小ネタ

5-851様

よく響く足音で私は目覚めた。
ひどく冷たい石畳の上で全裸のまま失神してしまったらしい。
数本の蝋燭の灯りだけが照らす暗い部屋の中身を起こそうとしたけど、後ろに鎖で縛られた手首と足枷をきつくはめられた足首が邪魔をした。
「んっ…」
いくら肉体を鍛えようが、魔力がない私にこの特殊な鎖をひきちぎることはできない。
足音は徐々に大きくなっていく。
早くしないと、あの方にだらしない姿を見られてしまう。
そのとき私はまたあの方に「お仕置」をうけてしまうだろう。
…実際は双方ともそれを強く願っているのかもしれないけど。
ガチャリ。
扉が開き微かな光が差し込み、あの方が入って来てしまった。
無言で扉を閉じ、再び部屋を闇が支配した。あの方の顔は闇の中でよく見えない。
「ルルー」
「サタン様…」
バシッ。
「きゃあっ!」
背中に鋭い痛みが走る。
私に弁解をする僅かな時間も与えず、サタン様は俯せに近い姿勢だった私のむき出しになった背中を鞭でうった。
「私はこんなところで寝ていいと許可を出した覚えはないぞ」
「でも、もとはといえばサタン様が私を放置なさったのがいけませんのよ」
「お前が私に口答えをするとはな」
何度も何度も背中だけでなく、同じようにむき出しになった尻にも鞭を浴びせ、その都度私は苦痛に声をあげた。

鞭を振い終わった後も石畳の上で痛みに耐える私に、サタン様が口を開いた。
「もういいだろう」
部屋のどこかに鞭をしまい入れ、代わりに何かを取り出すような音が聞こえる。
私があれ程力を込めても無意味に終わった足枷を簡単に外すと、私の眼前に男根を模したような形のものを突き出した。
「どうなさいますの?」
答えはわかっているけどあえて質問した。
「ふん…」
サタン様は答えずに私の脚を大きく広げ、まだろくに濡れていない秘部にそれを強引を押し込んだ。
硬くて冷たい。
「んっ…」
入れてから最初のうちはただの異物感しか無い。
サタン様は床に転がる私を見下し何か呟いた。
途端に私の中のものが震えだす。
「お、おやめ下さい!ああっ!」
まだ濡れていないそこの振動は異物感と鞭とは違う痛みしか与えない。
サタン様が私の後ろに回て座らせた。
既にしびれきった手の鎖を解き、赤く熱を持った背中に密着し、そこから両手を私の胸部に伸ばした。
「んん…」
じらすかのように、肝心のところには触れないで私の乳房を揉みしだき、私は痛みと緩い快感で思考が散漫になってまともな発声もできない。
邪魔だった中のものも愛撫で秘部が潤み始めにつれ今度は振動が気持ちいいものに感じてきた。
そんな時間が何分も続いて、私のもう意識がぼんやりとしてきた頃、突然サタン様が乳首を指先で転がした。
「あぁっ!」
強い快感で一気に現実に引き戻された。
背中の痛みも途端に引いている。
おそらくサタン様がヒーリングでもかけたのだろう。
痛みが消え失せ私の体を支配するは快感だけになった。
先程とはうってかわり、サタン様は重点的に乳首を責め続ける。
中のそれも振動の強さが上がった。
「いやぁサタンさまぁ、もう…」
言葉とは裏腹に、肉体は絶頂の瞬間を求めている。
サタン様の右手が私の下腹部に伸びた。
「あぁんっ、サタンさまぁ!」
サタン様が私の中のものを引き抜いた。
「あぁ…」
左手も放し立ち上がる。
絶頂を迎えられず疼く私に再び鎖と足枷をつけた。
これでもう自分で慰めることもできず、ひたすら耐えるだけになった。
いつもサタン様は極力自分の手を煩わせず私が苦しむ姿を見て楽しむ。
あまりにも残酷な仕打ちに、私は哀願した。
「サタン様、どうか、どうか…」
そのとき蝋燭の光がサタン様の顔を照らした。
どこまでも冷酷な眼をしている。
なのにぞっとしてしまうほど美しい。
こんな表情と眼はきっとアルルにも、他の者にも見せないだろう。
こんな責め苦を受けている私だけのものだ。
「ルルーよどうしたのだ?まさか元の生活に戻りたいのか?」
黙った私にサタン様は問う。
被部をいやらしい汁で汚しながら私は首を横に振り笑いかけた。
サタン様のこの表情と眼が私だけのものでなくなる恐れに比べれば、奴隷に耐えることなどたやすい。
「いいえ…私はサタン様にこれからもずっと奴隷としてお仕えしますわ」

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