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BUTTON.2
全ての光を闇が覆う夜
部屋からこぼれる明かりをあびて
哀しげな君の姿が僕を苦しませる

あいつのために流してる涙に
嫉妬しながら
決して僕のために涙を流さない
君を抱き寄せる……

ブラウスのボタンに手を伸ばし
一つずつはずしていきながら
このまま君を奪う事ができるなら
僕は他になにを失ったっていい……
そう願っているはずなのに
はずす度に心が凍りそうになる

身体を硬くしたまま小さく震える君は
君に愛を語ることも 拒絶することさえも
出来ない僕への罰なのだろう……

はずしたボタンをゆっくり戻しはじめれば
君の安堵のため息が全てを物語る

愛する人の元へと返す君を見つめながら
ボタンの感触だけが僕の心をしめつけていく……
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photo by ©Four seasons
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