義経 最終回の奇跡

『どっか〜ん』と『ハリボテ弁慶』


 NHK大河がまたやってくれた。

 上画像は、義経・最終回におけるクライマックスシーン、義経自害直後からの連続画像である。

 義経が自らの首を掻き切った刹那、まばゆいばかりの青白い光が溢れ、御堂を満たし、やがて『どっか〜ん』という大音響とともに、光の束が御堂の天井を突き破る。(@)
 それは天高く舞い上がり(A〜C)、やがて収束し(D)、馬のいななきを思わせる音が響く中『白馬』の姿に結実する。(E)

 このあまりにも唐突なファンタジー演出に、義経本スレ・ラズスレともに祭りが巻き起こった。
 以下は、スレの祭りを賑わした『どっか〜ん』を象徴したAA達。

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/  l|l  ( つ つ
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|      | 新しき国 |
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 (( .|| ||| ||  ))  ドッカーン!!
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    ||  田  ||
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 この場面を担当した演出家・黛りんたろう氏は、NHKの公式HPで以下のコメントを載せた。

 義経が自害した後に、持仏堂の屋根から“白く輝く光”が噴き出すという演出は、脚本の金子成人さんとの打ち合わせで出てきたものです。もともと義経は“光”だという思いがありました。 それも、マグマのようなエネルギーにあふれている。そんな人物が命を絶ったからと言って、その場ですべてが終わるとは思えない。必ずものすごいエネルギーの爆発が起き、“光”となって鞍馬に向かって天翔けていく。 これが、金子さんの中にも僕の中にも、はからずして同時にあったイメージだったのです。

 常人には理解できない類まれなる発想を共有し、実際の撮影場面に反映させる両者の豪腕さに、筆者は戦慄を禁じえない。


 またこの『どっか〜ん』直後には、義経を語る上で欠かせない「弁慶の立ち往生」の名場面が待っていた。


 上画像は、スレ内では『ハリボテ』『ロボ』などと呼称された「立ち往生」の一部始終である。

 画像では多少わかりづらいかもしれないが、NHK公式HPによる撮影の様子では、顔の部分だけブルースクリーンを貼った弁慶姿の人形を使用し、後ほど別撮りした松平「弁慶」の顔部分を合成したものと推測される。

 明らかに作り物とわかる「人形」と松平のアップが交互に入れ替わるカメラワークは「人形」の違和感をいやがおうにも増す結果となり、壮大に奏でられていたBGMとあいまって、大河ドラマ『義経』の中でもっとも盛り上がるべき場面にむず痒い空気を漂わせることになった。


提供:●●ドラマ・ラズベリー賞/2005夏[7/10]〜●●、>993氏