2005年度・受賞作品
  2005年・10月期 2005年・7月期 2005年・4月期 2005年・1月期
グランプリ 該当作なし 該当作なし 該当作なし 該当作なし
作品賞 義経
[NHK]
該当作なし あいくるしい
[TBS]
不機嫌なジーン、救命病棟24時
[フジテレビ]、[フジテレビ]
演出賞 村上正典木下高男
(1リットルの涙)
高橋陽一郎
(秘太刀 馬の骨)
該当作なし 不機嫌なジーン
[フジテレビ]
脚本賞 金子茂樹
(危険なアネキ)
衛藤凛
(スローダンス)
野島伸司★★★★
(あいくるしい)
倉本總
(優しい時間)
脚色賞 金子成人
(義経)
該当者なし 該当者なし 関えり香
(H2)
制作者賞 後藤博幸
(危険なアネキ)
該当者なし 該当者なし 山口雅俊
(不機嫌なジーン)
主演男優賞 該当者なし 該当者なし RIKIYA★★
(危険な関係)
該当者なし
主演女優賞 伊東美咲
(危険なアネキ)
該当者なし 該当者なし 竹内結子
(不機嫌なジーン)
助演男優賞 松平健
(義経)
該当者なし 前川泰之
(夢で逢いましょう)
仲村トオル★★
(救命病棟24時)
助演女優賞 石原さとみ
(義経)
小林麻央
(スローダンス)
該当者なし 長澤まさみ
(優しい時間)
新人賞 該当者なし 小林麻央★★
(スローダンス)
前川泰之★★
(夢で逢いましょう)
黄川田将也
(不機嫌なジーン)
キャスティング賞 危険なアネキ
[フジテレビ]
スローダンス
[フジテレビ]
該当作なし 該当作なし
カップリング賞 山下智久&亀梨和也
(野ブタ。をプロデュース)
該当カップルなし 木村拓哉&小雪
(エンジン)
内野聖陽&竹内結子
(不機嫌なジーン)
ドレッサー賞 国生さゆり・塩谷瞬・丸山智己
(デザイナー)
深津絵里
(スローダンス)
該当者なし 松嶋菜々子
(救命病棟24時)
音楽賞 該当作なし 該当作なし 該当作なし 救命病棟24時
[フジテレビ]
主題歌賞 奥村愛子
「くちびるセクシー」
(貞操問答)
該当者なし 該当者なし 及川光博
「愛のメモリー」
(富豪刑事)
その他受賞者・作品 【タイトルバック賞】
貞操問答
[TBS]

【挿入歌賞】
大塚愛
「プラネタリウム」
(花より男子)

【視覚効果賞】
義経
[NHK]

【最終回賞】
義経、1リットルの涙
[NHK]、[フジテレビ]
【タイトルバック賞】
秘太刀 馬の骨
[NHK]

【無話題賞】
いま、会いにゆきます
[TBS]
【視覚効果賞】
恋におちたら
[フジテレビ]

【最終回賞】
エンジン

【無話題賞】
エンジン

【特別賞】
赤い疑惑
[TBS]

【続編・リメイク賞】
救命病棟24時
[フジテレビ]

【視覚効果賞】
救命病棟24時
[フジテレビ]

【最終回賞】
不機嫌なジーン
[フジテレビ]

【特別賞】
RIKIYA
(DEEP LOVEホスト編)

総評  『局所的にみれば破壊力の高いラズ要素はあるものの、全体を通してみると不足気味或いは単に出来が悪いだけ』という2005年の傾向が、そのままあてはまった10月期。
 数々の印象的なシーンはありながらもグランプリを取る作品はなく、これで2005年は一年通してグランプリ不在というさびしい一年になった。

 もはやラズドラマを産み出す定番枠となった月9『危険なアネキ』からは、意外なことに個人としては初受賞の伊東をはじめ、毎回コスプレ・「離婚弁護士」天海祐希の1分出演・芸人レギュラー本人役でネタなど、あざといまでのゲスト出演で話題を作った点を評価された制作者賞とキャスティング賞、「胃がん→実は梅干」「選挙カーで人探し」など何を目指したのかが微妙だった脚本賞と、計3賞受賞。

 全体的には(普通の意味で)名作と評された『1リットルの涙』は、名作がゆえに第8話(通称「合唱」)・最終話(通称「行列」)ともに終盤の、なんとも言えない演出が際立つ結果となり演出賞と最終回賞を受賞した。

 このクールに至るまでにも度々名前の挙がっていた今年の大河『義経』は、最終回にスレ住人を狂喜乱舞させる大ネタを披露。最終回賞・視覚効果賞・脚色賞を獲得し、演出賞のかぶりを回避する意味もあったが作品全体のラズ要素が評価され作品賞を受賞。重鎮ながら大根さと女々しい弁慶を演じた松平、舞えず謡えず吹き替え使用の静役石原はともに助演賞と、計6賞受賞。

 議論の中心は上記3作品であったが、クールの序盤には期待された『野ブタ。をプロデュース』はつかみ所のない作風にレスが減り、最終回の結末からカップリング賞を受賞するにとどまった。
 急遽制作された割にはまとまっていた『花より男子』からは、曲のかかるタイミングやドラマとの不似合い振り・その他諸々評価され挿入歌賞を受賞。
 昼ドラファンには黄金コンビと言わしめた『貞操問答』『デザイナー』からはそれぞれ、一見してわかるおもしろタイトルと時代設定から明らかに浮いている主題歌のタイトルバック賞・主題歌賞、ファッション界を描きながら途中から訳わかんなくなったとスタッフが語った国生担当をはじめ、子供に無理やり着せた感のある塩谷担当、ロンゲやスタイルが変な意味で存在感抜群だった丸山担当へドレッサー賞を授与した。

 ※…視覚効果賞『義経』をクリックすると、最終回の大ネタ(の一部)を詳細したページに行きます。
 夏期でありながら、スレ史上1・2を争う不作となったクール。

 狙いに行った作品が多かったのか、原作付き作品が多かったからなのか、スレの話題を占めていた「女王の教室」「電車男」も賞争いにほとんど絡むことがなく、結果「スローダンス」と「秘太刀 馬の骨」の2作のみから受賞作が選ばれた。(無話題賞は除く)

 このクールでうまれた最大のスターは、『魔王』の異名を頂戴した小林麻央。あまりの「棒」ぶりに、「歩く姿まで『棒』」と言わしめた演技力は初登場時から祭りを巻き起こし、このクール唯一満場一致で助演女優賞と新人賞を獲得した。

 その『魔王』を産んだ「スローダンス」は、設定などのぬるさが評価された脚本賞、30代の服飾店長としては無理があった深津のドレッサー賞、「魔王」をはじめとした数々の起用が謎であったキャスティング賞を獲得。ラズスレにおける月9の注目度の高さを示した。

 あまり注目度の高くない金曜時代劇から現れた「秘太刀 馬の骨」。放映開始直後のレスから注目され、あんまりな小道具や意味不明なCGが評価された演出賞、やはりわかりづらかったタイトルバック賞を獲得と、クール後半のスレを盛り上げた。
 あまりにも不作過ぎて逆に荒れなかった稀有なクール。グランプリをはじめ各賞が該当なしとなる淋しい結果となった。

 そんな中、前期特別賞を受賞したRIKIYAは印象的なセリフや立ち居振舞いなどが評価され、圧倒的な支持を受け昼ドラ史上初の主演男優賞を受賞。『棒』の代名詞で人気を博し、「主演に絡み途中退場する相手役は大根」のジンクスを継承した前川は、やはり住人を唖然とさせる印象を与え、助演男優と新人のW受賞を飾った。

 放映開始当初からネタには事欠かなかった「あいくるしい」。脚本を筆頭として全体的な要素にラズテイストが加味され作品賞に推されるものの、突出した印象はなくグランプリ獲得までには到らなかった。

 事前の期待感を裏切る形になったエンジンはそれでも最終回に小型の爆弾が炸裂し、それまで圧倒的に支持されていた無話題賞に加え最終回賞とカップリング賞を奪取。同じく様々な形で期待されていた恋に落ちたらは終盤失速。マトリクス風味のCGなどが評価されたにとどまった。

 通常の連ドラであればかなり賞レースに絡んだであろう「赤い疑惑」は、有り得ないセリフや中途半端な時代設定がスレ住人の心を掴み特別賞を受賞した。

 局地的なヒットには恵まれたものの、全体としてみれば小粒感の漂う微妙なクールとなった。

 グランプリレースは「不機嫌なジーン」「救命病棟24時」を軸に激しい議論が戦わされたがいずれも決定打を打ち出せず、結局作品賞の同時受賞という線に落ちついた。

 その他賞レースは、この2作に「優しい時間」を加えた3作品が軸となって選考されたが、奇しくも全てフジテレビ制作であった事は注目に値する。

 トオル賞創設の勢いすらあった仲村トオル、トオルの対抗となってしまった事が不幸ではあったが印象度は抜群だった内野、「…にょ〜〜ん」でスレ住人の心を鷲づかみにした及川、相変わらず話題に事欠かないDeep Loveにおいても一際存在感を示したRIKIYAなどの奮闘ぶりや、救命のおにぎり、優しい時間の死神タトゥー、怒りのレスが殺到したジーン最終回など、印象的なシーンには事欠かないクールではあった。
受賞者名が個人名の場合は個人が、作品名の場合は該当制作スタッフが受賞とする。

個人(またはグループ)が獲得した賞1つにつき、以降5回で、10回でを表示する。
(ドレッサー賞はスタイリストに与えられるという考え方もあり、受賞回数に含める事は避けた。)

():作品名
[]:テレビ局
【】:賞名