おまけ2

5-974様

「アイスストームッ!」
「なによ、どこを狙って……!」
ボクは、アイスストームを唱えた。手足の自由を奪われたままだと、その制御にかなりの集中力を使う…!でも狙いはルルーじゃない。
「あらっ、ちょっとっ!」
そう、アイスストームはルルーに向けてではなく、ルルーが持ってる鞭に向けて放ったんだ。
見事に命中したそれは、カチンコチンに凍りつき、自分を狙ってたと思ったルルーは驚きの色を隠せないようだった。
ルルーの意識が鞭に向いてる今がチャンス!
「ライトニング!」
「きゃっ、きゃぁ――――っっ!」
いくらファイヤーをはじく筋肉ゴリラ女のルルーでも、これは効いたはずだよ!ルルー自身にダメージを与えるよりも……。
パリィーン……!
乾いた余韻を残して、ルルーの手から離れた鞭が床に落下し、超低温のカチンコチンの鞭は木っ端微塵に砕け散る。ライトニングの目的は、こっちだ。
「やった!」
「こ、こんのぉ〜っ!絶対許さないっ!!」
怒り心頭でボクに向かってくるルルー!今だっ!!
「ブレインダムドッ!」
「フニャァ〜……」
やった、やったぁっ!成功するか不安だったけど、花丸が付くくらい大成功だ!!
……失敗してたら、今度こそボクの命はなかったかも……。今更ながら恐ろしくなってきたよ。
「さ、ルルー。ボクを自由にしてよ」
「はいぃ〜」
間抜けな返事をするのーみそぷーのルルーは、自分で考えることができずにボクの言いなりだ!
カシャカシャカシャン!
手足の枷が全部外され、ボクは自由に…!
手首、足首も、ずーっと枷で拘束されたまま鞭で無数に叩かれて暴れちゃってたから、枷と擦れたりして擦り傷や捻挫みたいな痣もできちゃってた……。痛いぃ……。
「ダイアキュート…ヒーリング!」
何度も皮膚が破れ、血を滲ませ、最後まで全身を真っ赤な鞭の痕が覆っていたボクの体が、ようやく無傷の状態に…!
「ん…んーん……」
ずっと万歳の格好をさせられていたボクは伸びをして、自由を実感する。
「ハッ、きゃぁっ!」
…ボ、ボクは素っ裸だったんだっけ……。痛みが消えたとたん、今更ながらものすごく恥ずかしくなってきて、ボクの顔がカァ〜ッと熱くなるのがはっきり分かった。
極限まで追い詰められて冷静になれるような状況じゃなかったのは確かだけど、なんで…なんでもっと早くこの方法を思いつかなかったんだろう……。ボクのバカ……!
手足の自由を奪われて、ボクの攻撃が効かないルルーに威圧されてとことんまで責め抜かれて……まるで洗脳されたかのように、ボクはなすすべもない無力なただの女の子なんだって、ずーっと思い込まされてたよ。
ボクは、まだまだ未熟な魔導師なんだなぁ……。ルルーにあんな目に遭わされたのも、自業自得……?
とは言っても…さすがに……。
ボクは振り向いて、ボケェ〜っとした間抜けな顔のルルーを見る。あまりに顔が間抜けすぎて怒りも消えちゃいそうになるケド。
ルルー……!!ボクの当初の目的、今こそガツンと…!
「とどめっ!」
「ちょっと待ったぁ!」
「誰っ??」
突然、ボクとルルーの体を光が包み込んだ!光が収まると、ボクは服をまとってる!?ルルーにびりびりに破かれたはずの服を……。
一方のルルーは、ボクのブレインダムドの効果を解除されたみたいだ。

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