2ch『ドラマ・ラズベリー賞』スレッド辞典


 2ch・ドラマ・ラズベリー賞スレッド(通称:ラズスレ)で飛び交うちょっと一般的にはわかりにくい用語や、スレのルール・賞の概要などの詳細、これまでのラズスレでおきた印象的な事柄など記載します。

2006.2.24 初版


あ行

 ラズスレ内でよく交わされる語彙のひとつ。
 対象となる作品・団体・個人などに対し「〜には愛を感じる」などと使われる。

愛愛
 『愛するために愛されたい』の略語
『愛するために愛されたい』

悪魔くん
 『恋して悪魔』の愛称→『恋して悪魔』

『愛するために愛されたい』
 2003年7月に放映された木曜9時のTBSドラマ。第3代殿堂入り作品。

 ドラマを構成する全ての要素がものすごい勢いで間違い続け、数々の名フレーズ・名キャラクターを世に残し、いまだにネタ化される伝説の作品。
 現時点での最多・17部門の同時受賞を成し遂げている。
 →詳細

青空カツユキ
 2004年7月期最終回賞を獲得した、東海テレビ制作の昼ドラ『女医・優』最終回・最終シーンの演出のこと。

 同スレ182氏によりそのシーンの画像が貼られると、そのあまりにもベタな、時代錯誤的な演出にスレ住人が狂喜乱舞し祭りとなった。
 →詳細

甘酸っぱい
 ラズベリーの味覚。ラズスレでは、転じて評価対象の「ラズ」さをあらわす語。
 「〜の甘酸っぱさは…」「甘酸っぱい空気が広がった」などのように使う。

犬死賞
 犬死したキャラクターに贈られる賞。非常設賞。受賞名義は「役者名」。
 “ドラマの中の世界”において犬死にしたことはさほど関係が無く、ドラマを見ていた視聴者にとって「あっけに取られる」「意味不明」と思われた死に様を、ラズスレにおいては犬死にと評価している。

 と、言ってもなかなか定義があいまいな上、たいていのドラマで死人が出る現状においては議論が紛糾する事も多く、2003年・2004年それぞれ10月期においてスレが荒れる原因ともなった。

演出
 脚本・役者・舞台・音楽その他様々な要素をひとつの映像作品としてまとめる仕事。撮影した映像に対する最終判断をする立場である。

演出家
 制作者の企画や脚本の意図に沿った内容となるように演出を行いドラマを制作する現場の統括責任者。
 演出家・監督・ディレクターなど様々な呼び名があるが、ラズスレにおいては、便宜上「演出家」で統一している。
 たいていのドラマの場合、「演出チーム」を組み、演出プランを統一した上で担当を割り振ったりサポート体制を取るなどしているが、その組織体系はドラマ毎、また制作局・会社毎異なる。

演出賞
 最もラズな演出を行った演出家に与えられる賞。常設賞。受賞名義は、担当がはっきりしている場合は「演出家名」、不分明なときは「作品名」。

音楽
 ドラマ内で使用される音楽を指す。
 ラズスレでは「主題歌」「挿入歌」「BGM」に分け、それぞれ「主題歌賞」「挿入歌賞」「音楽賞」として評価する。
 効果音については、特別にそれだけを評価する項目は無いものの、「演出の一部」として評価する傾向にある。

音楽監督
 ドラマ内の音楽部門を担当する責任者。

 音楽使用の決定権は演出家にあり、タイム出し・挿入箇所・どんな音楽を使用するか等決定されるため、音楽監督という意味合いよりも「雇われた作曲家」という言葉のほうが近い。

音楽賞
 ドラマ内で使用されたBGMに関して贈られる賞。常設賞。受賞名義は「作品名」。

 音楽監督の項で述べたように、ドラマ内で使用される音楽の決定権は演出家にあり、音楽監督の役割は一部であるという観点から、受賞名義は「作品名」になっている。
か行

カップリング賞
 ドラマに出てくるカップル・コンビ・グループ・団体を表彰する賞。常設賞。受賞名義は「(該当する)役者名」。

 当初は純粋なカップル(コンビ)の「二人組」を評価する賞であったが、2007年4月期「夏雲あがれ」の三人組を期に、ドラマ内で明確に団体を形成していれば、人数にはこだわらないで表彰する部門となった。

期待賞
 対抗候補との賞争いには敗れたものの捨てるには惜しい候補で、特に「次ぎ」を期待できるものに対して贈られる賞。

 ラズスレ創設の2000年7月期、脚本家・山崎淳也に送られ、「次ぎに何をやるのか」期待することはもちろん、「このまま消えてくれるのも」期待するというのが当初の趣旨だった。
 現在、この賞は創設されていない。

脚色
 小説・アニメ(マンガ)などを脚本に書きかえること。ラズスレにおいては映画やリメイク作品など原作がすでに存在している作品であれば、全て「脚色」として扱う。

脚色賞
 脚色に該当する脚本家に与えられる賞。常設賞。特段の事情がない限り受賞名義は「脚本家名」になる。

 純粋な脚本としての出来はもちろん、原作との比較など、脚色ならではの選考面もある。

脚本
 場面・状況・セリフ・演技等、ドラマを形作るシナリオ。
 時間的な制約や企画意図を踏まえた上で、各話毎また全体的に、物語として盛り上げ齟齬が無いよう書く。

脚本家
 脚本を書く人物。作家と記されることもある。
 大河や一部作品(大御所と呼ばれるような作家の作品など)ではひとりの脚本家が全て書き上げるが、特に1クールのドラマでは複数の人物が携わることが多い。

 発注者(たいてい制作者)の依頼あっての仕事という点では「演出家」と同じ。

脚本賞
 オリジナル作品の脚本家に与えられる賞。常設賞。受賞名義は、特段の事情が無い限り「脚本家名」になる。

 周囲の事情などは抜きにして、純粋に脚本の出来だけを評価する。

キャスティング
 配役すること。
 どのようにキャスティングされるかとなると、企画の段階から決まっていることもあればどこかからの推薦やオーディションなどのこともあり、一概に誰が決定に携わったかまではわからないこともある。

キャスティング賞
 キャスティングを評価する賞。常設賞。受賞名義は基本的に「作品名」になる。

 演技の内容やセリフなどは、それぞれ相当する俳優の部門賞や脚本演出賞で評価することになるため、キャスティング賞においては単純に「なぜこんな配役したんだろう?」という点においてのみ選考する。

ぐっさん
 ラズスレ内においては、俳優・坂口憲二の愛称。

 愛愛・弟・医龍など、本人の性格に会わない役柄、特に「クール」「エリート」「過去にトラウマを持つ」役でとんでもないラズ的破壊力を持つが、往々にして絡むことが多い裸体シーンがさらに威力を増大させる傾向にある。
 素に近い役柄だと、結構はまったりそつなくこなしてたりする。

グランプリ
 各部門などでの評価を超えて作品全体が「ラズ」だなと、多くのスレ住民が判断した場合に贈られる賞。受賞名義は「作品名」。

 作品賞の概念と似ているところがあるが、グランプリはより多くの賛同意見および他を圧倒する破壊力・インパクトを必要とする。
 またグランプリ自体は「非常設賞」であり、必ずしも毎クール選ばなくてはいけない賞ではないという点などに違いがある。

栗P
 フジテレビ・ドラマ局副部長(2006.1現在)、プロデューサー「栗原美和子」女史の略称。
 2008年1月の時点で通算ラズ受賞数8回を誇る、個人最多のラズホルダー。

 ラズスレにおいては「溢れるばかりの自己愛の人」という評価がされており、決してスレ住人全てに愛される存在ではないが、彼女が仕事をするとどうしてもやらかしてしまうので注目せざるを得ない。

クール
 テレビ界における、「3カ月=1クール」とする期間。

クレジット(タイトル)
 オープニング・エンディングで、スタッフやキャストの名を記す字幕。
 正式には「クレジットタイトル」と呼ばれるが、単に「クレジット」で通じることが多い。

クーロン
 『九龍であいましょう』の略語。
 →『九龍であいましょう』

『九龍であいましょう』
 2002年4月期、テレビ朝日系の深夜枠で放送されたドラマ。第2代殿堂入り作品。

 原作は柴門ふみ同名コミック。内容自体も本来もっと注目されておかしくない出来なのであるが、結局主演・河村隆一に全てかき消された形。
 特に最終回の一気の畳み込みは「ヘタレさ余って可愛さ100倍」を最も体現しているとまで評価を受け、同氏が奏でる主題歌も受けに受け、河村氏に初代「ラズの至宝†」が授与された。

月9
 フジテレビの看板ドラマ枠「月曜夜9時」の略。

香ばしい
 作品・人物など、評価対象のラズベリー度をあらわす言葉。
 ラズスレでは、評価の方法のひとつに「匂い」で比喩する手法があり、「香ばしい」は高いラズ評価の時に使われる。
 「〜は香ばしい」と使用する。

功労賞
 ドラマ界およびドラマ・ラズベリー賞に対する長年の功績をねぎらって贈られる賞。非常設賞

 現場の一線を離れることになるスタッフや消滅する放映枠などが対象となることが多く、受賞名義はその都度検討されて決まる。

 2004年1月期、長年月曜10時にドラマ枠を持っていた読売テレビが、ついにドラマから撤退したことに際し創設された。
 もともと裏番組の強いこの枠で挑戦的なドラマを作りつづけただけでなく、ラズスレ的にも数多くの話題を提供するドラマを産み出していたことも評価された。

『恋して悪魔』
 2009年7月期、火曜9時・関西テレビ枠で放送されたドラマ。第5代殿堂入り作品。

 初回放送から、そのあまりな設定とマッチさんに代表される揃いも揃った棒軍団に多数の住民が悶絶。
 その後も、回が増すにつれネタの数々を提供し、決して日和らず、正面から堂々と玉砕していった作風が圧倒的な支持を得る要因となった。

ゴールデンラズベリー賞
 アメリカ映画界において、その年「最悪」と評される作品・人物・部門等を表彰する賞。

 豪華絢爛なアカデミー賞の前日に、低予算でこっそりおこなわれるこのイベントは昨今知名度も上がり、当『ドラマ・ラズベリー賞』創設への足がかりとなった。
さ行

最終回賞
 ラズスレ的に最も印象的な最終回だったドラマに贈られる賞。非常設賞。受賞名義は「作品名」。

作品賞
 各分野を総合して、全体にラズ要素が垣間見られる作品に贈られる賞。常設賞。受賞名義は「作品名」。

 グランプリというまでには支持が集まらなかったものや、特定の分野にラズ要素が偏らなかった作品が受賞するケースが多い。

視覚効果賞
 ドラマの映像における、CG・SFX・撮影や演出手法・ライティングなどの『技・テクニック』を評価する賞。非常設賞。受賞名義は「作品名」。

 もともとはCGのみを評価する特殊効果賞がベースであり、2004年7月期の「逃亡者」でドラマ内の映像全般を評価する部門となった。
 以降、技術的なもののみならず作中に登場する小道具やセットもこの賞で評価していたが、2007年4月期の「ゴム象」を期に、『物』は美術賞・『技』は視覚効果賞と別個に評価することとなった。
→(参考)美術賞

至宝
 ラズの至宝†の略語。至宝†とも略される。

主演男優賞
 主演男優に贈られる賞。常設賞。受賞名義は「役者名」。
 主演・助演の判断については、基本的にジョン基準で判断する。

主演女優賞
 主演女優に贈られる賞。常設賞。受賞名義は「役者名」。
 主演・助演の判断については、基本的にジョン基準で判断する。

主題歌賞
 ドラマに採用された主題歌について評価する賞。常設賞。受賞名義は「(楽曲を提供した)アーティスト名」。

 タイアップやバーターの多い昨今の主題歌事情においては、選択に際して演出家の意思が入りこむ余地は余りない。

将軍
 2007年1月期「華麗なる一族」に登場した鯉型ロボット。
 放送初回時に登場するや否や、そのぎごちない動きとアップのなが回しからにせもの感が丸だしで、2chを越えネット・新聞・テレビ批評番組等様々なメディアで報道された。
 最終回ではエンディングロールに重なる形で「将軍の最後」が飾られ、スタッフの将軍に対する思い入れも垣間見られた。

 非生物としてはもちろん、非人間として初の助演男優賞他、制作者賞演出賞視覚効果賞最終回賞など多くの受賞に貢献した。
 →詳細

称号
 ラズスレにおいて馴染みの、役者・スタッフ等個人に対してつく愛称。
 当初は「貴公子」「女王」「王子」など一般的にもわかりやすい称号がつく傾向にあったが、最近では一目ではわかりにくいものがついている。

常設賞
 賞のカテゴリーのひとつで、(基本的には)毎クールごと選ぶべきスタンダードな賞。

 非常設賞では、該当するものがいなければ賞の枠そのものが設けられないのに対し、常設賞では枠自体は「(このクール)該当なし」として存在させる違いがある。

助演男優賞
 助演男優に贈られる賞。常設賞。受賞名義は「役者名」。
 主演・助演の判断については、基本的にジョン基準で判断する。

助演女優賞
 助演女優に贈られる賞。常設賞。受賞名義は「役者名」。
 主演・助演の判断については、基本的にジョン基準で判断する。

ジョン基準
 主役や脇役等ドラマの配役について、雑誌「ザ・テレビジョン」で発表される配役を基準にすること。

 なにも「ザ・テレビジョン」を特別視しているわけではなく、同誌が載せる配役は制作会社・TV各局から直接提出されたものをそのまま載せるため、スレ住人側が制作側の配役の意向を理解するには、これが一番客観的であろうということから採用された基準である。

 俳優部門における主演・助演の割り振りは基本的にこの基準で行うが、絶対にジョン基準に従わなければならないというわけでもなく、特に初期のころは協議によって枠が変更されるケースも存在した。


 また、ドラマをどのクールで審査するかについて、「ザ・テレビジョン」のドラマ・アカデミー賞にノミネートされた箇所を基準にするケースがあるが、これも上記とは別の意味で「ジョン基準」と呼ばれる。

序列
 出演する俳優の格付け順位。同じ部門に複数スタッフがいる場合も同様。
 主にクレジット時の登場順序や補足(友情・特別出演など)において、制作者の思惑や現場の実情が汲み取れる。

 詳しい序列のみ分け方は、ドラマ板・大河板・時代劇板の「序列検証」スレッドなどを参照。

新人賞
 テレビドラマには初出演と言える出演者を評価する賞。常設賞。受賞名義は「役者名」。

 映画・劇場の出演の有無は関係なく、例えその筋ではベテランであってもテレビドラマになじみがなければ新人扱いとなる。

制作者
 ドラマを制作した団体・人物。ラズスレではたいていの場合プロデューサーを指すが、放映したドラマ局を含め制作会社等を指す場合もある。

制作者賞
 制作者に与えられる賞。常設賞。受賞名義は「制作者名」であり、ほぼ「プロデューサー名」だが「制作局」「制作会社名」「作品名」の場合もある。

 企画・起用・宣伝など制作者ならではの仕事が評価される傾向にあるが、制作者としての発言がラズとして評価されたこともある。

挿入歌賞
 主題歌とは別に、劇中で流れる挿入歌に対して表彰する賞。非常設賞。受賞名義は「(楽曲を提供した)アーティスト名」。

 主題歌同様、その採用に関しては現場の意思が反映されないこともあるが、挿入歌の場合、どのようなタイミングで劇中に使われたかも重要なポイントとなる。

続編・リメイク賞
 過去ドラマ化された作品のリメイク版や、シリーズ化された作品の続編になるものに関して表彰する賞。非常設賞。受賞名義は「作品名」。

 ドラマのアイデアがネタ切れした昨今、ますます過去のリメイクや安易な続編物がでると想像され、2004年1月期・『砂の器』において初めて導入された。

 当時は「ラジー賞」の影響を受けて「(最低)」という接頭語をつけていたが、後に「そのように、一方的に素材を否定する言葉は、ラズスレの趣旨にそぐわない」という考えから、同年7月「逃亡者」の受賞以降、「(最低)」の部分は消去することとなった。
た行

タイアップ
 CM・番組・映画などと提携・協力して、曲・アーティストを売りこむ手法。ドラマでは主に主題歌・挿入歌の選定に関わって行われることが多い。
 (曲を)使う側と使われる側が対等な関係になるとは限らない、という点で「バーター」と異なる。

大根
 「大根役者」を指す略語。
 ラズスレの役者部門の賞争いにおいて、大根であることは無視出来ないがさほど重要なことでもなく、単に大根なだけでは逆に評価されない傾向すらある。

タイトルバック賞
 タイトルバックについて評価する賞。常設賞。受賞名義は「作品名」。

 ラズスレにおける「タイトルバック」とは、オープニングおよびエンディングの、ドラマのタイトルや出演者・スタッフを表示するパートを指す。

武田ネ申
 元Jリーガー、現タレント・サッカー解説者、武田修宏の愛称。

 本格的なテレビドラマ初出演・初レギュラーとなった『愛するために愛されたい』で見せた、(棒)でありながら変な感情表現を持ちあわせ、ドラマ自体の異様な世界設定をも跳ね除ける存在感など、氏のあまりの怪演振りにスレ住人どころかドラマ板・サッカー板を巻き込んだ大お祭り騒ぎが発生した。
 第2代「ラズの至宝†」受賞者。

 このような評価をされながらも、後のバラエティ番組でドラマ出演のことを、少年のような表情で嬉々として語る彼の姿に、ネ申の存在を垣間見る人も多い。

駄作
 一般的な意味でもラズとしても出来が悪く、端にも棒にもひっかからないもの。

単発ドラマ・各賞
 単発ドラマの各種ラズを評価する賞。非常設賞

 2007年10月期、破壊力の凄まじかった単発ドラマが3本も現れたことで、これまで通り単発ドラマを特別賞で評価するのに無理が生じ、かといって単発ドラマを連ドラと同じ枠で扱うには条件が違いすぎることから、新たな受賞枠を創設させることとなった。

 作品・演出・脚本・役者・制作者など、既に存在する賞と同様な各賞が存在する。

ディレクター
 →演出家

殿堂(入り)
 あるドラマ作品が1クールで7部門以上の賞を獲得した場合、その作品を「殿堂入り作品」とする。

 「殿堂入り」はあくまでも『作品』に与えられるもので、俳優やスタッフ個人が殿堂入りすることは無い。(作品は例え続編が出来ても終了した時点で完結しているものだが、個人の場合、引退でもしない限り別の仕事をしつづけるため、あえて上限を設けるような「称号」はつけるべきではないという考え)
→(参考)『ラズの至宝†

(追記)
 2006年1月期グランプリを獲得しなかったものの「7部門以上受賞」の基準をクリアした『西遊記』『輪舞曲』、及び同4月期グランプリを受賞し基準をクリアしたものの殿堂入りに異論が出た『医龍』に端を発し、「殿堂入りに関する明確な基準の設定」が議論されている。未だ結論は出ていないが、「グランプリを獲得し(グランプリも含め)7部門以上受賞した作品に関して『殿堂入り』の動議が出される」ところまでは共通した意見。
 問題は「基準クリア・即殿堂入り決定」とするか否かで、決定すべきとするもの・議論を行うべきとするもので意見がわかれる。この議論に関わって「殿堂入りクラス分け(次点も含む)」「補足への明記」など新たな議論も起こっている。('06 7月現在)

 現在『ロングラブレター〜漂流教室〜』『九龍で会いましょう』『愛するために愛されたい』『東京湾景』『恋して悪魔』の5作品が殿堂入りしている。

トオル
 俳優・仲村トオル氏のラズスレ内愛称。

 1998年11月期・木10放送の『眠れる森』において、秘していたはずの真犯人役であった彼がいきなり初回で読まれまくり、「犯人はトオル」が本スレ内でネタ化するほどの愛されキャラ。
 ぐっさんのラズ的特徴とは真逆で、「寡黙」「影がある」「一匹狼」的役柄の時はあまりラズらしさは感じられないが、救命3や海猿の夫婦シーンなどで垣間見せるちょっとしたコメディ風や前向きで熱い役柄を演じるとラズ的破壊力が飛躍的に増大する。

東京湾景
 2004年7月期・フジテレビで放送された、『月9』ドラマ。第4代殿堂入り作品。

 栗Pが脚本まで手がけてしまったことで歯止めが利かなくなり、放映当初からラズスレでは作品自体愛せるかどうか賛否両論の状態であったが、伝説となった第7話、これまでのドラマ界には存在しなかった様々な手法を連発して以降風向きが変わり、豪腕振りに限らず細かい小ネタも含め、ほぼ満場一致の形でグランプリを受賞した。

特殊効果賞
 ドラマ内で使用されるCGについて表彰する賞。

 初のラズスレとなった2000年7月期「合言葉は勇気」で創設されて以降受賞者は絶えていたが、ドラマ内でのCG使用率の上昇から、2003年7月期『愛するために愛されたい』非常設賞扱いで復活させることとなった。

 後、CGのみならず撮影手法や特殊メイクなどもラズであると評された2004年7月期「逃亡者」のケースも踏まえ、視覚効果賞に吸収合併された。

特設賞
 ラズとしての評価は揺るがないものの、既存の賞の概念では解釈し切れないモノを表彰するために、そのクールに限り特別に設けられる賞。賞の名称も名義もその都度議論される。

 ラズスレ創世記の2000年〜2002年度までは度々見られたことだったが、数年の歴史を閲した今では突然新たな概念が誕生することも珍しくなり、ほとんど特設賞の動議が出されることはない。

特別賞
 特設賞のひとつ。

 (単発ドラマ・各賞ができるまでは)単発ドラマ・昼ドラ・全国放送が必ずしもされなかった作品が受賞することが多く、また常設賞において、複数の候補が乱立したり、受賞に関して賛否が解消されなかったとき、最後の選択としてこの賞を利用するといったことも多い。

 「特別に優れた賞」というよりも「特別な理由で受賞する賞」といった意味合いの方が強い賞であり、緊急避難的・救済措置的な賞とも言えるが、「特別な」賞なのだから受賞については慎重を期すべきという意見もある。

どっかーん
 2005年10月期「義経」最終回、義経自害から弁慶立ち往生に至るシーン。最終回賞受賞。

 一般的に義経という物語を語る上では欠かせないこのシーンがどのようなものになるか、放映開始当初から期待を持って見つめていた視聴者の想像をはるか斜め上行く超演出をみせつけ、スレ住人のみならず、義経本スレ、一部芸能スレをも混乱の渦に叩きこんだ。
 →詳細
 なお、このシーンはあくまでも「現実に」起きたことだと駄目押しするドラマ内の会話も、このシーンの破壊力を上げるのに一役買っていた。

ドレッサー賞
 ドラマ内での衣装やメイクに関して評価する賞。常設賞。受賞名義は「(該当するキャラクターを演じた)役者名」。

 純粋に見た目の勝負であり、中には裸を露出しすぎとして受賞した2002年7月期の例もある。
 通常は服装やメイク担当の人物が該当する賞だが、作品によってはその選択に役者が携わることもあり、その点では分明がしづらい。
な行
斜め上
 作品・演技などが、変な意味で視聴者の予想を超えて展開すること。

 普通の意味で「予想を裏切る」場合というのはたいがい肯定的に捉えられるものだが、「斜め上」いく場合、普通にドラマを楽しんでいる視聴者には不快なものとして映りがちである。
 逆にラズスレの住人たちにとってはそれを求めてやまない傾向にある。

 「予想の遥か『斜め上』行く出来(展開・演技)だった」のように使用する。

生暖かい
 対象を、一歩ひいた・皮肉的な・ラズとして見つめること。
 「〜を生暖かく見つめている」のように使用する。

狙い
 何らかの明確な意図・意志・目標を持った上で仕事をすること。またその上で出来あがったもの。

 どんな仕事であれ「狙う」のは当たり前なことではあるが、ラズスレでは特にその傾向が強い作品・役者を「狙っている」と強調する。
は行

破壊力
 ドラマの世界観を覆すような演技・セリフ・演出などのラズぶりを示す言葉。ラズスレ創世記には、受賞を検討する上での最大のキーワードになっていた言葉。

 インパクトなど使用される同種の言葉は多い。

バーター
 同じ事務所・関係者・友人等が、抱き合わせ・セットで出演したり使用される事を指すテレビ業界の用語。

 英語の"bater"「物々交換」から来たものではなく、テレビ界に良くありがちな、「束」を逆にして呼んだものが語源。
 ドラマでは、同じ事務所の看板スターとプッシュされている新人がセットで出演していたり、なぜか同じ事務所の楽曲が主題・挿入歌になっていたりすることが普通にあるが、たいていはバーターの結果である。

美術賞
 ドラマの映像における、小道具・舞台・セットなどの『物』を評価する非常設賞。受賞名義は「作品名」。

 2007年4月期に放映された特別ドラマ『奇跡の動物園〜旭山動物園物語〜』の「ゴム象」の審査を期に、これまでも多く存在した『物』のラズを独立して評価することになった。
→(参考)視覚効果賞

非常設賞
 常設賞にするほど、頻繁に受賞作が出るわけでもなく、重要性・必要性が高い部門でもないが、時折該当する作品や人物が現れる賞。

 常設賞が、受賞の有無に関わらず枠自体設けられつづけるのに対し、非常設賞は、受賞に値する作品・人物が推されたときに受賞枠が設けられ、何もなければ枠自体設けられない違いがある。

腐臭
 作品・人物など、対象に対する評価の表現方法のひとつ。
 出来が悪いだけでなく、露骨さやえげつなさに対して否定的な意味に使われることが多い。「香ばしい」とは対極にある語。
 「〜には腐臭が漂っている」などと使う。

プロデューサー
 ドラマ制作の最初の一歩目である企画立案から始まり、局上層部やスポンサーとの交渉・スタッフの人選から制作状況のチェックまで行うドラマの統括責任者。
 「P」と略して表記される。

 局やプロデューサー個人によって名乗る肩書きが変わったり、仕事の中身に差異もあるが、ドラマの全責任を負う立場であることに変わりはない。

編集賞
 未筆

(棒)
 極端なセリフの棒読みぶりを指す語。またそのような演技をする役者のこと。

 「オレノセイダー(棒)」とか「おねがいっ!(棒)」などセリフと組み合わせてネタ的に使われることもある。
 このような表現方法に一役買ったのは、2005年4月・7月期のRIKIYA・小林麻央の両棒読み巨頭で、ネタとして使われたのもこの両者からである。

ポイズン
 俳優・反町隆史の愛称。元ネタは自身が歌うドラマ『GTO』の主題歌「POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」から。

 氏が関連するあらゆる2chのスレではすでに使用されていた代名詞だが、ラズスレでは2002年大河『利家とまつ』の織田信長役以降定着した。
ま行

魔王
 タレント・小林麻央の愛称。

 2005年7月期『スローダンス』、主演・妻夫木聡の元カノ役としてレギュラーに抜擢。初登場時において、あまりの(棒)ぶりと、ただの大根とは一線を画す変な存在感が受けに受け、俄然スレの注目を浴びる
 彼女自身の演技力は回を重ねても揺るがない不成長振りだったが、ラズスレ住人の支持は回を重ねるたびに大きく圧倒的なものになっていった。
 ほぼ同時期にスクリーンデビューも果たし、魔王という異名は、はやくもラズスレだけに通用するものではなくなっている。

マッチさん
 タレント・歌手・レーサー、近藤真彦の愛称。

 『恋して悪魔』における、若手の抑え役なのに完全な棒演技や、設定とのあまりのずれっぷりから爆笑を誘い、ネタとも思えるドラマ内での立ち居振る舞いも受けに受け、3人目となるラズの至宝†に輝いた。

マトリックス
 2004年大河「新選組!」隊士・井上源三郎戦死シーンのこと。

 前週、藤堂平助の壮絶死を目の当たりにし、翌週の愛してやまない「源さん」の戦死シーンに期待をさせ、おそらくハンカチを用意して待っていたはずの新選組ファンに極北の冷気を浴びせた。
 ほぼ同時期、ラズスレに「弾VS刀」の瞬間画像が貼られ、圧倒的な支持を得た。
 →詳細
 大河板では今でも語られる迷シーンである。

睦月タン
 「逃亡者」「輪舞曲」「生徒諸君」「ドリームアゲイン」などを担当した脚本家・渡邉睦月の愛称。

 担当する脚本が驚異の高確率でラズベリー賞を受賞。それとともにラズスレでの注目度・認知度も上がった。
 (2009年10月現在)純粋な脚本家としては受賞回数最多の野島伸司に、若手ながらあとわずかに迫っている。

無話題賞
 「ラズスレ的に」最も無話題であった作品に対して贈られる賞。非常設賞。受賞名義は「作品名」。

 2009年12月現在、賞の定義は以下の通り。

  1. 放映開始前(または放映中)なんらかの要因で注目されていたこと。
    【注目性の要件】
  2. 放映開始後、期待に反し異常なほど話題性が乏しいこと。
    (話題性の乏しさについては、事前の期待度とのギャップにより決まる)
    【相対的無話題性の要件】
  3. 全体的に見て、無話題であったことが滑稽でラズ的な面白みを感じさせること。
    【ラズ性の要件】

 以上の要件が揃っている場合に「ラズスレ的に無話題」であると認定する。
 (要件Tについては、放映前には無風でも放映中ドラマの内容とは関係なく注目性が上がるケースがあることを留意する)

 世間一般での”無話題”なものであったかどうかとは関係がなく、視聴率の数字が極端に悪ければそれはそれで話題になったということで、「“ラズ”の無話題賞」には該当しなくなる。
 また、最初から宣伝が足りなかったり話題がなかったような作品は、結果「ラズスレで」無話題であったとしてもやはり該当しない。

 事前のアピールや前評判から世間的・ラズスレ的に期待をされていた作品が、結果世間的にもラズスレ的にも無話題になった作品に関して、「ラズの無話題」賞が与えられる傾向にある。

メイクアップ賞
 2001年10月期「スタアの恋」に贈られた賞。

 通常の化粧・メイクが評価された賞ではなく、最終回・最終シーン、数十年後の後日談で見せた藤原紀香・草なぎ剛の「老けメイク」に贈られたもの。
 映画の特殊メイクに相当する手法で作られたと思われる「老けメイク」は視聴者にかなりの違和感を持たれる出来であり、高評価に繋がった。
や行

ら行

ラジー賞
 ゴールデンラズベリー賞の略称。

ラズ
 ラズベリーの略語。
 ラズスレにおいては、「ラズベリー」より多用されている。
 「〜のラズぶりは…」「ラズ度の高さ」などのように使う。

ラズベリー
 キイチゴ。英語の俗語では「あざけり」「冷笑」「舌打ちする音」などの意味もある。
 ラズスレにおいては、作品・人物など、受賞対象に対するヘタレ具合や失笑感・違和感・破壊力などをひっくるめて表現した言葉。
 「感じ方」をあらわす語彙であって絶対的な指針があるわけではないから、あまり強調しすぎるとかえって賛同が得られない場合もあるので注意が必要。

ラズスレ
 「2ちゃんねる『ドラマ・ラズベリー賞』スレッド」の略。

 当初ラズスレはクール終了一月前に立て、集中審議する形で議論を密に、荒れることを防いでいたが、時間的・スペース的余裕もなくなってしまったことから、今の継続して立て続ける形式になった。

ラズの至宝†
 ラズベリー賞に該当する役者・スタッフ等個人について、受賞する部門の枠を超えて最高にラズを感じさせた対象者に与えられる賞。

 もともとは2002年4月期、「河村隆一」を「個人名義」でグランプリにノミネートする意見が寄せられたことに端を発し、作品に対する最高賞を「グランプリ」・個人に対する最高賞を「ラズの至宝†」と区別した。

 現在では作品の最高称号である「殿堂入り」に対する個人の最高称号として捉えられている。

 2009年10月現在、「河村隆一」「武田修宏」「近藤真彦」の3名が受賞している。

流行語大賞
 ドラマ内で連発される決め台詞やインパクトの強いフレーズなどについて判断する賞。非常設賞。受賞名義は「(使用された)セリフ・言葉など」。

 創設は2002年1月期、『人にやさしく』の「3ピース」との大接戦を物にした『プリティガール』の「(・∀・)シャンティ♪」。
 この賞争いを期に、ドラマ内でやたら連発される言葉や真面目に流行語を作ろうと狙いにいったがスベった言葉を取り上げて表彰してきた。

 昨今では、制作側の意図とはかかわりなくなんらかの原因で流行ってしまった言葉などが受賞する現象も珍しくない。

『ロングラブレター〜漂流教室〜』
 2002年1月期・水曜10時に放映されたフジテレビのドラマ。初代殿堂入り作品。

 梅図かずお氏原作「漂流教室」のただでさえ複雑に入り組んだテーマに、山口P流の「俺節」が加わり、宣伝・発言等煽りに煽って登場した第1話以降、2chのドラマ板を沸騰させる否一辺倒の祭りを起こす。
 結局最後に至るまで、手を広げすぎた伏線は解消されず、つっこみどころには事欠かない出来となった。
 「グランプリ」「作品賞」の同時受賞は、歴代作品でも唯一の快挙。
わ・ん

その他

B級
 一般的には二番目の等級、転じて二流を指す言葉。

 この言葉が映像作品の評価の言葉として普及したのは、映画の「低予算作品」を意味していた用語が始まりで、後に「B級映画の巨匠」など、低予算ならではの工夫・アイデア・ストーリーを高く評価する、本来の「B級」とは違うニュアンスの言葉が産まれた。

 ラズスレで多用される「B級」もどちらかと言えば映画用語のそれに近く、「特異な設定のドラマ」・「視聴者層を限定したドラマ」など「本格的な」・「普通の」ドラマとは異なるものを指す。

 →ディレクター

NSKD
 タレント・俳優、錦戸亮の愛称。

 2008年4月期『ラストフレンズ』の実況板発祥で、その後ドラマ内におけるキャラクター・怪演ぶりがネタ化され、一般化した。
 いわゆる2chの遊び言葉的用法から、錦戸→NiShiKiDo
→NSKDとなった。

 →プロデューサー

LLL
 『ロングラブレター〜漂流教室〜』の略称

1k
 『東京湾景』の略称