no title

2-104様

「…見てたよ」
シェゾの背後から声がした。
振り向くと先程犯した筈の少女が立っていた。
いや、正確には違う。赤いアーマーに身を包んだ同じ顔をした他人だ。
「…お前か。もしかして妬いてるのか?」
「…別に。ボクはそういう事には興味は無いよ」
くるりと背を向け立ち去ろうとする彼女の腕をシェゾはぐいっと掴み抱き寄せた。
「…こういう事をしても無駄だよ。ボクは君に特別な感情は持っていない。」
その言葉とは裏腹にシェゾは彼女の体が微かに震えているのを感じた。
男を知らない少女特有のものだった。

シェゾの指先が滑らかな首筋を撫でるとアルルは小さく吐息を洩らした。
「あ…やめろっ…」
堅く体を強ばらせながら睨み付ける彼女に構わず薄く色付いた唇を塞ぐ。
ぴくんと腕の中で彼女が震えた気がした。
舌でちろちろと唇を舐めてそのまま差し入れる。
彼女の小さな舌を捕らえると唾液を絡ませるように優しく舌を動かした。
「ん…」
アルルの喉が小さく鳴り、彼女の手はシェゾの指をきゅっと掴んだ。
シェゾは唇を離しアルルの耳元で囁いた。
「いつでも教えてやる」
「…最低だ」
アルルはシェゾの手を振りほどき走り去った。

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