りながら男のものを強く締め付けていた
先ほどから二人の会話を聞くだけで動くことができなかったシェゾが何事か気づき驚くと
サタンは彼にも優しくニコリとほほ笑んだ
「ふふふ。そのまま続けて。私も少し楽しみたいのでね」
シェゾは訝しげにサタンをにらんだ
「お前まさかアルルを・・・」
シェゾはそう言うとアルルから男根を引き抜き腰にマントを巻いて対峙した
いや、しようとしたのだが次の瞬間にはすでにサタンが魔法を唱えていた
シェゾはうつ伏せに倒れ込むとその背をサタンが踏みつけた
「人の妻を姦淫しておいて物騒だね」
シェゾは更に驚いた。彼女がこの男の妻になることを承知すると思えなかったからだ
”そうではなくお前は・・・”
何事か反論しようとするが、体が全く言うことをきかない
ほほ笑んでいたサタンはその踏みつける足の力を少しずつ強めていた
「サタン、止めてえ、その人は私がお願いしてしてくれただけなの」
その二人の様子に耐えかねたアルルは泣きながらサタンの足へと縋りついた
「その人・・・?」
サタンは足にすがるアルルの顎を掴み、くいっと持ち上げた
「彼を見ても思い出さなかったのか・・・」
細く呟くとその手を放し後ろを向いた
「そう。まぁ、これはこれで楽しそうだ。アルル、彼にどうやってお願いしたのかやってみてくれないかな」
サタンがパチンと指を鳴らすとシェゾは体が自分の意志とは関係なく勝手に動き出した
最初にアルルと会った時のように立ち上がる
彼の腰に巻かれたマントはいやに盛り上がっており、中がどうなっているかは容易に想像できる
サタンは先ほどから表情を崩さず涼しげな顔でアルルを急かした
「ほら、彼はもうお前を待っているよ」
耳元で囁かれたアルルはどうしようかと頭が混乱した
どうしたら許してもらえるだろうか、どうしたらしないですむだろうか
考えても考えても無駄であった
「しないとだめ?」
アルルは恥ずかしさと叱られる恐怖に怯え、恐る恐るサタンに尋ねた
もしかしたら許して貰えないかと一縷の望みを抱いてみたが予想通りあっさりとその希望は潰された
「私が見ていると恥ずかしいのかい?さっきまではあんなにしてたのに」
サタンのその声に僅かな怒りが篭っていることを悟るとアルルは諦めたように始めた
アルルはシェゾのマントを脱がせる
そこに現れたのは先ほどと変わらず固く猛った男根
アルルはそれに手を添え舌を這わせる
相変わらず先の方を舐めたり咥えたりしていたが、サタンが声をかける
「それだけでは物足りないだろう。根元から舐めて上げたらどうだい?」
アルルはサタンに言われるがまま男根の根元へと舌を這わせた
裏の筋を通り、先端まで一直線に舐めるとそこから表の方をまた根元へと一直線に舐める
それを幾度か角度をずらしながら往復させるとシェゾは耐えきれず彼女の顔へと射精した
アルルの顔は白濁とした液にまみれ、精の匂いが鼻についた
アルルはそれをぬぐおうとするがサタンに止められる

「次はどうしたんだい」
そう言われるとどうしようもなかった
思い出すままアルルはシェゾに立膝をつかせる
シェゾの男根は一度達してはいたが再び膨張し、へそについてしまうのではないかと思うぐらいいきり立っていた
アルルはシェゾの男根を真っ直ぐ前に向かせ自分も四つん這いになり、
そのまま尻をシェゾの男根へと近づける
パチンとサタンが再び指を鳴らすとシェゾは自分の意識を取り戻した
が、すでに先の方がアルルの中へと入っており先ほど行為に及んでいた時の自らと重なる
そして意識を取り戻した時には快楽も限界まで来ていた
シェゾは余りの異常な事態にこれは夢なのではないかと思い始めた
いや、夢であると思い込んだ方が幸せだと悟ったのだろう
シェゾは快楽に負け、先ほどと同じようにチェーンを引っ張り一気に貫いた
「はぁっんんんっ」
二人はこの瞬間からサタンが居ることなどお構いなしだった
ひたすら腰を打ちつける男と尻と腰を一心に振る女
泣きながら涎を垂らすアルルの顔を見ながらサタンは満足そうに微笑んだ
「このお嬢さんはそういう顔をしてよその男を咥えこむんだね」
サタンはそう言うとアルルの涎を手に取り、彼女の手の届くか届かないかの位置に胡座する
そしてサタンは片膝を立て、自分の男根を出し、アルルの目の前で手淫を始めた
取り出した男根はサタンが人間の姿であったので人間のものと相違なかった
大きさが魔族のものに準じていた点を除いてだが
それを細く長く骨ばった手で包みしごいた
彼女の唾液を塗り丁寧にしごくとそれは見る見るうちに膨張していた
アルルは快楽で意識が朦朧としてきたが目の前に自分を叱るかもしれないサタンがいることと、
そのサタンが自分の前でいつも自分の熱を治してくれるものを弄っていることに興奮した
それを手に取ろうと必死で手を伸ばしたがシェゾが腰を引っ張ったため叶わない
「私以外の者に治してもらうのは駄目だと言ったのに」
そう言い笑むサタンの表情には何とも言えない色気が漂っており、アルルは尚のこと淫猥な気分になった
サタンに話しかけられるたびにアルルはシェゾを締め付ける
シェゾはそろそろ限界がきているようで先ほどと同じように強く強くアルルの腰を引き、また自らの腰を打ちつけてきた
アルルはそれに呼応するように腰を振った
「あっ・・・・・・・・・・」
声にならない声を上げてアルルが達するとシェゾはその締め付けのままに自らの精を彼女の中に吐き出した
シェゾがアルルの中へその精を全て注ぎ終えると二人は疲れ切りぐったりと重なり倒れ込んだ
その二人の様子を眺めていたサタンは手淫を続けながら力なく倒れるアルルの元へ近づく
彼女の前髪を掴むと無理に引っ張り上げ、その時にだらりとあいた口へと自らの男根を捻じ込んだ
アルルは息苦しさと髪を引っ張られる痛みに驚いたが、そんなことを考える間もなくサタンの男根が奥へと奥へと押し込まる
「んっ・・・んんっ!!」
サタンがアルルの口から男根を取り出すと、そこには溢れんばかりの白濁とした液が注がれていた
「飲むんだ」
そう言うとサタンはアルルの顎を上げ、彼女の口を閉ざした
ゴクリ
アルルが言われるままそれを飲み込んだのを確認するとサタンは優しく微笑んで手を離した
アルルは咳きこみ、倒れ込む
「ふぅ」
サタンは一息つくとどうしようかと考える
目の前の二人はすっかりと意識をなくしていた

***

アルルが目を覚ますとそこは屋敷のベッドの上だった
日も暮れ、部屋を照らすろうそくの光が揺れていた
「あれ・・・ぼく・・・」
意識を失う前のことを思い出そうとしたが、自分があの後どうなってしまったのか思い出せない
「目が覚めたかいアルル」
サタンはアルルの顔を覗き込んだ
彼の顔を見て再び周りを見るとアルルは驚いた
そこがいつもは入れてもらえないサタンの寝室だったからだ
「どうして・・・」
サタンはアルルが意識を失う前に見たときと同じ笑みをしていた
「どうしてだかわかるだろう」
そう言うと、サタンはアルルのワンピースを脱がせた
へその近くを覆う鉄の帯についた南京錠をはずす
まずは腰の帯部分を優しく外した
アルルの腰の辺りは酷く擦れて皮が剥けていた
「治してあげる為だよ」
サタンはそう言うと魔法を唱えた
そこの傷は綺麗になくなり、痛みも消えた
サタンは次に足の輪を外した
自由になった足を左右に押し広げる
目の前に陰部を覆う鉄の帯が現れた
それを外し、前の穴に入れていた張形を取りだす
そこまでのサタンは手際よく、そして優しく丁寧であった
しかし、サタンの様子が変わった
前の穴からあふれた液を後ろの穴へと塗り込む
そして前の穴から出した張形を後ろの穴へと押し込んだ
「ふっんっ・・・・あぁっ!」
アルルは突然のことに驚いた
が、しかしすぐに体の奥が熱く疼いてくる
「はぁはぁ・・・サタン、ここが熱くて苦しいの・・・はやくなおしてえ」
アルルは自ら足を広げ指で陰部を開いた
花のように開くそれは何かを求めて開いたり閉じたりしていた
「大丈夫、すぐに治してあげるよ」
そう言うとサタンは立ち上がり何かを取りに行った
「サタン、早くしてえ」
アルルの催促にサタンは悲しげな表情をした
サタンは持ってきた布でアルルの目を覆った

―魔の属性を持つ雄は人間を相手に生殖行為を行うと相手をその行為の中毒にしてしまう
本来は孕ませる為に備わっている能力なのだが、その目的が果たされない場合相手の人間は相手を求めてどこまでもさまよい続ける―

サタンは知らなかった。今まで人間を抱いたことなどなかったのだから当然と言えば当然である
サタンは何も知らずに、何も覚えていないアルルを彼女の望むままに抱いた。それがアルルの為だと思ったのだ
それから暫くして彼女の症状が自らのせいであると知ったサタンは彼女の症状を緩和する手段を探しに頻繁に屋敷を空けるようになった
しかし大した成果は得られずアルルの症状は酷くなり続け今日に至っては屋敷を抜け出し森で出会ったものと交わる始末であった
サタンはアルルのこの症状をを見るたびに自らの我儘がいかに彼女を苦しめているかを思い知らされる
彼女を自分のものにと望まなければよかった
酷く後悔しながらも求められると、この少女のような彼女を抱いてしまう
そして愛おしい彼女を手放すことなど出来ないと改めて思い知らされる
ただ苦しみから逃れる為に繋がることはサタンにとって幸福であり、不幸であった
それはアルルもまた同じであった

「アレに治してもらおうね」
サタンは優しく耳元へ語りかけた
アルルは暗闇でその言葉を聞き、慄いた
「いや・・・いやぁ!」
見えないはずの辺りを見回す
「サタン許して・・お願い・・・お願いだからあ」
暴れるアルルの手をあの夜のように天蓋の柱へと括りつける
サタンは自らのしようとしていることを止められずにいた
「お願い、サタンがしてえ!サタンがしてえ!」
目を覆う布は既に涙で染みが出来ていた
サタンは部屋のろうそくを吹き消す
「お前が約束を守らないからお仕置きだよ」
そう言うとサタンは入口のドアを閉めた
「おやすみアルル」
扉の閉まる音がするとアルルは力を振り絞って手を引っ張った
手を括りつけた紐は、動きはするものの全くはずれることがない
ヒタ・・・ヒタ・・・
何かが近づいてくる
アルルは焦ってガタガタと音を立てて手を引っ張った
その音に誘われるように何かは近づいてきた
ギィッ
アルルはベッドが大きく軋むのが分かった
「いや、来ないでえ!」
アルルは見えない相手へ祈るように言った
何かが足に触れる
そして足と足の間に何かが押し入ってきた
「お願い・・・お願い・・・」
何者かの手がアルルの頬へと添えられた
その手は硬質な鱗のような肌ざわりだった
押し開かれた花へ何かが宛がわれる
アルルはただ泣き叫ぶだけだった
「化物」と
「君が全てを思い出して私を殺してくれることを・・・心から願っているよ」
化物は耳元でそう囁くと娘の胎へ凶器を捻じ込んだ
「いやぁああああ!!」
娘の悲鳴が響きわたり、長い夜が始まった




終わり

index